萌え豚っていうな!

萌えヲタのことを萌え豚となんの根拠もなく言うのを止めさせることを目的としたブログ。自分で言うことも含む。

Twitterをなぜつまらないと感じるのか

 Twitterのユーザーは「ある制約」と戦っています。

 それは「140という文字制限」で、これを守ることで「使用の資格(ライセンス)」が得られます。

 ですが、筆者の見立てによると、およそ5倍の700文字は必要になることがしばしばあります。

 それは次の等式によって証明されます。

 ハルヒ」(3文字)=「不機嫌になると世界を滅ぼす少女」(15文字)

 これは『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品についての説明ですが、大事なのはそこではありません。

 この等式が示している、2つのポイントこそが大事なのです。

 それは次のようなものです。

 A)前者が後者を前提知識としている
 B)読者が前提知識を持つ場合の文字数=5分の1
            持たない場合の文字数=5倍

 「前提知識」とはこの場合「説明」のことで、「バカな読者に対する追加説明」とも言えます。

 Twitterで何かを伝えたい*1とき、ユーザーはこのルールに従わなければいけません。

 仮に、いま等式として示した事例には、次のような条件があったとしましょう。

 a)ユーザーは『涼宮ハルヒの憂鬱』についてつぶやく
 b)「ハルヒ」を「説明なし」で使い「140文字」になった
 c)それ以上、文字数を減らすことはできない

 このとき「読者」が「前提知識を持っている」のなら、それで十分ですが、「持たない」場合は問題があります。

 「読者に前提知識がない場合、文字数は5倍になる」といった法則から、ここでは「140×5」で「700文字を表現できる機能」が求められるのです。

 これは現在、Twitterに備わっていませんので、ユーザーはこの場合、つぶやきを断念せざるを得ません。

 一般化してみましょう。

 ユーザーはつぶやく際、(意識的か無意識的か)次のように行動しています。

 1)つぶやきの内容を想定する
 2)読者のレベルを考える
 3)それが低度であった場合、予定していた文字数を5倍にする
 4)それが140文字をオーバーする場合、ツイートをしない

 いわゆる文字制限は4)のことを指しますが、それは実態として、2)の読者のレベルに左右されるのです。

地デジに喩えてみる

 ちなみに、以上までのことをTwitterに打ち込めば「−697」、つまり「837文字」になります。

 これを「5分の1」、つまりTwitterの限界である「140字」に収めるには、「何らかの説明の省略」が必要になります。

 ここでは実際に、省略した説明を示してみましょう。

 「不機嫌になると世界を滅ぼす少女」(15文字)=「ハルヒ」(3文字)。前提知識があると文字数は5分の1になり、ないと5倍になる。後者の場合、Twitterの制約文字数「140」を目一杯に使っても、5倍の700文字が必要になる。読者の前提知識がいかに大事かが分かる。

 これは実際に、筆者がTwitterに流したもので、本エントリとおなじ意味のものです。

 これは言うならば「本エントリの情報を圧縮したもの」です。

 「圧縮された情報」には必ず「展開」が求められますから、これは「地上波デジタル放送」で説明できます。

 地デジには「チャンネルを変えるときタイムラグがある」といった性質がありますが、これは「情報の展開」に時間が掛かっているからです。

 地デジの仕組みは次のとおりです。

 映像を録画する→情報化する→それを圧縮する→電波に乗せる→各家庭のテレビに受信させる→情報の展開をする→画面に映像を映す

 この手順がどうしても必須なため、「受信→画面に映る」という流れにラグが生じるのです。

 いわば「宅配便」のようなもので、「箱を明けるまで中身は分からない」と言えば分かりいいでしょうか。

 さて、問題なのは、上記した「ツイート版」から一体どれだけの人が「この文章(ブログ版)」を「展開」できたかということです。

 もし極端に少ないのなら、それは「(少なくともこのケースの場合)Twitterの制約が厳しすぎた」ということです。

少し個人的な話

 もっとも、先ほどのチャートの話に戻ると、より本質なのは1)「ユーザーの表現欲求」の問題であり、そこでは次のような反論が想定されます。

 ――そもそもレベルの高いことを書こうとしなければいいのでは?

 これはごもっともで、だから筆者はTwitterに消極的なのです。

 雑談っぽいことを書き込んでも、けっきょく「展開がむずかしいもの」ばかり書いてしまう。

 だからリツイートもされずフォロワーも増えない。

 そりゃつまらなくなるのも当然です。

 これと同じことを感じるユーザーは少なくない。

 筆者はそのように思い、つまるところ「Twitterをつまらないと感じる」のは、「展開がむずかしいことを書こうとするから」なのです。

おまけ

 ちなみに、先のツイート(132文字)をさらに「5分の1」にし、「132÷5」で「約30文字」にすると、次のようになります。

 喩えるなら「Twitter=地デジ」「ツイートとその読解=情報の圧縮―展開」(32文字)

 これも実際にツイートした文面です。

 こうなると、もう本当にわかるひとはごく少数といった感じではないでしょうか。

 なぜなら「文字数を減らす」ために、ここでは「喩え」を使っており、「読者の前提知識」としての「ITの知識」が求められているからです。

 また、本エントリの全文字数は「2221文字」で、これを5分の1にしても「Twitterの文字制限=140」は容易にオーバーしてしまいます。

*1:ここでは「表現」ではなく「伝達」を前提としています。前者の場合、読者の力量は関係ありませんから。