井上さくら の トキタマ日記

横浜市会議員 井上さくら のブログです

結核感染者を検査せずに被災地に派遣していた横浜市

今日は所属する常任委員会(市民・文化観光・消防委員会)の会議がありました。中心議題は東日本大震災の対応の検証だったのですが、その他に重要な報告が。それが横浜市の危機管理室で起きている結核の集団感染。

最初に感染が分かったのは今年の3月3日、危機管理室の職員一人が高感染性の結核と診断され即入院となり、4日後には保健所による職場調査で危機管理室の職員52人全員が濃厚接触者として認定され、接触者健診を受ける事になりました。

ところが、その健診のための説明会の予定が3月11日だったため、大震災の発生で中止。健診も延期されたまま、、、、
なんと、感染の有無を調べる事なく、この52人のうち28人が仙台や石巻の被災地支援へ行ってしまったのです。

被災地から戻ってから行なった検査により、危機管理室52人中、26人が結核菌に感染、うち5人が発病という、集団感染だったことが判明しました。
被災地に派遣された28人のうち16人が感染者だったことがわかり、うち2人が発病しています。

未曾有の震災を受け、被災地では体力、抵抗力の落ちた被災者の方が大勢おり、通常よりはるかに感染させてしまうリスクは高かったはず。衛生状態など結核保有者の治療の面からも決して行かせるべきではありませんでした。

横浜市災害対策本部が置かれている危機管理室。自らの危機管理もできずにどうして市民を助けられのでしょう。(悲)

この事が公表されたのは6月20日。今日はこの事実がわかってから初めての委員会でした。
私からは、なぜこのような集団感染を引き起こしたのか、特に、決められた検査もせずに被災地に派遣した経緯と責任の所在についてただしました。


井上:なぜ健診をせずに被災地派遣したのか?
消防局長:3月時点の保健所の判断では感染性は無く、勤務制限も無かった。

井上:通常業務でなく被災地に行く事の判断は?保健所とは相談したか?
消防局長:相談してない。問題ないと思った。

井上:市の結核対応マニュアル、結核接触者検診の手引き「すみやかに健診」「血液検査を第一優先」とある。その認識は?
危機管理室長:マニュアルは室に無かった。結核は危機管理室の所管ではない。

井上:危機管理室が所管でないなら保健所の対応としてどうなのか、責任の所在を副市長に聞きたい。
副市長:保健所としてはその時々に対応している。最初の患者もマスクをしており感染しないと思った。
井上:その結果、集団感染を起こし支援先の被災地からも問い合わせがあった。大失態、問題を認めないのか。
副市長:事実は重く受け止める。

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要するに、【結果的に色々あったが、誰にも責任は無い】と・・・・

報告の冒頭、消防局長は市民や被災地に不安を抱かせたのは配慮が足りなかったと「謝罪」しましたが、不安ではなく本当に感染の「実害」がなかったかのはまだわかりませんし、足りないのは配慮ではなく危機管理する意志と能力?と思ってしまいました。

焦眉の課題の放射線対策もこの危機管理室の災害対策本部が統轄しています。
これで市民の命と生活が守れるのか。早く何とかしないといけません。