2006-07-27
■[志穂美悦子]戦うアイドル誕生・・・まで

ドラゴンフィーバー
燃えよドラゴン ディレクターズカット スペシャル・エディション 〈2枚組〉 [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2004/09/10
- メディア: DVD
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73年12月「燃えよドラゴン」公開。すでに「グリーンホーネット」放映済み。71年には「空手バカ一代」の連載も始まっていたし、同アニメも10月にスタートしていた。日本全土が殴り合いのブルータルな空気に満ちていた。そんな中に投下された核弾頭は白人/黒人を従え悪の手先をボコボコに殴る、しなやかだが小柄な東洋人だ。熱狂的に受け入れられたブルース・リーだったが、すでに鬼籍に入っていた。
公開されていなかった過去の出演作品はわずかに3本(それと撮影が頓挫したままの「死亡遊技」)。「ドラゴンへの道」の日本配給権を得るために池玲子を貸し出しもした。それでもブームを牽引するには燃料がまだまだ足りない。72年のニクソン訪中当時、アメリカで興った中国ブームでアメリカでヒットした物、ブームの2次作品などが中心に輸入公開された。
当時、日本人の感覚として“アメリカ”というのが文化の判断材料となっていたし、香港製作側も日本をマーケットには組み込んでいなかった。実際、アジア各国(中国、韓国はもちろん、ミクロネシア諸島、はてはベイルートにまでいたる。)ではすでに71年に公開された「ドラゴン危機一発」や「怒りの鉄拳」が超ロングラン大ヒットを飛ばしていたにも関わらず日本ではほとんど知られていなかった。「燃えよドラゴン」はワーナー製作で全編英語で進行する『アメリカ映画』だからこそ辛うじて公開された様なものだ。
さらに日本人は「カンフー」という中国独自の格闘技の概念も理解しようとしなかった。当時のパンフレットに大山益達や梶原一騎は「素晴らしい“空手映画”」だとコメントを寄せた。当時の日本の空気として『第三国の映画なぞ』という意識があったに違い無い。
そんな中、我が国より“空手映画”を排出しようというのは自然な流れ。JAC(ジャパンアクションクラブ、現ジャパンアクションエンタープライズ)を結成し、68年からTV放映された「キイハンター」で格闘アクションを披露していた千葉真一に白羽の矢が立てられるのに時間はかからなかったろう。
かくして、「激突!殺人拳」は「燃えよドラゴン」公開よりわずか2ヶ月遅れの74年2月に公開となる。
女ドラゴン
少し戻って。68年。岡山。岡山市西大寺町にモノクロのテレビにかじりつき「キイハンター」を、千葉真一を見つめていた中学生の少女、塩見悦子がいた。このアクションをしてみたい!その思いは色褪せる事なく少女の胸に抱かれたまま数年後。県立西大寺高校、2年の時の進路面談で少女は担当の中村先生にこう言われた。「そろそろ、将来的な進路を考えたまえ。仕事をするのならその仕事場に見学に行くのもいいだろう。大工なら大工の頭領の仕事ぶりを見てみるとかな。」
『千葉真一に会いに行こう』少女は中村先生の言葉を都合良く解釈し、JACの門を叩く。『キイハンターでの千葉ちゃんの様なアクションを女の私がやったらカッコイイだろう!』その一念のみでだ。そう自負する程度に運動神経は良かった。高校では陸上競技の選手だったし、テレビのアクションマネごっこ遊びに興じもしていた。しかし、格闘技には縁が無かった。それに千葉の元でアクション女優になりたい!という思いもあったが『でも、東映は嫌!東映の映画は恐くて下品でなんか嫌!』とも思っていた。
JAC入門試験。当初ジャパンアクションクラブとはスタントマンの養成所として設立されていた。試験を受けに来るのもスタントマンを目指す身の軽い男たちばかりだった。男達は宙を舞いトンボを切る。悦子の番。「やってみなさい」そう言われても返す言葉は「・・・私、陸上競技部で走るのは早いんですが・・・」
『それでは前まわりと後ろまわりをやってみたまえ。クォォォォォ』千葉だ。千葉は鋭い眼光をさらに鋭く少女を見つめる。ゴロンゴロン・・・ゴロンゴロン・・・
合格!
72年夏。千葉の野太い声が響いた。
オマケ
ドラゴン年表:「燃えよドラゴン」は74年のお正月映画として73年の暮れに日本公開となり、日本全土を“龍熱”に侵した。全て日本での公開年数/月。
73/12「燃えよドラゴン」「ダイナマイト諜報機関/クレオパトラ危機突破」
74/3「怒れ!タイガー/必殺空手拳」「帰って来たドラゴン」
74/4「危うし!タイガー」「嵐を呼ぶドラゴン」「子連れドラゴン女人拳」「ドラゴン危機一発」「武道代連合・復讐のドラゴン」「吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー」「殺人拳2」
74/5「荒野のドラゴン」「地獄から来た女ドラゴン」「戦国水滸伝・嵐を呼ぶ必殺剣」「ドラゴンの復讐」「必殺ドラゴン・鉄の爪」
74/6「アンジェラ・マオの女活殺拳」「怒れるドラゴン 不死身の四天王」「女ドラゴン!血闘の館」「空手アマゾネス」「黒帯ドラゴン」「激突!ドラゴン・稲妻の対決」「ザ・カラテ」
74/7「カラテ愚連隊」「キングボクサー大逆転」「電光飛竜拳」「ドラゴン怒りの鉄拳」「ドラゴンを消せ!」
74/8「無敵のゴッドファーザー/ドラゴン世界を征く」「直撃!地獄拳」「女必殺拳」
74/11「暗黒街のドラゴン・電撃ストーナー」「ドラゴンvs7人の吸血鬼」「逆襲!殺人拳」
74/12「いれずみドラゴン嵐の決闘」「空手ヘラクレス」「女必殺拳 危機一発」「直撃地獄拳 大逆転」
75/1「最後のブルース・リー/ドラゴンへの道」「ドラゴン武芸帳」
75/3「ブルース・リーのグリーンホーネット」「若い貴族たち 13階段のマキ」
75/7「赤手空手」
75/8「けんか空手 極真拳」「帰ってきた女必殺拳」
75/10「ストリートファイター(チャーブロ)」
75/11「ダイナマイト諜報機関/クレオパトラ カジノ征服」
76/1「必殺女拳士」
76/5「スカイハイ」「地上最強のカラテ」「女必殺五段拳」
76/6「実録/ブルースリーの死」
76/10「世界最強の格闘技 殺人空手」
76/11「片腕カンフー対空飛ぶギロチン」「少林寺拳法 ムサシ香港に現わる」
76/12「地上最強のカラテPart2」
