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2016-05-09

「100%報われる努力」というロマンティック・ファンタジー青春100キロ』 「100%報われる努力」というロマンティック・ファンタジー 『青春100キロ』を含むブックマーク

AVアイドル上原亜衣ちゃんの引退記念作品素人100人が鬼ごっこ上原亜衣ちゃんを捕まえたら生で中出しセックスできる、という企画に応募したケイくん(仮)。彼が応募用紙に「走ってでも会いに行きたい」と書いたことから、だったら新宿からロケ地の山中湖までの100キロ走ったら確実に上原亜衣ちゃんに生で中出しさせてあげよう、ということで立ち上がった企画AVドキュメンタリー作品監督は『由美香』『監督失格』の平野勝之

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ケイくん(仮)はそもそも趣味マラソンをしていて、ホノルルマラソンでも一般ランナーとしてフルマラソンを完走している。その彼が何故マラソンを始めたのかと聞かれ、こう答える。いわく、特別テクニック必要なく、練習を積めば積んだ分だけ確実に上達するのが明確に解るから、だそうだ。

恋愛において、出会いから2人きりのデートに漕ぎ着けるまでは「お試し期間」。そこから次のデートへ繋げられれば「本採用開始」で、様々な関門を突破し、「この相手なら裸になって何もかもさらけだしても良い」と思わせたら、ようやくセックスにたどり着く。

実際の恋愛では更にその先があるワケだが、「上半期報告」としてのセックスに到る工程相手次第になる。文字通り千差万別で明確な答えは無い。世に溢れる恋愛指南本はある種の類型的な「成功例」のようなもので、書かれた内容を100%こなしたとしても、成就できるかはまた別の要因になる。

恋愛にはマラソンの様に「確実な結果を出す練習」は無い。予行演習や特訓も通用しない。100%の攻略法も無い。夜景キレイな丘で愛の言葉をつぶやいて高額な装飾品をプレゼントしても、必ずその夜に結ばれるとは限らない。

本作のタイトルにある「青春」とは「苦労をしても報われるとは限らない」という事実を実感として知るまでの期間のことだ。恋愛を始めスポーツ仕事はもちろん、趣味だってその頚城からは逃れられない。若く経験の浅い若者特有の万能感で人の苦労をバカにする。

「ふふん。あれくらいオレにだって出来るし、もっと上手にやってやれるぜ!」

こう思っている期間が「青春」だ。実際に立ち向かい、見事に玉砕し、コテンパンに伸されて「青春」は終了する。


からこそ『青春100キロ』はロマンチックだ。


本作にあるのは、巧妙なAV的なロマンだ。AVには、家に帰ったら可愛らしくて異様にエロい義理の妹がいて常にセックスを迫ってくるとか、病院に行ったら「あら!まぁ大変!」とエロい美人ナースに一本抜かれるといった、都合の良いロマンがある。これらのAVは、棚の下で口開けて待っていたら、ぼた餅が落っこちてきた的な、完全他力本願ロマンだ。AVを観ることとは、ウソだと理解した上でそのロマンに耽溺することだ。

本作の場合、100キロ走破というそれなりな苦労があることが肝だ。

例えば、私が今から100キロ走ったところで上原亜衣ちゃんとはもちろん、他の誰かともセックスできるワケじゃない。しかし、本作は「それが出来る世界」の中で撮影されている。

本作の世界では上原亜衣ちゃんへの愛を100キロマラソンという苦労で表現しきることで確実にセックスとして思いを成就できる。都合が良いという点で他力本願AVと大した変わりは無い。

本来セックス人間関係の構築という相当に面倒臭い工程必要だ。その面倒臭い工程を、本人いわく「特別テクニック必要なく、練習を積めば積んだ分だけ確実に上達する」マラソンという、ドラゴン・クエストのレベル上げ的苦労に置き換える。

「がんばれば、報われる。」

なんと甘美で危険な誘惑だろう。今、この世界はいかほどがんばろうが、必ず報われるとは限らない。むしろ、苦労を二束三文に買い叩かれて、思ったような結果を得られることは少ない。そんな世界と地続きに、100キロ走って憧れの上原亜衣ちゃんとセックスした男がいると思うと、なんだか勇気が湧いてくる。意味は無いが、自分マラソンをしてみようかと考える。

そんなロマンティックな「青春」の想いを、今更私に抱かせるほど、本作は危険で甘く、魅力的だ。

マラソンはしないけど。

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2016-05-01

2016年 4月に観た映画 2016年 4月に観た映画を含むブックマーク

あなた携帯にウィルスが入って、遅くなってます!」という恐ろしいメッセージがスマホに出て、言われるがままに色々インストールしたらインターフェイスが変わってしまい、パニック中。

『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』

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バンクシーがNYのあちらこちらに日替わりで作品を残していった一ヶ月を追うドキュメンタリー。バンクシーは本来価値が無いもの価値を加えていくというアートフォームで、二束三文に狂騒する人々を作り出す。そのアートフォーム現在の経済システム虚業富豪たちを嘲笑っているのだろう。バンクシーのNY連作が収められているという点で貴重な記録だが、ドキュメンタリーとしてはとっちらかって散漫な印象。5ポインツとの対比がもっと上手にいってれば。

LOVE 3D』

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監督ギャスパー・ノエなので、もちろん生々しいセックスを3Dで見せるという露悪的な発想で作られているのは確かなのだが、物語は今まで以上に内省的。だが、自傷に見せかけた、他の誰かへのあてつけでもあるだろう。どうすることも出来ない生まれついての才能や感覚セクシャリティ投影する。セクシャリティが修練で身につけられるものでは無いように、芸術的なセンスも生まれついてのものだと突きつけるのだ。

ボーダーライン

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秘密だらけで何も教えてもらえないまま、銃撃や殺戮に投じられるエミリー・ブラントは観客の感情移入対象なんだろうけど、我々はそこまで映画杓子定規正義規範は求めていない。むしろ「殺っちまえ!」と拳を振り上げている。なので「そこで意地はったって何の意味も無いじゃん!」と常に思いながら、CIAの作戦に帯同していくハメになる。終盤でマグマの様にたぎる男の物語へ移行するのが慌しい。

ルーム

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奇妙な性癖を持った男の被害に会う女性が、困難に立ち向かっていくというのがスティーブン・キングの皆既日食連作「ドロレス・クレイボーン」「ジェラルドゲーム」に似た感じ。しかし、後半に訪れるジャック少年無双こそが、本作の高い評価と各映画賞をもたらしているのは明白だ。もう、観客全員泣いてた。映画館がしゃくりあげてた。

『コップ・カー』

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今月の一等賞。ケビベーTシャツも買ってしまった。こどもが汚い大人からマシンに乗って猛スピードで逃げる映画。って、つまりはニューシネマか? かつて『スピード』を撮り終わったヤン・デボンが調子こいて「手漕ぎボートでもサスペンス演出できる」と嘯いたそうだが、本作では車を100マイル/h(140キロくらい。アメリカの高速では珍しい速さでもない)で走らせるだけで、猛烈な感動を起こす。

『スポットライト 世紀のスクープ』

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今年のアカデミー賞作品賞カトリック教会犯罪を暴く新聞記者の戦い。しかし、暴力的な脅しがあるとか、謎の暗殺者に狙われるといった劇的な対決は無い。それなりに妨害もあるが、戦いの最大の相手は新聞記者としての矜持だ。あまりに強大な相手の不正を暴くことで、世界ベルで影響を与えてしまうし、身近な人々の信仰心に傷を与えかねない。そんな静かな戦いに参戦することになった記者たちの熱がヒンヤリとしたトーンの画面でコントラストとなって浮かび上がる。平坦な景色に僅かな起伏をつけて大自然表現する日本庭園の様なわびさびムービー

『レヴェナント 蘇えりし者』

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八甲田山』の撮影で、俳優の準備も整っていないのに、真冬の池の中にジャブジャブ突っ込んでいって水に浸かってカメラ構えている木村大作の鬼気迫る様子に、エキストラ全員「……この現場やべえ……」と戦々恐々とした、その空気映画に収められている。という逸話に似た、ルベツキの狂気とデカプの執念のアカデミー賞であろう。ちなみに『八甲田山』の現場で、やることもなく樫の木と話をして仕上げた脚本を映画化したのが橋本忍の『幻の湖』。キチガイばっかりの現場。ちなみに、デカプが生きた魚をかじる場面を一部のアメリカ人たちが「エクストリームスシ・モーメント」と呼んでいるそうだ。

『アイ・アム・ア・ヒーロー』

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ゾンビ演出はかなり面白いゾンビパンデミックで平穏な社会がひっちゃかめっちゃかにひっくり返る感じは本当に素晴らしい。クライマックスの大殺戮大会も見事としか言い様が無い。しかし、ゾンビが出ていない場面全てがダメだった。臭いセリフと臭い演技は、いわゆる「ダメ邦画」の見本みたいなダメさ。もちろん「ゾンビ映画」の「ゾンビ描写」が良いんだから、という気持ちもあるけれど、なんというか。こだわりの生地と厳選したトマトソースと極上のチーズで作ったピザに乗ったサラミが腐ってるしカビ生えてるような台無し感。もったいない

ズートピア

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フルCGの動物アニメながら、閑職に追いやられたウサギの警察官とキツネの詐欺師が、裏社会にも渡りをつけて事件を追っていくという『ロング・グッドバイ』や『インヒアレント・ヴァイス』を思わせる不良探偵ものになっている。しかもテーマは人種差別だ。ブッといテーマフィルム・ノワールを動物アニメコーティングして子供に見せようというという発想がスゴイ。

『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ

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MCU新作。予告だけでも充分興奮したのに、さらなるサプライズを用意してしまう過剰サービスノックアウトサプライズだらけの終盤決戦はもちろん、スパイダーマン参入エピソードで史上最高にセクシーなメイおばさん登場にはアゴが外れた。仲間割れという湿気の多い辛さをキャップ高潔童貞スピリッツが救う。

『Bajirao Mastani』

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去年の私のベストで挙げた『ラームとリーラ 銃弾饗宴監督と主演2人の新作。インドでは『スターウォーズ フォース覚醒』の方が、この作品上映を避けて上映をずらしたというほどの期待作。それも納得のセットや衣装の美しさ。「目を奪われる」とは正にこの映画のこと。しかし、基本的にはお家騒動なので陰湿なやりとりがメインの会話劇になってしまっている。すっごい美しい世界の中、すっごい美しい男女が、ストレスで内臓溶けるような会話を続けるというマゾ映画

『Airlift』

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1990年サダム・フセインのクウェート侵攻で、帰れなくなったインド人たち16,000人の脱出を描く。『シンドラーのリスト』『杉原千畝』系映画のインド版。侵攻前の裕福な暮らしから一転、侵攻が始まり略奪と殺戮の場となるクウェートの様子がゲームコール・オブ・デューティ4 モダン・ウォーフェア」オープニング的にワンカットで展開していく“地獄絵図”がスゴイ。

『Wazir』

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テロリストに娘を殺された対テロ組織の隊員と、とある理由で娘を亡くした老人の頭脳ゲーム…… っぽい感じの、実はあんまり頭脳関係ない戦い。思わせぶりにチェス盤を出して、IQ高そうな謎を解決しつつ、最終的にはド派手に大混戦というのは、ジェラルド・バトラーの『完全なる報復』だね。『ミルカ』のファルハーン・アクタル主演、インドの至宝アミターブ・バッチャン共演。最近短くなってきたインド映画の中でも90分ちょっとという、かなり短いインド映画

ポルターガイスト』(リメイク

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いったいどこのバカがスティーブン・スピルバーグと、トビー・フーパーがタッグを組んで作った映画リメイクしようと思ったのだろうか?

インシディアス 序章』

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老いて肉体的には弱々しいが強い霊能力を持つ者と、技術面でバックアップする若者研究者というのは『ポルターガイスト』だねぇ。チーム結成までのエピソードゼロ逆恨み幽霊呪いと、亡くした肉親のあの世からの愛がセットの定番幽霊譚。無理やりヒネリ出した感は否めない。

『絶叫のオペラ座へようこそ』

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ホラー・ミュージカルだが、ロックっぽさは無く、いわゆるミュージカル調の歌。しかし、ホラー描写には気合いが感じられる。端々にツメの甘さやテンポが崩れる場面もあるが意欲的な部分は充分汲めるし、それなりに楽しい仕上がりになっているのも好印象。

パージ

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ようやく鑑賞。「金持ち憎し!」が狡猾に脚本に落とし込まれている。『ハンガーゲーム』同様に「こんなにイヤな制度が施行された世界で、嬉々として参加する人と嫌々参加せざるをえなくなった人の対決」を描きつつ「嫌々参加した人」に感情移入させて「嬉々として参加」したい気持ちを満足させる。「金持ちぶっ殺したいよな!」という製作者の声に、ヒットさせて「イェ−!」と答えるボンクラたち、という図式。イェ〜〜!

パージ アナーキー

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続編。パージの舞台を街に移したら、モロに『ニューヨーク1997』みたいな脱出劇になったよ、という感じなんだけど、スネーク・プリスキンいないと、こんなに締まりが無いねえ。及第点アクション映画という程度で、何もすることが無い休日にぴったりな作品

救世主伝説 ザ・タイガー

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ガエル・ガルシア・ベルナル主演。アルゼンチンのジャングル農業を営む貧乏親子と使用人の3人の元へ、地上げ屋8人くらいがやってくる。その時、一人の男がフラリと現れて貧乏一家に加勢する。という『七人の侍』を、極限までソリッドに刈り込んだ話。途中でベルナルがハッパ吸って異世界交信し始めたり、何の前触れも無くトラが加勢したり。と、説明するとオモシロそうだが、実際はかなり眠い

『ワイルド・スピード SKY MISSION』

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3作目あたりからレンタルで済ませて、それまでは「相応しいな」と思ってたんだけど、これは大後悔。物語が完全に機能不全なのに面白く出来ているのは発明的だと言っても良い。ヴィン・ディーゼル軍団の目的は「ステイサムを探すための衛星ハッキング用のデバイスの奪取」。それを邪魔しに来るのがステイサム。しかも何度も! 探す必要無いじゃん! もはやマクガフィンですらない。けど面白い! RIPポール・ウォーカー

マンホール

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下水調査のため、なぜか秘密裏調査を請け負った修繕人が、下水の吹き溜まりみたいな箇所に閉じ込められてしまう。という何から何までババッチイ映画。見どころは主人公の腐敗進行。最終的に日野日出志「蔵六の奇病」状態になるのがなかなかの鳥肌ものクリストファー・ノーランが『悪魔の毒々モンスター』をリメイクしたらこうなるのだろうなぁ、という映画

マーシュランド

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スペインミステリー映画。余計な場面が全く無い編集が神がかっている。登場人物たちの動きのテンポカメラの動きはゆっくりしているのに、必要な場面だけが延々と続いて、サスペンスを一つづつ積み上げていくので、目が離せない。老獪なじじい刑事と若い実直な刑事という常套的なペアにも途中でヒネリを入れてくるので安心できない。

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2016-04-01

2016年 3月に見た映画 2016年 3月に見た映画を含むブックマーク

今月はゴッサム・シティの治安回復のため『バットマン アーカムナイト』をずーとやってたんだけど、エンディングを見るためには「リドラートロフィー」(マップ内200箇所くらいに隠されてるアイテム)を全部集めないといけなくて死んでる……

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』

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劇中、スティーブ・カレル演じるマーク・バウムが「このバブルはもう先が無い!」と確信する場面には恐ろしさすらある。笑える場面も多いけど、全体の印象としては重い。「専門用語が飛び交う難しい経済の映画」と捉えず、競馬みたいなギャンブルの話だと思えばそれなりに理解出来て面白く見れる。要所々々でセレブが説明してくれるし。「サブプライム:特別会員様(2軍):クソ貧乏人」とか。

ロブスター

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成人した人は夫婦なり同性カップルなり、パートナーがいないと違法とされる世界で、妻に先立たれて“違法化”した男がパートナーを得るための施設に入れられる。施設で期限内にパートナーを見つけられなければ罰として、動物に変換されてしまう。という設定。登場人物はそんな施設に入れられるくらいの人々なので、みんな社交性に乏しくて、肉体的な共通性(足が悪いとか、鼻血が出やすいだとか)に拘ってしまう。となると、今度は肉体的な共通性が無ければカップル的では無い、という発想になってしまう。といった価値観の思考実験みたいな展開をする。「M色のS景」という小説を思い出した。

サウルの息子

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魂の救済の話。鑑賞直後に若い客が「主人公自分勝手で和を乱すのがイライラした。」と感想したのが耳に飛び込んできて愕然とした。無論クーデターの画策を邪魔する形になったサウルは「和を乱し」ていたかもしれない。しかし、財産や尊厳を奪われ、とうとう肉体も奪われようというホロコーストに収容されたユダヤ人であるサウルが、死の際に魂だけでも救われようと奮闘する情熱と狂気が理解できないとは、あまりに情緒が無い。

『マジカル・ガール

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日本の魔法少女アニメが好きなスペインの少女。白血病を患っていて、もう長くは持たないという診断を聞いた無職の父親が、娘の願いを叶えてあげようとするのだが…… という出だしからは想像もつかない根本隆的:村田藤吉葛藤日記な展開をしていく。性的な魅力を使って物事を思い通りにしてしまう(出来てしまう)人の「魔力」を「魔法少女アニメ」に投影する成熟さにただただ脱帽。長山洋子の「春はSARA SARA」が架空のアニメ主題歌として使われるんだけど、この曲の「アニメ主題歌っぽさ」がすごいし、見つけた監督センス良すぎる。

インサイダーズ/内部者たち』

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イ・ビョンホンがサンピンヤクザとなり、悪徳政治家やズブズブの大企業社長、腐れメディアをとりまく陰謀に立ち向かう。ビョンホン体当たりの汚れ&被虐満載。肉体的にも精神的にもケチョンケチョンにされる役どころ。ビョンホンの被虐に比例して悪党どもの厭らしさもあがっていき、復讐の爽快さも増していく。しかし、羨望の眼差しを向けずにいられない“あのパーティ”には参加したい。『ベテラン』もそうだったが、やるせない終わり方への揺り戻しが韓国娯楽映画トレンドなのかもしれない。

バットマンvsスーパーマン ジャスティス誕生

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コミックの人気場面をメチャクチャに継ぎ接ぎして辻褄が合わなくなった脚本、時系列や時空が歪んだ編集ステレオタイプな悪役キャラクター設計(レックスは「ゲームなんだよ!」って言いかねない)に、繰り返される夢オチ展開、何度もうっかりミスをするスーパーマン、暗くて何やってるのかわからない画面…… そんな暗澹たる世界にも光りは差す。ワンダーウーマンが本作のメインということで異論は無いだろう。ザック・スナイダーよ。2時間半のこの映画、7分間(本作におけるガル・ガドットの出演総分数だそうだ)はサイコウだった。

ネタバレの話などコッチに書きました→(https://filmaga.filmarks.com/articles/681

『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』

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92歳となったホームズ。その頭脳はもっぱら老いとの戦いに傾けられている。日に日に薄れ行く記憶の中で、引退前最後の仕事として請け負った事件について、思い出していくのだが…… という切ない出だしから、思いもよらない終わりを迎える。正しいから良いというワケでは無く、正しさが傷つけることもある。そんなときのウソフィクションの力を讃歌する。泣けた泣けた。今年のベストに入る。

『光りの墓』

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アピチャッポン・ウィーラセタクンの新作。学校を改装した病院、突然昏々と眠りに落ちてしまう「眠り病」が軍隊の隊員たちに流行してしまう。というような設定から想像される物語は無い。突然起きたり、また寝たり、あービックリしたねー。と世間話をしていたら「こないだお供えありがとー! サルの人形超かわいかったー!」と、神様姉妹がやってくる。せわしなく回る水車に扇風機に公園のベンチの人々。なんだか意味が解らないまま楽しい雰囲気だけは高まるラストにかかるのがインスト曲なのにタイトルが「Love is Song」というのが実に象徴的。

リリーのすべて

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男の身体を持ってしまった女性が、男であることを強いられ続けつつ、現在対処療法として一般的な「性転換手術」を受けた初めての人になるまでの映画。会社の飲み会や親戚の集まりで、ネコを被らざるをえない、あの状況が生涯365日24時間続くと考えれば、同一性障がいのツラさの糸口くらいは理解できるかもしれない、と思った。「頼むからパーティだけでも男アイナーとして同伴して!」と頼む妻に「アイナーって誰かしら? ご存知あげないですことよ?」といった風にツーンとするレッドメインかわいい。

リチャード・カーン フィルムコレクション

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ニューヨークのアートシーン、70〜80年代「ノーウェイブ」のアーティストとして知られるリチャード・カーンの映像作品11作の特集上映。1本2分から長くて20分程度で全部合わせて70分程度の上映時間。見どころは90年代のNINがモロにこのアートフォームをなぞってるのが解るとこ。親や社会がマジでムカつくから全員死ね!という魂がインダストリアルロックによって紡がれる。今日(4月1日)最終日。みんなイメフォに走れ!

『The Mildew from Planet Xonader』

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アダムチャップリン』『テーター・シティ』などを送り出した、新宿ビデオマーケットさんイチ推し映画製作会社「ネクロストーム」の新作。カビ菌をベースにした侵略兵器開発研究所で菌が漏洩してしまう。閉鎖された施設の中に取り残された人々によって、オデキをニキビで潰す様な惨事が繰り広げられる。予算も情熱も全て特殊効果場面に費やされており、見たかった場面は見たかった様に、どうでもいい場面は本当にどうでもよく作られている。日本語字幕もついていて、持っておきたい仕様。みんなも買おう!(こちらから→http://www.video-market.net/vm/feature/mildew_from_planet_xonader/index.html

人間まがい』

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ゴジラやウルトラマンをくさす常套句で「なんで宇宙人怪獣は日本ばかり狙うのか?」というのがあるけど、この映画に登場する宇宙人はなんで、こんなアメリカの辺鄙な森の中に住む貧乏白人ばかりを狙うのだろうか? 世界も、全宇宙も、5キロ四方くらいの森の内側にしかなくて、その外は虚無、みたいな感じ。「くれてやるわい!」と思ってしまう。

ターボキッド

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少し前にカルメン・マキガールズ・バンドキノコホテル」から「挨拶が無い!」と怒ったことがあったけど、本当のところは「カルメン・マキ&オズの曲をカバーする連中が何故ジャガーズもどきの衣装を着ているのか?」という、雑なダサさにたいして怒っていたんじゃないだろうか? 『ターボキッド』には「古い」というだけでアレもコレも大雑把に突っ込んでしまったキノコホテル的(もしくは椎名林檎的)な雑さがある。古けりゃ何でもオシャレになると思うなよ!

ラストドラゴン

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レンタルビデオで!)見たっきりだったけどビデマさんにあったので購入。『ターボキッド』が面白かったと思う人に薦めたい。80年代的ダサさはマネしようとしてマネできるような代物では無い。心の底からそうと信じて間違える。ゆえに美しく、楽しい。中国と韓国と日本、東南アジアひっくるめて「だいたいあの辺の国」として認識している困ったピュアさ。 サイコー! ヒロインのヴァニティはつい先ごろ逝去された。

『喰らう家』

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死霊のしたたり』の首だけクンニで有名なバーバラ・クランプトン主演、ティム・バートン元カノのリサ・マリー共演のホラー。序盤がよくある幽霊ものでダルいんだけど、中盤から一気呵成に攻め込んでくるドライブ感がすばらしい。アメリカ幽霊ものを見ると、きわめて実存的というか、「痛い」とか「うるさくて眠れない」とかの実害が無い限り別にどうでもイイという様な思想が浮いて見える。うっすら見えているくらい何だ!

『お!バカんす家族

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チェビー・チェイスの『ナショナル・ランプーン/ホリデーロード4000キロ』の続編的リメイク。『ホリデーロード4000キロ』の息子ラスティが成長し2児の父親になり、父親同様アメリカ大陸横断「ウィリィ・ワールド」へのロードトリップを決行する。オリジナルに対する目配せギャグもあるが、やはり新作なりのギャグがすばらしく楽しい。借りた車の気持ち悪さと、マイティ・ソーことクリヘムの異常さに腹筋破裂。

ジャングル

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調べても何も出てこない(一般名詞すぎて他の映画ガンガン出てくる)んだけどキリル文字の文化圏内(ロシア?)の映画。劇的な恋愛結婚で結ばれた夫婦だが、夫は仕事で奥さんを省みず。迫る離婚危機を南の島へのバケーションで解消しようと画策するが、嵐に会い食人族の住む孤島に流されてしまう。そんな境遇でも仕事を始める夫に奥さんがブチ切れる。という話で、面白そうでしょ? だけど面白くなるまで1時間くらいかかるんだよ! 1時間ガマンして見続けると楽しい場面がやってくる。しかし、この映画88分しか無いので、楽しいのは正味20分くらい。その20分は良かった。スラブ美人好き。

モンスタートーナメント

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気の無い、どうでもイイ映画が見たくて借りた。望んでいたストライク。終わり方の投げ出し感なんかドンズバ。「あー!これこれ! くぅ〜! どうでもいい〜〜!」と缶チューハイが進む。『ファニーとアレクサンデル』とか『1900年』とか見れば面白いけど、人間には『モンスタートーナメント』が見たい日もある…… というか、見たい日の方が多い。私は。

『Hum Aapke Hain Koun…!』

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兄の結婚式で奥さんになる人の妹(マードゥリー・ディークシト)に恋をしたサルマーン・カーンダバング前イケメン時代)。という設定だけで約3時間20分(200分!)を突っ走る。歌って踊り続ける結婚式が約2時間。ようやく終わったと思いきや奥さん出産でお祭り騒ぎへ再突入30分。残り50分でバタバタと様々なことが起こる。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』カー・チェイスの替わりにパーティ続けている感じ。「わーい!赤ちゃんかわいい!」と、赤ちゃんブンブン振り回して踊ったりして、へそから花が咲きそうなほど大変な多幸感ですよ。

『Prem Ratan Dhan Payo』

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↑『Hum Aapke Hain Koun…!』の監督と主演ペアの新作で去年のインド映画興行収入のベストランクインしたヒット作。物語は「王子こじき」もので、インド映画十八番な話。泣かせる鉄板展開の上で、とにかく楽曲と振り付け、衣装、セットが素晴らしい。楽しい。見ていて本当にウキウキする。ヒロインのソーナム・カプールも少し前まで幼いおぼこさがあったけど、すっかり大人の女性の美しさになっててオジサンこまっちゃう。困る所以は無いのだが。

『Kung Fu Trailers of Fury』

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1972年から1983年までのカンフー映画の予告編集ブルース・リーカンフー映画復興させたとたん、逝去(73年)してしまった後。残された“龍熱患者”たちの「ブルース」の座をめぐった群雄割拠の時代。ブルース・リャンやブルース・リ、ドラゴン・リーらのパチ・ブルース達から、ジャッキー・チェンサモ・ハン・キンポーといった次世代スターなどの映画予告が集められている。ラインアップは割りとメジャー。中に珍妙な作品もあるのが楽しみ。缶ビールのすすむ一家に一枚マストなソフト。写真は『Kung Fu vs YOGA』…… 見たい!

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2016-03-01

2016年 2月に見た映画 2016年 2月に見た映画を含むブックマーク

今月、基本的にはPS4の「マッドマックス」をやり続けて、ウェイストランド全域の脅威レベルをゼロにしてました。オレのウェイストランド平和

『パディントン』

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ヨーロッパ各国で問題になっている難民問題に対して、イギリスから要求。として見られるのは前提なのかな? イギリスに来るんならアメリカ英語なんか喋んじゃねえぞ! という強いメッセージ。あと、『ピンクパンサー』とか『Mr.ビーン』的な破壊ギャグ満載。雪像とかレゴの大作を見ると飛び込みたくなる人にとって開放の連続みたいなスッキリ感。ガッシャーン! おっと、ごめんそばせ、的な。

ブラック・スキャンダル

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ジョニデによるジョニデ仕事エキセントリック少年ジョニデ史実からしょうがないと言えばしょうがないのだが、やはりジョニデバルジャーの暴力に、それなりの理由(愛する母親や息子の死)があるのは、理詰めのつまらなさになってしまっている。うそでもいいから飛躍した狂気が見たかった。

残穢 −住んではいけない部屋−』

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コチラを参照→https://filmaga.filmarks.com/articles/586/

おかわり、いただけますでしょうか……?(上司の自宅で奥さんに)

オデッセイ

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『アポロ13』でNASA職員が計算尺取り出す場面がず〜っと続く様な、大人のSF娯楽。絶望的な窮地に立った人が、地道に少しずつ困難を解決していく姿は、夢があるんだか無いんだか。火星まで来てジャガイモ栽培して、ちょっとずつ移動する生活

ザ・ガンマン

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午後ロー放映前にうっかり劇場でかかってしまった感あり。雑な展開と地味なアクションが続く。ラストだけ飛びぬけてバカバカしい。午後ローとしては100点だけど、シネコンで1800円なりを払わせる代物では無いかなぁ。800円が正規価格

『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』

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ザ・スターリン遠藤ミチロウが、故郷である福島県二本松市に里帰りする光景と、アコギ1本だけでの全国ライブハウスツアーをめぐる様子を自身監督により捉えたドキュメンタリータイトルはザ・スターリン時代から曲名だが、ミチロウ自身母親との距離感故郷との距離感、また福島原発から二本松市までの距離感までをも含めて重層的に表している。いわゆる「原発/フクシマ」特需映画とは完全に一線を画している。

キャロル

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全方位に放たれるケイト・ブランシェットの色気。女性女性らしくあることを強要された時代に、性を超越したフェロモンを持ってしまったケイトキャロルの戦いは目線と微かな笑みで鑑賞者全員を釣り上げてしまう。トッド・ヘインズとしてはエリア・カザン的なメロドラマを作りたかったのだろうし、その目論見はほぼ達成しているが、そんな作家の欲すらケイトの前では装飾にしかならない。ピンと伸びた背すじを見せる後姿はアート的でありエロティックでもあり、政治性すら感じさせる。

『X-ミッション』

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ホット・ファズ』に続く『ハートブルーリスペクト作品。一応リメイク環境テロ的な、いわゆる「意識高い系犯人グループに潜入するFBI新人は元エクストリームスポーツのユーチューバーという、画面に映る人全員に共感できない致命傷な構成。遠目にはいけ好かない野郎どもだけど会って話すとイイ奴なんだとは思う。接点は無いが。ケッ!

ドラゴン・ブレード』

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ジャッキー・チェンの新作。史実を元にしたという大変ウソくさい歴史活劇。ジャッキージョン・キューザックに感化されたのか、すごい目ばりを入れていてオメメ・パッチ〜ンとしてるのが見どころ。アクション的には大人数での乱闘や、隊列を組んでの合戦に加えて個人戦アリと、バリエーションのある見せ場がバランスよく配置されている。特出した場面(自殺じみたアクション)こそ無いけれど、ず〜〜っと面白い状態が続いていくのは大変すばらしい。他民族の連帯といったメッセージも視覚的に解りやすく、子供から老人まで楽しめる作品ディズニーだってここまで徹底できていない。ジャッキーは本当にスゴい。

スティーブ・ジョブズ

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未来が見えている人にとって、現在がどうだろうと、ましてや過去がどうであろうと、固執する意味がわからない。普通の人にとって、そういった態度は完全にサイコパスに見えてしまうという話。後々DVDが出るの解ってれば、後生大事VHSとっておいたりしない。けど当時はとっておかないと無くなってしまう! と思ってたんだよ! うるさいな!

『ザ・ブリザード

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史実を元にした海難事故救出の映画化。ボッキリと真ん中から折れたタンカーに理論派な機関士がいて、慎重だが勘所の良い沿岸警備員が救助に向かう。待つ側と向かう側、それぞれに“正しい資質の人”が活躍するので見ていて気持ちいい。海こわい。

ヘイトフル・エイト

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タランティーノらしさと言われている癖のようなものが、良くも悪くも全開。タラっぽい映画を求める人にとっては至福だし、普通面白さを求めていれば困惑モノであろう。ともあれ、こういう「作家性」が溢れる映画初日にデカイ劇場を満員にしているのは良いと思う。こういうのも世の中にはあるのだよ。

『ザ・ラストウォーリアー

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ニュージーランド映画文明香りが一切しない原始の世界。首狩り族の襲撃を受けてほぼ皆殺しにあった部族の生き残りが、復讐のために人喰い族、最後の生き残りと共闘する。もう設定だけで優勝決定みたいな素晴らしさ。棒に刺さった生首が必然的に登場する。

ゾンビマックス 怒りのデス・ゾンビ

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オーストラリアゾンビ映画なのだが、実にオージーゾンビ設定が生み出されている。死体ゾンビとなって蘇った日に、世界中ガソリンや石油が燃えなくなる。ゾンビは日中はノロノロ動くが、夜になると走る。このゾンビ設定の謎が明かされたところから映画か猛烈にオモシロくなる。オーストラリア人そんなにガソリン大事!?

『特捜部Q キジ殺し』

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デンマーク映画。人気ミステリー小説映画化2作目。閑職のつもりで未解決事件ばかり扱う部署「特捜部Q」に配属されてしまった刑事が、仕事が性に合って活躍するシリーズ。前作『特捜部Q 檻の中の女』も面白かったけど、新作も良かった! 調べて犯人に近づいていくほど、危ない目にも近づいていることを、見ている観客だけは知っているタイプの奴。

『マイク・タイソン・ミステリー』(シーズン1/全10話)

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『Black Dynamiteアニメ版とかを放映している「アダルト・スウィム」という大人向けカートゥーンネットワークで放映されていたもの。マイク・タイソンと、ゲイッシュな幽霊、喋るハト、韓国人養子、の4人が伝書鳩が持ってくる怪奇現象相談を解決していくという話。タイソンはジミー大西的なキャラクターで完全なるアホとして出演している。転げまわって笑った。日本アマゾンで買える。

The Interview

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北の将軍様をコケにした例のアレ。コチラ参照→https://filmaga.filmarks.com/articles/621/

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2016-02-13

我々は何をしてしまったのか? 『スター・ウォーズ フォース覚醒我々は何をしてしまったのか? 『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を含むブックマーク

スター・ウォーズ フォース覚醒』観賞。

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というか、今のところ計8回劇場に赴いているワケだが……

カンタンに感想を述べれば「おもしろかった!」と無邪気に答える。面白かったよ! しかし、オリジナル3部作からリアルタイムで付き合い、プリクエル3部作はもちろん、スピンオフやコミックなどの出がらしも平らげるほどスター・ウォーズ世界を愛してしまった私には、「おもしろかった!」の一言では表現しきれない想いが当然ある。

スター・ウォーズ』とは何なのか?

そもそもスター・ウォーズオリジナル三部作は「古臭いものを再提示する」というコンセプトで作られている。

オープニングの「A long time a go in a Galaxy Far, Far Away」が、古典的おとぎ話の語り出し「むかーしむかし、あるところに」のもじりであることは良く知られている通り。

劇中でも、チャンバラターザンスウィングなど古臭い香りを芬芬と漂わせている。SW独特なワイプの場面転換も、30年代に多用された、言ってみれば「古臭い手法だ。

しかし、登場する様々な乗り物などのデザインは非常に先鋭的なものだった。X-ウィングファイターの可動式翼や、タイファイター宇宙船とは思えないデザイン。アシンメトリーミレニアム・ファルコン。月ほど巨大な宇宙基地。

加えて独創的な宇宙人たちもいた。ハンソロ相棒愛嬌のある巨大なチューバッカを始め、モスアイズリー港のバーにたむろする様々な形態宇宙人たちなど。

“ドロイド”もふるっている。役割ごとに違った形状で、翻訳ロイドとして公式の場にも出るC-3POはゴールドの人型。宇宙間航行をアシストする“アストロメク・ドロイド”R2-D2は足の生えたドラム缶の様で、これはSF小説のクラシックレンズマン」のトレゴンシーが元であろう。

スター・ウォーズオリジナル三部作とは、古式ゆかしい芯を持ち、なじみの深い姿形を連想させながら、全く新しい外見を持っているシリーズだった。

我々は何を求めてしまったのだろうか?

オリジナル3部作を鑑みればプリクエル3部作が目指した方向性も解ってくる。

アールデコ調の戦闘服や乗り物。暖炉の前で愛を語るジェダイ騎士惑星代表の代議士。50’sスタイルのカフェを経営する4本腕の事情通宇宙人とウェイトレス・ドロイド

ジョージ・ルーカスが先導したプリクエル3部作のコンセプトもオリジナル3部作同様「古臭いものを再提示する」だ。しかし、その上で「オリジナル3部作とは違った見た目にする」という、映画作家であれば当然の志も含めていた。ただ、出来上がった映画テンポの悪い代物であったことも手伝い、そんな、ルーカス意図は汲まれることなく批難の狼煙があがった。

プリクエル3部作に対する言説の多くはオリジナル3部作との「違い」を言及したものだ。デザインがつるつるしていてキレイ過ぎる。フォース生物的な属性になってしまっている。複雑な政治的背景が説明口調の台詞だらけで展開していく。などなど。意図された新しさに対し「ソレジャナイ!」と突き返してしまった。

これは間違いなく我々が望んだ『スター・ウォーズ』だ

新3部作の1作目『スター・ウォーズ フォース覚醒』はそれら語られ過ぎたプリクエルへの不満が全て解消されている。

デザインはオリジナル3部作を踏襲したものになっている。「し過ぎ」と言ってもイイだろう。X-ウィングはエンジン部分が半円になっている以外はほぼ同じフォルム。タイファイターに至ってはカラーリング以外大きな違いは見つけられない。ストーム・トゥルーパーは「i-トゥルーパー」とでも名付けたいシンプルなデザインへマイナーチェンジがされている。

フォースは「生きるモノすべてを繋ぐもの」としてオリジナル3部作の設定を引き継ぎ、ミディクロリアンの影は消えている。劇中ハン・ソロがノールックでトルーパーを撃ち殺すのも“フォース”であろう。

物語説明のいらないシンプルものとなり、SW好きなら1度ならず見た事のある展開をしていく。

帝国軍に強襲されて秘密の何かを託されるR2-D2に対し、ファースト・オーダーに強襲されて秘密の何かを託されるBB-8。

田舎町のモイスチャー・ファームで過ごすルークに替わり、廃品回収で日銭を稼ぐレイ

追われるようにミレニアム・ファルコンに乗り込み宇宙へ旅立つルークとオビ=ワンに対し、追われるようにミレニアム・ファルコンに乗り込み宇宙へ旅立つレイとフィン。この場面、墜落したスター・デストロイヤーの間を縫って飛ぶミレニアム・ファルコンの挙動は、オリジナルで見せた隕石群の合間を縫って飛ぶミレニアム・ファルコンと全く一緒だ。

その他、中盤のピンチや終盤の決定的な死の展開、細かなディテールなど、もはやパロディと称しても良いほどのソックリぶりである

我々は本当にこれを望んだのだろうか?

物語オリジナル三部作の出来ごとや登場人物を多少入れ替えて書き直しただけ。ローレンス・カスダンの起用は、訴訟されないための予防策であろう。

デザインもミレニアム・ファルコンが同じなのはしょうがないとしても、主力戦闘機はX-ウィングとタイファイターのみ。反乱同盟軍(レジスタンス)のB-ウィングやY-ウィング、帝国軍ファースト・オーダー)のタイ・ボマーやタイファイターの上位機種であるハズのタイインターセプターは出てこない。

スター・ウォーズ フォース覚醒』は古いスター・ウォーズ物語と、古いスター・ウォーズのデザインで作られた、驚くほどに新しさの無い新作である

困ったことに、これがつまらないワケが無いのだ。シンプルで洗練された物語展開。ロケ撮影の生むダイナミズムや重量感を活かしながら、CGで補完された画像は迫力満点なモノに仕上がっている。戦闘機ドッグファイトも洗練されたスピード感溢れる演出になっており、過去のSW作品と比べても遜色の無いスリルあふれた場面になっている。

これはいったい何なのだろうか?

例えば、今の今『フォース覚醒』は「大変面白い映画」だと言っても良いと思える。しかし、来年、再来年、5年後、10年後になったらどうだろうか?

新しい3部作が全て出そろい、9本の『スター・ウォーズ』を並べた時に、この『フォース覚醒』はどんな位置にいるだろうか? 傑作EP4と並列に並んだ時に、今はまだ新しいが「古くなった」EP7はどんな存在感をもっているだろうか?

例えば公開時は高い人気を誇った『ダークナイト ライジング』を、今、当時と同じ様に高く評価する人はそう多くないだろう。アカデミー作品賞まで取った『恋におちたシェイクスピアだって、今は振り返られることはほとんど無い。『踊る大捜査線 The Final』を見た人は、そのことを思い出したり、たまに見返して「あぁ、面白かったなぁ……」と郷愁に浸っていたりするのだろうか?

繰り返しになるが、今日、今、この瞬間は本当に素直に「SW ep7面白かった!」と答えられる。『ダークナイト ライジング』や『恋におちたシェイクスピア』を見た時と同じ様に。

そんな、本当に複雑な思いを抱いて年末来年頭)のスピンオフ『ローグ・ワン』やEP8、EP9を本当に楽しみに待っているのである

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