銀塩大好き(写真屋の銀塩写真通信) このページをアンテナに追加

2016-10-04

QSF V-30フィルム現像機の修理報告

11:59 | QSF V-30フィルム現像機の修理報告を含むブックマーク

朝フィルムを現像している時に異常を感じ現像を止めておりました。夜間サポートセンターと連絡している時に大きな音とともにバリバリギアが壊れる音がして、駆動Wギアと単ギアが壊れその在庫確認を依頼してメーカーからの翌日の回答を待ちました。

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QSF V-30のロット番号から2011年にメーカー在庫無しとなっていました。機械メーカーから翌日の連絡で、関係先と調整して貰い射出成形で作ってもらいました。

いざギアが到着しギアを交換しても、びくともしません。

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折角ギアをメーカーが作ってくれましたが、何故か動かない

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フィルム挿入部も全て外します。モニター・カッターetc光線漏れに注意して外してゆきます。

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ラインシャフトは、前後どちらかで抜くしか有りませんが、後ろにはスペースに余裕がありませんので、前に抜くしか有りません

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フィルム現像機はラインシャフト(96cmの長さのステンレスの棒)と言ってモーターの駆動を7つの現像液の液中ラックを動かす構造になっています。

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そのシャフトの動力をスムーズに伝えるのが、ベアリングというパーツがあります。フィルム現像機は化学薬品の独立した枡を搬送板(リーダー)にフィルムを繋ぎ現像・脱銀・硬膜・水洗・乾燥の順に処理する構造です。その動力を3ヶ所のベアリングがスムーズに動力を伝達する役割を果たしておりましたが、ベアリングがシャフトに焼き付きを起こし全く動かなくなり、ギアを2個破壊して停止してしまったと言うのが、顛末です。

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最後部のベアリング薬品の影響を受けませんので、綺麗なままです。

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ベアリングにはボールベアリングを包むように、グリースが覆っているので、セピアの粉状のモノが出てきた場合は、速攻で交換するのがベストです。

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ギアはモーター軸に2個のイモネジで止まっているだけなのですが、特殊治具が無ければ壊れた樹脂ギアの金属部分が抜けません。しかしプーリー抜きという特殊工具に7mmのような細い径がなく手こずりました。

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和田精工というベアリングの製造メーカーと連絡し焼き付きの対処方法を確認しましたが精度10/1,000mmの精度でノーリツ綱機に納品しているのでシャフトに傷を付けないようにというものでした。案の定ヤスリをかけずに試しに新しいベアリングを入れた所、焼き付きの所でそれ以上は入って行きませんでした。

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WTWのベアリングの手前下側の塩ビパイプの下の方にベアリングが固化し粉体化して粉状のモノが溜っていました。

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ベアリングが到着し単なるステンレスの丸棒ではなく途中加工してあり、パーツもありませんので造りました。

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内径13mm のパイプも探せなく注射器にアルコールを入れて、樹脂のハンマーでベアリングッを叩いて抜きました。

焼き付いた箇所をテーパー仕上げして新しいベアリングを挿入することができました。

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ウォームギァの下には切り欠きと樹脂で逆回転しないような加工がされています。

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ラインシャフトをセットして修理完了です。

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まとめ

今回の修理に際しても、2011年に在庫無しになっていました。その為メーカーに射出成型で製造してもらいましたので、パーツ費用が高かったようです。このギアが無ければフィルム現像機は動きませんので仕方ありません。今回のトラブルでギアを作ってもらいましたので、これほどまで時間が掛かりました。

その間もフィルム現像機は、毎日電源を入れ、BFのエアレーションをしたり、薬品メーカーと打ち合わせをして、1番の現像液を相当量を抜いて新しい現像補充液で対処しました。その後も増感現像をしましてネガの肉乗りを確認しましたが、肉乗りには全く問題ありませんでした。

現存写真店約5,000店の3割が現像機を保有していているといわれております。3割は1,500店在る単純計算で6割がフジとして900店になります。相当数はフランチャイズ店もあるでしょう。4割がノ―リツetcとすると600店が未だフィルム現像機を保有している単純計算になります。600店のうちのQSF V-30が何台あるかは、知りませんがN&Fの担当者からは類例はないと言われておりますが、いつ何時このような故障が起きるとは限りません。その為にWeb上にこんな情報がころがっている事は、参考になる事もあるかもしれなせん。

只2Bのフィルムが現像処理出来るものを何れだけ保有しているかは知りませんし、フィルム現像機で135専用のものが、中古業者の在庫にあると言う事は、廃業が影響しているのでしょう。120・220フィルム現像ができるフィルム現像機が増々中判カメラ愛好家にとりまして、価値あるものになります。

ポジで中判フィルムで撮ってもデジタル加工しかほぼ救いがありませんので、アナログ愛好家を自認されるのであれば、印象色に近い柔らかな表現が出来るネガフィルムをお試し下さい。2000年にアナログプリンターが終了して、16年が経ち6PW・4PWにアナログプリントで拡大してフィルムからのデジプリと比較してみました。全てがデジタル環境下ですが以下のコンテンツが気になる方は、以下のサイトで静止画でご確認下さい。デジタルプリンターはフジ製フロンティア350・Noritsu29型・Noritsu37型でデジプリ比較しています。

http://ginentaiken.com/

フィルムで撮ってもデジタルプリントの色の鮮やかさ・夕方の繊細な情景が生ききと・デジタルの表現は硬くアナログでは柔軟な表現・レンズの撮影条件が悪いときの比較・色の再現と飽和・プリンターのアプリのせい?フィルムのもっているコントラストデジカメ写真の様になる?・存在しているモノも無きものに?iso100フィルムにおけるデジカメプリントの比較

SLの黒の締まりは現在のデジカメプリントではどのように再現されるのか?日光で撮影した赤い電車再現性は?

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当店ご利用のお客様にはご迷惑をお掛け致しました。

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