Edutainment キッザニア訪問

先日機会があって、キッザニアを訪問させて頂いた。
http://www.kidzania.jp

お子様を連れて行かれた方、TVなどで馴染みがある方もたくさんいらっしゃると思うが、
キッザニアは、日本でエデュテイメントの地位を確立し、その考えを広めた立役者だ。

Edutainment=娯楽でありながら、娯楽と関係ない分野の教育として機能する
エンターテインメントの形式。

キッザニアをご存知が無い方のために、簡単に施設の説明をすると、
コカコーラやモスバーガーなど、リアルな企業がスポンサーになり、
リアルな職業体験を用意している。施設に入ってきた子供は、自分が体験してみたい
場所に行き、そのお仕事をすることで、キッゾという施設内通貨であったり、
お仕事カードという”証”をもらうことができる。
子供たちが好きな仕事にチャレンジして、楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができるというもの。

というキッザニアであるが、中に入って本当に驚いた。
丁寧に作りこまれた細部から、ミニチュアサイズの街並み。
見方を変えると企業広告が溢れているのだが、いやらしい感じはしなく、むしろそれがリアルである。
働いているアルバイトの方(Zupervisor)は一人一人、真剣に子供と向き合っている。
決して、子供を子供扱いしない、そんなあり方が溢れている施設であった。
本当に子どもが主役の街なのだ。

あるブースでは、3歳くらいの女の子と8歳位の男の子が同じ職業を体験している。
今の教育は、基本年齢区分で横並びにされてしまうので、こうした年齢や経験の多様性にかけてしまう。
でも、キッザニアにはそれがある。多様性の中で、子供は尊厳を持って接しられ、
そして心から楽しんでいる。

東京と甲子園という2施設しかない上に、入場数も限られるのでリーチは限定されてしまうが、
企業にとって、現在&未来のお客様とリアルに接点がもて、最高の共感体験を持って帰ってもらうえるという視点で考えると、マーケティング3.0でいうと、ROIはすごく高いと感じた。

今度は、甥っ子を連れていこうと思う!
そうそう、6月23日(木)のNHK総合 20:00-20:45でキッザニアが取り上げられるとか。

こどもとあそぼ!首都圏’10~’11 (るるぶ情報版 首都圏 7)

こどもとあそぼ!首都圏’10~’11 (るるぶ情報版 首都圏 7)

レッジョ(学びメモ)創造性の教育

レッジョ・エミリア教育のアトリエスタ養成コース 学びメモ

6月11日 小竹向原に4月のオープンになったまちの保育園にて開催。
ちなみに、この場所、カフェなどを併設したりと「まち」とツナガルことで
多様性を確保しながら、子供の創造性を育もうという取り組みをされている素晴らし場所。
http://machihoiku.jp/

記念すべき1回目は、合計100名のレッジョに興味を持った方が集まっていた。
自己紹介こそなかったものの、保育士の方、経営コンサル、企業広報、美大生など
色んなバックグラウンドの方が集まっていた様子。


気づき、学びメモ
・学びやすい環境、創造性が発揮される環境作り
Piazza(広場)を中心に、年齢ごとにアトリエがあり、アトリエにも明るいものと暗い部屋が。アトリエの中は、アート素材でいっぱい。特に印象だったのが、自然素材(葉、石など)だけではなく、人工物(ネジや鉄など)もたくさん用意されていること。
佐藤学先生が、日本では「子供は自然の中で育つのが一番」という流れがあるが、レッジョでは「子供は文化の中で育つ」と考えているから、人工物に触れて、人工物をアートで表現するのは自然な流れと説明されたのが印象的。一緒に参加しているas materialの崎村さんは、まさにこの分野のワークショップを先行してされているので、よければぜひ!


・共同体と個人の独立性の両立
レッジョのコアは、学びの共同体である。ただし、これは「みんなで学ぼう!」という単純な共同主義ではない。個人が個人の興味(心の声)に従い、好きなことをしてOK。
個性と共同体の発達が同時に追求される!すごく面白い。アトリエスタは、全体で起きていること&個人のことをしっかり記録(documentation)していく。この点、来るco-creation societyのあり方を考えるヒントにもなった。

・子供の表現には物語がある
こどもがいつも言う「そうだいいこと考えた!=I have wonderful idea」に耳を傾け、状況との対話をサポートしてあげる。

・Documentationの重要性
レッジョ教育の中で、アトリエスタの重要な仕事は、子どもの学びをビジュアルや文字で記録していくこと。このdocumentationは、3つの使われ方をする。
 1:子供同士(アトリエにはられ、子供の学びを見せてあげる)  
   佐藤先生は、「子供は今を生きる」から、記録してフィードバックしてあげないと、「断片的になり、成長できない」というインサイトは深かった。
 2:アトリエスタ同士
   園が終わった後に、集団としての学びをシェアし、これがレッジョのナレッジになっていく。取り組みが始まり、こういう知の蓄積が今のプロジェクト1つ1つになっている。
 3:保護者との
   月に1回、保護者と教育者が集まりミーティング。documentationを基に、対話をする。こうして、親の理解も得ながらプロジェクトが進んでいく。

・新しいものの融合
 レッジョでは、科学やコンピューターなど、新しいものを取り入れるのにも積極的。それは、技術を学ぶからではなく、子どもが新しい言葉を使い、表現の幅を広げるから。つまり、創造性の拡大につながっているからとのこと。そして、レッジョが始まったのは、きっかけは文学。クラスで、即興のドラマなどを演じることをしていたとか。面白かったのが、赤頭巾ちゃんのストーリーをテーマに、もし赤頭巾ちゃんが意地悪で、狼がいいやつだったら、話はどうなるか?という投げかけをして、ストーリーを作らせるとか。ちなみに、このストーリーの話は、ファンタジーの文法に記載されているそうです。

教育は、何かを教えるのではなく、頭の中にあるものを表現させてあげるといのが印象的だった。

児童教育だけではなく、複雑性が増し、私たち一人ひとり、そして共同体でも創造性を働かして
解決策をみいだしていかないと行けない時代にレッジョの哲学は大きなヒント、そして重要な問いかけを
していると感じた。

ファンタジーの文法―物語創作法入門 (ちくま文庫)

ファンタジーの文法―物語創作法入門 (ちくま文庫)

business model generation for I pad

先日 I Pad2を購入したのを気に念願のbusiness model generation for I Padも購入。

今月末のパリのワークショップは、仕事の都合でいけそうにないので、
このアプリと本を読んで、なんとか秋のロンドンかボストンにはいけるように準備しよう。

このアプリ3500円と高いのだが、business model genrationのキャンパスにどんどん
ポスト・イット感覚でアイデアを貼りつけられる。
そして、ball parkの機能も優れている。売上に関しては、複数パターンでの試算が可能なように
項目が用意されており、市場規模から割り出すパターンや、単価ベースで試算ができるなど、
1枚のキャンバスでビジネス全体が俯瞰できる優れもの。

理想を言えば、consumer empathy mapが描ける機能は欲しかった。

この本、翻訳版出したいくらい、いいですよー。
社会起業家向けとかに、支援の一環でワークショップやるのもありかなー。
もっと、自分の筋力鍛えないとです。

http://www.businessmodelgeneration.com/toolbox

Business Model Generation: A Handbook for Visionaries, Game Changers, and Challengers

Business Model Generation: A Handbook for Visionaries, Game Changers, and Challengers

レッジョエミリア流 学び

来週から遂に始まるレッジョ・エミリアのアトリエスタ養成コース。
ニューズウィークで、世界で最も優れた教育と絶賛されたレッジョ・エミリア
アートの創造的経験によって子供の潜在的可能性を最大限に引き出すところにあると言われている。

教育学の専門家の「ペダゴジスタ」と芸術の専門家である「アトリエスタ」の
ペアによるチーム・ティーチングがあり、子供たちの創造的活動を
記録し、育み、学びの共同体に育ていていく。

とこう書いていると、レッジョに対して、「教育」という言葉を使うのには違和感がある。
そこに教える人はいないハズで、アトリエスタもペダゴジスタも、一緒にLearn(学ぶ)人であるべきだ。

驚くべき学びの世界の中で、レッジョ・エミリア市の市長は
ジョルジョ・ガーベル氏の言葉を引用している。
「子供たちに、わかりきった道を示すのはよしてくれ。どうしてもというのなら、
人生の魅力だけを教えて欲しいんだ」

来週から約1.5ヶ月続くアトリエスタへの道。
教えようなんて思っちゃいけない、一緒に受ける妻と、
最高に楽しそうな環境を準備してあげよう。

驚くべき学びの世界?レッジョ・エミリアの幼児教育?

驚くべき学びの世界?レッジョ・エミリアの幼児教育?

アイデアキャンプのススメ

イデアキャンプという本にはやられた!
創造する新しい時代の働き方というサブタイトルもぴったり。

私たちが発想し、拡散し、集約するideationを
オフィスという限られた空間だけではなく、カフェや公園などでやってしまおうというもの。

自然を感じ、体を動かす身体性の自由も聞き、
そして、普段と違う思考回路に入れることで、色んなものを手放せるのだろうなと。

本書では、場所や参加人数、趣旨にあわせてオススメのキットも紹介しており、
これが個人的にはすごく好き。business origamiとかと合わせて、
対話も促進できるキットが1つのportableな形になって商品化するくらいやればいいと思ってしまう。
ブレストキットだけでは、もったいなくて、キャンプの中でco-creationが促進できる、
そんな形ってないのかな?


公式ウェブサイトより: http://www.ideacamp.jp/

さあ、オフィスを出て、ideationの旅にでよう。

アイデアキャンプ ―創造する時代の働き方

アイデアキャンプ ―創造する時代の働き方

コミュニティーデザイナー

情熱大陸(5月29日)の山崎氏の取り組みは衝撃的だった。
ちょうど、先日新潟でお手伝いしている地域活性化活動があり、
そこでまさに感じた人をつなぎ、そして地域を外からの押し付けではなく、
自らの意思で発展されることの大事さを実感したから。

山崎さんは、コミュニティーデザインという仕事(山)を作り、
そしてそれをしっかりビジネスに育て(登頂)して、
その頂に満足せずに博士号の論文で、コミュニティーデザインを体系化しようとしている。
これぞ、MIT石井教授の言う、造山力!

コミュニティーデザインという文脈で、色々と調べて行き、面白い団体にたどり着く。
Doors of Perceptionsといって、デザイン思考でBOPやコミュニティー再生を支援している会社(?)なようだ。
見ていると、インドの食料システムや、大学や行政でのワークショップなどをしている。
プロジェクト一覧はここから、見られる。
http://www.doorsofperception.com/archives/doors_of_perception_portfolio/

代表の John Thackar氏がUK Design coucilのinnovation by design in public serviceに掲載しているプロセスは、
アダム・カヘン氏のchange lab、そしてそのベースのU理論に通じるものがかなりある。

Phase 1, “Diagnose”
 地域の方と対話し、リサーチをし、症状の診断をする。

Phase 2, “Co-discover”,
エスノグラフィーなどを活用して、さらに深い理解をしていく。
まさに、Uの谷を下る作業になってくる。

Phase 3, “Co-Design”
みえてきた本質的課題に対して、共同で解決策を描くステージ。
強調されているのが、高いレベルでのcommunity ownership(コミュニティーが主導する、自分たちのものにしていく)こと。

phase 4, “Co-develop”
最終的には、visibileな解決策を創り上げていく。

http://www.solace.org.uk/documents/sfi/SFI%20-%20Innovation%20by%20design%20in%20public%20services.pdf

このあたりリアルな場所でのワークショップ手法としては、多くのベストプラクティスがあるように感じるが、
これからweb/socialのmass collaboration platformを考えたときに、どのようにリアルとネットの
融合プラットフォームがデザインできるかに興味がある。

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

子供が体験すべき50の危険なこと

書店で目が止まった本、
「「子どもが体験すべき50の危険なこと」。

まだしっかり読めていないけど、
そのコンセプトが面白い。

危険な体験を敢えて、親がコントロールできる環境下で体験させ、
そこから、安全について考えさせるというアプローチである。

本書では、好奇心あふれる子供は、結局毎日の生活の中で
危険なことにチャレンジしてしまうわけで、
それがアクシデントになってしまうのであれば、あえてそういう経験をさせてしまおうというもの。

TEDでも講演しておりました
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/gever_tulley_on_5_dangerous_things_for_kids.html

子どもが体験するべき50の危険なこと (Make: Japan Books)

子どもが体験するべき50の危険なこと (Make: Japan Books)