瑣事加減

2019年1月27日ダイアリーから移行。過去記事に文字化けがあります(徐々に修正中)。

鷹橋信夫『昭和世相流行語辞典』(2)

 昨日の続き。
 奥付の左上にゴシック体縦組みで(著者名と読みは明朝体、『 』は半角)、

■著者略歴
鷹橋信夫 たかはし のぶお
昭和十一年(1936)群馬県高崎市生まれ。早稲田大学文学部卒業。PANA通信社、毎日新聞社勤務を経て、現在著述業。世相・風俗・流行語の研究に取り組み、著書に『数ことば物知り事典』(共著)など。

とあります。鷹橋氏が、2013年12月29日付「赤いマント(69)」の後半に紹介した『大衆文化事典』に、編集委員として参加しているのは本書のような業績があったからでしょう。
 8頁の《凡 例》のうち、最初の3項目を引用して、本書の用意を確認して置きましょう。

一 本書では大正15年・昭和1年(1926)から昭和60年/ (1985)までの、世相・風俗・流行に現れた新語・世相/ 語・流行語などを、各年別に収録した。
一 収録語中、各年を代表する数語を取り上げて各々四百字/ 毎の短い読み物にまとめ、一目で内容の判る見出しを付け/ て全頁の上欄に配し、楽しく読める読み物・昭和世相史と/ した。
一 下欄の収録語は、上欄読み物と関連のある語をなるべく/ 一まとめにして並べ、その他は概ね発生月日順に配した。


 さて、62〜65頁「昭和14年(1939)/闇取引時代」を見るに、上欄に4項目あるうちの2項め(63頁7〜22行め)に「おしゃれ追放/パーマネントはやめましょう」があります。2段落にまとめてあるうちの1段め(9〜13行め)を抜いて置きましょう。

 国民生活が苦しくなってくると、国民精神総動員運動がますま/す幅を利かせてきた。昭和14年6月10日、精動委員会は生活刷新/案を決定し、遊興飲食店の営業時間短縮、ネオン全廃、中元歳暮/の贈答廃止、学生の長髪禁止その他を発表したが、就中女性に悪/評の高かったのはパーマネントの廃止だった。


 国民精神総動員運動は54〜57頁「昭和12年(1937)/国民精神総動員時代」の上欄4項目のうちの2項め(55頁7〜23行め)に「掛け声ばかりの/精動運動」として取り上げられています。
 パーマネント排撃の動きについては2012年4月21日付「終電車の幽霊(2)」でも触れたことがありますが、表立ったものの1つがこの年に打ち出されていたのでした。(以下続稿)