ベーチェット病関節症状

ベーチェット病の関節症状は、股関節や膝関節、肩関節など、リウマチなどと違って大きな関節が中心となるのが特徴です。体重や力がかかる関節なので、なかなか手ごわく、経過で軽減したり、悪化したりを繰り返します。小さな関節にはまったく起きないかといえば、そうでもなく、指の付け根や手首などの関節などにも圧痛はあります。指の付け根などは、むしろ腱鞘炎といった方がよいと思います。関節につながる筋肉の腱の部分が痛むこともあります(付着部炎)。ベーチェットでは、関節以外にも体のいろいろなところが痛くなります。私の経験では、背骨のとび出したところ(棘突起)、肋(軟)骨や脛(すね=脛骨前面)、肋骨と胸骨(ちょうど胸の真ん中を上下にみぞおちまで走る骨)のつながる部分などです。

治療としては、文献的に消炎鎮痛剤、コルヒチンやステロイド、レミケード、ヒュミラなどが関節症状に有効です。リウマチに準じて、サラゾピリン(アザルフィジン)、メソトレキセートが使われることもあります。ただ、関節症状だけで、ステロイド、レミケード、ヒュミラが使われることはまれで、多くは他の特殊型といわれる症状に使われています。

私は、昔から背中や腰の背骨の上や近くが痛み、はじめはコリや疲れかと思って、家族に乗ってもらったり、指圧をしてもらったりしていました。痛いところは決まって痛む腱があり、そこをグリグリと押してもらうと少し痛みが和らぎました。そのうち家族の方も「ここ痛むんじゃない?」などといわれるほどでした。この頃は特別なこととは思わず、疲れの延長程度に考えていました。その後、肩が痛み、挙げられなくなりましたが、この時も五十肩と思って「右肩は一足早く大台に」などと呑気に話していました。そうこうするうちに、手首、股関節、膝関節にも痛みが現れました。変形はなく、時に赤く腫れていました。股関節は、動きによって「コキッ」というクリック音と痛みが現れ、膝関節は痛みで力が入りにくく、トイレや風呂場で深く座ってから立ち上がることがつらかったです。膝の後ろ側にはハムストリングスといわれる筋肉群があり、ここが特に痛みました。この頃は病気の活動性が高く、寝汗や口内炎、発熱などもあり、炎症が持続した時期でした。毎朝、気持ちだけで出かけてゆき、同僚や患者さんにそんな言い訳をすることはできず、結果として思った仕事のできないストレスもあり、「満身創痍」とはこんなことかと思う日々でした。誰にも辛さを伝えることもできず、わかってもらえない辛さを感じた時でもあります。

私の場合、コルヒチンは無効で、関節痛のためではありませんでしたが、一時使ったステロイドは有効でした。現在は痛みは増減しますが、ステロイド・鎮痛剤の内服は控えています。
薬以外では、膝や股関節が落ち着いていれば、日々無理のない範囲で階段を使ったり、休日には散歩をして肥満を予防したり、ヨガのような運動を仕事の間や休日に行って肩や肩甲骨を動かすようにしています。また、入浴して温めると、しばらくは痛みが弱くなります。これにボルタレンなどの鎮痛剤のジェルや湿布を使って過ごしているというのが現状です。

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