夢乃むえ『さえもえな日常』徳間書店

さえもえな日常 (リュウコミックス)

さえもえな日常 (リュウコミックス)

夢乃むえによる双子巫女姉妹の奇妙な日常を描いた漫画です。
「双子」「巫女」「姉妹」とかその属性だけでフジモリはみごとに一本釣りされてしまいましたが(笑)、さらに「メガネ」という属性もついてもう鬼に金棒です。

妹の日常を眺めるだけで(ツボに嵌る人には)満足な漫画かと思います。
しかしながら、内容は胡乱としていてうまく説明するのが難しいです。
基本的には紗英・萌の姉妹がその巫女性質から巻き起こす非現実的なエピソードによる連作短編なのですが、登場人物以外に1話1話のつながりもないですし、設定が次話以降で活かされることもありません。
基本的に物語で描かれる非日常の世界そのものや、双子姉妹のやや百合風味なかけあいを楽しむのが吉なのかもしれません。

読んでいて感じたのが、夢か現か意図的にぼかす、「日常に紛れ込む非日常」が小原慎司『菫画報』を彷彿とさせるなぁ、などと感じたりしました。

これ1巻で完結と言うことで正直物足りない部分もありますが、もし本格連載で続きがでれば*1買いたいなぁ、と思わせる一冊でした。
【ご参考】作者・夢乃むえのblog http://blog.livedoor.jp/yumemue/
菫画報 1 (アフタヌーンKC)

菫画報 1 (アフタヌーンKC)

*1:comicリュウにて番外編の掲載はあるみたいですが