ネオアベノミクスの論点

2013年の春頃からアベノミクスの次(アベノミクスに足りないことや、デフレを脱却できた時の次に行うべき経済政策)について若田部先生が情報発信していたこと(オープン・レジームとクローズド・レジーム)や、昨年の12月20日荻窪ベルベットサンでの田中先生、片岡さんとのトーク・ライブでの説明(今、池田内閣の所得倍増論から学ぶことや下村vs都留の論争)がまとめられている。これまでの論説やトークライブでの発表がこういう形で書籍にまとめられて簡単に参照できるのはとてもありがたい。
松尾先生が「ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼」で指摘されている1970年代以来の経済政策思想の転換は「裁量政府」から人々の期待を安定化させる「基準政府」であるという指摘していることと、経済政策のレジームかクローズドかオープンかであるかということはある程度対応しているという指摘は興味深い。若田部先生や松尾先生、それから原田先生が提示しているような原則で経済政策が作られ、実行されると本当に日本の経済政策が別次元に移行できると思うんだけど...。

『21世紀の資本』のパワー

Voice 2015年3月号に掲載された記事を電子化したもの。これが事実上の『21世紀の資本』の山形さんの「訳者解説」。
今年の1月10日に行われ、その後、Synodosでまとめられたトークイベントと重なる部分もあるけれど、Voice論説のほうが包括的な「訳者解説」になっているように思う。