瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

松本清張『二重葉脈』(2)

・角川文庫3273(2)
 昨日の続きで、六版・二十二版・二十六版の本体の異同について。
 本体、1頁(頁付なし)扉、六版は双郭(10.1×6.5cm)、横組みで上部に明朝体で標題と著者名、下部に向かって右向きの鳳凰明朝体で「角川文庫/3237」。二十二版・二十六版は単郭の上部に子持枠があって、その中に羽を銜え翼と脚を拡げて向かって左向きの鳳凰。3頁から本文。599頁まで一致。
 600頁は略伝、「松本清張」とあって、まず6行が「‥‥。いわゆる松本清張ブーム起こる。」までの略伝、続いて〔主要作品〕が六版は5行で、5行めは

/「海の輪*」「二重葉脈*」等。

とあって次の行に下詰めで「*印 角川文庫所収 」とあった(*は標題の最後の字の右傍に附される)が、二十二版はさらに12点が追加され、5〜7行めは以下のようになっている。

/海の輪*」「二重葉脈*」「生けるパスカル*」「聞かなかった場所*」「彩色江戸切絵図*」「山峡の章*」/「水の炎*」「混声の森*」「影の車*」「北の詩人*」「地の指*」「死の発送*」「翳った旋舞*」「美しき闘/争*」等。


 『美しき闘争』までになっているのはカバー裏表紙折返しに同じ。二十六版もこれに一致。
 奥付、六版は7.2×5.0cmの角の繋がっていない単郭の右上部に初版発行/六版発行の年月日があり、その下に下詰めで「定価は、カバーに/明記してあります」とある。中央上部に横組みで「角 川 文 庫/二重葉脈*1」その下に「角川/書店」の方方印。下部に「著作者  松 本 清 張/発行者  角 川 春 樹/印刷者  橋 本 伝 四 郎」が縦組みで並び、著作者にルビ「まつもとせいちよう」、印刷者の左脇に住所(郵便番号はなし)、その左に5.2cmの縦線(上から0.3cmのところで一旦途切れる)があり、「発行所 〈東京都千代田区富士見二ノ十三/○一〇二○東京一九五二〇八〉 〈株式/会社〉角川書店*2」1つめの○の中に「郵」2つめの○の中に「振」。「株式会社」の割書の左から「電話東京(265)七一一一(大代表)」横並び3桁の算用数字の上下の( )の左側及び「2」の字はこの行の左に食み出す。漢数字は半角。匡郭外に、左辺の下寄りに「落丁・乱丁本はお取替えいたします」、下辺の下に「Printed in Japan  新興印刷・千曲堂製本/0193-122725-0946(0)」とある。
 二十二版・二十六版は2013年6月10日付「松本清張『聞かなかった場所』(4)」で見た角川文庫3335『聞かなかった場所』三十八版と同じ形式だが、二十二版は活版で匡郭の角が繋がっていない。二十六版は写真植字で整っている。異同は電話番号の市外局番(〇三)の次が二十二版「二三八」が二十六版「八一七」、二十二版「製本所――大谷製本」が二十六版「製本所――多摩文庫」、匡郭の外、下辺の下、左寄せに二十六版は「ま 1-15」とあるが二十二版にはない。右寄せにカバー裏表紙に同じISBNコードとCコードがあるのは同じ。
 奥付の裏に「角川文庫発刊に際して」。
 目録、六版は3段組(1段21点)の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1975年10月」の(6)〜(10)頁と1頁9点の「角川文庫 最新刊」頁付(E)。(6)頁の下段19番めから「松本清張」で(7)頁上段まで。最後は『彩色江戸切絵図』で、裏表紙折返しと比較するに「内海の輪/日光中宮祠事件」の順序が入れ替わっていることや、分冊の示し方など2013年8月27日付「松本清張『山峡の章』(3)」で見た、角川文庫3606『山峡の章』十一版「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1979年4月」に同じ。二十二版も3段組(1段21点)の「角川文庫目録 現代日本文学(緑帯)1985年8月」の(2)〜(5)頁は六版と同じ形式、松本氏の著書は(4)頁下段2番めから(5)頁上段12番め『翳った旋舞』まででカバー裏表紙折返しに挙がるものの32番めまでと同じ、『内海の輪』と『日光中宮祠事件』の順序の乱れは正されている。最後に「角川文庫 最新刊」の(49)頁と(50)頁。これは六版にあるものが12.0×7.9cmの角が繋がらない匡郭の上0.6cmを横線(7.8cm)で仕切って「角川文庫 最新刊」とし、その下の広い枠内は全て明朝体で上部に標題、標題の右脇上寄せで小さく著者名(及び訳者)、中央から下部に小さく2行(1行31字)の紹介文という形式で1頁9点であったが、二十二版は11.8×8.0cmの匡郭の上部0.8cmを繋がった枠線で仕切って「角川文庫 最新刊」、広い枠内はやはり全て明朝体で上部に著者名、中央やや上に大きく標題、下部に小さく2行(1行14字)の紹介文、最下部に「260/円」と定価、1頁10点となっている。二十六版は「角川文庫最新刊 」が6頁、1頁に6点、標題は明朝体、著者名ゴシック体、最下部に明朝体3行(1行10字)の紹介文。

*1:ルビ「にじゆうようみやく」。

*2:ルビ「かどかわしよてん」。