お水も野菜も米も「あって当たり前」ではないんです。

sansar2011-08-29

田主丸での展示会において、とっても考えさせられるお話を伺いました。


耳納連山に囲まれ緑豊かな田主丸は、巨峰発祥の地として名高く、68もの広大な果樹園が立ち並んでいるそうです。
しかし、これら農園を現在運営してらっしゃる方々を見ると70代が多く、そこを継ぐ後継者は一つもないのだそう。
1番若い経営者のいる農園でも50代で、そこも現時点では後継ぎがいないとのこと。
つまり、あと10年もしない内に、田主丸から果樹園が半分近くなくなり、20年後には、一つもなくなってしまうだろう、というお話。


果樹園がなくなるということは、そこに広がる果樹園や畑が放置され、手入れがされなくなるということ。
畑が荒れ、山が荒れると、そこから流れ出す水も十分に流れなくなる。ダムに溜まらなくなる。
すると、都会に住む人々のお水がなくなる。


「自分たちは、ここに住んでいる限り、お水もあるし、畑もあるから米も野菜も、自分たちが生きていく分には困らない。
でも、自分たちが畑や山の手入れを放棄したら、都会の人たちは困るでしょう?食べ物もお水も自動的に出てきてるわけではないんですから。
今の内にどうにか対策考えないと、と行政には何度も言ってきてるんですが、なかなか動かない。
これは、遠い未来の話ではなく、ここ10~20年後の話なんです。」
と言われました。


これは、すごくショッキングでした。
「都会の人たちは、誰が山やお水の手入れをしていると思ってるんだろうね」
という言葉は、刺さりました。
今まで当たり前のように水を使い、お米や野菜を当然のように食べてきた自分を恥ずかしく感じました。


だからと言って、今の自分に何が出来るのか、この問題を解決するためにはどうすればいいのか、正直言ってわかりません。
でも、少なくとも、この現実を少しでも多くの人に知ってもらい、他人事ではなく、自分たちの問題でもあると思って貰いたいと思います。


生落花生


田主丸でとれた梅を漬け込んだ梅酒


生七味を添えたお豆腐