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2016-12-30

[][][][]『フィクションは重なり合う』kindle版リリース!

Kindle ダイレクト・パブリッシングサービスを利用して、販売を開始しました。

おーすごい、自分の本がAmazon


フィクション哲学アニメ批評・文芸批評を架橋する一冊!

分析美学ウォルトンによるごっこ遊び説など)やマンガ評論(伊藤剛の「マンガのおばけ」)を用いて、『SHIROBAKO』や『キンプリ』などのアニメ作品、『耳刈ネルリ』や『夢幻諸島から』などの小説作品から「分離された虚構世界」を見出し、それが鑑賞体験にどのような効果をもたらすかを論じた長編評論「フィクションは重なり合う――分離された虚構世界とは何か」

付録「二次元アイドル比較」では、『アイマス』『ラブライブ!』『うたプリ』『アイカツ!』『プリパラ』などの人気作品から『ナナシス』や『あんスタ』といった今後ブレイク必至のアプリゲームまで、二次元アイドルコンテンツ全20作品について、企画概要や略史、主要スタッフなどのデータ、並びに独自の基準による比較チャートを掲載!


※印刷版と内容は同じですが、kindle版では一部の図版がカラーになっています。

Amazon内容紹介より)

続きを読む

2016-08-16

[]グレッグ・イーガン『クロックワーク・ロケット

直行三部作の1作目

1作目なので物語としては途中だが、女性物理学者ヤルダの生涯が1冊かけて描かれている。

『白熱光』は地球ではない星で物理学が発展していく話だったが、こちらは、我々の住んでいる宇宙とは別の宇宙での話。

我々の宇宙と、物理法則が違う世界であり、正直、そのあたりの物理話は本当に全然分からなかった。

では、物理話が分からないと楽しめない話なのかというと、まあ半分くらいは楽しめない。

あるピンチが起きて、それを回避するために奮闘する話なのだが、そのピンチが何故起きたのか、どのようにしてそれを回避するのか、どちらも、まあ何となくは分かるが、ちゃんと理解するためにはこの世界の物理法則がどうなっているのかある程度は分からないと分からない。

しかし、この作品の物語を支えるアイデアはもう1つあって、こちらは分かりやすい。

この世界に出てくる登場人物達は、考え方や価値観等は地球人とほぼ同じだといってよいが、身体の仕組みに違いがあり、特に生殖・出産にまつわる部分が大きく異なる。そのことが、この社会における女性の立ち位置にも影響を与えており、「女性」物理学者ヤルダの人生にも関わってくる。



物語は、ヤルダの子ども時代から始まる。

田舎の農場生まれのヤルダは、理解ある父親により、女性としてはやや珍しく学校に通わせてもらうことになる(ヤルダの亡くなった母親も教育は受けており、女性が教育を受けることが全くないというわけではないが、そういうことをあまりよく思っていない人々も多い状況)。

子供時代の話で印象的なのは、祖父が発光しながら亡くなるシーンだろう。

この世界、光の性質が我々の宇宙とはだいぶ違う。

波長によって速度が違ってたりする。

どういう理由なのかよく分からないのだが、植物は夜に発光してエネルギーを作る(逆・光合成みたいなことをやっているらしい?)

それから、これは後ろに載ってる解説を読まないと分からないことだと思うのだが、この世界には電子がないらしい。タイトルにある通り、ロケットの出てくる話だが、コンピュータなしで制御してる。

あと、生物の神経系もいわゆる神経じゃない。

液体もないらしいんだけど、確か1回だけ「液体」って言葉が出てくるはず(ヤルダの聞いたことない言葉として)。


成長したヤルダは、故郷を離れ都会の大学へと通い、物理学者の道を歩み始める。

自分の研究のために、もっとも高い山の頂にある観測施設を使いたいのだが、そのためには、ちょっと性格のよくない教授の許可をもらわなきゃいけない。その過程でヤルダは、同じく女性研究者であるトゥリアと出会う。

トゥリアに連れられてヤルダは〈単者クラブ〉のメンバーとなる。


このあたりで、この世界に出てくる「人間」について。

まず、基本的には直立二足歩行をしている生き物だが、腕や脚を自由に変形させたり生やしたり引っ込めたりすることができる。2対4本の腕を出していることが多いみたい。

腕を脚に変えたり、脚を腕に変えることができる。これは、物語前半と後半でそれぞれ出てくる。

頭部の後ろにも目がある。「後目線を向けた」という表現がしょっちゅう出てくる。

身体に袋がついていて、カバンは使わず、そこに物を入れて持ち歩いている。

胸部に、文字や図形を浮かび上がらせることができる。記録しておきたい時は、胸にインクを塗って紙に写す。逆に言えば、紙はあるけど筆記具はない模様。

振動膜という構造を使って発声する。口は食事にしか使われない。

そして何よりも違うのは、生殖・出産方法である。

この種族において、子は母親が文字通り4つに分裂することによって産まれる。女性にとって出産=死である。

分裂した4つの個体は、男女一組の双子が2ペアとして産まれてくる。この双子を双と呼ぶ。ルシオとルシアのように名付けられる。双は、双子であるとともに夫婦でもある。

まれに、4個体ではなく3個体しか産まれてこないことがあり、このとき、双を持たないものが「単者」と呼ばれる。単者は、代理双を見つけて生殖するのが一般的である。

この種族では、女性の方が身体が大きいが、単者として産まれたヤルダはその中でも特に身体が大きいということが繰り返し言及されている。

ちなみにこの世界、他の生き物は雄しかいないらしい。


ヤルダは、自分は男と同じように死ぬのだと考えていたが、トゥリアから、生殖なしでもある程度の年齢に達すると自然と四分裂してしまうのだと教えられる。そして、それを遅らせるための非合法ピルが存在し、単者クラブにおいてそれが手に入るということも。


田舎において、女性への教育があまりよく思われていないことなど男女差別的な点がこの社会で見られるのは、女性は子供を産んで死ぬという生物学上の定めだからだと言える。

ただ、地球のそれと違うのは、子育ては完全に男性だけのものだということあたりだろうか。「女に子育てできるはずがない」という罵倒がある。


ヤルダはある時、アシリオという男からからかわれ石を投げられる。反撃として石を投げ返したところ、後に逮捕され、投獄されてしまう。

実は、ヤルダが家庭教師しているエルセビオと、アルシオ父親同士が商売敵であり、ヤルダはそのいざこざのとばっちりをうけていたのである。

エルセビオの助けによって釈放されるが、投獄されている間ヤルダは、トゥリアの助言に従い、研究を続け、回転物理学を編み上げていく。

この回転物理学というのは、我々の宇宙における相対性理論にあたるが、こちらの世界では、時間と空間の対称性が高く、回転物理学ということになるらしい。空間軸と時間軸が直交していて、回転対称になっているという話??


中盤のクライマックスは、ヤルダがトゥリアの出産に出くわしてしまうところだろう。

その後、残されたヤルダと単者クラブの友人達で、女だけでトゥリアの子供を育てていくことになる。

疾走星というものが観測されるんだけど、宇宙始原の時から、この星とは別の時間線を辿ってきた世界で、なんかぶつかるとヤバイ。

やばいけど回避する方法が、現代の科学ではない。

で、エルセビオが考えた方法は、直交方向に宇宙飛行すること。宇宙船内は時間が過ぎるが、母星では時間が経過していない。宇宙船内で科学技術を発展させ、疾走星を回避する方法を見つけたところで、母星へと戻る。すると、宇宙船内では何世代も経過しているのに、母星ではほんの数年しか経っていない時間に戻ってくることができる。

そのために、かつてヤルダが観測装置を使うためにいった、世界で最も高い山を、中身くり抜いて、丸ごとロケットで打ち上げるという。

エルセビオはこれを自分たちだけで作ろうとしていたが、ヤルダは広く情報公開賛同者を募ることとした。むろん、多くの人は最初真面目に受け取らなかったが、少しずつ賛同者が増えていく。


ヤルダをリーダーとして、その巨大ロケットはついに打ち上げられる。

その中でも様々な困難が待ち受けているが、その1つは打ち上げ直後に早速遭遇することになる。

アシリオに雇われていた農民のニノが妨害工作を行ったのである。

ニノの処刑を求める声があがるなか、ヤルダはニノを監禁するにとどめる。

ロケット打ち上げ後の話は、いかにヤルダが理想のコミュニティを作り上げることができるか、という話でもある。

双を持っている者も単者も同じような立場でいられる社会。女性が自らの意志で出産を遅らせることのできる社会。コミュニティ全体の教育レベルを引き上げ、科学研究が活発に進む社会。

ちなみに、宇宙へ行く際に問題になるのは、熱をどのように逃がすかという点で、呼吸ではないらしい。放熱するために空気が必要らしい。

セイタカアワダチソウが枯れて大変なことに。


原子ではなく輝素というのがあって、それの構造を発見するシーンがある。

このあたりで、長期間にわたって科学的知の探求を目指すことに高い価値を見出すという点で、『ディアスポラ』的な価値観も感じられる。

ただ、『ディアスポラ』と違うのは、あっちは1つの個体が、分裂することはあっても、電子化されて超長寿化されているけれど、こっちは世代交代ありきという点だろうか。

[]『シン・ゴジラ』(ネタバレあり)

見てきた

面白かった

さて、あとは何を話そう

「めっちゃおも白かった−」って言って満足することもできるし、情報量多い作品であるので「あそこがこうで、あれがああで」と色々言いたくもなるところもある。

ちなみに、1回目IMAX、2回目爆音


シン・ゴジラアクティヴレイドだった?!

あと、巨災対という名前に気特対みを感じていたけど、2人ほど役者もかぶってた


早口でまくしたてるのがよかった

コピー機のとこは踊るを思い出す

会議名が字幕で出てくるのがよかった

連絡室とか対策室とか対策本部とか改組されてく様も面白かった

怪獣が出てくるまでの早さがよかった

第2形態のインパクトがやばかった。特に目。まぶたがない。

安田よい。

志村が甲斐甲斐しい。

閣議はコント。「どこまで言っていいの」とか好きw

課長補佐最高。

原子力行政庁の人も好き。

下あごが横に避けるのは寄生獣っぽい。

自衛隊の兵力投入シーンの、とにかく全部使っていく感じと、その上での「やったか」が最高。

戦車GoPro映像好き。

夜のゴジラは怖い。

首のあたりが赤く光ってたのがかっこいい。

巨神兵

立川矢口がはんこついて、書類を既決箱に入れていくのとかよかった。

筑波のシーンとかで、ケータイとかまだ使えるんだなーと思った。

新幹線、電車、はたらくくるまは言わずもがな、ビルでゴジラを押さえ込むのもほんと笑った。

夏の猛暑ゴジラが解けないか心配。


シン・ゴジラアクティヴレイド説、色々あるんだけど

例えば、あの異常なテンポのよさとか。

あれ、「多分、こういうことだろう」ってのが分かると、次のシーンではもう既に次のステップへと向かっていて、「やっぱり、そうだった!」とか「実は間違ってた」とかほとんどない。そういう感じが似てる。

あと、電車w

防衛大臣が武器使用の「承認」を総理に求めるシーン見てて、頭の中で承認ランプが灯ったしw 


ポケモンに引き続き、進化という言葉の誤用を促してしまうのか(ポケモンによる、進化という言葉の誤用がどれくらい深刻なのか、自分には実感がないが)


他にも色々あるんだけど、何というか、既に色んな人が色々書いてるし、どっちかっていうと人と喋る中で話題が出てくるような感じで、いざ何か書こうと思うとなんか難しい。

なので、ちょいちょい聖地巡礼した話などをついでに書いておく。


立川で見たあと、周辺施設を見て回った。

立川シネマシティからモノレールで1駅、レールが分岐しているところがある。

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そこを辿っていくと、モノレール運営基地がある。

その手前、立川裁判所。まわりに何もなく、裁判所だけぽつんと立っている。道挟んで向かい側は工場。立川駅からたったモノレール1駅着ただけで、こんな風景が広がっているとは思わなかった。

何もない日だったので、運営基地の中にはもちろん入れない。しかし、敷地に面して公園があり、そこから少し内部が見えるようになっている。

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運営基地の上は、都営住宅になっていて、モノレールの車庫の上に立体駐車場がある感じだった。撮影場所っぽいところはあったが、いまいち、ドンピシャなところは見つけられず。

運営基地の隣には拘置所市役所があり、さらにそこから道を渡ると、立川広域防災基地がある。

もともと米軍基地の跡地で、消防庁海保内閣府国交省東京都警視庁陸自災害医療センターが隣接している。

広めの中央分離帯のある片側2車線の道路があって、街路樹がずらっと植わっており、郊外のかなり広々とした空間になっている。緊急時は、ここに様々な車両が行き交っているのだろうな、と想像したり。

内閣府災害対策本部予備施設は、映画のまんまだった。矢口立川に着いて、泉ちゃんと合流するシーンで使われていたところ。あと、内閣府アンテナ

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ただ、思ってたよりだいぶ小ぶりの建物であった。2階建てくらいだし。

映画では、自衛隊と消防の存在感が大きいが、立川の基地では警視庁が一番広い面積をとっていたように見えた。内閣府の隣も警視庁の施設だったし。もっとも、陸自は滑走路挟んで反対側にあるっぽいので、自分が歩いていた側からはそもそも見えなかった(ゲート以外)。

ちなみに、先ほど述べた通り、防災基地から道を挟んで反対側には拘置所市役所が並んでいるのだが、さらにその並びには、統数研・極地研・国文研(この3つが同じ建物に入っている)がある。やや離れて国語研もある。内閣府災害対策本部予備施設の真向かいくらいの位置。

この周辺、裁判所拘置所市役所、消防、警察、病院、自衛隊といった施設が集中して配置されているわけだが、この研究所群、やや違和感が。何故こんなところにあるんだろう。まあ、国がまとめてこのあたりの土地を持っていたからかもしれないけど。

ちなみに、災害対策本部予備施設からモノレール運営基地までは、徒歩15分程度といったところだろうか。おそらく、あの当時、あの周辺は政府関係者や避難民が溢れていたと思うので、ちょっと離れた人のいなさそうなところで、なおかつ戻ろうと思えばすぐに戻れるところという点で、ちょうどよい距離かもしれない。

あと、どうでもいいことだけど、防災基地の方にはポケストップはなかったが、統数研・極地研の方にはあったっぽい。twitter内で使われているハッシュタグ巨災対の日常を見ると、巨災対メンバーがポケGOやってる話を書いてる人も見かけるが、立川移動後において、休憩がてらちょっと道を挟んで反対側まで脚を伸ばす安田がいたかもしれない。

立川防災基地の隣には、国営昭和記念公園が。

こちらは、志村がフリーライターから牧博士の情報を受け取るシーンで使われているはずだが、正直、公園広すぎだったので、探し回るのは諦めた。


夏コミ3日目。

防災公園でオペレーションルームが公開されていると聞いて、見に行った。

防災公園って初めて行ったのだが、かなりゆったりとコスプレをやっていて、ビッグサイト側の人であふれかえっているコスプレエリアとは全く違う空気感だった。コスプレの方は全然見れなかったが。

防災フェアということで展示などもあったのだが、オペレーションルームはそれらの展示とはまた別の場所で、モノレール有明駅の目の前にある、本部棟の方。

こちら、災害時には災害対策本部の情報集約基地になるとともに、通常時は、体験学習施設として、防災関係の展示や資料閲覧ができる施設となっているようだ。そして、オペレーションルームはその一環として公開されている(なので、おそらくいつ行っても見ることができる)

2階からオペレーションルームを見下ろすことができる。

まさに、映画で出てきたとおりの部屋を見ることができるのだが、「ホワイトボードが壁一面に並んでるよー」と楽しめるw

ちなみにコピー機は、各テーブルに1,2台ずつ設置されていた。部屋の端には段ボールが山と積まれていたが、あれコピー用紙なんだろうかw

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2016-08-13

[]【告知】『ユリイカ2016年9月臨時増刊号』にアイドルアニメ論、寄稿しました

8月12日に発売されることとなった『ユリイカ』のアイドルアニメ特集に、

アイドルは音楽である 「芸能人はカードが命」と「SEVENTH HAVEN」から」

という文章を書かせていただきました。

まさか、アイドルアニメ論でユリイカデビューすることになるとは、思いも寄りませんでしたが、自分らしい展開とも言えるかもしれませんw


サブタイトルにあげた2つの曲を中心に取り上げながら、二次元アイドルにおけるメディアや物語についての論です。

「芸能人はカードが命」とは、『アイカツ!』において「穏やかじゃない」と並ぶ有名な台詞ですが、一方で、ステージ衣装への変身シーンで流れているあのBGMの曲名でもあります。

アイカツ!』における「変身」の意味を、メディアミックスないしメディアのハイブリディティとして論じています。

一方、「SEVENTH HAVEN」は『Tokyo 7th シスターズナナシス)』内のユニット、セブンスシスターズの新曲です。

ぶっちゃけた話、ナナシスは、アイドルアニメ」ではないですw

しかし! 現在のアイドルアニメを語る上で、狭義のアニメ作品だけに限るべき理由があるでしょうか。アイマスだってラブライブだってうたプリだって最初はアニメ作品ではなかった!

というか、この話をいただいた時から、「ナナシスの話を書かねば」という支配人*1としての使命感がメラメラときましてw

普通に受けいれていただけて、ユリイカ編集部の方には感謝しております。


それから、巻末にあります「アイドルアニメガイド」でも、いくつかの項目について担当させていただきました。各コンテンツのメディア戦略的なポイントを概観するような感じになっています。


青土社 ||ユリイカ:ユリイカ2016年9月臨時増刊号 総特集=アイドルアニメ

アイドルマスター』『ラブライブ!』『アイカツ!』、そして『KING OF PRISM by PrettyRhythm』…二次元アイドルスターダム-


■世界の輝き

『KING OF PRISM by PrettyRhythm』という奇跡 プリズムスタァのきらめきを追いかけて / 菱田正和×西 浩子×依田 健 司会・構成=上田麻由子

虹の先を越えてゆくために 『KING OF PRISM by PrettyRhythm』における四次元の想像力 / 上田麻由子

生の肯定としての「み〜んなアイドル」 『プリティーリズム』から『プリパラ』へ /筒井晴香

アイドルアニメは【コンテンツ】ではない。 / 綾奈ゆにこ

ストリートの矜持 / 増田俊樹 聞き手=編集部

踊れ、歌え、闘え / 武内駿輔 聞き手=編集部

アップデートされるアイドルアニメ

アイドルアニメと美少女の表現史 一九八〇—二〇一〇年代 / 泉 信行

きらきらの向こう側 男性アイドルとヒーローの結節点 / 須川亜紀子

萌え」が死に、「アイドル」が生まれる 受容と環境の変化 / 想田 充

■Music on Character

キャラクターの歌声と音楽の場所 アイドル‐ゲーム‐アニメリアリティライン / ミト×さやわか

アイドルは音楽である 「芸能人はカードが命」と「SEVENTH HAVEN」から / シノハラユウキ

声優‐キャラ・ライブという例外状態 その条件としてのオーディエンスの情動と主体 / 川村覚文

アイドルは誰のために

“笑顔”のアイドル活動 / 大橋彩香 聞き手=編集部

個人競争主義アイドルとチーム団結主義アイドル AKB48に共鳴/対峙する二次元カルチャー / 中尾 暁

スクールアイドルの輝きの向こう側へ 『けいおん!』から読む『ラブライブ!』 / 高瀬 司

女性アイドルの「ホモソーシャルな欲望」 『アイカツ!』『ラブライブ!』の女同士の絆 / 安田洋祐

「変身」の変容史 アイドルにならなかった森沢優と、多重に変身し「女の子」を攪乱する『プリパラ』のアイドルたち / 柴田英里

■歌姫のもたらす希望

すべてがどこかにつながっている / 鈴木みのり 聞き手・構成=飯田一史

アイドルアニメとしてのマクロス なんのために、どんな想いで歌うの? / 飯田一史

マクロスΔ』の三位一体とケアの倫理の可能性 / 佐倉智美

■次元を超えるアイドル

アイドルアニメを照射できるか / 香月孝史

二・五次元作品としての『AKB0048』 / 小林 翔

アイドル、スター、そして都市 『サクラ大戦』から見える風景 / 新野 安

あいどるたちのいるところ アイドルと空間・場所・移動 / 岡本 健

アイドルアニメの現在地

アイドルアニメガイド


目次が公開されているんですが、正直、やばいですね。アイドルアニメ好きならマストバイというか。

自分の原稿のこと抜きにして、普通に楽しみなラインナップです。

っていうか本当、なんで自分の原稿がここに並んでいるのか、わりと不思議なくらいで。

声優オタク的には、はっしーと武内くんと自分が同じ誌面に並んでいるという時点で、叫びだしそうです。

菱田監督、西さん、依田さんの座談会まっすーインタビュー、武内くんインタビューと冒頭に並んでいて、アイドルアニメ特集というか、事実上のキンプリ特集なのではってあたりも面白いですw


宣伝ついでに、自著も宣伝させてくださいw

こちらの本に、「付録 二次元アイドル比較」というのを書いてます。

「付録」とか言いつつ、後ろ半分くらいを占めるボリュームで、全然付録じゃないって言われてますw

詳しくは『フィクションは重なり合う』kindle版リリース! - logical cypher scape

おかげさまで、現在、紙版は品切れ中。kindle版のみの販売となっておりますが、よろしくお願いします。

2016-08-10

[]fu_mou『with open』

ナナシスアップアップガールズ(仮)への楽曲提供でも知られるfu_mouの1stアルバムがリリースされた。

とにかくエモい!

with open

with open


M04.ShoutとM07.East Tokyoが今のところ、特にお気に入り

以下のリンク先(soundcloud)から試聴できる

Shout (preview) by fu_mou | Fu Mou | Free Listening on SoundCloud

East Tokyo (preview) by fu_mou | Fu Mou | Free Listening on SoundCloud


「Green Night Parade」

fu_mouといえばやはりこれ

2011年にAltemaよりリリースされたこの曲は、当時最高のフロアアンセムだったし、今でも自分にとって間違いなくアンセムといえる1曲

Altemaのリリースページ。音源ダウンロードはこちらから。

fu_mou | Green Night Parade EP

こちらはMV

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PandaBoYによるRemix版に対して、最近作られたPV

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相沢舞「キミニトドケ」

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777シスターズ「H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A」

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アイカツ!「薄紅デイトリッパー

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この曲については、甘粕試金『CHECK! CHECK! CHECK! アイカツ!音楽試論集』の中の「『薄紅デイトリッパー』という衝撃」が詳しい。

参考:文フリ以前に読んでた同人誌 - logical cypher scape

2016-08-06

[]大森望日下三蔵編『年刊日本SF傑作選 アステロイド・ツリーの彼方へ』

2015年に発表されたSF短編のなから19作品+新人賞1作品

SFマガジンの隔月刊化に伴い、短編発表の機会は減るも、同人誌や企業PRあるいはtwitterなど様々な媒体での発表作品から広く集められている。

既読作品は1作のみで、去年は確かにSF短編全然読んでなかったなーという感じ。まあ読んでる時でも、既読2、3作品だけど。


藤井太洋ヴァンテアン」

3Dプリンタを使ったラボで、菌を使ったバイオコンピュータを作ってしまう天才の話

ラボ経営者が語り手で、雇った研究者がやばい天才だった

最後、遺伝配列特許の話とかにもなり、面白い。


高野史緒「小ねずみと童貞と復活した女」

こちらは、『屍者たちの帝国』収録作品で、読んだことのある作品だった。

屍者の帝国』と『白痴』や『アルジャーノンに花束を』などを混ぜ合わせた作品


上遠野浩平「製造人間は頭が固い」

統和機構の合成人間を製造する製造人間の話

ブギーポップシリーズに属する一作。めちゃくちゃ久しぶりに読んだぞ上遠野


宮内悠介「法則」

ヴァン・ダインの20則が物理法則のように働く世界で殺人をもくろむ話

ちなみに、この作品と藤井の作品はどちらも同じ企画に掲載


坂永雄一「無人の船で発見された手記」

同人誌『稀刊奇想マガジン』収録

ノアの方舟をモチーフにした短編。語り手・主人公は、方舟に入れられるまで自分を「人間」だと思っていた猿のメス。

神の不在

森見登美彦「聖なる自動販売機の冒険」

残業中に屋上で休憩していたら、向かいの屋上に設置してある自動販売機が飛んでくる。

向かいのビルで飲んでいた女性が酔っ払い、自販機を取り替えそうと屋上を飛び移ろうとする。

自販機は宇宙へ帰っていく。


速水螺旋人ラクーンドッグ・フリート」

マンガ作品

宇宙からの侵略者に、人類はタヌキや魔女やジンなどの力を借りて戦っている。

主人公は、化け狸とタッグを組むパイロット


飛浩隆「La poésie sauvage」

「自生の夢」姉妹編

詩人アリスが生前に作ったモンスターを罠にとらえる話

言葉でできている世界で、ストランドビーストような姿をした詩=ポエティカル・ビーストがとてもよい

零號琴も単行本化作業が進んでいるということで楽しみ

高井信「神々のビリヤード

3ページほどのショートショート

ら抜き言葉とか若者言葉とか変な敬語とかの正体は、神々が言葉を使ってやってるビリヤードだった?


円城塔「〈ゲンジ物語〉の作者、〈マツダイラ・サダノブ〉」

物語を作るプログラムが作動してる過程で出力した文章、みたいなもの

と書くと、何やら分かりにくいが、結構現実的な執筆時の話として読めないこともない。

〈ゲンジ物語〉や〈マツダイラ・サダノブ〉は、書きながら、固有名詞を一括で置換することができるように置かれた記号

物語を作るプログラムというとまあ大げさであって、とりあえず名前の決まってない登場人物などを、役割名などで書いておいて、あとから置換機能を使えば、それで小説ができるし、作業中の管理もしやすいよねみたいな話なんだけど


野粼まど「インタビュウ」

インタビューを模した作品

SF作品は実は作家と編集者が異星探検して書いてるノンフィクションだという世界

鳴き声があたかもインタビューのような宇宙怪獣をだまして近づくために、インタビューしながら探検するSF作家と編集者

架空の作品の広告が掲載されていたりする。


伴名練「なめらかな世界と、その敵」

同人誌『稀刊奇想マガジン』収録

あらゆる並行宇宙を同時に見渡しながら、それぞれの世界を行き来するのが当たり前になっている世界。転校してきた友人は、その能力を失っていた。

以前もハードSFラノベを融合させたようなものを書いてたけど、今回もそんな感じ。

季節が次々と変化していく様が視覚的に楽しいし、クライマックスの2人で競争するところもいい。

ユエミチタカ「となりのヴィーナス」

マンガ

前掲の伴名作品では、2つのエピグラフが冒頭にあるが、そのうち片方はユエミチタカ作品からのもの(別の作品だが)


林譲治「ある欠陥物件に関する関係者への聞き取り調査」

タイトル通り、とある欠陥物件に関する関係者への聞き取り調査がそのまま文字起こしされたような作品。

時節柄、国立競技場のことかなと思わせておいて、実はあの有名なSF映画二出てくる建築物の話


酉島伝法「橡」

酉島作品は、年刊日本SF傑作選に収録されている短編でしか知らないような気がする。過去2回読んだけど、あまり自分と噛み合わず、単行本に手を出せていない。

こちらは、今まで読んだ中で一番とっつきやすかったし、分かりやすかった。

月にいた幽霊達が、人類の絶滅した地球に再突入し、マネキン人形みたいなものに取り憑いて、人間のまねごとのような生活をはじめる。人間ではないものたちが、人間っぽいものを依り代にして、人間のようなことをして、うまくいったりいなかったりする話。

こちら、飛作品と同じく、詩とSF特集に掲載された作品らしく、詩の効用みたいな話になっていく。

ところで、珈琲の話が出てきていて、誰が「珈琲」をつくったのか?#珈琲咖啡探索隊 (ダイジェスト版) - Togetterまとめを思い出した。自分はこれに直接参加してなかったけど、作者コメントで宇田川榕菴が〜とか書いてあって、「あ、知ってる知ってる」となったw


梶尾真治「たゆたいライトニング

エマノン」シリーズの短編

エマノンとヒカリの物語。まだエマノン単細胞生物だった頃から始まって、エマノンとヒカリとの時間を越えた不思議な邂逅の日々が描かれる。

30億年の記憶を持つエマノンと、様々な時間へのタイムスリップを繰り返し続けるヒカリ。

時間順序がランダムに進むヒカリの生は、「ここがウィネトカなら、君はジュディ」や『スローターハウス5』のようだけど、ヒカリの人生の幅を超えて人類の生まれていない遥か過去までもタイムスリップしている点は異なる。

こういう時間順序がランダムに進む人生にとって、死というのは、普通の人生とはまた違った位置付けがありそうな気がするけれど、穏やかな死のシーンも描かれている。


北野勇作「ほぼ百字小説」

Twitter上で書かれている小説を集めたもの。

めちゃくちゃ短いショートショートとも、長い短歌とも言えるような作品群。

それぞれ100字ほどで完結しているが、いくつか、続きものになっているのかな、と思わせるものもある。

普通の小説を読むのとは違った集中力を使う。


菅浩江「言葉は要らない」

医療ロボット開発を続ける研究者

彼は研究一筋で人間と関わるのが苦手であり、自身が作るロボットでも、人間に近づけるというアプローチをとらない。そのため、彼の研究室にはなかなか人が居着かないのが、新しく入ってきた若手研究者は彼とともに働き続けた。その青年は彼とは真逆で、研究以外に趣味や家庭も大切にするタイプであり、さらには彼が目指した医療ロボットの完成にもこぎつける。

IHIの広報用webサイトに掲載されている。


上田早夕里アステロイド・ツリーの彼方へ」

無人宇宙探査機がテーマ

主人公は、民間企業で宇宙探査機からのデータをSR代替現実)システムを通じて分析する仕事をしている。そんな彼に、探査機に搭載される予定の人工知性と会話する仕事がふられる。

人工知性自体は社内でも秘密プロジェクトなので、彼の目の前には、その猫型端末が出てくる。

前半は、人語を話す妙に頭のいいネコとの、ちょっとほのぼのした物語ともいえる。

後半になって明かされる人工知性の正体、というか、実際どういうシステム構成になっていたのかという話がなかなかすごい。

探査機のデータをSRシステムでっていう冒頭にかなり惹かれたのだが、この人工知性の正体もなかなかよかった。


石川宗生「吉田同名」(第7回創元SF短編賞受賞作)

吉田大輔氏が突如として数万人に増殖した事件の顛末を描くルポルタージュ風の話

突如起こったパニック的状況と、その後、収容されることになった施設内での、同一人物同士の共同生活について。

大森望のコメントにあるが、この賞はこれまでSFらしいSFの受賞が多かったが、今回は奇想的なもの。

状況の推移がドキュメンタリー的に描かれていくのが面白い。