ミュンスター再洗礼派研究日誌 このページをアンテナに追加

2008-09-08

[][] Shorebirdさんで、社会科学に対する挑戦の書が紹介されていた 00:45  Shorebirdさんで、社会科学に対する挑戦の書が紹介されていた - ミュンスター再洗礼派研究日誌 を含むブックマーク

詳細な読書ノートをブログ上で掲載してらっしゃるid:shorebirdさんですが、今度はJerome H. Barkowの『Missing the Revolution: Darwinism For Social Scientists』の読書ノートを始めるようです。この本は、進化生物学者から社会科学者に対し、進化生物学の成果をふまえて研究するよう提言するような本であるようです。


バーコーはヒトに関する科学が現在盛んになっているがダーウィン革命をふまえていないものが大半だとまず切って捨てる.現在の社会科学が取り扱っているのは平等,権力,マイノリティ,女性,グローバル化,社会アイデンティティなどだが,いまや人類学の「文化」社会学の「経験主義」というコアな概念は疑問をもたれ始めている.社会構築物は実体ではなく合意の上に構築されたものだという理解が広がっているというのだ.そして社会科学者は「解釈学」「視点 gazes」「ナレイティブ」「論説」「テキスト」などのジャーゴンを使っているが,ダーウィン革命に関して理解できていないという.だから本書の題は「Missing the Revolution」ということだ.

http://d.hatena.ne.jp/shorebird/20080907#1220763136


デネットの『ダーウィンの危険な思想』の「万能酸」の記述を読んだときも感じたのですが、歴史学を含めた社会科学を研究する者も、進化生物学と自らの研究がどのような関係にあるのかを、そろそろ真剣に考えなければならない時代が近づきつつあるのかもしれませんね。

(参照)Google Book


Missing The Revolution: Darwinism For Social Scientists

Missing The Revolution: Darwinism For Social Scientists

一般法則論者一般法則論者 2008/09/09 01:52  少なくとも、社会構成説的な社会学は、私たちがこの世界に誕生したときには、それ自体で既に存在していたこの世界の成り立ちと仕組みに照らして、いみがありませんね。
 一般法則論

saisenreihasaisenreiha 2008/09/10 00:28 >一般法則論者さん
客観的に世界を認識することは人間には不可能ですから、世界の成り立ちや仕組みを人間が認識するときの制約条件や制約の程度を考慮することは、無意味とは言えないだろうと思います。

deepbluedragondeepbluedragon 2008/09/10 02:26 どうも、はじめまして

私のような横着者にはshorebirdさんのブログは本当にありがたいのですが、今回の紹介記事には感激してしまいました。今までも社会科学に進化論を導入するって話はありましたけれど、論者が社会科学や進化論のどちらかに無知だったり社会科学を進化論に還元しようとする傲慢だったりでうんざりすることも多かったです。文化そのものが進化によって生じたという主張や社会構築主義を冷静に取り込もうとしているところなどは感心してしまいました。今まで見知った中ではなかなかこうは行かなかったように思います。Jerome H. Barkow自身が人類学者で社会科学を知っていることがいい具合に働いているのかもしれません(ただし人類学内でも自然主義を巡る論争があるという話を聞いたこともあるが)。ちなみに、著者Barkowのホームページ(http://myweb.dal.ca/barkow/home.htm)には草稿が載っています。

でもまあ突っ込みどころはいくらでもあって、物理法則が進化論を直接に導くわけではないように進化論が社会理論を導くわけではないのではとか、ネオダーウィズムは進化心理学が前提としている種問題にどう対処しているのかとか、自然淘汰と文化学習とによる帰結の間の区別をどうつければいいのか(生成文法と認知言語学だって完全和解しているわけじゃないのに)とか、社会科学で重要なのは進化論のような理論問題よりも文化をいかに記述するかのような記述問題の方じゃないかとか、考えると切りがなさそうです。ともあれ、いろいろな試みが現れるのは歓迎です。

saisenreihasaisenreiha 2008/09/11 00:51 >deepbluedragonさん
はじめまして。とはいえ、実は私はdeepbluedragonさんのBlogの愛読者でして、いつも更新楽しく読ませていただいています。
私のような全くの素人には、deepbluedragonさんやshorebirdさんのような専門家の方が、自分の学問分野について色々と書いていただけるというのは、非常に有り難く、勉強になります。
私はバーコー氏をはじめとした進化論と社会科学をリンクさせる試みについては全然知らないのですが、deepbluedragonさんがこの間ブログで書いていた「全体性」の基礎となる枠組みは、いまのところ進化論ぐらいしかないのではないかと思います。もはや、進化論を否定することは難しいので、人間が成り立つ条件もまた進化の過程で形作られたものだということになり、必然的に進化生物学抜きに人間のあらゆる社会行動や文化を理解することはできないということになるだろうと思います。これは、演繹的に考えて、必然だろうと思います。
ただし、実際に進化論を強引に人間の文化や社会に当てはめた場合、トンデモ論になりがちなのも事実だろうと思います。まだ、主に生物学に基礎を置いている進化生物学と社会科学との溝は、深く広いものがあると思います。個人的には、今後相互に不信感、軽蔑、嫌悪感などを抱きつつ、同時に少しずつ歩み寄り、無数に試行錯誤を繰り返しながら、一歩一歩確かなことを固めていくという、長い長い道のりが待っているのだろうと考えています。

2007-08-09

[][] 構造構成主義 02:45  構造構成主義 - ミュンスター再洗礼派研究日誌 を含むブックマーク

現在、西條剛央さんの「研究以前のモンダイ」という連載が、ネット上で行われています。

 「本質」というと難解なものと思われるかもしれませんが,本来,物事の本質(エッセンス)というのはシンプルなものであり,きちんと考えれば誰もが了解できるものであり,それゆえ「言われてみれば当たり前」と感じられるようなものなのです。そうした視点から,本連載では量的・質的といった分類を超えた,あらゆる研究営為に共通する原理的な方法論,ひいては科学性を明らかにしたいと思います。そのように明示された「思考の様式」は,テーマや対象に関わらず有効に機能するツールとして,あなたの研究活動にとても役立つものとなるでしょう。

 「そんな大風呂敷を広げて大丈夫?」と思われるかもしれませんが,実はその大風呂敷をまとめることを可能にする「魔法」があるのです。その「魔法」とは,この連載の通奏低音をなす「構造構成主義」です。

私は、「構造構成主義」という理論がどんなものか良く知りませんが、量的・質的調査を超える方法論には関心があるので、連載を楽しみにしようと思っています。

2007-08-03

[][] 南山大学宗教文化研究所「科学・こころ・宗教」 00:16  南山大学宗教文化研究所「科学・こころ・宗教」 - ミュンスター再洗礼派研究日誌 を含むブックマーク

pensie_log」さん経由で、南山大学宗教文化研究所の「科学・こころ・宗教」というプロジェクトを知りました。

プロジェクトの趣旨 Focus

現代日本社会において、科学は多大な影響と役割をはたしている。しかし、人間は理性と合理性のみによって生きているのではない。ある意味で「科学中心」の現代社会において、人間の『ソフト』な面(こころ、感性、感情、精神、霊性、価値観、倫理)はどのように扱われるべきであろうか。また、このようなソフトな面に関して、広い意味での宗教や倫理や道徳は伝統的に大きな役割を果たしてきたはずである。今日、このテーマについて何がいえるのであろうか。現代人にとって「科学」と「宗教」の世界観は矛盾して対立しているのか、あるいは相互に補うべきものなのか。各分野で活躍している科学者と科学論・科学思想史の研究者を囲んで、一年にわたる一連の懇話会で議論を深め、最後にシンポジウムを開催し、その成果を総括したい。

プロジェクトの目的 Aims

  • 科学と宗教の対話に携わろうとする科学者と研究者たちのネットワークを確立すること
  • 日本における正当な意義深い試みとして、科学と宗教の対話を促進すること
  • 科学と宗教の対話が日本においても重要な認識や問題であると確認し、日本での討議がこの問題に関する世界での議論に貢献できると明らかにすること

以前、ネット上で科学と宗教をめぐる論争が起こったこともあるようですが、おそらくは、各々が自分の限られた知識や偏向した視点で、個人的な意見を開陳するよりは、この研究所の文献リストで紹介されているような様々な文献に目を通し、これまでの研究史を知る方が、論争を行う上で有益であろうと思います。研究史を調べるところから研究が始まるというのは、専攻に限らず、全ての研究者に共有されている基本原則であろうと思います。特に、科学と宗教の関係のような、膨大な研究蓄積があるであろう問題を扱おうという場合には、なおさらだと思われます。

自分よりも遙かに長い時間と労力をかけてその問題に取り組み、成果を認められたその道の専門家の意見を、とりあえず虚心坦懐に聞いてみることは、どの問題を検討する際でも重要だろうと思います。

2007-08-01

[][] ヴェーバーの宗教社会学に関するテクストが無料で読める。 03:38  ヴェーバーの宗教社会学に関するテクストが無料で読める。 - ミュンスター再洗礼派研究日誌 を含むブックマーク

マックス・ヴェーバーの『プロ倫』などの宗教社会学の著作がインターネットで公開されていました。ドイツ語と英語両方あります。

2007-05-08

[][] 手書き文書を見る。 00:27  手書き文書を見る。 - ミュンスター再洗礼派研究日誌 を含むブックマーク

ネットで、結構手書き文書が見られるようです。便利ですね。

リンク集:Historische Hilfswissenschaften Kodikologie


ついでに、東フリースラントの租税台帳リスト。16世紀末が最も古いようです。

Ostfriesische Schatzungsregister