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2018-01-25

ビートルズ展「Ladies and Gentlemen... THE BEATLES!」+ロックの殿堂ジャパンミュージアム

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 有楽町無印建物の中にあるビートルズ展「Ladies and Gentlemen... THE BEATLES!」ロックの殿堂ジャパンミュージアムに行ってきた。

 ビートルズ展はこんな感じ。

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 展示品はともかく、解説パネルの作り方にはけっこう閉口した。この写真にある右上のパネルなんかは一番高いところに白文字で書いたものを設置しており、身長が低い人にはかなり読みづらいところにある。他にも読みづらい位置に設置されたパネルとか、パネルの解説じたいがあまりわかりやすいとは言えないもの(楽器の来歴などがあまり詳しく書かれてないとか)もあった。

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 ロック殿堂ジャパンミュージアムは衣類の展示が多い。これはマドンナ

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 バングルズのスザンナ・ホフス。

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 楽器もある。これはジャーニー

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2017-11-02

生きるための音楽〜『ソニータ』(ネタバレあり)

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 『ソニータ』を見てきた。ロクサレ・ガエム・マガミ監督によるドキュメンタリーで、イランに住むアフガニスタン難民少女で、ラッパーを目指すソニータを撮った記録である

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 ソニータは苦しい状況の中でもラッパーになる夢に向かって努力している。ところがアフガニスタンから母親がやって来て、16歳のソニータを9000ドルで見知らぬ男に嫁がせようとする。強制結婚危機に直面したソニータを見て、土壇場でとうとう監督が介入、母親お金を払ってソニータがしばらく結婚しなくていいようにしてもらう。ソニータ強制結婚に関するラップビデオを作り、それが話題になるが、イランでは女性レコーディングするのは禁止で、今まで世話になっていた福祉センターから面倒をみてもらうことができなくなってしまう。そんなソニータに、アメリカ音楽学校から声がかかり…

 とにかくドラマティックかつつらい話だ。映画になっているくらいだからとにかくなんとかなるんだろうと思って見ていた…ものの、ソニータ母親アフガニスタンへと連れ去られそうになるところでは本気で心配になった。ここで監督が介入してしまうあたりはあまりドキュメンタリー映画らしくないのだが、この状況ならば当たり前だし、人間としての良心を優先して、それを全部記録した監督は立派だと思う。

 ソニータラップは超カッコ良く、今でも強制結婚などの抑圧に苦しんでいる若い女性たちの心をありありと伝えるリアルものだ。ソニータの歌を聴いていると、音楽というのは本当に生きるためのものなんだということがひしひしと伝わってくる。そんな才能あふれるソニータであるので、ビデオ楽曲が驚くほどの成功をおさめ、途中からはまるでシンデレラ物語みたいな展開になる。アメリカのワサッチアカデミーが声をかけてくるあたりでは、英語もほとんどできない子どもドンと預かって教育しようということができる度量は凄いと思った。

 ソニータは自らの有り余る才能と知性で悲惨運命を逃れ、自分人生を生きることができるようになったわけだが、ほとんどの少女ソニータほど恵まれていないことを考えると暗い気持ちにもなる。ソニータ芸術家及び社会運動家として強制結婚に対する批判を行っており、アフガニスタンなどの女性たちにとても人気があるらしい。

2017-09-29

血も涙もないハッピーなバンドドキュメンタリー~『ギミー・デンジャー』

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 ジム・ジャームッシュ監督によるザ・ストゥージズのドキュメンタリー映画ギミー・デンジャー』を見てきた。

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 ザ・ストゥージズがどういうところから出てきたか、そしてどうバラバラになっていったのかを、バンドメンバーや関係者の証言に基づいて丁寧かつ面白くまとめた作品だ。プレパンク/グラムの伝説的グループとしてアルバム三枚で崩壊したバンドの伝記映画としては全体的に後味が良く爽やかな出来で、血が飛び散ったり涙が流れたりするような展開は少ない。これはたぶんジャームッシュが本気でストゥージズの大ファンなのと、フロントマンだったイギー・ポップが大変元気なのと(酒やらドラッグやら若い頃の超絶不健康ライフを送っていたのにいまだにあんなにパワフルでハンサムだなんて信じられない)、バンドメンバーがとくに凄く不仲というわけではなく2000年代になってから再結成していることに起因するものだろう(亡くなった人もいるが)。とくにジェームズ・ウィリアムソンの話がドラマチックで、ウィリアムソンは途中でバンドに加入し、バンドをやめた後はスタジオで技師をしていたのだが、その過程で電子工学に興味を持ち、大学で学位をとってソニーの重役にまで上り詰めた…ものの、2009年になってから退職してバンドの再結成に参加するというびっくりするような経歴の持ち主だ。ウィリアムソンの話はこれだけで劇映画にすべきだと思う。

 この映画を見ると、同時代のメディアではバカみたいなバンドだと思われていたらしいストゥージズが非常に知的なバンドだったことがわかる。フラワーパワーの時代のヒッピー文化(これはストゥージズのサウンドと対極にあるものだと思うで、初期のストゥージズがマリファナ吸って共産主義的共同生活をしてたっていうのを聞いてへえーっと思った)やサイケデリック・カルチャーからアナーバーの大学文化、ジョン・ケイジの実験音楽までさまざまな幅広い芸術に影響を受けており、あの即興的で野性的なサウンドは実はバンドメンバーの知的好奇心から生みだされたものだったんだろうなと思った。やはりイギーの話は面白く、非常によく考えられた音楽的分析を披露したと思ったら突然不思議ちゃんみたいな発言をしたり、なんだか可愛らしいところもある。

2017-03-29

創造性と文化交流〜『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』

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 モーガン・ネヴィル監督音楽ドキュメンタリー映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』を見てきた。ヨーヨー・マが世界各地の才能ある音楽家を集めて協働で演奏を行う「シルクロード・アンサンブル」プロジェクトを追った作品である

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 凄くポジティブな音楽ドキュメンタリーで、ヨーヨー・マを中心にした才能溢れる国際色豊かな音楽家たちが互いの文化や伝統を持ち込むことにより素晴らしい演奏が生まれていく様子を楽しく撮った作品である。ヨーヨー・マも仲間たちも、音楽が世界をつなぎ、平和や理解などに貢献できるというような理想を心のどこかで信じていて、信頼や理想が崩れそうになってもプロジェクトを継続していく様子は見ていて元気が出る。

 メンバーの音楽家たちはたいへんな状況を生き抜いてきた人々で、はっきり言って理想を持って音楽を続けられているのが驚異的とすら思えるようなひどいめにあってきた人たちばかりだ。ケマンチェ奏者のケイハン・カルホールは政情不安のせいで家族を失い、イランにも住めなくなっている。クラリネット奏者のキナン・アズメは紛争で故郷シリアに帰れなくなった(最近はトランプの入国禁止令でアメリカに帰れなくなりかけたらしい)。ピパ(琵琶)奏者のウー・マンは文化大革命を生き延びるために親に音楽を習わされたらしい。ガリシアのバグパイプであるガイタ奏者のクリスティーナ・パトはファンキーで才能豊かでまるでロックスターみたいなミュージシャンだが、ガリシア地方は文化的には豊かだが経済的には貧しく疲弊していて、グローバル化の中でガリシア人としてのアイデンティティを保つのが難しくなりつつある。それでもこの音楽家たちは理想を持って交流しあうことで自分のルーツを守り、かつ他の文化の人々と調和させるということにチャレンジしており、その様子が生き生きと描かれている。ただ、これは全員が創造性に溢れたプロだからできることだと思う。結果としてできあがった演奏は素晴らしいものである

 ただ、ひとつ思ったのは、もう少し人集めの過程を描いてもいいんじゃないかということである。いったいどういうネットワークを使ってこれだけ多くの地域から才能あるミュージシャンをリクルートしているのか(暴力に対して音楽で戦いを挑む人たち集めてるので、リクルートっていう言葉が逆説的にふさわしい気がする)、素人目には大変難しいことをしているように見えるのだが、そういうところはあまり記録されていない。途中でちょっと出てくる、サン=サーンスの「白鳥」でヨーヨー・マとコラボしていたダンサーのリル・バックはフェイスブックとYouTubeのせいでヨーヨー・マと仕事するようになったらしいのだが、ミュージシャン集めはいったいどういう人脈でやっているのかをちょっと知りたかった。

 

2017-03-23

地元の劇場を支援しよう!〜『SING/シング』(ネタバレあり)

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 『SING/シング』を見てきた。

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 擬人化された動物の世界を舞台にしたアニメである。根っからのショーマンで自分が所有しているムーン劇場の経営に四苦八苦している興行主、コアラのバスター・ムーン(マシュー・マコノヘイ)は起死回生の一策として歌のコンテストを企画。ところがアシスタントであるイグアナの老女、クローリーさん(ガース・ジェニングス)のミスで1000ドルのはずの賞金が10万ドルとして宣伝されることになってしまい、劇場はオーディションで大賑わい。予選やら脱落やらいろいろあり、ゴリラのジョニー(タロン・エジャトン)、ブタのロジータ(リース・ウィザースプーン)とグンター(ニック・クロール)、ハリネズミのアッシュ(スカーレット・ジョハンソン)、ねずみのマイク(セス・マクファーレン)、ゾウのミーナ(トリー・ケリー)に、バスターの友人である金持ちの息子、ひつじのエディ(ジョン・C・ライリー)でショーを運営することになる。ところが大きな災難がどんどん降りかかり…

 とにかく舞台が好きなら絶対楽しい映画である。最近の映画の劇場描写では『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』がかなり良かったかと思うのだが、あれに匹敵するかそれ以上かもしれない。非常にきちんと吊りものなどの装置類を描写しており、アニメらしいデフォルメと稼働中のボロ劇場らしいリアルさの間でバランスがよくとれている感じだ。だいたいの場面では舞台装置類がひっかかったりうまく動かなかったりもしつつ、わりと現実に近そうな様子で描かれているのだが、ねずみのマイクがマイク(あれ、シャレだよね?)の上に乗って振り回されるところなど、ここぞというところではドタバタアニメっぽい荒唐無稽さをふんだんに出してくる描写になっている。

 またまた遵法精神は無いがクリエイティブなところだけはふんだんにあるバスターが危険な舞台装置を勝手に作ったせいで劇場が壊れてしまうというところも、荒唐無稽さとリアルさのバランスがよくとれていると思う。まああそこまでの大規模な倒壊はめったにないだろうが、実は舞台に通っている人なら安全対策を怠ったせいで装置が壊れるとかケガ人が出るとか、実はけっこう聞いたこと、見たことがあったりする(なんとロンドンのグローブ座は17世紀はじめに装置として大砲を使用した際、失敗して全焼しているし、私は上演中にセットが倒壊するのを見たことがある)。バスターみたいなタイプはいかにもああいうことをやりそうだ…と、けっこうリアルさを感じてしまった。あと、バスターが設置した水を使った装置だが、劇場に水を引くのは19世紀から行われており(海戦の場面とかで使う)、ウォータープロジェクションも1922年に既にドイツの劇場で使われてて、水のトリックというのは劇場で使われるテクノロジーとしてはわりと伝統があるものである

 一番いいのは、これが「地元の劇場をもっと盛り立てよう」という心意気に関する話だということである。大きな町からツアーに来てもらったり、遠くからスターを客寄せに呼んだりするのではなく、地元で才能を育ててショーを作ることが大事だという含みがある(こういう映画がハリウッドで作られてるっていうことがまたちょっと皮肉ではあるのだが)。劇場がなくなろうが、金がなかろうが"The Show Must Go On"であり、野外でもDIYで舞台芸術をやることができる。このDIYで上演をするところで、本作とっておきのギークマムであるロジータが背景を作るなどの活躍をするあたりもニクい。

 細かいところとしては、ジョニーの声をあてているタロン・エジャトンはやたら歌がうまくてビックリした。今後も是非ミュージカルに出て欲しい。個人的にはロジータとグンターのショーが「テイク・オン・ミー」へのオマージュっぽくて気に入った。疲れ気味の主婦が洗濯をしていると手書きの風景からホットなダンサーが飛び出してくるという内容になっており、ちょっとバーレスク風味でもある。なお、ベクデル・テストはちょっと微妙で、ミーナとお母さんの話でパスするかもしれない…が、お母さんの名前がわからないかも。