猫のような犬

犬によっては、まったく高いところに登らないのがある。
それに比べると、うちのセリ号は一緒に生まれた六匹の兄弟の内で一番早く子犬用の柵を飛び越えただけあって、活発な犬である。
最近は年を取ったのか大分大人しくなったが、この前、椅子を二つならべておいたのに乗っていたので、「よっぽど高いところが好きな、猫みたいな犬だな。」と思っていた。
よく考えたら散歩に出ると公園のベンチに登って餌をもらっている。台の上で芸をすると餌が貰えると思っているのかもしれないが、セリとしても座るべき場所というのを理解しているような気がする。
ちなみにテーブルの上に乗ることはない。

毛刈り

ハァハァと年がら年中、暑そうにしているので、
毛を短く刈ったら、それが止まって涼しそうにしている。

此処の所、毎年暑くなると毛を刈っているのだが、
風貌がまるで別の犬になってしまって、
一瞬戸惑うことがある。

セリの方でも心得ていて、「私を撫でないの?」と
怪訝な顔をすることはない。

短い毛から透けて見えるピンクの肌を、
押さえるように撫でると犬の高い体温を感じた。