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2016-12-23

今まで見た『レント』の中で一番良かった〜ブロードウェイ版『レント』

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 ブロードウェイ来日版の『レント』(ウェブサイトは音が出るのでリンクしない)を見た。

 どういうわけだかここ1年半くらいで3回も『レント』を見ているのだが、このプロダクションが一番良かった。日本語版は基本日本語なのに対応できなくなると英語なるみたいな歌詞がひどくちぐはぐで違和感があったし、夏にバーミンガムで見たイギリス版カジュアルな感じで良かったのだがイマイチ役者たち(とくにエンジェルコリンズ)の間に「運命恋人」らしいドラマティックさがなかった。こちらのプロダクションは、ごちゃごちゃしたセット(舞台左側に生演奏ブースあり)は雰囲気ぴったり、歌や踊りの迫力は申し分無いと思ったし、人種的にもヴァラエティに富んだキャストいかにもニューヨークらしい。あと、エンジェル可愛い一方でおそらくかなり苦労人であったらしい雰囲気を漂わせていたのも良かった。そのおかげでコリンズとの燃え上がる恋がすごく劇的に見える。全体的には現在アメリカの暗い政治的状況をちょっとにおわせつつ、クリスマスらしい希望の持てる雰囲気にまとめていたと思った。

 

2016-08-01

バーミンガム(3)オールド・レプ・シアター『レント』

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バーミンガムではオールド・レプ・シアターで『レント』を見てきた。マイケル・ネリ演出で、地元役者をメインに据えたものらしい。セットは金属の骨組みだけで、左手に赤いソファ、上にたまにプロジェクションでいろいろなものを映したりする。電話メッセージは全部、プロジェクションで音波の波形として表示される。

 とりあえず以前に見た日本版よりもずっと面白かった。歌とセリフの間に切れ目がなく、スムーズに会話から歌へ、歌から会話へ移行するので、いい意味でくだけた感じがする。このカジュアル雰囲気のせいで時代劇っぽさがなくなり、20年も前の話とは思えないような現代的な話に見えるようになっている。日本版ちょっと時代劇っぽかったのに比べると、演出のほうでもずいぶんと現代イギリス人に伝わるようモダンにしている気がした。

 歌や演技には文句は無いのだが、地元キャスト調達したせいなのか、役者アフリカンや南アジア系があまりいないのが気になった。とくにエンジェルコリンズ人種が違うカップルの設定だと思うのだが、バックグラウンドが違う者同士がどうしようもなく惹かれ合う感じがあんまりない。さらにどうも役者同士の息があってない感じで、ちょっと親密感とか「運命の恋」っぽさに欠ける感じでそこがよくなかったと思う。

2015-10-06

内容はいいが、歌詞がちょっと…『RENT』(ネタバレあり)

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 シアタークリエで『RENT』を見た。この演目は一度も見たことが無く、できれば舞台を先に見たいと思っていたので映画も未見である。

 『ラ・ボエーム』を原作に、舞台を1990年頃のニューヨークに移し、登場人物もセクシャルマイノリティや民族マイノリティ(ここが日本版の上演だとかなりわかりづらくなってしまうのだが…私、ジョアンはユダヤ系かと思ったんだけどアフリカンなんだって?)にして、HIVやドラッグの問題を絡めた作品である。第一幕は貧しくても明るい若者たちの生活という感じで、『ラ・ボエーム』のロドルフォとミミにあたるロジャーとミミが出会う。第二幕はかなり暗い感じで、主要な登場人物であるエンジェルが死ぬし、ミミも死にかけたりする(ただし死なないので一応ハッピーエンドと言えるだろう)。

 お話じたいは面白いし、楽曲もいいと思ったし、とくに第二幕は良かったのだが、どうも歌詞が気になって最初のほうはなかなか話に入り込めなかった。英語版は脚韻を駆使した歌詞が売りらしいのだが、日本語版だとだいたい日本語、うまく訳せなかったとこだけ英語みたいな感じで全体的にちぐはくな感じがあり、どうも歌にうまくノってなくてぱっとしないと思った(英語で見たかったな…どっかで見られないかな)。

 あと、これは別に面白さを減じるものではないと思うのだが、25年ほど前の時代が舞台ということで、医学の進歩のおかげですごく昔の話に見える。今ではHIV患者でも薬を使ったり養生してわりと長く生きられるようになっているため、この話で描かれている、ばたばたと人々が死んでいく不治の病としてのエイズというのは『ラ・ボエーム』の結核と同じような歴史的な病という位置づけになるんじゃないかと思う。あと、モーリーンのパフォーマンスも「カールスルーエのメディア美術館とかに展示されてそう」と思いながら見ていた。