かまいたち






小学校が数メートル先で急に「バタン!」と転んだ。



すぐに起き上がるも、キョトンと放心状態でその場に立ち尽くしていたので、すれ違いざまに、「気ぃつけやー」と声をかけると、「え?」と不思議そうな顔をする。「気ぃつけやー」と優しく言いなおすも、さらに不思議そうな顔。

あぁ、そうか、と思って「気をつけるんやで」と言っても首をかしげる。「えーっと、気をつけましょうね」と完全標準語で話しかけると、それには全く答えないで「何もないのに急に足がひっかけられたんだ!」と、周りをキョロキョロ。



僕が興奮気味に、「それ、カマイタチちゃうか!?」と言うと、「ちゃう!」と即答して走って帰っていった。



なんやねん、お前関西弁わかってるやんけ、と僕はその場でしばらく放心状態。