ザ・インタビューズはソーシャルメディア時代のQ&Aサイト

最近リリースされたザ・インタビューズというサービスがおもしろいです。

機能としてはふつーのQ&Aサイトと変わらないのですが、「コンセプトやデザインの違いがここまでサービスとしての違いを生み出すのか!」と驚きました。

ポイントは個人にフォーカスを当てていることです。

顔を出した写真を使っている

ザ・インタビューズのトップページを見ると、インタビューを受ける人たちが顔を出したカッコいい写真が並べられています。カッコいい写真にテキストまで組み合わせていて、とてもクールです。この画像はユーザがアップロードできるようになっていて、個人を押し出すための仕組みがきちんと用意されています。

しかも、これはたぶんサービスの運営側が意図的に顔を出すようにしていて、個人を押し出す(ブランディングする)上で顔が見えることの重要性に気付かされました。

インタビューというコンセプト

インタビューって基本的にすごい人や有名人に対してするものですよね。芸能人とかスポーツ選手とか。そこには相手へのリスペクトが含まれていますし、相手の深い部分を引き出すことができます。つまりインタビューを通して個人を引き立てることができるのです。そのインタビューをサービスの中心にもってきて、誰もがインタビューを受けられる喜びを体験できるようにしたのは素晴らしいです。

個人を強調することでソーシャルメディア時代のQ&Aサイトに

これまでに書いたように、ザ・インタビューズは個人を前面に押し出しているのが特徴です。ソーシャルメディア時代においては、人々とのつながりをつくるために自分を知ってもらうことが重要になります。Twitterでの断片的なつぶやきだけを見ても、その人のことはよくわかりませんが、過去のインタビューを読めば、その人を深く知ることができます。あるいはすでにTwitterでフォローしている人をより深く知るための手段としてもインタビューは有効ではないでしょうか。

というわけで、ザ・インタビューズというサービスの登場に、ぼくはとても感動しています。



ちなみに僕にインタビューしたい方はこちらから。

http://theinterviews.jp/sagaraya/interview

(偉そうなことを言っておいて顔は出してませんが・・・)

本の未来をめぐる若手パネルディスカッションを聴きながら思ったこと。

図書館総合展1日目の「本の未来をめぐる若手パネルディスカッション」に参加しました。聴きながら色々思うところはあったのだけれど、PCがなくてTwitterに吐き出せなかったので、ここにまとめて記しておきます。殴り書きですがご容赦ください。なお、ディスカッションの詳しい内容は、humottyさんの記録や、togetterをご覧ください。

本はただの器にすぎない

 紙の書籍とか電子書籍とか、あるいはWebページでも雑誌でも新聞でもいいのですが、これらは全て器にすぎません。大事なのは器の中身、情報です。なので、紙がどう電子がどうという議論はどうでもいいなと。技術が進歩して器が変わるのは当然のことです。それこそ昔は石版やパピルスが器だったわけです。それが技術の進歩により、今のような質の高い本になった。なぜならそのほうが中身をより多くの人に伝えることができるし、新しい楽しみ方を提供できるからです。電子書籍がそのような役目を果たすのであれば、紙の書籍にとってかわるのは当然ですし、そこまでのものでなければ、まだまだ紙の書籍は残っていくでしょう。ただそれだけのことです。

図書館の本質が“人と人をつなげる”ことだとしたら

 “つながり”という言葉が流行ってますね。それ自体はまあいいことだと思うのですが、こと図書館においては、つながりをつくること自体はそんなに難しいことじゃないのかなと思います。(実際には色々しがらみがあって実現してませんが)貸し出し履歴を見て「あなたとあなたは同じ本を読んでますよ、つながりがありますね」って言えばいいわけです。問題はその後どうするのか。いきなり知らない人同士をつなげて、「さあ会話してください」というのは乱暴すぎますよね。難しいのはつながりをつくることではなく、つながりを深めることなんです。

 ここに図書館という現実空間サービスの難しさがあります。Webサービス(特にTwitter)であれば、まだハードルが低く、その人をフォローしたり、つぶやきを見たり、時にはリプライを飛ばしあうことでつながりを深めることができます。ですが、現実空間ではそうはいきません。1つの解決策はイベント+懇親会です。イベントの中でコミュニケーションを誘発するようなしかけをつくる。学校のように、同じ空間に同じメンバーが定期的に集まるとより効果的ですね。その上で、Webサービスとも連携し、つながりを維持・深化させる。というのがいいのではないかなあ、と思います。

「本をおもしろく」もいいけど、「本を空気のように当たり前の存在に」

 本をおもしろくするにはどうすればいいかという議論が最後にありました。これはこれで重要な視点だと思います。ただ、本自体をおもしろくするのは限界に来てるのではないかなあ、と個人的には思います。それよりは、「本を空気のように当たり前の存在に」というのが僕のアイデアです。本の中身はとても多種多様です。それらを図書館という1つの建物に集積するのは本当にいいことなのでしょうか。例えば、写真に関する本がカメラ屋にあったら、そこに訪れた人に効果的に本との出会いを演出することができるのではないでしょうか。多種多様な本だからこそ、多種多様な場に溶けこませることができるのではないか。場との相乗効果で本をより魅力的に見せられるのではないか。

 これらはすでにブックコーディネーターの方々がやられていることです。幅さんとか内沼さんとか。このような取り組みがもっと広がったらいいのになあ、と思ってます。


 余談ですが、内沼さんはパネラーとしてフォーラムに参加されており、終了後、少しだけですがお話を聴かせて頂くことができました。とても貴重かつうれしい体験でした!

図書館が持つおもしろさ・可能性

前回からかなり間があいてしまいましたが、近未来書籍カフェを終えて その2です。


私は近未来書籍カフェの責任者を務めましたが、実はこれまであまり図書館好きというわけではありませんでした。


むしろ私は図書館よりも書店が大好きな人間です。なぜなら、書店の方が本が生き生きしていると感じるからです。


図書館にはたくさんの本がありますが、それらは全て配架番号に沿って一様に並べられているだけです。図書館は単なる本の集積所にとどまっています。それに対して書店は、本の表紙を見せて並べたり、POPをつけたり、独自のテーマ(クリスマスに読みたい本、熊本城に関する本など)に沿った本をあつめて提示したりしています。単なる本の集積所にとどまらず、本をいかに魅力的に見せるか、多くの人々に届けるかということが考え抜かれています。


ですが、図書館も潜在的に多くの可能性を持っています。近未来書籍カフェを通してそれに気づくことができました。


図書館にはたくさんの(司書、利用者)がいて、資料(本、CDなど)があり、多種多様な(読書スペース、勉強スペース、子どもスペース、イベントスペースなど)もあります。コンピュータもあります。書店にはない珍しい本もあります。これだけの材料がそろっていたら、おもしろいことができないはずはありません。


近未来書籍カフェで使用した本の大部分は図書館のものです。それをテーマごとに並べたり、iPadやオブジェと組み合わせることで、ひっそり眠っていた本に新たな命を吹き込むことができました。


図書館ではもっとおもしろく・魅力的になれるのではないでしょうか。



最後にちょっと宣伝です。11/24〜26に横浜で図書館総合展というものがあります。図書館・書店・本に関する一大イベントです。このポスターセッションにて、近未来書籍カフェのことを紹介します!(「筑波大学産学リエゾン共同研究センター 小野プロジェクト」のポスターです)


私自身も時間帯によってはポスターの前に立って、直接みなさんにご説明します。もしよろしければ、みなさんいらっしゃってください。

研究室で大きな企画をやることの難しさ(近未来書籍カフェを終えて その1)

 前回宣言したとおり、書いていきます。


 僕が所属している研究室は、筑波大学図書館情報メディア研究科の宇陀・松村研究室です(宇陀研と松村研の共同研究室)。総勢17名います。今回の「近未来書籍カフェ」は宇陀・松村研にとってはじめての学園祭企画でした。はじめに断っておきますが、僕は責任者を務めたとはいえ、リーダーシップを発揮してぐいぐいみんなを引っ張ったわけではありません。どちらかというと縁の下の力持ちでした。以下に書くことは「はじめからこう考えていた」というわけではなく、「企画を進める中でいろいろな人に気づかせてもらった」ことです。

研究室特有の難しさ

 研究室というのは非常に特殊な組織です。会社と違って全員が毎日1ヶ所に集まるわけではありません。研究室によく来る人もいれば、全然来ない人もいます。また、各メンバーが来る時間もばらばらです。朝型の人もいれば夜型の人もいます。唯一ゼミの時のみ、全員が一堂に会するのですが、基本的に宇陀研と松村研は別々にゼミをやっているので、ほんとに全員が集まるのは月一回の合同ゼミのみとなります。


 ただ、これはある程度仕方のないことです。研究室の各メンバーは研究だけをやっているわけではありません。授業もあるしバイトもあります。研究に対するモチベーションも研究室に対する貢献意識も人それぞれです。会社のように金銭的な報酬はありません。学園祭の実行委員や何かの学生団体のように「これをやりたい!」という強い熱意を持った人が自ら志願して集まっているわけでもありません。ある程度研究室内で盛り上がったからこそ立ち上がった「近未来書籍カフェ」ですが、中にはあまり乗り気でない人もいたと思います。しかし、だからこそ、それに合った情報共有のやり方、モチベーションの引き出し方が必要ではないでしょうか。

情報共有のやり方

 今回、主にメーリングリストを使いました。が、これは正直失敗でした。学園祭関係で大量のメールを送ったのですが、受ける方からすると次々に情報が流れてしまい頭に残りませんし、よくわからないことがあってもすぐに聞くことができません(厳密に言うとメールで訊けばいいのですが、そこまでしない人も多い)。それに、めんどくさくて中身を見なかった人もいるのではないかと想像してます。


 では、どうすればよかったか。未だに答えは出てませんが、研究室内に大きくて目立つ掲示板があればよかったのかなあというのは1つあります。そうすれば少なくとも研究室に来た人との情報共有は可能です(見てもらうための工夫は必要ですが)。あとはもう少しみんなで集まる機会をつくればよかったです(17人の日程を合わせるのが大変ですが)。特に本番直前はそういう機会をつくるべきでした。

モチベーションの引き出し方

 前述のように金銭的インセンティブはありませんし、研究室に対する貢献意識も人それぞれなので、なるべく各メンバーが「やりたいと思えること」「やって楽しいこと」をできるような環境づくりが重要でした。そのために、メンバーを3つのチームに分けました。イベントチーム、展示チーム、子どもチームです*1。やることが全く異なる3つのチームを用意し、どこに入りたいかを選んでもらえば、各メンバーが「やりたいと思えること」「やって楽しいこと」をできるだろうという考えです。加えて、チームの仕事にいまいち馴染んでない人には、その人に向いてるであろう別の仕事をまかせました。


 このチーム分けは成功したと思ってます。最優秀賞を受賞したあとの飲み会で先生が仰っていました。今回の勝因は全員が自分のできることを主体的にやったことにあると。

*1:カフェなのにイベントとか子ども向け企画までやって統一感がないと感じる方もいるでしょう。それには「近未来書籍カフェ」をいろいろなことができるプラットフォームにしたいという理由もありました。詳しくは別の記事に書きます。

近未来書籍カフェについて

 筑波大学の学園祭(雙峰祭)で、近未来書籍カフェをやりました。


 僕が所属している研究室と附属図書館の共同企画です。一応、僕が責任者のようなものを務めさせていただきました。研究室のみんなや図書館の方々、そしてご来場くださったみなさまのおかげで、見事、雙峰祭グランプリ2010最優秀賞を受賞することができました!!!


 今回、非常に良い経験をさせてもらったので、それをブログに書くことで多くの人に還元できたらと考えてます。ですが、他にもやりたいこと/やるべきことがあるので、何を書くかだけ先に書いておきます。忘れないように、そして書くことの宣言として。


書くこと

  • 研究室で大きな企画をやることの難しさ
    • 情報共有の面から
    • モチベーションの面から
  • 心がけたこと(多分にあとづけを含んでいます。というか色々な人に気づかせてもらいました)
    • いろいろなことができるプラットフォームに
    • みんなが主体的に参加できるように
    • 図書館とWIN-WINな関係を築く(本当に築けたかはわかりません・・)
  • 図書館が持つ可能性
  • お客さんの反応
  • 反省点


 それと、宣伝になりますが、明日の図書館情報学チャンネル(by チームLie)に出演することになりました。(なったと思います。たぶん)

Library and Information Engineering (Lie) - project-lie.org

こちらもよろしくお願いします。

mixiよりもTwitterを使ってしまう理由

mixiの新機能はソーシャルグラフをリフレッシュするか « ソーシャルウェブが拓く未来


この記事が非常に面白かったので、自分も書いてみます。


mixiは「ソーシャルグラフ」を核としてサービスを展開しています。ソーシャルグラフとは、ある人が持つ他の人とのつながりの総体のことです。ざっくり言うと、マイミク全員とのつながりのことです。


mixiのサービスは、日記にしろ、ボイスにしろ、アプリにしろ、ソーシャルグラフ(マイミクとのつながり)の上で展開されているからこそ楽しめるサービスです。例えば日記はソーシャルグラフの上にあるからコメントがもらえるし、アプリはマイミクと競ったり協力したりすることができます。つまり、ソーシャルグラフをいかに充実させるかがmixiを楽しむために重要なわけです。


ところが、上のリンクの記事では、次のようにあります。

mixiが抱えている問題は、ソーシャルグラフが劣化する点にあると考えています。

僕は高校生の頃からmixiを使っていますが、そのソーシャルグラフはもう古くなっています。

グラフを構成する「友人」の大半は中学・高校の頃の同級生、先輩、後輩であり、寂しい話ですが、彼らとはもう疎遠になってしまっています。

ゆえに、僕はmixiでは日記もつぶやきも書きません。思い立った時にログインするくらいです。

これには僕も同意です(とはいえ、まだまだmixiしかやっていない人が多いので、その人たちにとっては問題になってないでしょうが)。


それに対して、ツイッターソーシャルグラフは劣化しづらいです。なぜならば、mixiは相互承認制なのに対し、Twitterはフォローという相手の承認なしにつながりをつくれる仕組みを採用しているからです。いわゆる「ゆるいつながり」ですね。また、あしあともつかないので、気軽にその人のツイートを見ることができます。これにより、Twitterはちょっとした知り合いや、先輩・後輩など少し気を使ってしまう相手ともつながれるサービスとなりました。その結果、mixiソーシャルグラフよりTwitterのそれの方が魅力的になり、mixiよりTwitterを使うようになるというわけです。


自分もTwitterの方が研究室のメンバー(先輩・後輩だけでなく先生も)が多く、大学の友人も多くいるため(つまり現在のつながりが強い人が多くいる)、mixiよりもTwitterを使うことが多くなりました。


mixiは強いつながりを活かしたサービスができればいいと思うのですが、なかなか難しそうな印象です。「同級生」とか「同僚」とかソーシャルグラフを充実させる施策はとってるんですけどね。

高松いいとこ!

研究室の合宿で高松に行ってきました。研究室関係の話はおいといて、高松のいいとこを紹介します。


高松駅周辺がすばらしい

駅前にはおしゃれな円形の広場やシンボルタワー、裏手には港や公園があり、とてもきれいに整備されていました。


港や公園にはアート作品もいくつか。

自転車の街、高松

合宿中はほぼ自転車で移動しました。駅前をはじめ市内数カ所にレンタサイクルがあり、1日100円という激安価格でレンタルできます。しかも大きめの道路やアーケードには必ず自転車専用道路があり、大きな段差や坂もなく、快適に移動できました。

美人時計

美人時計の撮影に遭遇しました。ラッキー!

うどん

高松(香川)といえばやっぱりうどん。本場のうどんはおいしく、そして安かった。僕は小食なのであまり食べませんでしたが、研究室メンバーのなかには何件もはしごした人もいました。

観覧車のある本屋

宮脇書店総本店です。かなり大きい本屋で3階建て+屋上。屋上はなんと観覧車とプレイランド!(笑) 観覧車のある本屋はおそらくここだけでしょう。海の近くということで屋上からの眺めがきれいでした。

ゴンドラの1つ1つにはちゃんと名前が(笑)出版社の名前がついてたりしました。


というわけで楽しい高松旅行でした。