トランクルーム

sadoji2013-03-22

3年前、納戸に物が入りきらなくなって主に私の絵画作品を主体に、近くの倉庫を借りて別保管することにした。効率よく収納出来るように棚まで作った。絵画作品(約15枚)が半分くらいのスペースを占め、あとはビデオカセット、書籍類、それに寝袋やピーチパラソル、剣道の防具、その他ガラクタが詰め込まれた。
納戸はお蔭様で何とか体をなし、すっきりとはいかないまでも機能を取り戻せるようになった。
そして3年、いよいよ私に仕事もなくなり、本当の年金生活に入って生活を切り詰める必要から、この倉庫代も馬鹿にならないと気がついた。月々5250円である。入ってくる見込みがなかったら出ていく分を減らすしかない。そこで一大決心をして倉庫を3月いっぱいで引き払うことにした。
そして昨日までで大方片付いた。絵画群は又、家に舞い戻りだ。何とかなるものである。手押し車を押して倉庫から家に持ち帰る途中、理容室ロマンの店長と目が合った。そして思い切って考えていたことを実行に移した。店長を手招きし、店内に絵を飾る気はないかと聞いてみた。丁度4、5日前、ここで髪を切って貰っていた時に、店内に絵が一枚もなく、ちょっと殺風景な感じを受けたのは確かである。店長もまんざらでもない様子で、手ごろな一枚を「預かっておく。」と言ってくれた。かねてから私が薦めるならこれと思っていた「窓辺の婦人」を預けた。嫁入り先を見つけてやったような気分だ。次回、散髪に行くのが楽しみである。
さて、空っぽになった貸し倉庫。記念に写真を撮っておこう。3年前に夢をふくらませて設計図を引き、せっせと材料を買い込んで組み立てた棚がいとおしい。これをぶち壊してゴミにしてしまうのかと思うと情けない限りだ。でも他に置き場所がないのだから仕方がない。「栄枯盛衰」「形あるものはいずれ壊れる」である。
いつまでも過去にこだわってはいけない。新しい境地を切り開くのだ。健全な生活を心掛けて過ごして行こうと思っている。                               (了)