未来なき球団

 「野村謙二郎監督は1年目だから、すべてが経験。最下位になってもいいぐらいなんだ」1日、試合前練習を視察した松田元オーナーはこう発言したと言う*1。はらわたが煮えくり返った。どこの世界に最下位発言するオーナーがいるのか。最下位発言の後に、巨人に3連敗を喫した。負けてもいい球団が絶対に勝たないといけない球団に勝てるわけがない。
 そりゃ、オーナーは満足だろう。連敗中で借金が膨らんでもマツダスタジアムにはお客さんが入っている。7月30日28,889人(G8−C5)、7月31日31,642人(G5−C0)、8月1日29,232人(G13−C2)、連日満員だ。連敗してもお客さんが入っているから負けてもいいのか。最下位でもいいのか。そんな馬鹿な話がどこにある。
 夏休みの巨人戦は人気ゲームだから何カ月も前からチケットを購入している。楽しみにしていた試合がこんな無様な敗戦。暑い中、我慢とストレスを強いられた試合を見たファンは2度と球場に足を運ばないだろう。
 いまこうしてカープのことを書いているが、私自身、2度、カープの応援をやめようと思ったことがある。馬インフルエンザで競馬開催が中止になったとき、かつて勤めていた『ホースニュース馬』社が休刊になったとき、正直、カープを応援する余裕はなかった。まずは自分の生活を何とかしないと生きていけない。いま、こうしてカープを応援できるのは仕事ができる環境があるからだ。だから、仕事を下さるみなさんに感謝して生きている。ファンは必死に働いたお金で球場に足を運び、有料放送に入ってカープを応援する。そして、選手の懸命なプレー、チームの勝利に勇気を貰い、また明日からの仕事の糧にする。そんなカープファンの思いをオーナーは踏みにじっている。
 野村謙二郎の今年の推定年俸は7,000万円と言われている。7,000万円で監督を育成する。そんなことのためにカープファンはお金を払っているわけでない。経験を積んでも、野村謙二郎は変わらない。新外国人のビニー・チュークは二軍の実戦登板でもなく、いきなり一軍に昇格。好調巨人打線にぶつけて、打ち込まれている(2/3、4失点)。この光景はスタルツの初登板と同じだ。スタルツも調整不足の段階で巨人戦に先発して5失点(5回2/3ノックアウト)。この敗戦が尾を引いて、調子を取り戻せずにいる。焦らず、ジックリ準備させていれば、こんなことにはなっていないはずだ。31日、大野ヘッド&投手コーチは「チュークは3週間、実戦から遠ざかっている。まずは2軍の試合で投げるのを見てから」と話していた。わずか1日での方針転換。また同じ過ちを繰り返した。選手が力を出せる環境を整えるのが首脳陣の役割だ。初登板で自信を失わせる監督、投手コーチがどこにいる。ファンの思いを踏みにじる球団に未来はない。潰れた会社に勤めていた私が言うのだから間違いない。