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井上さくらのトキタマ日記 Twitter

2012-03-23

災害がれき「始めに広域処理ありき」の官僚主義こそ、復興の妨げ

今日は、予算市議会最終日。
議案や請願などに対して、賛否の意見を述べる「討論」の後、採決が行なわれ、予算を始め、市長提案の議案は全て可決されました。

一方、市民から様々な課題への取り組みを求めて提出された「請願」の多くが不採択(提出者の意には添えないという事)になりました。

多くの課題があり、それぞれ言うべき事はあるのですが、、、、
今回は、放射能汚染が懸念されている災害廃棄物(がれき)の横浜での受入れ(広域処理)に関し、安全性の確認が出来ない以上、受入れて欲しくない、という請願が委員会で不採択にされた事について、市民の意見を尊重して、採択すべき、という立場から討論を行ないました。

以下はその討論の原稿です。
ちょっと長いですが、放射能の心配だけではない、大事な事も含まれていますので、良かったらご一読下さい。


私は、今議会に提案された請願のうち、放射能汚染の瓦礫受け入れを行なわないように求める請願等の不採択に反対の立場から討論致します。

東日本大震災から1年を迎えた今月、多くの市民、国民が、あの大震災を思い返し、被災地に心を寄せ、その復興を願う気持ちを改めて強くしました。

私自身も、震災ボランティアに行った被災地で頭上にまで迫ってきたガレキの山、高台から見渡す限り大地を覆っていた無数のガレキ、今でも目に焼き付いています。

それがまだ片付いていない、復興の妨げになっている、と言われれば、なんとかしようじゃないかと言う気持ちになるのは当然です。

けれども、本当に問題を解決しようとするなら、その課題の原因が正しく捉えられていなければなりません。

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先日、川崎駅に細野環境大臣や、林市長も出かけられて行われた「みんなの力でがれき処理」の街頭キャンペーンで、配られた、これはそのチラシですけれども、ここには
「災害廃棄物の量は岩手県で通常の11年分、宮城県で通常の19年分にも達しており、その多くが今もなお、処理が追いつかないまま仮置き場に残されている、県内で処理しきれない、追いつかない物を、、、全国でお願いします。」
と書かれ、山積みになった瓦礫の写真が掲載されています。

あたかも、受入れに疑問を呈する市民が、このがれきの山を放置させているような印象すら与えます。

しかし、そもそも、福島を除く2県全体で2,300万トンとされる今回の瓦礫のうち、広域処理分は400万トン、全体の2割にも満たない数です。
このチラシでは「まだ、5%しか処理できていない」と、読む者をあおる訳ですけれども、仮に、その広域処理分を全て全国に配分したとしても、8割を超える瓦礫は現地に残ります。
それは、なぜ、進まないのか??と、今まで何をしていたんだと、この写真を見て、私たちは政府に問わなければいけないんです。

最近一部の報道で、被災した自治体からの、声が聞こえてきています。
岩手県、岩泉町長は、
「現地からは納得できない事が多い」として、町が行おうとした用地買収を国から止められた例をあげ、瓦礫処理についても、「あと2年で片付けるという政府の公約が危ぶまれていると言うが、無理して早く片付けなくてはいけないのか、時間をかけて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する」という発言をしています。

陸前高田の町長は、専用プラントの計画を持ち込んでも環境省と県のお役所仕事の中で立ち消えになったと語っています。

国は、当初掲げた平成26年3月までという自らの処理工程表に収まる施設整備ならば相談に応じるけれども、それを超える焼却場なら、域内の人口設置要件等を満たさねばならず、仮に設置後10年未満で財産処分の場合は交付金の国庫返還を、苦しい被災自治体に求めていると、そうした事実を指摘する人もいます。

地元市町村の手足を縛っておいて、「処理が追いつかない、大量の廃棄物が残されている」と言うけれども、それは、追いつかないのではなく、追いつかなくさせている、地元でできないように、国がしているのじゃないかと、思う訳です。

瓦礫広域処理について、最初に政府が全国に協力要請をしたのは、非常に早くて、何と震災後3日目の3月14日です。
全国の民間関連団体と政令市、清掃一部事務組合に対する要請に、本市を含め、聞かれた全ての団体が協力可能と答えています。
3月14日と言えば、福島第一原発の3号機が爆発をした日です。

さぞ、深刻な事態が続発する中、廃棄物処理についても、様々な検討、見直しが図られているだろうと思いきや、
国は早々と引いた広域処理のスキームを民間に、より広げようと、3月31日には産廃施設での処理をしやすくするため、
事前届け出の30日ルールの撤廃を行なっています。

そしてその後、4月8日に、より詳細な受け入れ体制についての調査があり、この時点では全国の自治体が手を挙げました。

横浜市も年間最大18万トン受け入れ可能と回答をしています。

しかし、その後、原発事故による放射能汚染が広範囲に及んでいる事が、市民の目にも明らかになりました。
国は、これまでと全く違う対応を迫られていた訳です。
放射能汚染の実態を把握し、国際的な原則に従って、その封じ込めの方法を真剣に検討すべきでした。

しかし、国はそれを行わず、実は、今回の震災の前から業界団体からの要請で検討してきた広域処理のスキームにこだわり、地元自治体の自力での処理に「マッタ」をかけ続けていたと言う事です。

こうしたやり方とは別に、国や県に頼らず独自処理を決めた仙台市では、国が目標とする再来年3月よりも半年以上早く処理を終える見通しになっています。

要するに、復興の妨げになっているのは、広域処理が進まない事ではなく、むしろ、「始めに広域処理ありき」で独善的な計画を立て、これににこだわった官僚的な国のやり方だと申し上げたいのです。

今回の、大地震、大津波、そして原発事故という三重苦ともいうべき大災害では、その様相、それぞれの被害の質、量、濃淡が特に複雑で、これを例えば、国や県であっても、ひとくくりに処理する事は、まずできません。
だからこそ、きめ細かな当該市町村が当事者として対応できるよう、人や技術、資金、必要な権限を提供する事こそが必要とされているのだと思います。

実態にあわない、広域処理になぜこだわったのか、いまだに、なぜこだわっているのか、その動機について、私は、この予算市会始めの本会議で、「復興に名を借りた、巨大公共事業の全国へのバラマキだ」と申しました。
広域処理としてわざわざ遠くまで運べば、割高になり、しかも
その費用は、雇用や経済活性を必要としている被災地には落ちない。
被災地以外の受け入れ自治体や、民間業者の取り分として、貴重な復興財源が利権に姿を変えている。

ますますそうとしか思えなくなっています。

岩手県釜石市の瓦礫処理、昨年7月に行われた1回目の入札では、地元中小企業が主体となって「三陸海岸大規模災害廃棄物処理有限責任組合」をつくり、入札に参加したものの、落札したのは、大手ゼネコンの鹿島と本市でもよく見かけるJFE系列のタケエイ、そして新日鉄の子会社による大企業JVでした。

この中央の大企業連合が提示した入札価格は13億2300万円。
地元企業組合が提示したのはそれより安い10億6000万円、
それなのに、技術評価点で大手ゼネコン組が評価されて落札しています。
その後の2回目は広域処理のネットワークを期待されて大成建設が取っています。

横浜のこの議会でも、公共工事の地元企業への発注をという議論はしょっちゅうある訳ですが、
何とか復興へテコ入れをという、被災地においてこういう事で、良いんでしょうか。

「みんなの力でがれき処理」を初め、広域処理の宣伝費には、新年度分を含め40億円もの予算がついています。
広告代理店を使った新聞見開きの大広告、テレビやインターネットを使った宣伝、こういうやり方は、
本当の復興に資するとは思えません。
地方自治や民主主義とも相容れないものです。

「始めに広域処理ありき」という国の進め方こそ、問題だと申しました。
これは、今回請願を出された市民の皆さんが心配されている安全性の問題とも関係しています。

先日、川崎駅に来られた細野環境大臣、しきりに持ってくる瓦礫は安全ですとおっしゃっていたようです。
国は、昨年6月「福島県内の災害廃棄物の処理の方針」を定め、これ以外、つまり宮城県、岩手県の廃棄物自体には放射能汚染の程度による区別を設けず、広域処理の対象としました。

県の境界線で放射能汚染の有無を区切れると言う間違った認識に立った方針です。
その後、横浜でも大きな問題となった稲わらの汚染によるセシウム牛肉の流通がおきました。
福島以外の県の稲わらも高濃度に汚染されていたじゃないですか。

当たり前ですが、放射能は県境を超えるという事が立証されたにも関わらず、環境省はその前に決めた前提を見直す事無く、今日に至っています。

街頭に見るからにきれいに分別された木屑を持ち込み、これを線量計で測って首都圏と同じです、というパフォーマンスを大臣がやっていますが、瓦礫の汚染度は空間線量では測れません。
津波による泥にまみれ、様々なものが混入している今回の瓦礫には放射性物質だけでなく、アスベストやPCB、六価クロム等の有害物質が実際に見つかっています。

それを、わずかなサンプルだけを測って、安全等と、とても言えたものではありません。
大臣のパフォーマンスは国民をばかにした子どもダマシという他ないです。

横浜市は現在、県や他の政令市とともに、がれき広域処理のためのマニュアル作成の会議を続けています。

民間が請け負い、民間が焼却、最終処分するスキームの検討も行なわれています。

冒頭の経過のところで述べたように、国は震災からわずか3週間後という時期に、
民間産廃施設で一般廃棄物を焼却する手続きの大幅な簡素化を行っています。
受け入れ側自治体との事前協議の義務づけもなく、
一方的な通知のみで法的には可能になっています。

つまり、今、知事が言っている100ベクレル以下の物しか受入れない、などということも、
どうやって担保するのか、全く明らかではありません。


そもそも、一般廃棄物である瓦礫の処理は、市町村固有の「自治事務」です。
本来、国も、県も口出しできるものではありません。

今回、国は特措法や規則の緩和や「ガイドライン」などの綱渡りで、「災害廃棄物の広域処理」を中央集権的に進めようとしていますが、そのような行為に法的根拠が実は無い、という事を黒岩知事も、環境省も認めています。
だからこそ、県庁での対話会でそれを思い知った後、知事は、林市長も連名で、国に対し、新たな法的措置を図るよう、文書で求めました。
先週でしたか、その回答が国から来ましたけれども、国は新たな法整備はしない、と答えています。

できないんだと思います。
「憲法」で地方自治を定め、
「地方自治法」で一般廃棄物処理を明確に自治事務と位置づけ、
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に大別している以上、
こうした基本法や関連法の全てを変えなければ、今のような広域処理は出来ない、

何度も言いますが、現在の特措法は、環境省自ら認める通り、国主導の広域処理の根拠にはなりません。

こうした瓦礫の広域処理は、市民の命と健康、安全の問題である事に加えて、
民主主義と地方自治の問題でもあります。

国が関係業界からの要望を受け、官僚主導で進めようとしたものの、
原子力災害、放射能被害という、全く新しい事態に対応する事ができず、大幅に復興を遅らせた、その失態を認める事無く、むしろ補助金をばらまき、巨額の宣伝費用を投入して国民の良心や同情心を利用して、自分たちの勝手な計画をごり押しする、
これは、被災地の復興にも反し、国民の命、健康に危険を及ぼし、さらに、民主主義と地方自治に背くものです。
この事を危惧する市民の声を受け止め、これらの請願を採択するよう、訴えて、私の討論といたします。



残念ながら、討論の甲斐無く、この請願は本会議での多数決の結果「不採択」となってしまいました。
請願を提出された皆様に力不足をおわびしなければなりません。
でも、これで終わった訳ではありません。
多くの皆様に関心を持って頂き、しっかり、監視し、声を上げていきたいと思います。
私たちの命や生活を、国任せにしてはいけない、というのも、3・11の重要な教訓だと思いますので!

2012-03-08

目の前にある危険物を薄めてバラまき「無かった事」にする・・・これ本当は犯罪です。

一昨日の質問が、翌日各紙で報道されました。
【放射性セシウム】が横浜のゴミ処分場から垂れ流しになっている!と問題にした質問です。

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全紙が報道して下さったのですが、勝手ながら、ベストショット付きの東京新聞の記事を紹介させて頂きます。
このカラー写真の下、ちょっと読みづらいので書き出すと
「南本牧廃棄物最終処分場で住民にゼオライトについて説明する市職員(右)。
しかし既に外されていた=昨年11月15日」


そうなんですね。あんなに力説していたゼオライトによる放射性セシウムの抑制。
実際に使ったのは1月足らずで、昨年の11月1日にはもう外してしまっていたので、確かにこの写真が取られた時には既にダダ漏れになっています。
地元住民を現地見学までさせて「対策しているから大丈夫です!」と説明していたのに。
この写真に写っている職員さん、とても一生懸命な感じだけれど、このとき既に使っていない事、わかっていたんでしょうか。
ちょっと人間不信になってしまいます。

質疑の録画が、今日から市議会のホームページで見られるようになっています。こちらをご覧下さい⇒
http://www.yokohama-city.stream.jfit.co.jp/giin_result.php?GIINID=5072

ユーチューブにもどなたかがアップして下さいました。
全部で12分ほどですので、ご覧いただけたらと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=ttsrADIm_Bs&feature=youtu.be:title=f:id:sakuraline:20120308224004p:image:w640]

私が手に持っているパネルが、ゼオライトを充填してある浄化塔の写真です。

前回のブログに書いた通り、この浄化装置に小石のような鉱物ゼオライトを詰めてあり、ここを通せば汚染された排水中の放射性セシウムを吸着する事ができます。
昨年、市民がこの処理場の放射能問題を心配して声を上げた時に、「対策」として横浜市が充填したのです。
いま思えば、それは放射能対策ではなく、住民対策だったのでしょうか。

【実際は使っていない】けれど、そうとは言わずに【充填してあります】と言い、てっきり使っているものだと錯覚させる。

同じような、巧妙なウソが、もう1つ有ります。
それが、「不検出」。

【実際は大量にある】けれど、そうとは言わずに薄めて測れない状態にしておいて【不検出】と言い、てっきり無い物だと錯覚させる。

動画を見て頂くと分かりますが、なぜ
①効果があり、②費用も安く、③すぐ使える
3拍子そろったゼオライトへの通水をしないのか、
何度聞いても局長は、排水中のセシウムは【不検出】だから、と繰り返します。

それだけ聞けば、放射能が含まれていないなら使わなくても良いだろうと思います。
しかし濾過すると、1月足らずで濾過材1kgあたり5,000ベクレルもの放射性物質が取れるという事は、薄まっているけれども大量の放射能が目の前にあるという事です。
ただ、大量の海水(処分場内)に投じた灰から溶け出した物なので、濃度としては薄まり、測定の限界(この排水測定の下限値はセシウム134、137、それぞれについて10ベクレル/L )より低くてその測り方では「分からない」というだけで、ゼロではないのです。
何より、ゼオライトで取れている相当程度の量が確実に内水を汚染している事が実証された訳です。
「無い事にしておいた方が面倒が無い」という自分たちの都合に合わせて事実をねじ曲げてはなりません。

極めて微量でも猛毒と分かっている危険な放射性セシウムを、わざわざ薄めて拡散し「無い事」にしてしまう。
こういう人たちに本当は放射能を扱わせてはいけないと思います。

明日、3月9日(金)午後3時から、横浜市長に対し、この問題で抗議と申し入れが行なわれます。この処分場の問題に取り組んできた「hamaosen対策協議会」「南本牧処分場への放射性焼却灰海面埋立に反対する会」の呼びかけです。
関心のある方、疑問に思う方、ぜひご参加下さい。
ご案内が会のホームページに掲載されています。⇒http://hamaosen.blogspot.com/

2012-03-06

【放射性セシウム、南本牧処分場から横浜港へダダ漏れ】

今日、市議会の予算特別委員会で資源循環局への質問をしました。
内容は、今現在【南本牧処分場から、大量の放射性セシウムが垂れ流しにされている事】についてです。

南本牧最終処分場とは、私たち横浜市民が出したゴミが最後に行き着くところ。
横浜港に突き出たようにして廃棄物で海面を埋め立てています。

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下の写真が上から見たところ。
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以前のブログでも書きましたが、この南本牧最終処分場をめぐっては、昨年突如発表された放射性の汚泥焼却灰の埋立について市民の反対の声が上がり、その力で凍結中。

ただ、より放射能濃度が高い汚泥(下水道処理から出る廃棄物)焼却灰を止める事はできましたが、家庭ゴミ等の一般廃棄物の焼却灰はずっと投入されています。

そのため横浜市は、処分場内の水を横浜港へ放水する前に【ゼオライト】を通して濾過し、セシウムを除去するので外には放射能を出さない、安心してと言ってきました。

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これが【ゼオライト】
ちょっとした小石みたいな鉱物です。

南本牧最終処分場は、横浜港の一部を遮水性護岸で囲い、その中に焼却灰や不燃物等を投入する海面埋立。
廃棄物を入れた分、護岸内部の水面は上がるし雨も降るので、常にこの「内水」を処分場外の海へ放流しています。

その際、浄化装置を通すのですが、これまでの装置では当然、放射性物質が取れないため、昨年、汚泥の件が問題になってから、活性炭を入れていた浄化塔の一部に【ゼオライト】を入れて吸着させる事になりました。

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昨年9月、この6塔のうち2塔にゼオライトを充填。

ところが、ナントこれ、1ヶ月足らず通水しただけで止めてしまったのです!

この事について質問した今日のやり取りの一部(概要です。正確ではないのですが)
局長=大熊洋二 資源循環局長

井上 なぜ、通水を止めたのか。

局長 ゼオライトの効果を見るためだったので。

井上 なぜ止めたかと聞いてるのですが。

局長 流入水(処分場から浄化装置へ入ってくる水)も放流水(装置から海へ出す水)も「不検出」なので。

井上 不検出ではなく、検出限界値以下なだけ。
大量の海水に焼却灰を投入したのだから、濃度で見れば、検出限界値以下かもしれない。
しかし、それは、セシウムが無いと言う事ではない。
実際、26日間、通水したそのゼオライトの、放射能濃度はどうだったか。

局長 1kgあたり5,000ベクレルだった。

井上 その数字を聞いて局長はどう思ったのか。

局長 ゼオライトはよく吸着するなと思った。

・・・・・・・・・・・

この答弁に一瞬、ガクゼン。
理科の実験じゃなくて、市民の命、健康がかかっているのに!
この方、何のために局長席でお仕事しているのか、分からなくなっているようです。


放射能濃度が高い「飛灰」でも、測定し始めてからの最高値で2,400ベクレル。(昨年6月)
その倍もの高濃度に、わずか26日間でなってしまうという事は、いかに処分場の内水にセシウムが溶け出ているかという事。
*「飛灰」⇒焼却場で集塵機に付着する微細な灰、放射能もダイオキシンも高濃度になるため特に危険

これほど高濃度のセシウムが、水ぎわのゼオライトで取れるなら、とにかくできるだけ吸着させて、海と言う環境中へ再拡散させない事が、どんなに重要か、なぜ分からないのでしょうか。


ゼオライト塔には5,500kgが充填されていたので、そこに通水した26日間で、5,000ベク/kgになったという事は、5,000ベク×5,500kg=2,750万ベクレルが取れたことになります。
逆に言うと通水を止めて以降はそれが海水に放出されているという事。
計算すると1日あたり、100万ベクレルにもなります。

通水を止めたのが11月1日なのでその後の4ヶ月以上、ざっと1億3000万ベクレルが横浜港へ放出されていた計算で、今もその状態が続いているのです。

じつは、私も最近質問の準備をするまで、てっきり、充填したゼオライトを使っているものだと思っていました。
昨年の秋に、あれほど、ゼオライトを通して除去すると言っていたからです。

見直すと、この局を所管する議会の常任委員会資料(昨年12/12)でも
「実施中の対策」として、「排水処理施設での除去対策として、6本ある活性炭吸着塔のうちの2本にゼオライトを充填する対策を、10月から始めています。」とあります。

今年の2月に地元住民向けに配布された資料にも同様の記載。

改めて見ると確かに「稼働」とか「使用」でなく「充填」。
でも、とっくに止めているのに「実施中の除去対策」って、これは確信犯的ダマシでしょう。
実際、当局から説明を聞いていた多くの方が、ずっとゼオライトを通して放水しているものと信じていました。

もう一度質疑の一部(の概要)

井上 なぜダマすような説明をするのか。止めた事は周辺住民や漁協や港湾関係者に説明したのか。

局長 不検出だと説明しています。

井上 濃度ではなく絶対量で大量に横浜港に流している、ゼオライトの通水を再開すべきだ。

局長 国の基準値以内なので問題ない。通水しない。

井上 ではなぜ、新たな放射能対策として堤防など造るのか。

局長 より安全に・・・

井上 その堤防の建設費はいくらで、ゼオライトにかかるのはいくらか。

局長 堤防の建設費は1億3,000万円。ゼオライトは一塔で120万円です。。


・・・・・・・・・

南本牧での堤防とか、焼却場でのベントナイト混ぜ込みとか、資源循環局は新年度に新たな放射能対策をいくつか始めているのですが、いずれもまだ完成には時間がかかります。
一方、南本牧の最後の水ギワである浄化装置には、既に充填されたゼオライトがあり、今この瞬間からでも通水すればセシウムの環境への再拡散を減らす事が確実に出来ます。
コストもずっと安い。

それでは、なぜ、こうも頑固に通水を拒否するのでしょうか。

今日の質問では時間がなくて、そこまでただす事が出来なかったのですが、
私は、いくつかの【不都合】が彼らにあるのだと考えています。

一つは、セシウムを大量に吸着したゼオライトの処分。
国は311以降、放射性物質の処理基準を大幅に引き上げて、本来通常の処理場で処分できない物まで埋立できる事にしてしまいました。
その基準が8,000ベクレル/kg
これを超えると埋立は禁止され保管義務が生じます。
今回、26日間の通水で、5,000ベクレルだったゼオライトは、既に南本牧処分場に投入され埋立処分されていますが、ちょっとの事で基準を超えてしまえばそれも出来ません。

とは言え、それほどの高濃度のセシウムを外に出さずに捕獲できるのですから、管理できない海中に出してしまうより、場所をみつけて保管する方がよっぽど安全です。(当然、費用は東電に請求できます)

継続して通水すれば、一定期間ごとに汚染されたゼオライトが生まれることになります。
処理のためにも濃度分析が必要ですし、それが今回のような高濃度で続けば、それはいかに南本牧最終処分場の内水にセシウムが出てしまっているかを実証することになります。

実はこれがさらに【不都合】なのではないかと思うのです。
と言うのは、横浜では、放射性物質が水に溶け出やすい「飛灰」を、問題が分かって以降も、相当期間、水中に投じていました。

昨年6月28日付けで環境省は全国の自治体へ「一般廃棄物焼却施設における焼却灰の測定及び当面の取り扱いについて」という文書を出し、その中で「主灰」と「飛灰」は可能な限り埋立場所を分け、それぞれの埋立場所が特定できるようにする事を求めています。
また、この時に「飛灰」に含まれる放射性セシウムは水に容出しやすいという事も自治体に知らせていました。

横浜と同様に最終処分が海面埋立方式の川崎市はこれを受け、飛灰と主灰を分け、「飛灰」は埋め立てずにコンテナに入れて陸上での保管を続けています。
横浜ではそのようにせず、途中から主灰の盛土の中に投入したりしてましたが遮水はされていません。

もっと早く気づけば良かった、という思いがあります。
汚泥焼却灰の事を問題にしてきたのに、もっと考えるべきだった、と自分の不覚を恥じる気持ちです。
とは言え、がっくりしてもいられません。

処分場内の海水が既にかなり汚染されてしまった事は確かなようですし、そこから海へ出る放射性セシウムを少しでも減らさなければと思います。
いったん、海等の環境中に拡散してしまえば、海水であったり海中の生物に蓄積する等して、私たちの身の回りで危険な放射線を出し続けることになります。

濃度を薄めて、国の言う「基準値」以下なら、どんなに大量に拡散しても構わないという神経、
そして、自分たちの都合の良いように事態を解釈する姿勢、
こういう人たちに子ども達や多くの市民の将来を預ける事はできないと、今回改めて思いました。


まずは、すぐ出来る、浄化装置のゼオライトへの通水を再開させましょう。

この問題、多くの市民の皆さん、特に横浜港を使っている方、港で働いている方、釣りやレジャーを楽しんでいる方にぜひ知っていただき、いっしょに声を上げていただきたいと思います。