Hatena::ブログ(Diary)

井上さくらのトキタマ日記

2011-09-14

下水汚泥の焼却灰、南本牧への海面埋立は「凍結」=声と行動は力になる

先週の9日金曜日に突然発表された「南本牧処分場へ、下水汚泥の放射性焼却灰を海面埋立」の問題、今日の市長会見で急きょ「凍結」されることになりました。

昨日はこの埋立の発表に驚いた、なんと100人もの市民が市長室前につめかけ、抗議文を提出し、
f:id:sakuraline:20110912215451j:image

f:id:sakuraline:20110912215448j:image:w360:right












その後、記者会見。(会見場に入りきれず、外に市民があふれていました)
f:id:sakuraline:20110912230213j:image

記者からこの件を今日知ったと言う方どれくらいいますか?と聞かれ、大半が挙手。今日知って、今日行動、それが100人! すごい力です。

小さなお子さん連れのお母さんや、海を愛するサーファーさんや、孫を心配する年配の方や・・・・

f:id:sakuraline:20110912232946j:image:w360:left

ツイッターでこの事を知った俳優の山本太郎さんも駆けつけ、訴えて下さいました。

f:id:sakuraline:20110912233558j:image:w360:right





私も問題点をお話しました。










同時並行で、この問題を担当する市議会の常任委員会も開かれ、多くの議員から、担当局(環境創造局と資源循環局)に厳しい指摘がされたようです。
この事は、今朝の新聞各紙でも取り上げられ、当初「15日以降に投入開始」とされていたため、前日の今日、市長がどう決断するか注目されていました。

市長会見、私は途中で気づいてインターネット中継で見ておりました。
「延期ですか?」という記者の質問に、林市長は「延期ではなく凍結」と言い、代替案の模索をするのであり、単純な延期ではないとその点、明言していました。
周辺住民への説明について、これまで担当局が「説明した」と言っていたのは発表当日に近くの連合町内会長一人に知らせただけだった事が会見の中で明らかに。
これについて市長自身が「私も驚愕しました」として、今後、住民や関係者と話し合う説明集会等を設ける事を約束しました。
さらに、記者の一人がこの件について担当局に問いあわせたところ、
「健康に影響は無いので説明の必要は無かった」と職員から言われたのだが、どうなのかと質問。
これに市長が「体に影響が無いという事はあり得ない。申し訳ない。改めて説明したい。」と釈明に追われました。

この、市長自身が「驚愕した」り、職員の発言に謝ったりしなければならないという事実からいくつかの事が分かります。
実は、この会見の後、方針変更について幹部職員が私の議会控え室へ説明に来ました。
黙って聞いていると、その幹部は「そういう事でこれは延期になりました。」と私に説明。
「ふ〜ん、延期なの?」と聞くと、
「はい、延期です。」
「市長がそう言ったの?」とさらに聞くと、
「え、まあ。」
「私、会見聞いてましたけど、延期とはおっしゃってなかった、凍結でしょ。大事なところをすり替えないで」と、ここまで言ってようやく、その方は「凍結です」と認めました。
こうしてトップの意思が(こうして示されていても)ねじ曲げられるのだなと改めて実感。

「延期」は日延べですから、現状が何も変わらなくても実施が可能ですが、「凍結」は何か現状が変化したと言える理由が無ければ「解凍」できません。
似ているけれども、行政上の意味合いは大きく違います。

今回の海面埋立の突然の発表と凍結がなぜ起きたのか、まだ見えていない部分もたくさんありますが、まず浮き彫りになったのは各局のご都合主義とタテワリ、そしてそれを市長が統括できていない現状です。
下水汚泥焼却灰を敷地内に抱えて困っている「環境創造局」
南本牧処分場の管理責任を負いながら、その安全評価や住民への説明は投入を急ぎたい「環境創造局」に任せっきりの「資源循環局」
市民の健康影響について責任を追っているはずなのに知らぬ顔の「健康福祉局」。。。

今回の「凍結」はあくまで中止ではありませんし、上記のような都合によるすり替えも横行するでしょうから、これからが大事です。
貯まり続ける焼却灰をどうするかについても、技術や知恵を探し出し、絞り出し、結集しなければなりません。
当面の保管についても、作業に従事する職員や周辺地域に極力影響を及ぼさないよう、今の仮置きから堅固な保管方法へ変える必要があります。
こうした保管や除染、処理に関する技術を、研究機関、大学、企業や技術者から広く公募し提案してもらう事業を横浜をあげて行なってはどうでしょうか
福島はもちろんですが、これから全国で同じ問題が続発します。
国にも対応を求めなければなりませんが、大きくはなくてもすばらしい技術を持った会社も横浜にはたくさんあります。
その知恵と技術、それを発掘する事こそ全国に先駆けて行ないたいものです。

市長は、今回のことで今のままではダメだという事をはっきり認識されたでしょうか。
何事もない時ならいざ知らず、311の大震災と原発事故、そしてその後に拡大する放射能災害のまっただ中では、市民によって選ばれ直接責任を負っている市長と、私たち議員がこれまでと違う決断をしなければならないのだと思います。

2011-09-11

全国初!放射性廃棄物を海面投棄する「南本牧処分場」への下水汚泥焼却灰処分、キケンがいっぱい。

9月9日、横浜市は中区にある南本牧廃棄物最終処分場に、放射性廃棄物を投棄する事を発表しました。
中身は、市内で最も高い放射能が検出されている下水汚泥の焼却灰です。

南本牧の処分場とは、海水面を埋め立て、新たな「ふ頭」用地を作りだす処分場です。

f:id:sakuraline:20110911190759j:image
処分場全景

f:id:sakuraline:20110911190757j:image
ここから焼却灰を投入するという浮き桟橋

ここに、原発事故以来横浜に降り続ける放射性物質が下水処理と焼却により凝縮され、高濃度で検出されている焼却灰(最高で6,468ベクレル/kg)を投棄しようというのです。
大丈夫なのでしょうか?

担当者に確認したところ、灰はコンクリートで固める訳でもなく、容器に入れる訳でもなく、
「扱いやすいように水分を含ませた状態、まあ、ボソボソくらいの状態にして投入します。」との事。

f:id:sakuraline:20110911190758j:image
ごみ投入の様子

海水面埋立方式ですから、フタも屋根もありません。
横浜港の海水とは「遮水護岸」という水を通さない壁で仕切られているのみ。

ゴミの投入や降雨により、廃棄物を投入する内水面はどんどん上がるので、
毎日24時間、ポンプでしきり内の汚水をくみ上げ、
隣接する浄化装置を通して海に放水しています。

とは言え、ここに放射性廃棄物の投入など想定されていませんから、
浄化装置がセシウムなどを全て取り除ける訳ではありません。

また津波の想定はされていませんから、護岸を超える波がくれば、
処分場の中も外も一緒になってしまう構造です。

市は、国の埋立基準濃度(8,000ベクレル/kg)を下回っている、としていますが、
この基準を決めた国の通知「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取り扱いに関する考え方」は、
海面埋立も、処分後の土地利用も想定していません。

横浜の南本牧処分場は、想定されていない海面埋め立てであり、更に処分後は「ふ頭」として港湾施設に利用するため、
そもそも、国の「考え方」は適用できないのです。

そこで、横浜市はこの処分を決めるにあたって、
「放射性物質を含む汚泥焼却灰等の処分に関する安全評価検討書」
という文書を出しました。
これを見ると、まず、トップページに「次の有識者から適正に検討されていると評価をいただいている」として、
田中 知(原子力学会学会長)を先頭に、国の審査委員の名がずらり。

検討書では、さまざまなシナリオを検討した結果、周辺住民や、運搬/埋め立てをする作業員の被ばく量が年間1ミリシーベルトを超えないとして、全国で初めての海面埋立について安全だと結論づけています。

年間1ミリシーベルトって、その他の外部被ばくや、食品による内部被ばくあわせての法定限度のはずですよね?
周辺住民は南本牧以外の放射線の影響はゼロだと言うのでしょうか?

この「検討書」、とても分かりづらいのですが、少なくとも、
南本牧への処分が、海水や地下水への放射性物質の流れ出しを起こす事ははっきりわかります。

仮定に仮定を重ねた計算式により、漏れだすけれども「基準値内」だと言っているのです。
こんなことでとうてい安全が確保されるとは思えません。

こうした重大な決定を、横浜市はまたもや市民にも、議会にも知らせず、
問題の「広報よこはま」にさえも、「安全に保管しています」とウソを言い、
発表から6日後の9月15日以降、投入を始めると言っています。

びっくり!!です。

近くには横浜市の施設「海釣り公園」もあります。
周辺住民はもちろん、釣り船を始め漁業関係者など、海の安全が不可欠な多くの当事者の方たちにも、何ら説明ありません。

横浜市はどうしてしまったのでしょう。
「放射能は安全」広報に続き、この焼却灰処分の問題、
横浜は何かの実験場になってしまっているのでしょうか。

放射能が検出され処理が問題になっている汚泥の焼却灰は、とりあえず移動をさせず、厳重保管する事、そのため今の仮置き状態ではなく、東電にも費用を負担させて周辺や作業者にできるだけ影響を及ぼさないよう、しっかりした保管施設を造る事、そして困っている全国の自治体で共同して政府・東電に責任ある最終処分を求めていく事が当面必要だと思います。

この件についての横浜市による記者発表資料
 http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/kisha/h23/images/110909-1.pdf

有識者がお墨付きを与えた「安全評価検討書」
 http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/gesui/housyaseibussitsu/kentousyo.pdf

新聞報道
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20110910/CK2011091002000038.html
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20110910ddlk14040306000c.html

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1109090035/

写真はいずれも南本牧処分場を管理運営する財団法人 横浜市資源循環公社のHPより