萌えと象徴天皇制
●http://netallica.yahoo.co.jp/news/37946
ネット上に“眞子様萌え”が広がっている。秋篠宮親王の第一王女・眞子内親王は、今年高校2年生になる16歳。そんな眞子様に対して、ネットを中心に「かわいい!」という声が上がっているのだ。
(中略)
当の宮内庁は「皇室に対する誹謗や侮辱に関しては、相手に注意をすることもあるのですが……」(宮内庁報道室)と困惑気味。実際に眞子様を扱ったイラストや動画を確認したというが「何とも言えませんね……特に中傷しているわけでもないようですし……」(同)と語るのが精一杯の様子で、皇族がキャラクター化され、アイドル的な扱いを受けているという事態に、対応を図りかねているようだ。
確かに、ニコニコ動画といった新しいツールによる動きに対して宮内庁が困惑するのは分かります。しかしながら、そもそも象徴天皇制は萌えと相性がよい、というよりも、萌えの対象となるために象徴天皇制は存在する、ということさえいえるでしょう。
『七姫物語』(高野和/電撃文庫)というライトノベルがありますが、その作品では、曖昧な国家のかたちを象徴する存在として姫巫女が祀られています。姫巫女を思うことで国家のかたちをイメージとして補完することができる。それが古来からの国家の象徴の務めであり役割です。
また、『ヘタリア』(日丸屋秀和/幻冬舎コミックス)という漫画があるのですが、この作品ではそれぞれの国の抱える事情や特色をキャラの属性とすることで擬人化がなされています。イタリアはタイトルどおりのへタレキャラになっちゃってます(笑)。実在の象徴がなくてもこうなってしまうのですから、象徴たる存在があるのでならば、それについて萌え萌え言い出す現象が起きても別段不思議なことでもないと思います。とは言っても、動画のハイセンスぶりには苦笑を禁じえませんし私の理解を超えています。正直意味が分かりませんけどね(苦笑)。
ただし、象徴としての役割・皇族としての役割は確かにありますが、その一方でプライバシーや名誉といった基本的人権は保障されなければいけません。その辺りの距離感さえシッカリしていれば、キャラクター化されようがアイドル化されようが何の問題もないと思います。といいますか、それこそ象徴が象徴として機能している証だといえるでしょう。なので、宮内庁は生暖かい目で見守っていればいいと思いますよ(笑)。
【関連】
・http://mainichi.jp/enta/mantan/column/hiroi/archive/news/2007/20070111org00m300016000c.html
・「眞子様萌え~」!―皇族の萌えキャラ化に思う:源清流清 ―瀬畑源ブログ―:So-netブログ
・『七姫物語 第五章 東和の模様』(高野和/電撃文庫) - 三軒茶屋 別館
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