瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

遠藤周作「幽霊見参記」(1)

 昭和31年(1956)に遠藤周作三浦朱門が熱海の旅館で2人で同じ幽霊を見た、という体験を、2人して書いたもので、遠藤氏・三浦氏ともに同じ体験について、昭和30年代前半に他にも書いています。まずはそれを列挙して置きましょう。
遠藤周作[幽霊見参記]僕はハッキリと感じた」「文藝春秋 漫画読本」1957(昭和32)年1月号
  ・集英社文庫『ぐうたら社会学』183〜188頁「幽霊見参記」
  ・集英社文庫『ぐうたら社会学』205〜211頁「幽霊見参記」
  ・ちくま文庫『文藝怪談実話』12〜18頁
三浦朱門[幽霊見参記]遠藤の布団の中に……」「文藝春秋 漫画読本」1957(昭和32)年1月号
  ・ちくま文庫『文藝怪談実話』19〜26頁
  ※ 遠藤周作「三つの幽霊」に一部(20〜24頁6行め途中)再録。
③「別冊週刊サンケイ」アンケート 「別冊週刊サンケイ」第6号、1957(昭和32)年7月
  ・ちくま文庫『文藝怪談実話』389頁18行め・390頁2〜3行め
  ・MF文庫ダ・ヴィンチ『私は幽霊を見た』361頁11〜13行め
三浦朱門「悪い旅行」「大法輪」昭和32年7月号
  ・MF文庫ダ・ヴィンチ『私は幽霊を見た』120〜128頁
遠藤周作「三つの幽霊」「オール読物」昭和33年5月
  ・『遠藤周作怪奇小説集』7〜28頁
  ・講談社文庫『怪奇小説集』5〜34頁*1
  ・ふしぎ文学館『蜘蛛』5〜24頁
  ・MF文庫ダ・ヴィンチ『私は幽霊を見た』129〜163頁
遠藤周作「私は見た」「週刊新潮」昭和34年7月27日
  ・『遠藤周作怪奇小説集』73〜83頁
  ・講談社文庫『怪奇小説集』67〜76頁*2
  ・ふしぎ文学館『蜘蛛』45〜50頁
  ・ちくま文庫『文藝怪談実話』27〜37頁
 これは、別に私が苦労して調べて揃えたのではなくて、全て東雅夫編の2冊の怪談実話アンソロジーの文庫本に再録されており、簡単に読むことが出来ます。この後に活字になったものもあるのですが、それは別に触れることにします。それから別の人物が書いているものも早くからあるのですが、これも改めて触れます。とにかく、体験直後に遠藤氏(及び三浦氏)がどのように書いているのか、気になるところがあるので比べて見ようと思ったのです。
 それぞれの題に、差当り『文藝怪談実話』の「初出/底本一覧」と『私は幽霊を見た』の「【底本一覧】」、ふしぎ文学館『蜘蛛』の「初出一覧」に示されている初出を添えて置きました*3
 詳しい検討は、これら初出も確認した上でなすべきなのですが、差当り再録に拠ることにして、私の見た本を列挙して置きました。それぞれの本の詳しい紹介は追って個別に行います。また、今後別の本を見た場合、ここに追補することにして、やはり、その詳しい紹介は別に記事にすることとします。(以下続稿)

*1:2018年3月18日追加。

*2:2018年3月18日追加。

*3:但し『文藝怪談実話』は誌名を『 』で括っていますが、他と合わせて「 」に改めました。