中二病の起源はチェーホフ『桜の園』?

桜の園 (岩波文庫)

桜の園 (岩波文庫)

 最近『桜の園』(アントン・チェーホフ岩波文庫)を読んだのですが*1、そしたら次のような文章があって驚きました。

あなたは二十六だか二十七だかにもなってて、まるで中学二年生並みなのね!
桜の園』(アントン・チェーホフ岩波文庫)p91より

 ひょっとして訳の問題かも?と思ったので青空文庫版のも読んでみましたが、やっぱり中学二年生でした。

あなたは二十六か七のはずね。だのに、まるで中学の二年生みたい!
『桜の園』(チェーホフ,神西清訳/青空文庫)より

 これって中二病のことですよね!

中二病
中学二年生(14歳)頃の発達途上の段階にありがちな発想や嗜好などを揶揄した言葉。
中二病とは - はてなキーワードより*2

 中二病 - Wikipediaなどによれば、中二病という言葉が最初に用いられたのはラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』1999年1月11日放送の同番組内が初出とのことですが、チェーホフアントン・チェーホフ - Wikipedia)はロシアの作家・劇作家で、『桜の園』が発表されたのは1904年です。
 このように、時代も国境も越えて、中二病と思しき症例が指摘されているのには驚きました。もしかしたら、中二病の症例報告として他にもっと古いものがあるかもしれません。何かご存知の方がおられましたらご教示いただければ幸いです(ペコリ)。

*1:『”文学少女”見習いの、卒業。』のネタ本のひとつだったからです(笑)。ちなみに、『”文学少女”』でネタ本とされているのは神西清訳の新潮文庫版ですが、私が読んだのは小野理子訳の岩波文庫版でしたのであしからず。

*2:編集によって定義・書かれてる内容は変わりますのであしからず。実際、以前に中二病の定義をはてなキーワードから引っ張ったことがありますが、そのときとは違う定義になってますので(汗)。