フィルムアーカイブについて

今日は、新聞の気になった記事からです。
フィルムを生業にしている業界に現在怒っている事を正しく受け止めるしか方法はない訳ですから、正しい現状認識が必要です。
そのような中、少しでもフィルムの良い情報があるとうれしくなるものです。
5月24日の朝日新聞に映画フィルムはデジタルの時代にフィルムは不必要かという俗論に対する明快な反証の試みとして取り上げている夕刊の抜粋記事です。
映画フィルムは良好な温湿度を設定して専門家による検査を怠らなければ、100年以上保管できる。実証済みの、現存する最良の高解像度映像保存媒体である。情報の定期的な移し替えや高額な機器などの取替えを頻繁には必要としない。
デジタル時代には簡単にコンテンツの改変が行われる可能性があり、元々の真正映像内容を固定・検証するにはフィルムが公的な機関に保管されている必要がある。
映画用デジタルマスターの年間保管費用は(ハリウッドで標準的な)フィルム原版保管費用の11倍かかるという現時点での試算さえ記されている。
「デジタル保存の問題点を直視しよう」
「これまで通りフィルムを大切にしよう」と言って言い過ぎではない。それは人類の知的遺産として本を守る世界中の偉大な図書館が、本の内容をデジタル化したからといって元の本を捨てないのと同様に、フィルム・アーカイブは映画フィルムを捨てない、ということでもあると東京国立近代美術館フィルムセンター主幹岡島尚志(映画史家)が締めくくっています。
この様に国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)での保存部門の議論になったということです。