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日記

2010-12-14

2010/12/14 曇りのち雨。核戦争は起こっていない。

さてこんばんは。

今は冗談みたいにあたたかい12月のある日、2010年の年の瀬です。12月なのにあたたかいのは地球温暖化のせいでなく、ここが沖縄だからです。

2010年はわたしの人生において、かなり画期的な一年でした。とくに後半の追い込みはすごかったです。では日本という国にとってはどうだったでしょうか?首相が代わりました。首相は毎年のように代わっていますが、政権交代、という、ちょっと大きめなアクションが起った次の年でした。そのときはみんなが思いました、何かが変わるかも。しかもいい方に。わたしは政治の事はよく分かりませんが、2010年の12月、いい方には変わってないようです。年寄りは増え、若者は職につけません。だから若い女の人は子供を産みたがりません。なんとなく見下していた隣の国は、このところわけのわからない勢いで成長し、「今のままでは侵略される」と怯えている人も少なからずいる、なんて、まさに悪い冗談みたいなこのところです。

10年前、あるいは20年前には想像もしませんでした。よくならない未来なんて、想像できません。そんな時代に私は生まれました。お母さんはわたしにずっとこう言ってきた。「好きな事をやりなさい。そのチャンスは私があげる。」と。その言葉どおり、彼女はわたしいにチャンスを沢山あたえました。チャンスとは、お金です。機会を作るためにお金がいるのです。「好きな事を仕事にするのが幸せ」と、ずっとそう思ってきました。そう思っている人はたくさんいました。でもそうはならなかった。お母さんがくれた沢山のチャンスを、わたしは捨ててしまいました。

今の話からわかるように、わたしはそれなりに豊かな中流家庭で育ちました。ボロ家でしたが持ち家で、お母さんとお父さんは公務員、お祖母さんは何十年も床屋を営んでいます。お祖母さんは倹約倹約を重ねて、今のボロ屋を建てました。それをお母さんに残しました。お母さんもボロ家の近所に家を建てました。彼女が夢みた、小さいけどかわいいおうち。それがわたしに残るものかどうかは分からないけど。彼女達のように、わたしはあなたに何かを残せるでしょうか?たぶん、残せないでしょう。あなたに与えられるチャンスは、わたしが与えられたチャンスよりずいぶん少なくなっている。

この国の人間ひとりあたり、700万円の借金があるそうです(笑ってしまいますね。この金額を、いつか誰かが取り立てにやってくるのでしょうか。)。遠くはない未来、食料危機がおとずれるらしいです。でも今、わたしの家の冷蔵庫は、親戚から贈られてくるお歳暮で埋め尽くされています。わたしもわたしの夫も、けして高くはないお給料ですが、仕事があります。まだ今のところは。

実感がなく、危機感がない。ただあっちのほうで、うすらぼんやりだった霧の濃度が増していくのが見える。今のところは。

あなたが産まれてくるのは、そんなばくぜんとした絶望がそこはかとなく漂う、真綿で首をしめられているような時代です。ご愁傷様。

あなたがおなかに出来た時、まわりのおとなたちは口々にこう言いました。健康な子だといいね、アレルギーが無いといいね。五体満足だといいね。それはわたしもこれまでお祝いの言葉とともに言ってきた、型通りのせりふではあります。

病気を持った子でないといいね。アレルギー持ちでなければいいね。障害を持って生まれてこなければいいね。

あなたが障害を持って生まれてきたら、「がっかりだね」でしょうか。さてもしそうだったら、あなたが重度の障害を持って産まれてきたらどうしましょう。はっきり言って、こわいです。何故かというと、あなたのために使えるお金が一生をかけてもそんなに稼げるとは思えないからです。お金がないとあなたを生かせられないという状況で、あきらめなければいけないかもしれない、と考えるのはとてもこわい。

そしてわたしは、遺伝率50%の病気を持っています。死ぬ事はないけど、死ぬ程つらい時のあるやっかいな病気です。

いつかそのことで、あなたはわたしを責めるでしょうか。むかし、わたしがお母さんを責めたように。

でもわたしはあなたを産みます。

わたしは一度あなたをあきらめた事があります。そのことをあなたにあやまる気はありません。わたしはもう自分を責めたり、誰かを責めたりすることにはほとほとうんざりしているのです。ただ同じ事があなたの身にけして降りかかりませんように、と思います。それだけ。そして、わたしは二度とはあきらめない。

それで結局、わたしはあなたに何を伝えたかったのでしょうか?

下のエントリを読んで、あなたに何か伝えたい、と思いました。でもそれは何だったのか、ここまで書いて分からなくなった。

かわりに衣良のお姉さんのせりふを拝借します。下のエントリも、バナナブレッドのプティングのラストシーンも、ひとしくうつくしく、胸を打つものです。

さて今日はそろそろ休みます。おやすみなさい、あなたも良い夢を。

                 

                      



「わたしは夢の中でお腹のこどもにいいました「まあ生まれてきてごらんなさい 最高に素晴らしい事が待っているから。」と 朝起きて考えてみました いったいわたしの考えた「最高に素晴らしさ」って何なのだろうと わたし自身まだお目にかかっていないのに」  

                                     ーバナナブレッドのプティング(沙良)ー

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