蒼い時

酔っ払いの言動というのは本来は無邪気なものであります。所謂セクハラなんちゅうものもされた方の許容のを超えなければ冗談ですむものですがね、限度というものがありますからその見極めは男子たるものわきまえねばなりません。セクハラの話ではないのですが、ついさっきなじみのお店で興味深いシーンを目撃しました。


その男性、気持ち良く酒を楽しんでおりまして、いかに自分がこの店の店主&ママさんを気に入ってるか切々と語っておりました。にこやかに、時には力強く。しかも虎の目で。
でもその話の例えが僕らの許容の範疇を超えていましたからね、残念ながらうなずくくらいの相槌しか打てなかった訳です。


そのうなずき方でもカウンター内のママさんが特に気に入ったのでしょうなぁ。

「ママッ! ビール飲んで! かっこいいなぁ。ホント大好きだから」

字ズラからは意味が分かりにくいですが、その男性は何か言うと必ず語尾に「かっこいいなぁ、ホント大好きだから。ねぇ!マスター!」と清水健太郎ばりに連呼するのです。


そこまで言われりゃママさんも飲みますわな。カウンターからビールをついでその男性に近づき乾杯の挨拶をしようとして


「どうもありがとうございます。ではビールいた・・」


と言いかけた、ママさんの「いただきます」の声の途中でジョッキーを取り上げ


(ん? 俺ビールたのんだっけ?)


という顔をしながらグイグイと飲み始めたのであります。


かっこいい!(のか?)


まさにオアズケ。あるいは寸止めであります。マス大山に言わせるところのダンス空手でありましょうか。僕は途中でその男性と固い握手をして店を出たのでありますが、十中八九ママさんはビールをご馳走になれなかったことと思います。思わせぶりな罪な人でありました。


さて、タイトルの『蒼い時』であります。

蒼い時 (1980年)

蒼い時 (1980年)

山口百恵の大ベストセラーで同年代である50代前半の女性は皆読んだことがあるのではないでしょうか。今読んでも文体が洗練されてましてね、とても当時21歳くらいの小娘が書いたとは思えない淡々とした文章に情感があふれております。ホントに本人が書いたのコレ?ってのが僕の第一印象でありました。

プロデューサーというか仕掛人(これも怪しいですが)に残間里江子の名がありますので、添削を行ってるのは間違いないところですがね、芸能人本では唐沢寿明の『ふたり』に雰囲気が似ております。まぁこっちが似てるんでしょうけどね。


山口百恵ファイナルコンサート日本武道館

この時で彼女はまだ21歳ですよ!大スターの貫禄ありすぎであります。
これを見ると現在の女性芸能人のオーラの無さが江原啓之でなくとも丸分かりになりますね。


この模様は1980年10月5日にテレビで多分生放送だったと思うのです。しかも金曜日の夜7時半から9時まで。僕は同じ部活の奥原君の家で途中までこれを見て、8時からおもむろに「ワールドプロレスリング」にチャンネルを替えたため最後まで見ていませんでした。


そのころの新日本プロレスは最高に面白かったですからな。確か猪木とハンセンとのNWF戦だったような気がします。定かではありませんがね。


ああ、レンタルDVD明日までに返さなきゃ。『エヴァンゲリヲン新劇場版:序』
今から観ます!