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医者として・患者として

2011-04-21

ベーチェット病関節症状

| 20:44

ベーチェット病の関節症状は、股関節や膝関節、肩関節など、リウマチなどと違って大きな関節が中心となるのが特徴です。体重や力がかかる関節なので、なかなか手ごわく、経過で軽減したり、悪化したりを繰り返します。小さな関節にはまったく起きないかといえば、そうでもなく、指の付け根や手首などの関節などにも圧痛はあります。指の付け根などは、むしろ腱鞘炎といった方がよいと思います。関節につながる筋肉の腱の部分が痛むこともあります(付着部炎)。ベーチェットでは、関節以外にも体のいろいろなところが痛くなります。私の経験では、背骨のとび出したところ(棘突起)、肋(軟)骨や脛(すね=脛骨前面)、肋骨と胸骨(ちょうど胸の真ん中を上下にみぞおちまで走る骨)のつながる部分などです。

治療としては、文献的に消炎鎮痛剤、コルヒチンやステロイド、レミケード、ヒュミラなどが関節症状に有効です。リウマチに準じて、サラゾピリン(アザルフィジン)、メソトレキセートが使われることもあります。ただ、関節症状だけで、ステロイド、レミケード、ヒュミラが使われることはまれで、多くは他の特殊型といわれる症状に使われています。

私は、昔から背中や腰の背骨の上や近くが痛み、はじめはコリや疲れかと思って、家族に乗ってもらったり、指圧をしてもらったりしていました。痛いところは決まって痛む腱があり、そこをグリグリと押してもらうと少し痛みが和らぎました。そのうち家族の方も「ここ痛むんじゃない?」などといわれるほどでした。この頃は特別なこととは思わず、疲れの延長程度に考えていました。その後、肩が痛み、挙げられなくなりましたが、この時も五十肩と思って「右肩は一足早く大台に」などと呑気に話していました。そうこうするうちに、手首、股関節、膝関節にも痛みが現れました。変形はなく、時に赤く腫れていました。股関節は、動きによって「コキッ」というクリック音と痛みが現れ、膝関節は痛みで力が入りにくく、トイレや風呂場で深く座ってから立ち上がることがつらかったです。膝の後ろ側にはハムストリングスといわれる筋肉群があり、ここが特に痛みました。この頃は病気の活動性が高く、寝汗や口内炎、発熱などもあり、炎症が持続した時期でした。毎朝、気持ちだけで出かけてゆき、同僚や患者さんにそんな言い訳をすることはできず、結果として思った仕事のできないストレスもあり、「満身創痍」とはこんなことかと思う日々でした。誰にも辛さを伝えることもできず、わかってもらえない辛さを感じた時でもあります。

私の場合、コルヒチンは無効で、関節痛のためではありませんでしたが、一時使ったステロイドは有効でした。現在は痛みは増減しますが、ステロイド・鎮痛剤の内服は控えています。

薬以外では、膝や股関節が落ち着いていれば、日々無理のない範囲で階段を使ったり、休日には散歩をして肥満を予防したり、ヨガのような運動を仕事の間や休日に行って肩や肩甲骨を動かすようにしています。また、入浴して温めると、しばらくは痛みが弱くなります。これにボルタレンなどの鎮痛剤のジェルや湿布を使って過ごしているというのが現状です。

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sakurasasukesakurasasuke 2011/04/23 01:20 ponさん

こんばんわ
たった今呼び出されて家へたどり着いたところです。

視力障害は、私は今のところ症候はありませんが、とっても大きな問題で現れれば生活を大きく変えなければならなくなります。

学生時代、眼科を回っていた頃、ベーチェットの患者さんについて勉強させていただいたことがありました。指の動きがわかるかどうかの視力でした。しかし、とてもしっかりとした生き方をもっておられて、違った意味でも教えられました。

その頃と比べると、何が変わったのか明確な説明はできませんが、進んだ視力障害の頻度は低下しているようです。

一般的には、男性でHLA B51陽性であれば、その頻度は高くなるとされますし、女性では、重症化する頻度は低いとされています。
眼、神経、血管、腸ともに心配を拭うことはできませんが、検査の感度や精度、薬の選択肢も昔とは大きく変わっていますので、それを信じて一日一日過ごしてゆきたいと思います。

ponpon 2011/04/24 20:16 sakurasasukeさま

 お疲れのところ,コメントをありがとうございました.コメントを拝読させて頂いて,日々進歩している医学の力を信じようと思いました.無意味に怯えていても,焦るばかりですから….自分が身を置いている医学の世界を,もっと信じてみようと思います.私も医学研究者の端くれですから….ありがとうございました.明日から新たな気持ちで,日々を過ごしていきたいと思います.

sakurasasukesakurasasuke 2011/04/24 21:10 ponさん

コメントいただきありがとうございます。

今回はコメント公開させていただきましたが、よろしかったでしょうか。?
私も臨床と研究を担い、論文数やIFも気にする立場にもあります。ある期限に一定の結果を出すことが求められる仕事もあります。

一方で、ponさんがいわれたように、この病気をもつ医師として活動できる時間はどれほどあるのだろうかという焦りもあります。患者としては、もっと本質的なことに注力して、組織的に治療につながる王道の研究を進めていって欲しいと考えます。昨年natureに掲載された2本のSNPに関する報告もインパクトは大きかったですが、早くこれに続く研究が現れないかと期待しています。こうした研究には、膨大な資金やマンパワーも必要で、実現するためには実績と組織的な力も必要でしょう。

最近の記事で、このことに触れるのも、こうしたジレンマのなかでどうにもできない自分のふがいなさを感じてのことです。

とても思いどおりのことができませんが、患者の視点をもってできることで力になれればと思っています。

コメントをいただいて私も力強く思いました。ありがとうございました。

sakurasasukesakurasasuke 2011/05/03 00:15 マーブルさん

こんばんは
お久しぶりです。仕事から帰って、連休を前に少しほっとしています。もっとも明日は、昼間は待機しなければなりませんが・・・。

骨や関節の痛みは、大動脈炎とも共通する部分はあるのですね。炎症が持続するときは炎症性サイトカインが上昇するのですが、これに反応するのは共通しているかもしれません。

肋骨の痛みなど、よくよく触ってみると体の正面ではなく、真横との中間、肋軟骨といわれる部分に痛みがあり、原因はさまざまでも炎症の結果が現れやすいところがあるように思っています。

私も血液では、CRPや白血球は正常範囲に落ち着いてきたのですが、症状はひどくはないものの出没しています。まあ、これまでの付き合いで対応可能な範囲ですので、あまり心配はしていません。

だいぶ暖かくなってきました。どうぞ健やかにお過ごしください。

sakurasasukesakurasasuke 2011/05/15 22:17 Rikaさん

こんにちは、初めまして。
コメント拝見しました。
慢性の炎症の原因が何か確かに難しいと思いました。
眼には病変はないということなのでしょうか?

潰瘍性大腸炎は大腸内視鏡で異常があるのが原則ですから、正常であれば否定的です。

年齢がわかりませんが、若い方ではストレスでの便秘・下痢など、いわゆる過敏性腸症も高頻度ですから、この症状だけで腸病変と結びつけるのも難しいと思います。

小腸病変が疑われれば、カプセル内視鏡なども有力ですが、クローン病などでは逆に慎重になる必要もあり、消化器内科の主治医の先生とよく相談が必要です。

まずは、感染症や他の膠原病などを否定することが必要ですが、恐らくここまでは行われているのだろうと思います。

Rikaさんの症状、検査所見、経過を総合的に判断し、場合によってはさらに経過観察するこことも必要なのかなと思いました。

sakurasasukesakurasasuke 2011/08/21 16:57 らんさん

初めまして

コメントは非公開とさせていただきますね。

息子さんのこと心配されている様子が伝わってきます。ご不安の解消につながるかわかりませんが、参考になれば幸いです。

頂いた文面からは、特にベーチェット病を疑う様子には思えません。口内炎など、出たことのない人の方が少なく、体調が悪かったり、ストレスや睡眠不足が重なれば、誰でも経験する症状です。思春期では、ニキビも当然でしょう。結節性紅斑も一見似た皮疹はいくつもあります。
医師を受診されていて、その後も繰り返すことがないのであれば、現時点ではその判断で十分だと思います。

私は、仕事柄たくさんの患者さんを診ます。若くて、悪性の病気の患者さんもいらっしゃいます。彼らも一生懸命病気と闘っています。

子供を含め、将来に何があるのかはわかりません。病気、事故、災害など気にはなりますが、心配してもきりはありません。もし、何かあれば皆で助け合えばいい、それまでは背中を押してあげようと思っています。

sakurasasukesakurasasuke 2013/06/08 13:46 HNさん

はじめまして
分かる範囲でお返事します。

ベーチェット病では、完全型、不全型を問わず、全身に炎症がくすぶっており、関節炎の頻度は少なくありません。大きな関節症状が有名ですが、これは症状がでると支障が大きく、これを理由に医療機関を受診することが多いのも一つの理由と思います。実際には小さな関節痛も多くの方が経験されていると思います。

こうした指などの小関節の痛みは、時に良く使う部位に見られることもあり、いわゆる腱鞘炎などの合併とする考えもあります。腱の付着部に炎症もあることもあり、ベーチェットでは腱鞘炎なども起きやすいのかもしれません。細部において、どこまでがベーチェットによる関節症状なのかを厳密に線引きすることは難しいように思います。
HNさんの症状がベーチェットによるものの可能性はあると思いますが、整形外科的な検査や病状の経過、仕事状況などと、総合的に判断するのが良いと思います。

私は腸病変もあるため、NSAIDSはなるべく外用だけにしており、ゲルや湿布などで何とか折り合いをつけて、日常と仕事に対応しています。

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