2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

争う創造主と父、そして母性崇拝〜『チャッピー』(ネタバレあり)

ニール・ブロムカンプ監督の最新作『チャッピー』を見てきた。 舞台は2016年のヨハネスブルク。兵器ロボットを作る優秀な技術者であるディオン(デーヴ・パテル)は、教育することで人間同様の意識を有するようになる人工知能を開発するが、会社のトップである…

「死んでしまいたい」で終わる喜劇〜インターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドン『ヴェニスの商人』

明星大学シェイクスピアホールで、毎年恒例インターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドンによる『ヴェニスの商人』を見てきた。インターナショナル・シアター・カンパニー・ロンドンはADG EuropeとTNT theatreがツアーするときに使っている名前だそう…

これはクィアな悲劇か?〜ナショナル・シアター・ライブ『二十日鼠と人間』

ナショナル・シアター・ライブ『二十日鼠と人間』を吉祥寺オデオンで出てきた。なぜかブロードウェイで上演された作品である。主演は今をときめくクリス・オダウドとジェームズ・フランコ、演出はアンナ・D・シャピロで、スタインベックが自分の小説を戯曲化…

とてつもない才能が結集して、おじさまスラッシュを作った〜『インヒアレント・ヴァイス』

ポール・トーマス・アンダーソンの新作『インヒアレント・ヴァイス』を見てきた。 舞台は1970年のロサンゼルス。マリファナ大好き探偵ドック(ホアキン・フェニックス)のところに昔の彼女であるシャスタ(キャサリン・ウォーターストン)がやってきて、現在の愛…

クローゼットの死者〜『追憶と、踊りながら』(ネタバレあり)

ホン・カウ監督、ベン・ウィショー主演の『追憶と、踊りながら』を見てきた。 舞台は現代のロンドン。ヒロインであるカンボジア系中国人のジュン(チェン・ペイペイ)は死んだ息子カイ(アンドリュー・レオン)の面影に取り憑かれながら老人ホームで余生をおくっ…

苦悩のヒースクリフ、狂気のキャサリン〜『嵐が丘』

日生劇場でG2演出『嵐が丘』を見てきた。主演はキャサリン役が堀北真希、ヒースクリフ役が山本耕史である。 場面については後ろにスロープがあり、前でアクションが展開されるようなセットのほか、嵐が丘及びスラッシュクロス屋敷の屋内セットが入れ替わる。…

ちょっとアレに似ていますね〜『黒蜥蜴』(ネタバレ)

記事アップが遅れてしまったのだが、先週末に神奈川のKAAT劇場で『黒蜥蜴』を見てきた。実は去年の紅白で美輪明宏の歌をちらりときいて「この人ももうかなり年だし、声が出るうちに生で見ておかないとまずいんじゃないだろうか」と思って行ってきたのだが、…

素晴らしきおっさんダンスの世界〜おじさまが突然踊り出すミュージックビデオを集めてみる

昨日に引き続き、ツイッターで#オススメのダンス映画というハッシュタグが流行っている(これ、厳密に言うと「一場面だけすごいダンスがある映画」がけっこう多くてダンス映画じゃないものがたくさんあがっているのだが)。一方、「デンマークの至宝」ことマッ…

へんな日本語が出てくる洋楽ミュージックビデオを集めてみた

ちょっと前にツイッターで#スペクターロゴ選手権というのがはやった時に、へんな字体の日本語がたくさん出てきたのだが、その時からやろうと思っていた企画「へんな日本語が出てくるミュージックビデオを集めてみた」をやろうと思う。必ずしも全部が意味不明…

コーエン最後の定理、あるいは電話を待ちながら〜『ゼロの未来』(ネタバレあり)

テリー・ギリアムの新作『ゼロの未来』を見てきた。 近未来SF、と銘打ってはいるが、見た感じは非常にオーソドックスな不条理劇というか、サミュエル・ベケットの一連の不条理劇や、またまた私が同じ日に見た『ローゼンクランツとギルデンスターン』にかなり…

デンマークどうでしょう〜下北沢『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』

下北沢のOff・Offシアターで鵜山仁演出の『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』を見てきた。言わずと知れたトム・ストッパードの『ハムレット』翻案戯曲である。一度ロンドンで見たことがあるので、おおまかな展開(というか、タイトルでネタバレだ…

パーソナルスペースvsそこに染み通る社会〜グザヴィエ・ドラン『Mommy/マミー』(少しネタバレあり)

グザヴィエ・ドランの『Mommy/マミー』を見てきた。 舞台はフランス語圏のカナダ。障害のある子どもの親が窮地に陥った場合、子どもの養育を放棄して施設に預けることができるという架空の法律ができた、という基本設定がある。話は発達障害がある少年スティ…

学年度はじめの図書館ツアー

四月からの学年で初めて、校外実習にいってきました。

ついうっかり

こんな図を作ってしまった。ブリテン諸島の男優のみ、役柄基準で生い立ちはあまり考えてない。というか圧倒的にミドルクラスの息子が多い。

アランダルース

父が仕事で東京に出てきたので、近くのアランダルースでお食事した。 ピンチョス。モロッコ風らしいが、わりと薄味でおさえた味付け。つけあわせの野菜にはちゃんとヴィネガーがかかっている。 タラのタジン。 チキンのクスクス。 モロッコミントティー。 こ…

DIY女子のプリティ・イン・ブルー〜『シンデレラ』(ネタバレあり)

ディズニーを儲けさせるのはいやだいやだとは思いつつ、ケネス・ブラナーの『シンデレラ』を見てきた。 お話はもちろんみんなが知ってるシンデレラで、ディズニーその他の皆が知っているおとぎ話版『シンデレラ』に入っている主なプロット要素、つまり継母に…

モテモテクズ男ジョニー・サンダース一代記〜『Looking for Johnny』

シネマカリテで『Looking for Johnny』を見てきた。元ニューヨーク・ドールズのジョニー・サンダースのドキュメンタリー映画である。主に元のバンドメンバーや一緒に仕事をしていた連中が出演し、証言と昔の映像でジョニーの人生を語る。 ジョニー・サンダー…

MIDWEEK BURLESQUE vol.22 -The Godzilla of Burlesque attack-

MIDWEEK BURLESQUE vol.22 -The Godzilla of Burlesque attack-を見てきた。出演者はNikita Bitch Project、Acco、Miwa Rock、Haruka Delsole、Gilbert de Moccos、Violet Eva。Accoはかなり久しぶりの出演ということだったのだが、とても雰囲気のあるパフォ…

過去・現在・未来、音楽と笑いはどこにある?銀河劇場『夜想曲集』

銀河劇場で小川絵梨子演出『夜想曲集』を見てきた。原作は言わずと知れたカズオ・イシグロの短編集である。夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)posted with amazlet at 15.05.14カズオ イシグロ 早川書房 売り上げランキング: 17,91…

ドゥブロヴニク(11)ロクルム島

さて、最後にロクルム島の写真をご紹介。 ドゥブロヴニクから15分ほど船に乗っていく。 島に到着した。 野生の孔雀がお出迎え! オーストリア大公が島に連れてきた孔雀だそうな。 孔雀もカフェに入るのかな。 全くこの島は、平凡な人間の想像力が思いつき得…

ドゥブロヴニク(9)ロヴリイェナツ要塞

ドゥブロヴニク旧市街のすぐ外側にロヴリイェナツ要塞があり、ここは城壁と共通のチケットで入ることができる。 けっこう険しい坂があるのだが、美しい海を見ながらのぼることができる。 のぼる途中にネコがお休み中。 要塞はこんな感じ。 アドリア海に思い…

ドゥブロヴニク(10)まちあるきとホテル、ごはん

さて、ドゥブロヴニク市内の主な観光名所の写真は整理したので、雑多なまちあるき写真、ホテルやごはんの写真をアップしようと思う。 ホテル。 ホテルのテラスではしゃぐエリン。 新入りのドゥブロヴニクテディとエリン。 プールもある!すごい!! クロアチ…

ドゥブロヴニク(7)旧市街の修道院

ドゥブロヴニク旧市街にはいろいろな修道院もある。一応、目につくところはだいたい回ってみた。 まずは港の側にあるドミニコ会。 フランシスコ会。 実はここ、入り口で「お金はいりません」と言われたのだが、あとから入った人はお金を払っていた。学生と勘…

ドゥブロヴニク(8)旧市街の家々

修道院の他、旧市街にはいろいろな博物館や史跡がある。 こちらは総督邸。中は博物館になっている。 鉄の箱の展示。珍しいものだそうな。 はしゃぐエリン。 なんと、ボイデルのシェイクスピア挿絵の展覧会が。 なんだかよくわからない機械。 こちらはスポン…

ドゥブロヴニク(5)スルジ山と独立戦争博物館

ドゥブロヴニクはとても険しいところで、旧市街のすぐ裏手にケーブルカーが設置されており、スルジ山という山を3分ほどでのぼることができる。 のぼる途中。 上から見たアドリア海。 山の上に独立戦争博物館がある。 ここはホンモノの要塞を修復したもので、…

ドゥブロヴニク(6)旧市街の教会とシナゴーグ(なぜかネコだらけ)

ドゥブロヴニクの旧市街にはいくつも宗教施設がある。 こちらが大聖堂。カトリックのカテドラルである。 白を基調とした清楚な装飾。 聖イグナティオ教会。この教会は階段が入り組んだところにある。 イエズス会のものらしい。 大聖堂に比べるとずいぶんカラ…

ドゥブロヴニク(3)'Evil, Women and the Feminine'「悪、女、女性的なるもの」第七回研究集会三日目

最終日もツダってまとめた。 'Evil, Women and the Feminine'「悪、女、女性的なるもの」第七回研究集会三日目 小規模だが、大変刺激的な学会だったと思う。たどり着くまでにかなり苦労したが、来てよかった…

ドゥブロヴニク(4)城壁

さて、学会の合間に観光もちゃんとしたので、そちらの写真をアップ。まずは旧市街に入る。 城壁にのぼる。 鳩がいちゃいちゃ。 エキゾチックな風景に興奮するエリン。 城壁からネコ発見。 海が見える。 戦争よりエリンを。 アドリア海に開く小窓にすわるエリ…

ドゥブロヴニク(1)「悪、女、女性的なるもの」研究集会一日目

さて、クロアチアのドゥブロヴニクに到着し、今回の出張の主目的である'Evil, Women and the Feminine'(悪、女、女性的なるもの)研究集会に参加した。自分の発表はかなり詰め込みすぎで早口になってしまったのと、あと王政復古演劇とかおそらくフロアになじ…

ドゥブロヴニク(2)「悪、女、女性的なるもの」研究集会二日目

二日目のツダりをまとめたので、その日のうちにアップしておく。二日目も大変充実していた。 'Evil, Women and the Feminine'「悪、女、女性的なるもの」第七回研究集会二日目