花咲徳栄8強、30日習志野戦 秋季高校野球関東大会

 高校野球の第65回秋季関東大会第2日は29日、群馬県上毛新聞敷島球場などで1回戦4試合が行われ、花咲徳栄横浜隼人(神奈川2位)を7−5で下し8強に進出した。

 花咲徳栄は一回、2死三塁から若月の左越え2ランで幸先良く先制。二回には多田のスクイズ、暴投、楠本の2点適時打で4点を追加し、序盤で試合を決めた。四回に2点を返されたが、八回にも1死一、三塁から関口の右前打でダメ押しの1点を加えた。その裏、先発関口から継投した小暮が3点を失い2点差まで詰め寄られたものの、九回に迎えた1死一塁のピンチは併殺でしのぎ、逃げ切った。

 第3日は30日、準々決勝4試合を実施。来春の選抜大会への出場が確実となる4強を目指し、花咲徳栄習志野(千葉1位)と対戦(12時30分・高崎城南)、浦和学院前橋育英(群馬1位)と顔を合わせる(12時30分・上毛新聞敷島)。

◇大技小技、強烈パンチ

 二回の6−0から、横浜隼人の猛追を食らい八回には7−5。だが花咲徳栄ナインは最後まで慌てず動じず、継投で難なく逃げ切った。「私以上に選手が落ち着いていた」と岩井監督。スコアを見れば辛勝だが、内容的には快勝だった。

 勝因は、二回までに奪った怒濤(どとう)の6得点。大技、小技を駆使し、強烈すぎる先制パンチを初出場の相手に見舞った。

 一回、2死から楠本が三塁打で出塁すると、若月がフルカウントから左翼席へ飛び込む先制2ラン。これだけでは終わらず、主軸の見事な長打攻勢の次は、“らしさ”をいかんなく発揮した。

 二回、1死一塁からエンドランを仕掛け森の右前打で一、三塁。ここで多田は「ホームランの点だけでは足りない」とセーフティースクイズ(記録は内野安打)。暴投で1点を追加し、なおも2死二、三塁から仕上げは楠本だ。「もう1、2点欲しかった」と初球を中前にはじき返し、この回計4点を重ねた。岩井監督も「相手のエンジンが掛かる前に一気にたたけた。あそこまでうまくいくとは。出来過ぎ」と思わず舌を巻いた。

 早々に決着をつけた後は、余裕を持った投手リレー。八回途中まで被安打2のエース関口から小暮へつなぎ反撃をしのいだ。それでも、結果的に2点差とされたのは反省点。「関東はそんなに甘くないと思い知らされました」と主将の根建。この勝利をいい薬に、習志野との大一番に挑む。

埼玉新聞