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日々の記録 Twitter

2016-09-18

入門者のExcel VBA

この本の著者は高校時代の同級生で、以前から一度読んでおこうと思っていた。数日でさっと読むことができた。

この手のプログラミングの入門書の中でも、この本は一番説明が丁寧じゃないかと思う。そのために一冊の本の中でやれるようになることは限られているけれども、プログラムの「プ」の字も知らないレベルの人が最初に手にするにはとてもいいと思う。今さらVBAという言い方もあるかもしれないけれど、とっつきやすいものであることも確か。続編も出ているので、セットでオススメ。

2016-09-14

数学ガールの秘密ノート 数列の広場

これまで読んできた「数学ガールの秘密ノート」シリーズと同じく、引き込まれる感じで数日で読み終えた。

単位円を使った「丸い三角関数」でなるほどなあと思ったが、この数列の広場もオセロゲームから数列の話に入っていて、すっと数列の世界に入っていける感じがした。高校生の頃は数学の中でもなんでこんなことをするのかなあと思っていた数列だが、今見ると、次に起こることを予測するとか、一般化して表現するという世界なんだよなあと。Σの扱いも、確かに逃げて意識を持っていたような気がする。

オセロから数列に入る1章は本当に数列の初級という感じだけれども、Σの計算を経た3章あたりからは一気に中級・上級レベルに引き上げられた感じ。極限の話も出てくる。でも、謎解きをする感覚で、ぐいぐい読み進められた。

数学ガールの秘密ノート/数列の広場

数学ガールの秘密ノート/数列の広場

2016-09-08

ストーリーで学ぶ開発経済学

8月末から9月の初めに出張先のナミビアで紙の本で読んだ。

とてもよく出来た開発経済学の入門書。自分が学生だった1990年代の初めからすると、開発経済学自体も、テキストもすごく進歩している。「アスー国」という仮想の国を設定し、そこに住む人たちのエピソードから各章のストーリーを始めることによって、日本とは大きく違う途上国の状況が読み手にイメージできやすくすることを助けている。

それから、2000年くらいから以降の開発経済学の発展の方向性(ミクロ経済学に行動経済学を合わせ、さらにRCTを使った実験経済学的なアプローチによる途上国の農業、保健、教育などの分野の理解)も良く抑えられているので、自分のように、昔、開発経済学を学んだものでもそれがどのように変化してきたか理解できる。参考文献も豊富に紹介されている(読書ガイドもある)ので、自分の関心のある分野を深掘りすることができる。

「恩返しをしたい」というのが、本書執筆の動機でした。

で始まる自著の紹介のWebサイトもアツいものがある。

9章からなる本論の後ろに2つの補論があり、フィールド調査の方法やRCTの評価方法が簡単に解説されている。自分が学生の頃には、途上国にフィールド調査に行くというのは高い壁があったように思うので、いろいろと変わったんだなあということを改めて感じる。

2016-09-06

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か

9月初めの数日で読了。以前に人工知能は人間を超えるかを読んだが、この2冊の本はAIのことを知るために同時に買ったのだった。ようやく比べ読みできたという感じ。

「人工知能は人間を超えるか」の方はアカデミックな視点が強く、人工知能研究の歴史や現在の研究の最先端のことに注力しているが、この本はその人工知能を次世代ロボットや将来の製造業(例えば工場の全自動化)に欧米はどのように活かしていこうとしているか、それに対して日本は官民ともに対応が遅れているのではないか、という著者の懸念が強調されている。

なるほどと思ったのが著者の創造性の考え方。Steve Jobsの「造性というのは物事を結びつけること(コネクション)にすぎない」という言葉を引いて、

(造性とは)一見異なる領域に属すると見られる複数の事柄を、一つに結びつける能力を持った人から生まれる

としている。そしてダーウィンマルサスの『人口論』の「人口過剰」と「経済的弱者の淘汰」という考え方を活かして自然淘汰に基づく生物の進化論を作り上げた例を挙げている。

それから、機械学習、ニューラルネット、ディープラーニングなどのそれぞれの言葉の領域の違いや時代の移り変わりによる領域の変化もよく理解できた。現行、我々がパソコンのソフトなどで日常的に活用している「言葉を聞き分ける」「写真を見分ける」などの機能は、機械学習でも単純な部類で、統計・確率的な数値計算によって疑似的に表現したものにすぎない。一方で脳科学の成果を活用したディープラーニングが機械学習に導入され、本物の知能を作り出そうとする動きが急に加速し始めた。ニューラルネットも過去のものは単なる数値計算的な数学を採用していたのに対し、最近のニューラルネットは脳科学の研究成果を数学で表現したものに基づいていて、それが大きな違いとのこと。

2016-08-28

私のカメラ遍歴

昨日、Macユーザーに戻って10年経ったということを思い出しているうちに、これまで自分が使ってきたdigital gadgetをまとめ直したのだが、合わせてカメラやビデオカメラもまとめておこうかと思い立った。

35mmフィルムカメラ

Nikon F401(1989-1998):たしか高校を卒業するときに親に買ってもらい、大学で山登りをしていた時もいつも持っていた。1995年くらいからはPhoto CDを作るようになり、神戸の震災直後の写真もこれで撮った。社会人になってからも使い続け、海外出張にも持って行っていた。Olympus C900Zを使い出すまでは現役で使っていた。結局、このカメラの使用期間が一番長い。

デジタルスチルカメラ

Casio QV-10(1996-1998):35万画素、今見れば「う〜ん」という感じの画素だが、現像しないでも映像が手元に残るというのは感動した。それでもF401+PhotoCDを使っていたということは、画質には満足していなかったということでもある。

Olympus C900Z (1998-1999):レンズバリアを開くとレンズが出てくるタイプのカメラ。ようやく許せるレベルの画素のデジカメが出たという感じがした。Casioが作り出したデジカメ市場、それを初期に発展させたのはオリンパスだと思う。エジプトの紅海で水中撮影していたら水没させてしまった。

Olympus C2000Z(1999-2002)、Olympus C3000Z(2000-2003):子供たちが生まれ、エジプト、パラオ、ベトナムの仕事をしていた時はこのあたりのカメラを使っていた。C2000は海外の仕事用、C3000は自宅用という感じか。

Canon Power Shot S45(2002-2006):ブラジルでの仕事に使った後は自宅で使っていた。C900Zと同じくレンズレンズが出てくるタイプのカメラだが、いい意味でも悪い意味でもしっかりした作りで大きさの割に重かった記憶がある。だから海外にはあまり持っていかなくなったかな。

Canon Power Shot A70(2003-2005):Power Shot S45が重かったので、その代わりに軽さ、手軽さということで使い始めたのがこのカメラ。中国、インドで使っていた。単三アルカリ電池が使えたのも手軽という感じだった。

Canon IXY Digital 55(2005-2008):画質とカメラの持ち運びやすさのバランスが取れていて、海外出張で使っていた。インドネシア、モンゴル、カタール、ベトナム、バングラデシュ。

Canon IXY Digital 900 IS(2006-2009):IXY Digital 55より一回り大きく、性能もちょっと良かったと思う。こちらはもっぱら家庭で使っていた。

Casio EX-V8(2007-2008):デジタルビデオよりももっと手軽に動画を撮れないか、というのとレンズが張り出さないのがいいと思ってこのカメラを買ったはず。でもあまり使わなかった。

Canon Power Shot TX1(2008-2009):これもデジタルビデオよりももっと手軽に動画を撮れないか、ということで購入した。デザインもビデオカメラっぽかった。でもこのカメラもあまり使わなかった。

Ricoh CX1(2009-2010):主に自分が使うカメラ。CanonのIXYシリーズに飽きが来てしまった感じでRicohのこのカメラに乗り換えた。ラオスや中国の仕事に持って行ったが、自分が飽きたのはコンデジなんだなということも分かった。

Canon IXY Digital 920 IS(2009-2011):IXY Digital 900 ISの後継機。もっぱら家族が使うカメラ。

Ricoh GXR(2010-2013):子供が大きくなってきて家族でスナップを取るような機会が減ってきた。子供達が自分で写真を撮るようにもなってきたし。そろそろ写真を撮ること自体を楽しむようになっていいのではないかと思ってRawも撮れてレンズの交換もでき、持ち運びのしやすいこのカメラに乗り換えた。レンズは最初は標準のS10(24-72mm)を使っていたけれど、その次には土管と言われたA16(24-85mm)に移行し、最後はA12 28mmとA12 50mmを使い分けていた。数回レンズ内にホコリが入ってしまうトラブルがあった。本体もレンズ(A12 28mmとA12 50mm)はまだ手元にある。

Canon IXY 220F(2012-):IXY Digital 920 ISの後継機。これももっぱら家族が使っている。最近はスマートフォンのカメラでいいやという感じになってきていて、それゆえにまだ使っている。

Ricoh GR (2014-):GXRを使っているうちにだんだん単焦点カメラでいいじゃないかという感じになってきて、もっといいレンズ、もっと軽いカメラにしたいなと思ってGRに乗り換えた。今も現役。GR IIが出ているけれど、まだしばらくはこれでいいかなと思っている。

デジタルビデオカメラ

Victor GR-DVX9 (2000-2005)

長女が生まれた時に買ったデジタルビデオ。まだPCに繋いで取り出して編集するということはあまり考えていなかったが、iLink(Firewire)ポートは付いていた。

Canon IXY DV M5 (2005-)

GR-DVX9のデザインが直線的で古臭く、子供の行事に撮影するのが恥ずかしくなってきたので買い換えたという感じ。結局、DVというフォーマットに好きになれなかった。撮り溜めたビデオ映像は一応キャプチャしているが、念のためにまだビデオテープがとってある関係で今だに手元にある。

数学ガールの秘密ノート 丸い三角関数

「数学ガールの秘密ノート」シリーズは重たい読書が続くときの息抜き(と言ったら著者に失礼だろうか)にいい。それだけわかりやすい文章で書かれているということだと思う。

先月、何冊か飛ばして「微分を追いかけて」を読んだので、順番に戻ってこの本を読んだ。なぜ「丸い」三角関数なのかと思ったけれど、なるほどという感じ。三角関数は確かに習ったけれど、とっかかりのところでこういう丁寧な話をした記憶はなく、いきなり加法定理の暗記に行っていた気がする。

「数学をできあがったものとしてみるか、自由にいじれるおもちゃとしてみるか」、とか、「何も書いていないノートに自分で数学を再現すると、数学は自由にいじれるおもちゃになる」というくだりがあるけれど、自分はやっぱりできあがったものとしてみていて、定理の暗記に行ってしまっていたんだろうなと思う。

それから、テトラちゃんの「定義で理由を求めてしまう」話は、ついこの間読んだ「科学の発見」で自然法則に理由を求めてしまう話と似ているような気がする。数学に苦手意識を持つ人は、上に書いた「できあがったもの」という意識や、こういう思考を持ってしまっているのかもしれない。

「ポリアのリスト」は数学の問題を解く以外にも使えそうに思うので、抜き書きしておく。

  • 未知のものは何か。
  • 与えられているもの(データ)は何か。
  • 図をかけ。適当な記号を導入せよ。
  • 前にそれを見たことがないか。
  • 似た問題を知っているか。

善意で貧困はなくせるか

前回のナミビア出張の6月初めから読み出して、8が卯末にようやく読み終えた。数年前に買った自炊したPDFを読んでいたが、もう読み終えるという頃にKindle斑が出ていることに気づいて、買いなおして読了。

この本の終わりに解説を書いている澤田先生は、この本と、バナジー=デュフロ「貧乏人の経済学」、それから「最底辺のポートフォリオ」が「開発経済学の一般向け入門書」の新三部作だとしている*1

この本では「貧乏人の経済学」と同じようにランダム化比較試験(RTC)を使った途上国での様々な分野のプロジェクトの「実験」やそこから導かれたことが書かれているけれど、「途上国の人々にプロジェクトを売り込む」という視点、「どうすれば善意を超えて行動することができるかそうすれば最善の方法を見つけることができるか」。というより実務者的な視点が強いように感じる。そのために必要な二面戦略として著者が挙げているのが、第1は「問題を理解すること」で、その理解のための道具として行動経済学や従来の経済学の考え方が出てくる。そして第2は「厳密な評価」で、ここでRTCが出てくる。

解説の澤田先生は、この本から提示された方法についての2つの課題を書いている。一つは日本の援助の強調する「自助努力」と著者の「貧困を解決したいなら、それがどういうことなのかを、抽象的な言葉ではなく現実として知る必要がある。どんな匂い、どんな味、どんな手触りかを知る必要がある」と主張している部分。最近自分も、途上国の人たちが目的を知らずして「自助努力」できるのか、と思った経験もあった。もう一つはRTCの方法論にも様々な批判がある点。RTCがインプットとアウトプットの因果関係のみに注目し、両者の間にある「内部構造」を直接観察しない「ブラックボックス・アプローチ」であるため、外的妥当性も一般均衡効果も議論することが難しいとしている。

本書の最後に描かれている7つのアイデアをまとめておく。著者が言うように、このリストが置き換えられたり、長くなってくことを望みたい。

  • マイクロクレジットではなく)マイクロ貯蓄
  • お知らせメールで貯蓄を促す(低コストで貯蓄行動を促す)
  • 前払いで肥料を売る(キャッシュがあるときに売る)
  • 寄生虫駆除(就学期間の長期化に効果)
  • 少人数グループでの補習授業(学校制度の枠外のプログラム)
  • 塩素ディスペンサーできれいな水を(各家庭に配るより水源に設備を設置)
  • コミットメント装置

*1:旧三部作は、サックスの「貧困の終焉」、イースタリー「エコノミスト 南の貧困と戦う」、コリアー「最底辺の10億人」とのこと。