三軒茶屋 別館 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-12-11

[][]youtubeで拾った将棋動画メモ

 リハビリがてらに、youtube上で拾った将棋動画を自分メモ。

【HD 1080P】将棋アワー "Shogi Hour"

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自主制作アニメ【shogi】 animation

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Shougi-将棋-

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【自主制作短編映画】SHOGI OF DEATH(将棋・オブ・デス)【ショートムービー】

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Stop Motion Movie 将棋で「盤上事変」

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2013-03-04

[][]『葬式探偵モズ 1』(吉川景都/怪COMIC)

でも ホントに全部に細かい意味があるんですよ

どんな地域のどういう風習にだって 全部が故人との別れのためにあるんです

遺された家族が式をきちんと整えるのも 安心してあちらへ行けるようにっていう人情ですね

郁さんも だからここまで来たんじゃないんですか?

(本書p30〜31より)

 タイトルどおり、お葬式を題材としたミステリです。

 ミステリは、ときに形式(お約束)を重んじるジャンルだといわれます。さらに、その多くが人の死を扱います。こうした形式性と死という2つの要素は、まさにミステリと葬式との結節点となっています。さらにいえば、お葬式には大抵関係者全員が集まります。そのため、探偵が関係者全員を集めて推理を披露するというお約束もやり易いです。なので、両者はとても相性がいいといえます。

 本書は、昭和50年代中頃が舞台となっています。葬式にまつわる様々な風習が今よりも風化せずに残っていたであろう時代のお話です。”現代では人は流動的で土地に根付かないので、地域固有の風習は薄れつつあります。大多数の人は病院で亡くなってセレモニーホールで葬儀をする。昔ながらのしきたりは消えかけています。(本書p13より)”民俗学の教授である百舌一郎は、そうした消えゆく葬儀の風習を研究している学者です。研究のためにはフィールドワークも辞さない行動派で、行ったことがなく見たことがない地域の葬儀には積極的に参加しようとする変わり者です。

 それだけだと迷惑かつ不謹慎極まりない厄介者ですが(苦笑)、そうはならないのは、ひとつには百舌が葬儀に詳しいがために参列者としての常識というものを弁えているというのがあります。加えて、探偵としてきちんと仕事をしているのも忘れるわけにはいきません。

 葬儀や風習についてのひとつひとつの意味を読み解いた上で、それにそぐわない言動に対して敏感に反応し、そこに矛盾を見出して、真実を明らかにする。葬儀についての薀蓄をシリアスになることなく語りつつ、ミステリとして押さえるべきところはきちんと押さえる。薀蓄ものとしてもミステリとしても読み応えのある作品です。オススメです。

2013-02-11

[][]「将棋世界」2013年3月号感想

将棋世界 2013年 03月号 [雑誌]

将棋世界 2013年 03月号 [雑誌]

「将棋世界」3月号を読んでの気ままな雑感をば。

 本誌は、去る2012年12月18日に亡くなった米長邦雄永世棋聖追悼号となっています。

 新会長である谷川浩司九段の所信表明から始まり、タイトルホルダー5名の他、米長永世棋聖と数多く対局を行った棋士や弟子たちからの追悼文が掲載されています。追悼文の中から印象に残ったものを挙げますと……。

 近くで仕事をすると、将棋界の将来に対し、切羽詰まった鉄のように熱い思いがあり、その思いに反する者には永久凍土のツンドラ地帯のように冷たい、米長流の法則があった。

 共に働くとやけどしそうな思いに振り回され、誤解されればシベリア送りである。

 実は人に対してとても優しく大変気を回すのだが、相手の気持ちを読みすぎて自ら誤解し、結果相手にも誤解されることが多々あった。

「月のような人」専務理事九段 田中寅彦p40より

 「泥沼流」「鷺宮定跡」「矢倉は将棋の純文学」「米長玉」「米長哲学」などなど。また、本誌ではあまり触れられていませんが、当時としては前代未聞ながらも今では普通のものとなっている「全棋戦で敗退した時点で引退」という引退表明が個人的には印象に強いです。棋士として、あるいは将棋連盟の会長として、どちらにも明と暗の側面があって、そうした複雑な人間性を多様な追悼文から感得することができます。とにもかくにも将棋界にとって偉大な人物でした。

新・イメージと読みの将棋観

 テーマ4としていわゆる「米長哲学」が遡上にあげられています。「相手にとって重要な勝負こそ全力を尽くして絶対に勝つべし」。将棋界の根幹をなす重要な哲学として知られているこの哲学について、6棋士がそれぞれの見解を述べています。6人とも、総論として意義はないものの、「全力」を出せば必ず勝てるかといえばそうとは限らない勝負事の難しさや、奥の手は絶対に出さない(by渡辺竜王)といった、「全力は出すけど本気は出さない」とでもいうべきスタイルもあったりしてなかなか興味深いです。

感想戦後の感想「第90回」武市三郎六段 お稽古先で開眼した「筋違い角」

 初手から▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲4四角と、通常とは異なるラインに角を打って一歩得を狙う。これが「筋違い角」と呼ばれる戦法です。

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 歩得という確実な主張があるものの、歩得よりも角を手放すデメリットのほうが大きいと見る棋士が多いらしく、「筋違い角」を得意戦法としている棋士はほとんどいません。実際、『イメージと読みの将棋観』(鈴木宏彦/日本将棋連盟)内でも「筋違い角」は散々な言われようです(笑)。そんな「筋違い角」を得意戦法としているただ一人といっても過言ではないプロ棋士が武市三郎六段*1です。

 そんな「筋違い角」について、武市六段自身は次のように述べています。

「優秀な戦法とは思っていないんですが、経験のある自分のほうが、主導権をもちやすいということはあります。私の場合は振り飛車にするわけですが、相手が居飛車ですと、玉の囲いの頭に歩がひとつないわけで、けっこう駒組みが不自由なんですよ。ただ、こっちは角を手放して相手だけ角をもつ将棋ですから、角打ちを警戒して、神経を使わなければならない。そのために、どうしても玉の囲いが薄くなる」

(本誌p96より)

 そんな「筋違い角」ですが、最近は一手損角換わりや角交換振り飛車といったように、序盤早々に角交換して、さらに場合によっては早々に筋違いに角を打つ将棋も増えてきています。それらを「筋違い角」と一概に一緒にするわけにはいきませんが、現代将棋において角交換が幅を利かせてきているだけに、「筋違い角」を今から勉強してみても面白いのかもしれないと思ったりしました。

【参考】『イメージと読みの将棋観』(鈴木宏彦/日本将棋連盟) - 三軒茶屋 別館

ガムでリフレッシュ対談Vol.3 つるの剛士さん(タレント)×羽生善治三冠 根拠のない自信と集中力で夢をつかむ

 「将棋フォーカス」に出演しているつるの剛士と羽生善治三冠の対談ですが、羽生三冠のインタビュー力・聴く力はさすがです。「車を運転してても、いろんなものが駒に見えてきちゃって、追い抜きのときには自分が桂馬にならなきゃとか、ビルが将棋盤にに見えたり」(本誌p31より)には少しワロタ。

2012年詰将棋サロン 年間優秀作品選考会

 私は詰将棋には正直あまり感心がなかったりするのですが(コラコラ)、それでも年間優秀作品ということですから、真剣に向き合ってみればきっと面白いはずです。時間を見つけて解いてみたいと思います。

*1:ちなみに、武市三郎でググると「棋神」というワードが出てきますが、それがどういう意味か気になる方はご自分でお調べください。

2013-02-07

[][]『将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編』(上野裕和/マイナビ将棋BOOKS)

将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編 (マイナビ将棋BOOKS)

将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編 (マイナビ将棋BOOKS)

 『最新戦法の話』(勝又清和/浅川書房)が刊行されたのは2007年4月ですが、将棋の序盤戦術の変遷はそれから更に進化しながら深化しています。そんな序盤戦術の変遷について、振り飛車対居飛車の対抗形に焦点を絞った上で、主に振り飛車側の視点から、従来の序盤から最新形までの歴史的な流れを解説することを目的としているのが本書です。その名の通り、”序盤完全ガイド”です。アマチュア5級から10級のファンでも分かるような内容をということで、そもそも、序盤とは何か?といった説明や、その戦法の狙い考え方・流行した背景といった基本的知識など、ともすれば解説などで疎かにされがちな部分についても取りこぼすことなく触れられています。テレビ将棋はもとより、ネット中継の普及などで将棋に親しみやすい状況が徐々に生まれてきている今だからこそ、こういう本もあるのだということを是非知って欲しいと思い、今回取り上げることにしました。

 本書は3部構成です。目次を紹介しますと、「第1部 序盤の基礎知識(「第1章 序盤初めて講座」「第2章 振り飛車の戦い方、囲い一覧」「第3章 居飛車の闘い方」)」「第2部 歴史を振り返る(「第1章 振り飛車対居飛車の歴史」「第2章 棋士の意識の変化」「第3章 外部環境の変化」)」「第3部 現代振り飛車の主流戦法の紹介(「第1章 ゴキゲン中飛車――現代振り飛車のスタンダード)」「第2章 石田流――華麗なるさばきの世界」「第3章 先手中飛車――石田流と対になる先手番の裏エース」「第4章 角交換四間飛車――手損を気にしない型破りの新作戦」)となっています。

 第2部第1章では、昭和50年代ごろから平成20年代までの振り飛車対居飛車の歴史が振り返られています。すなわち、四間飛車対居飛車急戦から現代までの流れです。当blogでは、以前に将棋とやおいと攻めと受けと題した過去記事にて居飛車対振り飛車の歴史を振り返ったことがありますが、本書ではもっと真面目にきちんとした内容で戦型の変遷の歴史がまとめられています。

 第3部では、現在流行している4つの振り飛車戦法についての解説がなされています。『最新戦法の話』との対比という観点からですと、ゴキゲン中飛車対策としての「超速▲3七銀」と呼ばれる居飛車側の指し方と、それに対するゴキゲン側の対策がフォローされているのが嬉しいです。また、『最新〜』が刊行されたころにはほとんど指されていなかった角交換四間飛車について言及されているのも本書の売りとして大きいです。ちなみに、”大工が家の完成図を頭に入れて建築を始めるように、ゴキゲン中飛車側もゴキゲン中飛車理想図を念頭に置いて駒組みを始めます。”(本書p92〜93より)という一連の文章と理想図は、ゴキゲン中飛車がプロのみならずアマにも人気を理由を分かりやすく表現しています。また、居飛車穴熊対向かい飛車の図から互いの角を持ち駒にしてみたp61の仮想図は、角交換振り飛車の思想を端的に説明する図としてとても有難いです。

 なお、本書にはこうした序盤ガイドの他にも、「勝った直後の棋士はなぜ笑わないのか」「VSという研究方式が浸透した理由」といった8つのコラムが収録されており、読み物としても面白いです。

 【将棋速報】 王座戦の三手目で将棋板騒然となってるけど何で? - ゴールデンタイムズ*1など、タイトル戦がニコニコ生放送で中継されるようになってから将棋の序盤数手がネット上で異様な盛り上がりを見せることがありますが、いったいそれは何故なのか?序盤とはいったい何なのか?そんな興味をお持ちの方に是非ともオススメしたい一冊です。

【関連】

「将棋・序盤完全ガイド(振り飛車編)」今月16日に発売です。 - ちゅう太ブログ

『最新戦法の話』と『消えた戦法の謎』 - 三軒茶屋 別館

*1:正確には、本局で羽生が採用したのは角交換四間飛車なので、将棋板が騒然となったのは三手目ではなく四手目ですが。

2013-02-04

[][]『監禁探偵2 〜狙われた病室〜』(作:我孫子武丸・画:西崎泰正/マンサンコミックス)

監禁探偵2 ~狙われた病室~ (マンサンコミックス)

監禁探偵2 ~狙われた病室~ (マンサンコミックス)

 まさかのシリーズ2作目*1。というのも、監禁探偵というタイトルの通り、シリーズ性を維持するためには探偵が監禁されている状況でなければならないわけですが、そうした状態などそうそう作れるはずがないと思っていたからです。

 で、1作目は探偵役であるアカネが変態主人公によってまさに監禁されている状況だったわけですが、2作目である本書では、ひき逃げ事故による病院への入院ということになります。狭義の意味では監禁とはいえないかもしれませんが、広義としては、自らの意に沿わずに特定の場所に閉じ込められるという意味で監禁といってもいいと思います。

 身体の自由の利かない入院患者という状態での探偵活動は、自らの身体生命の安全を他者に委ねなければなりません。そうしたリスクを抱えながらの緊張状態での推理。それが「監禁探偵」という設定の醍醐味です。ちなみに、監禁探偵というシチュエーションとアカネという探偵役こそ共通ですが、お話自体は前作を未読でも問題なく楽しむことができますのでご安心を。

 ひき逃げによって大怪我を負ったアカネですが、入院することになった病院で起きている幽霊騒動と、看護師の自殺という事件に触発されて「探偵ごっこ」を始めます。安楽椅子探偵ならぬ車椅子探偵としての働きかけは、単なる調査にとどまらず自らの行動がどのような余波を生むことになるのかをある程度予測しながら行われます。優れた推理力とこしゃくな駆け引きといった探偵性と小悪魔性とが同居しているのがアカネというキャラクタの魅力です。

 多発するひき逃げ事件。「神の手」と呼ばれる優秀な医師。幽霊騒動。看護師の自殺。病院内での情事と軋轢といったありがちな人間関係。ひとつひとつは取り立てて扱うほどのことではありません。しかし、後半になるとそれらが一気につながり出して、予想外の展開を見せていきます。ひとつの真実からさらに意外な真相が現れて、それで終わりかと思いきや、さらに意外な真相が用意されています。この真相がなかなか悪趣味ながらも興味深いもので印象に残ります。強固な正気の裏に隠された異常性を巧みに描き出しているという意味で、サスペンスとしてもミステリとしても面白い作品です。オススメです。

【関連】『監禁探偵』(作:我孫子武丸・画:西崎泰正/マンサンコミックス) - 三軒茶屋 別館

*1:まさかついでですが、まさか『監禁探偵』が映画化されることになるとは思ってませんでした(映画『監禁探偵』公式サイト)。