殺風景の記録 このページをアンテナに追加 Twitter

2013-12-30

私的シネマベストテン2013

さて、年末なんで、何かに追われるかのように今年劇場で鑑賞した映画(おそらく139本)からベストテンを選定し、さっくりと発表したいと思います。(過去年間ベストはコチラ2012年ベスト、2011年ベスト、2010年ベスト

ちなみに今年は全作品ランキングはしません(私事でバタバタし、年の中頃から何を鑑賞したかをメモしてなかったので)。年の瀬の忙しい中ですが、良ければお付き合いください。


ではどうぞ


1位 わたしはロランス

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設定は変化球で、登場人物も個性的だが、描かれているのは普遍的な人間模様。それを巧みな演出で、3時間の長尺を飽きる事なく描き切る。リアリティとファンタジックを使い分ける画作りや、ここ一番の印象的な音楽の選曲等、全てに於いて素晴らしい。こんな凄い作品を監督したグザヴィエ・ドランはまだ20代前半だってんだからホント恐ろしいわ。



2位 パシフィック・リム

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デル・トロ監督から全世界のチビッコ達に送られた季節外れのクリスマス・プレゼント。しかし、残念ながら、『モンスター・ユニバーシティ』を始めとしたファミリー向け映画と公開時期が重なるという不運もあり、本来、この映画を楽しむべき層に届かなかった。



3位 横道世之介

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設定から「特定の時代を描いた映画」のように思われるが、これは年代に関係なく届く作品だと思う。物語自体は他愛ない学生時代の日常の出来事の連続(身近な人の死とか衝撃な告白とか、演出次第では大袈裟に見せる事も可能だが、敢えて抑えた演出にしていると思う)を描いているんだけど、それが最高に素敵すぎて、鑑賞中「このままこの時間がずっと続けば良いのに」とかぼんやり考えながら観ていた。



4位 キャビン

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Tequila! is my lady!



5位 ウォールフラワー

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劇中、使用される音楽の趣味がどストライクなのが何とも嬉しいやら恥ずかしいやらで、鑑賞中、何回か叫びそうになった。(多少強引な例えだが)これは昔の名画座定番2本立てである『ロッキー・ホラー・ショー』の世界に迷い込んだ『ファントム・オブ・パラダイス』のファントムという趣き。誰とも想いを分ち合えない才気溢れるファントムが、フランクン・フルター博士の一団と出逢い、そして…という話。



6位 パラノーマン ブライス・ホローの謎

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80年代ホラーコメディ調の展開で語られる、悲しくて優しい人形アニメ映画のド傑作。とても素晴らしい作品なのに、この観られてなさっぷりは酷い。冒頭から色々と切な過ぎて、主人公のノーマンがひとり登校しているオープニングシーンで既に涙目だった。とても孤独で非力だけど芯の強いノーマンも素敵だけど、彼を信じてつるんでくれる友人ニールや、普段は弟をバカにしながらも、ココ一番は味方になってくれる姉コートニーも最高。



7位 嘆きのピエタ

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昔から「唾棄すべき、最底辺の世界で綴られる美しい物語」に焦点をあてて多くの物語を描いていた(『悪い男』は唾棄すべきヤクザ男の糞純愛映画だし、『サマリア』はどうしようもない世界の女子高生の青春を描いている)キム・ギドク監督が、今回作り上げたのは「救いようの無い最底辺世界の親子愛」。唾棄すべき糞人物である主人公や、如何ともし難い状況に翻弄された哀れな人々が繰り広げる物語は、どうしようもなく哀しくて、衝撃的で、不快なのだが、何故か強く惹かれる。



8位 クロニクル

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POV手法を多用したサイキックSF映画(日本で観ている身とすれば当然ながら『AKIRA』や『童夢』を想起させる)の体裁だが中身は青春残酷ホラー映画。現代版の男子学生バージョンの『キャリー』というところ。何よりこれだけ中身が詰まってるのを90分足らずでコンパクトに魅せる所。



9位 恋する輪廻 オームシャンティオーム

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インド映画ならではのリアリティ皆無の無茶な設定ながら、それ以上の無茶な展開と豪華絢爛な演出で、笑い、怒り、悲しみ、興奮と、こちらを飽きさせる事無くバンバン突き進み、ラストは感動の大団円で締めくくるという、これぞインドでしかできない理想的な超エンターテインメント作品。3時間があっという間に過ぎる。惜しむらくは、こちらにインド映画の知識が皆無だったので、途中のパーティシーンに出てくる人々が全く誰だか判らなかった事。多分、インドの人気俳優とか歌手とかが特別出演しているシーンなんだろうけど。



10位 マニアック

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ウィリアム・ワイラー監督、テレンス・スタンプ主演の映画『コレクター』を「オールタイムベスト恋愛映画」に挙げている俺としては入れない訳にはいかない「スプラッター版『コレクター』」。

実際、今作のオリジナルとなる81年版(俺は未見)もそういった評価を受けたらしいが、主演をヒゲ親父のジョー・スピネルから繊細過ぎる青年イライジャ・ウッドに変更している事によって、俯瞰で観れば自己中心的でグロテスクな物語の中にも、美しさとやるせない悲哀を併せ持った作品になっていると思う。非モテおたく男子必見!



…と、いうことで

1位 わたしはロランス

2位 パシフィック・リム

3位 横道世之介

4位 キャビン

5位 ウォールフラワー

6位 パラノーマン ブライス・ホローの謎

7位 嘆きのピエタ

8位 クロニクル

9位 恋する輪廻 オームシャンティオーム

10位 マニアック


以上が2013年のベストテン。トップ2は確定で、20本足らずの候補から選びました。今年は結構すんなり決まったかな。

ちなみにワーストは、駄目だろうと覚悟して観に行った『劇場版 SPEC〜結〜 漸ノ篇 爻ノ篇』を除外すれば、ミュージカル映画に求めるモノが根本的に違い過ぎた『レ・ミゼラブル』です。


では、良いお年を!

私的シネマベストテン2013

さて、年末なんで、何かに追われるかのように今年劇場で鑑賞した映画(おそらく139本)からベストテンを選定し、さっくりと発表したいと思います。ちなみに今年は全作品ランキングはしません(私事でバタバタし、年の中頃から何を鑑賞したかをメモしてなかったので)。年の瀬の忙しい中ですが、良ければお付き合いください。

ではどうぞ


1位 わたしはロランス

f:id:sappukei12:20131230195007j:image:w360

設定は変化球で、登場人物も個性的だが、描かれているのは普遍的な人間模様。それを巧みな演出で、3時間の長尺を飽きる事なく描き切る。リアリティとファンタジックを使い分ける画作りや、ここ一番の印象的な音楽の選曲等、全てに於いて素晴らしい。こんな凄い作品を監督したグザヴィエ・ドランはまだ20代前半だってんだからホント恐ろしいわ。



2位 パシフィック・リム

f:id:sappukei12:20131230195004j:image:w360

デル・トロ監督から全世界のチビッコ達に送られた季節外れのクリスマス・プレゼント。しかし、残念ながら、『モンスター・ユニバーシティ』を始めとしたファミリー向け映画と公開時期が重なるという不運もあり、本来、この映画を楽しむべき層に届かなかった。



3位 横道世之介

f:id:sappukei12:20131230195558j:image:w360

設定から「特定の時代を描いた映画」のように思われるが、これは年代に関係なく届く作品だと思う。物語自体は他愛ない学生時代の日常の出来事の連続(身近な人の死とか衝撃な告白とか、演出次第では大袈裟に見せる事も可能だが、敢えて抑えた演出にしていると思う)を描いているんだけど、それが最高に素敵すぎて、鑑賞中「このままこの時間がずっと続けば良いのに」とかぼんやり考えながら観ていた。



4位 キャビン

f:id:sappukei12:20131230195003j:image:w360

Tequila! is my lady!



5位 ウォールフラワー

f:id:sappukei12:20131230195000j:image:w360

劇中、使用される音楽の趣味がどストライクなのが何とも嬉しいやら恥ずかしいやらで、鑑賞中、何回か叫びそうになった。(多少強引な例えだが)これは昔の名画座定番2本立てである『ロッキー・ホラー・ショー』の世界に迷い込んだ『ファントム・オブ・パラダイス』のファントムという趣き。誰とも想いを分ち合えない才気溢れるファントムが、フランクン・フルター博士の一団と出逢い、そして…という話。



6位 パラノーマン ブライス・ホローの謎

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80年代ホラーコメディ調の展開で語られる、悲しくて優しい人形アニメ映画のド傑作。とても素晴らしい作品なのに、この観られてなさっぷりは酷い。冒頭から色々と切な過ぎて、主人公のノーマンがひとり登校しているオープニングシーンで既に涙目だった。とても孤独で非力だけど芯の強いノーマンも素敵だけど、彼を信じてつるんでくれる友人ニールや、普段は弟をバカにしながらも、ココ一番は味方になってくれる姉コートニーも最高。



7位 嘆きのピエタ

f:id:sappukei12:20131230195925j:image:w360

昔から「唾棄すべき、最底辺の世界で綴られる美しい物語」に焦点をあてて多くの物語を描いていた(『悪い男』は唾棄すべきヤクザ男の糞純愛映画だし、『サマリア』はどうしようもない世界の女子高生の青春を描いている)キム・ギドク監督が、今回作り上げたのは「救いようの無い最底辺世界の親子愛」。唾棄すべき糞人物である主人公や、如何ともし難い状況に翻弄された哀れな人々が繰り広げる物語は、どうしようもなく哀しくて、衝撃的で、不快なのだが、何故か強く惹かれる。



8位 クロニクル

f:id:sappukei12:20131230195924j:image:w360

POV手法を多用したサイキックSF映画(日本で観ている身とすれば当然ながら『AKIRA』や『童夢』を想起させる)の体裁だが中身は青春残酷ホラー映画。現代版の男子学生バージョンの『キャリー』というところ。何よりこれだけ中身が詰まってるのを90分足らずでコンパクトに魅せる所。



9位 恋する輪廻 オームシャンティオーム

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インド映画ならではのリアリティ皆無の無茶な設定ながら、それ以上の無茶な展開と豪華絢爛な演出で、笑い、怒り、悲しみ、興奮と、こちらを飽きさせる事無くバンバン突き進み、ラストは感動の大団円で締めくくるという、これぞインドでしかできない理想的な超エンターテインメント作品。3時間があっという間に過ぎる。惜しむらくは、こちらにインド映画の知識が皆無だったので、途中のパーティシーンに出てくる人々が全く誰だか判らなかった事。多分、インドの人気俳優とか歌手とかが特別出演しているシーンなんだろうけど。



10位 マニアック

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ウィリアム・ワイラー監督、テレンス・スタンプ主演の映画『コレクター』を「オールタイムベスト恋愛映画」に挙げている俺としては入れない訳にはいかない「スプラッター版『コレクター』」。

実際、今作のオリジナルとなる81年版(俺は未見)もそういった評価を受けたらしいが、主演をヒゲ親父のジョー・スピネルから繊細過ぎる青年イライジャ・ウッドに変更している事によって、俯瞰で観れば自己中心的でグロテスクな物語の中にも、美しさとやるせない悲哀を併せ持った作品になっていると思う。非モテおたく男子必見!



…と、いうことで

1位 わたしはロランス

2位 パシフィック・リム

3位 横道世之介

4位 キャビン

5位 ウォールフラワー

6位 パラノーマン ブライス・ホローの謎

7位 嘆きのピエタ

8位 クロニクル

9位 恋する輪廻 オームシャンティオーム

10位 マニアック


以上が2013年のベストテン。トップ2は確定で、20本足らずの候補から選びました。今年は結構すんなり決まったかな。

ちなみにワーストは、駄目だろうと覚悟して観に行った『劇場版 SPEC〜結〜 漸ノ篇 爻ノ篇』を除外すれば、ミュージカル映画に求めるモノが根本的に違い過ぎた『レ・ミゼラブル』です。


では、良いお年を!

2013-12-13

「なんかすごい!!」と思ったSF映画ベストテン

ほぼ死にかけの当ブログですが、毎年恒例「男の魂に火をつけろ!」(id:washburn1975)さんの「映画ベストテン」企画に参加させていただきます。今年は「SF映画ベストテン」です。

http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20131031

しかしSF映画と言うのはいまいちカテゴライズするのが難しいジャンルですが、対象作品の基準説明の中に「観客にセンス・オブ・ワンダーを与える映画」とされているので、とりあえずそこを意識して選出してみたいと思います。センス・オブ・ワンダー…、まあ、言わば「うわ!なんかすげえ!」みたいな事ですね。センスがワンダーなんですね。むかしポール牧師匠アブノーマルのことを「アブがノーマルなのよ」言ってましたが全然関係ないですね。

特定の監督に偏りが出ないよう、個人ルールとして1監督1作品という縛りを付けました。ではいきます。


1.マトリックス(1999米/ラリー&アンディ・ウォシャウスキー監督/キアヌ・リーヴス主演)

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世の中のダメな大人の方々に「俺が夜更かしをして遅刻ばかりなのも、上司に怒られてばかりなのも、全てこの世界が仮想現実だったからなのか!!!!」という間違った認識を植え付けた素晴らしき作品。レッツ、カンフー!!


2.未来世紀ブラジル(1985英/テリー・ギリアム監督/ジョナサン・プライス主演)

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今まで未来世界とは「キラキラと輝きに溢れたもの」と信じて疑わなかった俺が恐らく初めて観た「灰色の未来」を描いた作品。クライマックスの怒濤の展開から急降下のラストに心底打ちのめされました。同監督の『バンデットQ』(これもラストがある意味衝撃的)と迷ったがコチラに。


3.第9地区(2009米・南アNZ/ニール・ブロムカンプ監督/シャールト・コプリー主演)

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クズ過ぎる主人公ヴィカスが、物語終盤のギリギリで見せる行動と自分の中の葛藤が滲み出た格好悪い言葉は何度観ても燃える。エイリアン、最新鋭兵器にパワードスーツSFガジェットも満載。


4.WALL-E(2008米/アンドリュー・スタントン監督/ウォーリー、イヴ主演)

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ロボット同士の甘い恋物語アニメとしても素晴らしい作品だが、ディストピア世界を描いたSF映画としても傑作。余談ですが、公開当時、勤めていた職場の女子と今作の話になり、ふと「俺、EVEみたいな子タイプやわー」と言ったところ、「は?◯◯(俺の名前)さん、何言ってるんですか?あれはロボットですよ?てか、アニメですよ?頭おかしくなったんですか?」とボロカスに言われた事も遠い想い出。


5.ギャラクシー・クエスト(1999米/ディーン・パリソット監督/ティム・アレンアラン・リックマンシガニー・ウィーバー主演)

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設定からしてSFオタク向けに作られたように見られるが、これは「現実に押しつぶされ夢を失いかけた大人達が信じてくれた人の為に復活する」という普遍的な物語。Never give up! Never surrender!は俺の座右の銘であります。


6.バック・トゥ・ザ・フューチャーpart2(1989米/ロバート・ゼメキス監督/マイケル・J・フォックス主演)

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多分、俺の世代(30代半ば)が初めて衝撃を受けたであろう未来の日常を描いた作品。空飛ぶデロリアンを初めて観た衝撃。あと色々あってセクシーになったリー・トンプソンを観た衝撃。


7.スターシップ・トゥルーパーズ(1997米/ポール・ヴァーホーヴェン監督/虫と人主演)

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この映画の何が素敵って、ラストがオマ◯コ型の宇宙人にチ◯ポ型の兵器を突っ込んで、そこに「CENSORED!(検閲します!)」てボカシが入って終わるところが素敵。「透明人間になってもやる事はホームレスを殴ったり、気になる女の部屋を覗きしたり、しまいに夜這い掛けたりするだけ」というこれまた素敵映画の『インビジブル』とギリギリまで迷った。


8.グエムル-漢江の怪物-(2006韓/ポン・ジュノ監督/ソン・ガンホペ・ドゥナ主演)

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個人的に従来の怪獣映画に見られるデカ過ぎる怪獣達にはイマイチ恐怖を感じないので、今作に於ける等身大の怪獣には現実に即した恐怖を感じる事が出来た。家族の闘いに主軸を置いている物語展開も素晴らしい。


9.トゥモロー・ワールド(2006米・英/アルフォンソ・キュアロン監督/クライヴ・オーウェンジュリアン・ムーア主演)

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設定から展開から未来世界のビジュアルから使用楽曲から全てが素晴らし過ぎて、衝撃の余り、鑑賞中ずっと口あんぐりさせながら観てました。ピンポン球を口でキャッチ!!


10.ニューヨーク東8番街の奇跡(1987米/マシュー・ロビンス監督/ジェシカ・タンディヒューム・クローニン主演)

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個人的に初めて触れたSF世界の作品。親に連れられて映画館へ観に行き、いたく感動し、満足して帰った事を覚えている。作品としては他愛も無いファンタジーだったが、この季節になると無性に観たくなる一本。同様の理由で『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』と迷ったがこっち。



以上。正直今回のジャンルは選択肢が多過ぎて、泣く泣く除外した作品がたくさんあります。

個人的に意外だったのはスティーブン・スピルバーグ監督の作品が一作も入っていない事。しかし、それよりも吃驚したのはジョン・カーペンター監督の作品も一作も入らなかった事!!良いのか俺!?

で、全く良くないので最後に「ジョン・カーペンター監督のSF映画ベストテン」を発表してお別れしたいと思います。


1.ゼイリブ(ロディ・パイパーの路上プロレス!!)

2.エスケープ・フロム・L.A.ピーター・フォンダがサーフィン!!)

3.遊星からの物体X(物体Xがマジでグロくて怖い!!)

4.ダーク・スター(ビーチボールのエイリアン!!)

5.ニューヨーク1997(オックス・ベーカー!!)

6.ゴースト・オブ・マーズ(ハッパ吸って指切って大爆笑!!)

7.ゴースト・ハンターズ(敵が魔術師だからSF!!)

8.光る眼(日曜洋画劇場で観た!!)

9.スターマンジェフ・ブリッジスが若い!!)

10.透明人間(ごめん!観てない!!)


以上!!

2013-08-14

夏休みこども映画の最高峰『パシフィック・リム』

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写真は俺の一押しチェルノ・アルファです。


ヘルボーイ』シリーズや『パンズ・ラビリンス』のギルレモ・デル・トロ監督作。

だが今作はデル・トロ監督の新作だと意識して鑑賞すると少し肩透かしを食らうと思う。今作は過去作に見られるような登場人物達の屈折した感情の描写や、陰鬱さや繊細さで紡ぐ物語のような彼の作家性を完全に封印されている。『ヘルボーイ・ゴールデンアーミー』で緑色の怪獣をあんなに愛情と悲哀を込めて描いたデル・トロが「KAIJU」達を感情の見えない絶対悪とし、憎しみ、滅ぼすべき敵として描いている。

物語展開も単純で幼稚。使用している音楽や登場人物の台詞回しにしてもそうだけどあっさりしているというか、今迄なら「ね、意外と俺センス良いでしょ?」みたいなのが透けて見えていたのだが、今作には拘りが見えない。俺も鑑賞後「面白かったけど、これデル・トロ監督じゃなくても良かったんじゃないか?」とも思った。

近年の作品なら当然意識すべき政治的側面も掘り下げは皆無だ。冷静に考えて「地球の危機に全世界が一致団結する」なんて「海底に突如出現した異世界の裂け目から怪獣が現れる」よりも非現実的だ。

他の監督なら絶対に盛り込むであろう恋愛描写も全くない。あの状況で男と女がベーゼのひとつも交わさずにおでこをコツンって合わせるだけって。ラストにあのシチュエーションになったらジェームス・ボンドだったらBぐらい迄はいくぞ!

監督は通常なら物語に含んでもおかしくない要素を完全に排除し、単純明快な物にしている。何故か?根本的な問題として今作は誰の為に作っているのか?

間違いなくこれはデル・トロの「俺がガキの頃に熱中した怪獣やロボットの映画を今のちびっ子共にも体験させたい!そして目ん玉ひんむいて興奮させたい!」という思いのもと、全世界の小中学生をターゲットに作った映画に違いない。いや宣伝会社や配給の思惑は知らんが監督はそういう思いだ(断言)

怪獣映画を見終わった子供がいきなり「怪獣の悲哀が…」とか「設定に無理が…」とかは気にしない。それはある程度映画慣れした大人の言い分だ。大概の子供は怪獣のデカさに驚愕し、イェーガーの登場に興奮し、同世代芦田愛菜が怪獣に追っかけられるシーンに恐怖し、菊池凛子の操縦するイェーガーが絶体絶命の危機の時に必殺技のソードを振り上げる姿に歓喜する。確かに瑕疵は多くあるが、まずは子供らに「怪獣すげえ!ロボットかっこいい!」と思わせる事が大事なんだ。そして次の日に学校でパシリムごっこして遊べば良いんだ。おれジプシー・デンジャーやるからお前ナイフヘッドな。

俺はロボット映画や怪獣映画に対してライトな知識しか持ち合わせていないけれど、これはオリジナリティのある物ではなく、過去にあった幾多の怪獣映画ロボット映画から上澄みをすくいとった二次的創作物だと思う。設定やら描写に目新しい物は無いと思う。それでも、この時代に莫大な予算を掛けて、こんな単純で、幼稚で、大興奮出来る作品を撮ったデル・トロ監督は素晴らしい。

これは子供の頃に見たロボット怪獣映画(の記憶)を現代に蘇らせる為、彼の個性を徹底的に削って彼らしさを消し、他の監督なら多少は意識するであろう政治的問題や恋愛要素を全く無視し、彼が子供の頃から大好きだった要素をこれでもかというぐらいに詰め込んだ、デル・トロ監督作らしくないがデル・トロ監督でないと作り得ないバランスで出来ている最高の夏休み子供向け大作である。


だからこの映画に関しては大の大人があーだこーだ騒ぐの禁止。映画鑑賞後にパンフが欲しくなったが売り切れていたので、そのまま電車に乗って別の映画館でパンフとフィギュア大人買いするとかも禁止な(俺の事です)。

ごたごた騒いでる暇があったら、周りに息子やら親戚の子やら小さい子供がいる大人は「えー、俺ポケモンみたいよー」という子供に対して「いやいや、ポケモンもイイけどちょっとこの『パシフィック・リム』という映画も面白そうじゃ無いか?こっちにしないか?面白かったらフィギュアも買ってあげるし」とか言って子供と一緒に観に行くように。で、子供が喜んだらちゃんとフィギュアも買ってあげるように。

で、俺みたいな、周りに子供も誰もいないようなオッサンはだな、アレだ、今ちょうど夏休みだから、公園とかで遊んでいる子供達に話しかけて「ぼ、ボク。おじさんと一緒にパ、パ『パシフィック・リム』を観に行かないか?」とか言ってだな…、おまわりさんこっちです。



【追記】2度目の鑑賞。「今作は吹替えも良いよ」という噂を耳にして吹替え版で観たのが、これもまた素晴らしかった。メインキャストの配役に杉田智和玄田哲章林原めぐみ古谷徹三ツ矢雄二池田秀一千葉繁と、客寄せパンダの下手な有名芸能人などに頼らず、実力派声優を配しているのだが、元々、荒唐無稽なアニメ漫画の様相を持つ作品に見事にマッチし、より熱く燃える作りになっている。普段、実写映画は字幕版で鑑賞する主義だが、今作に関しては吹替え版をお勧めする。ハリウッドの実写映画で「ロケットパーーンチ!!」なんて台詞を聞ける日が来るとは思わなかったよ、俺は。

とくに森マコ(菊池凛子)役の林原めぐみは見事で、菊池凛子の演技で少し物足りなかった部分を補い、森マコをより魅力的なキャラクターに仕立て上げている。ただ字幕版にある台詞が「英語」から「日本語」に変わる事によって垣間見える心境の変化とかは当然ながらなくなるのでそれは勿体ないかも。

あと唯一の芸能人キャストであるケンドーコバヤシも彼の持つ元々の野太い声がロン・パールマン役に違和感なくはまっていて意外と上手かった。ただ流石に本職ではない為に遠慮をしたのか、ロン・パールマンの強烈な個性に少し押されているような部分もあったので、贅沢を言えば内海賢二若本規夫あたりにキメて貰いたかったところ。

後、パンフレットを読んで知ったのだが、今作は怪獣映画ロボット映画の他にも、彼の母国メキシコプロレスルチャ・リブレ」からも影響を受けているらしい。プロレスというのも今でこそサイドストーリーや裏の人間模様等を絡めたストーリー性の高いものになっているが、彼が子供の頃に観ていたルチャ・リブレは比較的単純明快な内容で、ルチャドールと言われるプロレスラーが、テクニコ(ベビーフェイス、正義側)とルード(ヒール、悪側)に分かれて三本勝負で試合を行っていた。幼い彼には多種多様なマスクマン(メキシコプロレスラーは覆面をした者が多い)が繰り広げる抗争が正義の味方と悪の怪人の闘いのように移ったのだろう。そう考えれば、今作のイェーガー組とKAIJU軍団の一大バトルが、あれだけの科学力を持ちながら肉弾戦メインになるのも合点がいくな(きっちり三本勝負で決着がつく!)。あの様子は本家ルチャドールのような空中殺法こそないが、地球規模の大掛かりなプロレスの試合のようだ。

…そう言われれば、巨大なタンカーを片手で引き摺りながら敵へと向かうジプシー・デンジャーの姿は有刺鉄線バットを片手にリングへと向かう松永光弘のように見えた気が(しません)。

2013-01-09

私的シネマランキング2012 31位〜136位

色々と忙しく、ちょっと機を逸してしまった感もありますが、とりあえず最後までランキングを。続いて136位までの発表。一気にいきます。



31位 ロック・オブ・エイジズ

舞台である80年代のロック音楽には然程思い入れは無いのだが、それでもテンションがアガる!近年のトム・クルーズのお仕事の選び方は信頼出来るものがありますね。


32位 エクスペンダブルズ2

シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワ公とブルース・ウィルスが居並ぶ姿を拝めるだけで大満足。その上、チャック・ノリスまで付いてくてお腹いっぱいの満漢全席振りなんだから、やれストーリーが破綻しているだの、ご都合主義だの、「ジェット・リーはどこ行った?」だの、「リアム・ヘムズワースが書いた彼女への手紙をそこで読むのかよ!?」だの言うのは野暮ってモンです。



33位 キツツキと雨

「桐島〜」には劣るが、こちらも日本ゾンビ映画の良作。


34位 ディクテーター 身元不明でニューヨーク

全2作と異なりストーリーコメディだが、相変わらずサシャ・ バロン・コーエンは下品で危険極まりなくて最高。てか、全2作のような偽ドキュメンタリー風の作りは、個人的に観ていてグッタリするので、今作のような作風の方が好き。


35位 アベンジャーズ

中盤の内輪揉めシーンがかなり冗長。各ヒーローに思い入れのあるファンへは嬉しいサービスなんだろうけど、お祭り映画なんだからダラダラやっててもしょうがないよと。

しかし、クライマックスのヒーロー大決闘シーンはかなり燃える!近年の映画でのCGアクションはTVゲーム技術革新の影響か、何を観ても先ず「TVゲームみたいだな」という感想が浮かんだのだが、今作においては、ホークアイが弓を放ちアイアンマンが空を飛びハルクが暴れマイティ・ソーが大槌を振り下ろす…、といったヒーロー達の見せ場である大乱闘をシームレスで観せてくれる。これぞ映画でしか味わえない映像迫力であり、この瞬間を体験出来ただけでも大画面で観る価値があったと感じた。


36位 ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館

ありきたりなグロとか残酷描写とかに頼らず、緻密な描写で本気に怖がらせにかかってきている古典設定ホラー映画の良作。


37位 ポエトリー アグネスの詩

予告から『母なる証明』みたいな映画だと思っていたら全然違った。現実を受け止めるのは「復讐」よりも残酷。

『青春の殺人者』時の市原悦子のような初老の女性ミジャが『白蛇抄』での若山富三郎のような裕福な老人カンに身を委ねるシーンが妙に艶かしい(多分、そう思ったのは俺だけ)



38位 悪の教典

無闇に青春を謳歌している高校生共がバッタバッタと惨殺されていく様子は爽快で、たいへん胸のすく想いになる素晴らしいインモラルヒーローエンターテインメントの良作。三池監督特有の悪ノリも控えめで、テンポよく楽しめました。


39位 最強のふたり

ロングランヒットも納得の良く出来た感動作。誕生会のダンスシーンの心からお互いの好きな物を分ち合っている感じがして大好き。


40位 フランケンウィニー

前作が思い切り残念な出来だったティム・バートン監督の面目躍如な良作。長編用に膨らました部分も監督のホラー映画や怪獣映画への愛情が見て取れてとても気持ちいい。


41位 ホビット 思いがけない冒険

原作が子供向けの童話という事もあって、ストーリー展開も判り易く、キャラクターも魅力的で純粋に楽しめる。ただ正直、長い。


42位 ヒューゴの不思議な発明

名匠マーティン・スコセッシ監督が、一見、彼とは食い合わせの悪そうな最新CG、3D技術と真剣に向き合い、劇中でも出てくるリュミエール兄弟やメリエスのように、映画の原点ともいえる見世物的な幻想体験を味合わせてくれた作品。そんな中、何故か3D演出が一番効果的だったのはサシャ・バロン・コーエンがヒューゴの素性を訝しんで詰め寄るシーン。迫りくるサシャの顔面ドアップの圧迫感は半端なかった。マジで。


43位 ダークナイト・ライジング

突然変異の大傑作『ダークナイト』の続編というプレッシャーに苛まれつつ、きっちりと『バットマン ビギンズ』から続くトリロジーに幕引きをした印象。ただノーランは配役をお気に入りのキャストで固めるはやめた方がいいと思う。でないと前作のような突出した作品は出て来ないよ。


44位 虹色ほたる

子供向け夏休み映画(公開は5月だが)の秀作。ただ、最後のメッセージみたいなのは蛇足。ああいうの本当に要らない。


45位 プロメテウス

圧倒的な映像美で魅せるSFホラーテイストの作品だが、要素を詰め込み過ぎてちょっと散漫になった気も。


46位 J・エドガー

クリント・イーストウッド監督は『ヒア アフター』の時よりも一層好き放題やってるというか、怖いもの無しというか、壊れてきているというか、狂い咲き状態というか。FBIのお偉方爺さん二人の純愛劇とか、この監督しか撮れんだろうよ。


47位 灼熱の魂

鑑賞後は、しばらく引き摺る程に衝撃的な内容の作品。個人的にあの手の「負のご都合主義」ともとれるオチには少し釈然としない部分もあるんだが、あの壮絶な物語の落とし所とするなら致し方ないか。「KID A」以降のレディオヘッド関連の曲は怖い。というか不穏。


48位 青いソラ 白い雲

東日本大震災と、震災後の浮き足立った人々を題材にしたコメディ。金子修介監督の演出は相変わらずちょっとダサいんだけど、「震災後の混乱に陥った東京」という扱い辛い題材を果敢にギャグにして笑い飛ばしている。


49位 戦火の馬

「馬が走る」ってだけの話なのこれだけ興奮させられるって、今更ながらスティーヴン・スピルバーグ監督の凄さに驚嘆。


50位 ロボット 完全版

正直、荒唐無稽なCGロボットアクションシーンよりも、壮大なロケーションで繰り広げられるダンスシーンの方がこちらの理解範囲を超えていて楽しい。


51位 ザ・レイド

各々1対1なら勝てる相手なのに、わざわざ2対1のハンデキャップマッチに挑み、その所為でキッチリ負けてしまう狂犬さんの狂犬っぷりに大興奮。


52位 思秋期

陳腐な感情移入を拒否するかのような衝撃的な冒頭のシーンから一気に引き込まれた。


53位 ドラゴン・タトゥーの女

オープニングとラストシーンがテンション上がった。てか、劇場予告編が一番興奮した気が。エンヤが流れてきたシーンが予想外過ぎて思わず大爆笑。


54位 愛と誠

梶原一騎原作の持つ過剰な世界観をアクションコメディとして捉えた話は面白かったけど、ミュージカル映画としては冗長。主演の妻夫木君は少し弱かったが、清純お嬢様の武井咲も少し狂っていて可愛らしかったし、薄幸そうな大野いとの回想シーンも狂気の沙汰だったし、安藤サクラは言うまでもなく怖いし、徹頭徹尾クレイジーな岩清水を演じ切った斎藤工も素晴らしかった。


55位 王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件

「天罰に見せかけた謎の人体発火事件。この怪事件の真相を暴く!」みたいな語り出しなのだが、その後、鹿が喋ったり、鍼で人相が変わったり、丸太が川から空高くまで飛び出したり荒唐無稽の連続だったので「別に天罰で人体発火しても驚かへん」と思った。


56位 リンカーン弁護士

正直、ディティールは記憶から抜け落ちてしまったのだが、最後の最後まで楽しめる本当に良く出来た作品だった。


57位 崖っぷちの男

正直、ディティールは記憶から抜け落ちてしまったのだが、最後の最後まで楽しめる本当に良く出来た作品だった(その2)


58位 ドリームハウス

古典的な心霊屋敷モノかと思わせつつ、実は殺人鬼とのサスペンス物なのかと思わせつつ、実は…と、展開がどんどん予想外の方に転がっていくヘンな作品。


59位 メリダとおそろしの森

近年のディズニーピクサー作品と比較する数段落ちるが充分楽しめる作品。3匹の小熊が可愛い。が、母熊はもっと可愛い。


60位 ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬

冷静に考えて、世界を股にかけるスパイなんてギャグのネタでしか無いという事を思い知らされる作品。


61位 DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on少女たちは傷つきながら、夢を見る

アイドル業界の光と影。これ以上を覗こうと思ったら、裏に潜んだ「闇」くらいしかない。という程に限界まで見せていて度肝を抜かれた。とくに西武ドームライブの裏側はかなりの衝撃映像。ホント秋元康は死んでしまえ。


62位 桃さんのしあわせ

アンディ・ラウをメインに配し、アンソニー・ウォンが昔からの悪友役で、ツイ・ハークサモ・ハン、レイモンド・チョウまでがゲスト出演の感動作品ってどういうことだ。


63位 トガニ 幼き瞳の告発

以前に他の作品でも感じたが、どんなに重苦しい題材でもきっちりエンターテインメントに仕立て上げる韓国映画界の懐の深さには恐れ入る。


64位 HICK ルリ13歳の旅

色んなクロエ・モレッツたんの魅力を思う存分堪能できる作品。それだけでこの映画は存在する価値がある。


65位 シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム

さすが『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』の後に『スナッチ』を撮ったガイ・リッチー監督だけあって、見事なまでに『シャーロック・ホームズ』と同じような話、同じような編集で期待を裏切らないクオリティ。まさか最後のバトルが『ドラゴンボール』の修行シーンみたいなイメージトレーニングで終わったのには吃驚。


66位 孤島の王

2012年は割れそうな氷を渡る映画と、不意に鹿が顔を出す映画よく観た気がする。


67位 裏切りのサーカス

世間では結構高評価なんだけど、普通に渋い良作ぐらいの印象。


68位 アメイジング・スパイダーマン

2作品分くらいに渡って描けそうな出来事を1作に纏め上げていて、鑑賞中に飽きる事は無いのだが、その分、全体的に大味で薄くなり、人物描写もかなり希薄になった印象。とくに主人公ピーター・パーカーの言動には「いや、お前、それでいいのんか?」と思わせる事もしばし。ウェブシューターを多用したアクション描写はサム・ライミ版より好き。


69位 遊星からの物体X

偉大すぎるリメイク元と比較すると流石にアレだが、普通に楽しめるSFホラー。


70位 マンイーター

きっちりツボを押さえた動物パニックもの。「人食い」というタイトルの割にはあんまり食ってなかったけど。あとミア・ワシコウスカたんかわいい。


71位 ブラッディ・パーティ

結構、しっかりとした吸血鬼ものの秀作。


72位 サラの鍵

過去の出来事は厳しく残酷だが、現代の出来事と上手く物語が絡まり、ラストは心地良い余韻を残す。


73位 アリラン

キム・ギドク監督の自画撮りドキュメンタリー。彼が使ってるPCの壁紙が自分自身の名前(と写真?)で思わず「どんなけ自分大好きやねん!」と心の中でツッコミが。本人が作中で「これはドキュメンタリーでありファンタジー」的な発言をしていたので、ネタかマジか判らないけど。


74位 アルゴ

内容的に鑑みて、手放しに賞賛はし難いが、糞みたいな政治的事情から起きた糞みたいな状況に対し、「俺らは受けたオファーに応えるだけよ」とばかりに、糞脚本で糞映画をでっち上げてハッタリかます素晴らしき糞野郎のアラン・アーキンジョン・グッドマンのコンビだけは最高。


75位 アイアン・スカイ

トロール・ハンター』のときにも思ったが、この手のどう転んでも世間から「バカ映画」と一笑に付されそうな内容の作品を真摯に作り上げている姿勢には感動しますね。


76位 哀しき獣

理解力が乏しい所為か途中で展開についていけなくなった。「牛骨おじさん」ことキム・ユンソクの凶悪っぷりが際立つ。


77位 キラー・エリート

ロバート・デ・ニーロが美味しいとこ取りをしていた。頑張ってたのはジェイソン・ステイサム。もっと頑張ってたのに可哀想な扱いだったのはクライヴ・オーウェン


78位 籠の中の乙女

終始不穏なホームコメディ。子供にとある切欠を与える「禁断の果実」となるツールが『ロッキー(たぶん3)』と『ジョーズ』っていうのがたいへん素晴らしい。


79位 人生の特等席

まあまあ楽しめたが「イーストウッド御大を表舞台に引き摺りだしておいてこんなモンしか出来ないのか!」という不満もある。


80位 永遠の僕たち

ベリーショート姿のミア・ワシコウスカたんはとても素敵だったのだが、ほんの少しだけ若い頃の水前寺清子に似ていた。


81位 チキンとプラム 〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜

美しい映像美で描くほろ苦いラブストーリーとして悪くない出来だが、ちょっと奥さんに対する描写が可哀想かなと。


82位 さらば復讐の狼たちよ

面白かったけど、ちょっと詰め込み過ぎ。


83位 ジョン・カーター

火星犬ちょうはやいしちょうかわいい。ちょうけなげ。てか犬なのかアレは。


84位 アーティスト

「『サイレント映画の大スターに起きたトーキー映画への変換による悲劇と、どん底からの復活の物語』をサイレント映画で表現する」という取り組みは面白いが、主人公がサイレント映画に拘る理由が見えてこなくて、どうにも乗り切れなかった。


85位 ベルフラワー

ざっくり言うと『500日のサマー』みたいな話。舞台をお洒落な都会からファスト風土的郊外にして、主人公を建築家志望の草食系男子から、終末待望論者の無職素人童貞(予想)に、ヒロインを風変わり素敵女子から只のビッチに置き換えたという趣き。


86位 人生はビギナーズ

主人公の設定からしてマイク・ミルズ自身の実生活を基に脚本を練り上げて撮った作品だと思うので、これを言うと台無しだが、この脚本は他の監督が撮った方が良かった。彼の映像作家としての個性の所為で、風変わりなようだが実は普遍的な親子の物語に入り込みにくくなってしまった。


87位 キック・オーバー

何か最近のメル・ギブソンはやりたい放題だな。


88位 クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち

あの歌最高。しばらく頭から離れなかった。


89位 ヴァージニア

はっきりいって何だかよく判らんが、決してつまらない訳でもなく不安定ながらも心地の良い、まるで酔夢ような作品。とりあえずエル・ファニングたんかわいい。


90位 コッホ先生と僕らの革命

まあ、そりゃそうなんだろうけどラストの展開が綺麗過ぎやしないか。


91位 ル・アーヴルの靴みがき

密航者の少年が着ているセーターの柄が素晴らしい。


92位 トータル・リコール

文字通り縦横無尽に駆け回るアクションの連続で最後まで楽しめるんだけど、流石に先人の作品を色々織り交ぜたようなSF描写には既視感が半端ない


93位 タイタンの逆襲

巨大クロノスの火飛沫攻撃とか、アクションシーンがまんまPS3のゲームみたいだった。


94位 ホーボー・ウィズ・ショットガン

設定とか主人公のキャラとかも良いし、残酷描写もしっかりしていた。でも、作品に何かメッセージを込めようとし過ぎ。もっと仄めかす程度にしてくれ。


95位 テイク・ディス・ワルツ

昔のTBS系金曜ドラマ昼ドラのような在り来たりで下世話なストーリーだが、監督の演出力できっちりと魅力的な作品に構築している。


96位 きっと ここが帰る場所

ザ・キュアーかと思ったら。トーキング・ヘッズでした。


97位 それでも、愛してる

何か最近のメル・ギブソンはやりたい放題だな。やけくそなのかな。


98位 容疑者ホアキン・フェニックス

何か軽い悪ふざけのつもりが、落とし所が見つけられなくなり、引っ込みが付かない内にあんなになってしまったような印象。


99位 コーマン帝国

制作している映画の内容から、ロジャー・コーマンという人は誰に対しても威丈高な態度をとるガハハ親父かと想像していたが、実際の氏はとても物腰の柔らかな老紳士だったので吃驚した。


100位 砂漠でサーモン・フィッシング

恋愛要素が蛇足過ぎる。ラッセ・ハルストレム監督は恋愛演出がヘタクソなんだろう。あの流れではユアン・マクレガーに感情移入は出来ない。ユアンの奥さんも戦地に行った彼も可哀想。


101位 ハンガー・ゲーム

もっと『バトルランナー』みたいにしてくれ。


102位 おおかみこどもの雨と雪

細田守監督は作品において結局、物事の綺麗なとこしか見せてない。本人が超性善説なのか、人間の綺麗なとこしか見てないのか知らんが。だから「良く出来てるな」とは思うが、それ以上にはのめり込めない。

103位 ヤング≒アダルト

ジェイソン・ライトマン監督の過去作『JUNO』や『マイレージマイライフ』を観たときにも感じたが、どうもこの監督は底意地が悪いというか、冷淡というか、登場人物を俯瞰で見ている感じがして、どうも手放しで好きになれない。どの作品も良く出来てるなとは思うんだが、どこかモヤモヤしてしまう。


104位 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

冒頭の設定には度肝を抜かれたが、いつまでたっても同じ事ばっかり言ってるシンジ君にうんざり。TV放映から干支も一回り以上している訳だし、さすがに。


105位 ダーク・シャドウ

作品自体はどうでもいいが、クロエ・モレッツたんが一層素敵になっていたので、それを確認できただけでも満足。クロエたんがイギー・ポップの「I'm Sick Of You」をバックに登場するシーンだけで料金の元は取れた。てか、クロエたんのあの設定でスピンオフを撮れば良いのに。


106位 Black & White/ブラック & ホワイト

まあまあ面白かったけど、何故、一流のCIAスパイ二人がリース・ウィザースプーンを奪いあうのか、ずっと合点がいかなかった。


107位 るろうに剣心

脚本とか物語の展開とかが壊滅的に駄目だが、アクション監督・谷垣健治の冴え渡る殺陣演出と、彼の要望にきっちり応えた主演の佐藤健の身体動作だけは素晴らしい。勿体ないので、この二人だけ残して、後は総とっかえでシリーズ化すればいいのに。


108位 フライトナイト/恐怖の夜

最後に出てくる武器が、少年漫画で急遽、連載が終了した作品で出てきたような、とても強引なまでの便利アイテムだった。


109位 幸せへのキセキ

死にかけのトラがいる檻の前で親子が仲直りするシーンと、「結局は動物よりも人間大好き!いえーい!」みたいなオチに、ひっくり返りそうになった。


110位 SHAME

主演がマイケル・ファスベンダーじゃなくてマイケル・ダグラスだったらセックス中毒者の苦悩がもっと切実に表現できただろうに残念。


111位 推理作家ポー 最期の5日間

終わり方とエンドロールの冒頭だけ急にテイストがガラッと様変わりしていた。「あそこだけ急遽、別の監督が撮りました!」と言われても納得してしまうレベル。


112位 ブレーキ

この手のシチュエーションスリラーの肝はラストのツイスト、二転三転するオチだと思うのだが、そこまでが長い。そしてラストのオチが二転三転した結果、脱輪してまま崖まで落ちていった印象。デビット・フィンチャーの『ゲーム』を思い出してしまった。


113位 スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜

フィリップ・シーモア・ホフマンポール・ジアマッティとの間で右往左往しながらジョージ・クルーニーを担ぎ上げなきゃいけないって、これライアン・ゴズリングじゃ勝ち目無いだろ。


114位 TIME

命を賭けたバトルがただの腕相撲て。『オーバー・ザ・トップ』か。


115位 ウェイバック -脱出6500km-

脚本は粗いがシアーシャ・ローナンはかわいい。シアーシャ・ローナンが6500km歩き続ける映画なら100点。


116位 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE

余計な説明は排除して、いきなりアクションシーンから入る冒頭シーンは鑑賞対象をしっかり把握していて素晴らしい。


117位 黄金を抱いて翔べ

いかにもな大阪描写が鼻につく。


118位 テイク・シェルター

言いたい事はよく判らんが、マイケル・シャノンは癇症病みが役が似合う事はよく判った。


119位 アタック・ザ・ブロック

闇夜のような漆黒の体毛と蛍光ブルーに発色した牙を持つモンスターという描写は良かった。


120位 ピナ・バウシュ 夢の教室

「未経験の少年少女達にダンスを教えて舞台に立たせる」という取り組みは面白そうなんだけど、何故か鑑賞中集中力が持続せず。


121位 エージェント・マロリー

設定としては大好物なのに全くのれず。俺はスティーブン・ソダーバーグ監督作品とは肌が合わんようだ。


122位 危険なメソッド

キーラ・ナイトレイの下顎が一番の見所。デビッド・クローネンバーグ監督作品だけに、あそこから異形の怪物に変容していくのかと思った。


123位 ダーク・フェアリー

ギレルモ・デル・トロ絡みの作品で、基本設定や瞬間の映像には時折その雰囲気も感じられるがイマイチ物足りない。何より不幸に見舞われるヒロインの女の子が下膨れ顔で全く可愛くないというのが大問題。


124位 パーフェクト・センス

物語はともかく、要所要所の画作りがちょっとダサかった。


125位 ボーン・レガシー

Mobyの「Extreme Ways」が流れるシーンすらつまらないというのは、もうこのシリーズとしては致命的にダメだろう。


126位 マリリン 7日間の恋

マリリン・モンロー役の人の体つきが何か柔らかそうで、そこが良かった。


127位 マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

冒頭、認知症が進行している現在のサッチャーエピソードから始まったので、このまま「実は全て孤独な老婆の生んだ妄想だったのです!」的なオチになったらどうしようとドキドキしながら観てた。


128位 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

物語の筋立ては嫌いじゃないが、主役のガキがうざい。


129位 ムカデ人間2

基本的に悪趣味な描写は嫌いではないが、これはどうもイマイチだった。


130位 ラム・ダイアリー

何か「これから!」ってところで終わったな。


131位 SPEC

TVドラマで観ていても気にならない堤幸彦独特の演出が、劇場のスクリーンで観るとノイズに感じて仕方なかった。あと浅野ゆう子の役柄は、彼女が一人二役でやるんじゃなくて浅野温子を呼ぶべきだよな。


132位 ピープル vs ジョージ・ルーカス

スター・ウォーズマニアの方々がずっとジョージ・ルーカスに向けて罵詈雑言を発する映画。途中うたた寝して、目覚めてもまだルーカスに文句付けててちょっとぐったりした。でも、ここまで愛憎の感情が持てるのは正直うらやましい。


133位 バトルシップ

こういうのはバカ映画じゃなくて、ヘタクソで単調で冗長なだけの映画と言います。


134位 CUT

とりあえず、この映画の主人公のような映画好きとはお近づきになりたくない。


135位 ヘルタースケルター

壊滅的にどうしようもなくて文句をあげたらキリが無いが、一番の大罪はこの作品のおかげで、もうこの原作コミックが実写化される事は(少なくとも四半世紀は)無くなったという事。


136位 ラバー

断トツの最下位。変則ホラー映画としても恐怖感は皆無、バカ映画としても斜に構えすぎで突き抜けてない、シュールなコメディ映画としてもギャグが上滑りしていてクソつまらない、どうしようもない最低最悪のクソ映画

そもそも「タイヤが突如、人間に襲いかかる」という素晴らしい設定なら、「宇宙から落下した謎の隕石の影響で突然タイヤが殺戮感情を持った」とか「衝突事故で死んだ車の持ち主の霊魂がタイヤに宿った」とか「轢き逃げ事故で最愛の娘を亡くしたマッドサイエンティストが殺人タイヤを発明してドライバー達に復讐を」とか色々と至極真っ当な理由も思い付くだろうに、今作は「元来、人生それ自体が理由のない事の連続(だからタイヤが人を殺しても構わない)」なんて1ミリも説得力の無い言い訳を吐いてくる。そのシニカル気取りの逃げ腰根性が気に入らない。

その上、あろう事かこの糞言い訳に説得力を齎す為に「『E.T』の宇宙人はなぜ茶色なのか?理由などない」「『ある愛の詩』で何故2人が恋に落ちるのか?理由などない」「『悪魔のいけにえ』ではなぜ人を殺した後洗面所で手を洗うシーンがないのか?理由などない」とか長々と過去の名作を引き合いにして己の薄弱さを誤摩化そうとしている。且つ、その指摘がイチイチ微妙に見当外れというどうしようもなさ。

で、事前に「理由がない」と言い切ってしまえば、幾ら観客側が真剣に批判しても、「バカだなー。だから『理由がない』って言ってんじゃーん」の一言でスルー出来ると思い込んでる腐れ監督のしたり顔の腑抜けた半笑いが透けて見えてくるのが本当に腹が立つ。死ねばいいのに



以上!今年は『ラバー』みたいな映画に巡り会いませんように!!

2013-01-02

私的シネマランキング2012 11位〜30位

前回発表したベストテンに続いて11位以下の発表。まずは私的シネマランキング11位〜30位までの発表です。この辺は間際までベストテン以内に入れるか迷った作品ばかり。



11位 夢売るふたり

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松たか子は「パンの人」である。別所哲也が「ハムの人」の座を退いてから幾年が経ったが、これまでの松たか子のキャリアにおける代表作と言えば「ヤマザキ春のパン祭り」。まだまだ現役で「パンの人」のである。そんな彼女が目をひんむき一心不乱に不味そうに食パンを頬張るシーン。このシーンを観ただけで彼女の今作に賭ける意気込みが判ると言うものだ。マジで。

蜜月の時は過ぎ、人生のパートナーとなったふたり。とある事件を切欠に起きた夫の不貞によって妻の中で何かが狂い出し、人生の歯車は思い計らぬ方向に動き出す。題名は「夢売る『ふたり』」だけど、これはやはり松たか子と被害者である女たちの映画だろう。プライド、焦燥、嫉妬、苦悩、これらの感情に翻弄される女性達に対する西川監督の冷徹な視点が冴え渡る作品。ラストで浮気相手であった鈴木砂羽宛に送り付けた封筒の筆致が切ない。



12位 少年は残酷な弓を射る

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邦題から勝手に耽美的で不道徳なミステリーとかだと思っていたが、これはれっきとした『オーメン』とか『ザ・チャイルド』とか『エスター』的な「恐るべき子供」系ホラー映画の秀作。過去のホラー映画なら少年の行う恐ろしい行為に「悪魔の呪い」とか「背徳的な書物」とか「不幸な家庭環境」とか大抵は何らかの理由を提示するのに、今作はそれが全くない(少年の部屋には趣味を伺わせる物、彼の人となりがわかる物が何も無い)のが現在的だと思いました。それ故に不条理な恐怖が画面を支配している印象。



13位 ファミリー・ツリー

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「突如降り掛かった事件を切欠に、バラバラになっていた夫婦・家族を再生させようとする」という映画としては良くある設定ですが、舞台を楽園ハワイに設定した事で、物語全体に少し非現実的なムードを与え、とてもシリアスで重苦しい状況なのに全体的に何処か可笑しみさえ感じさせてます。過去のある事件の真相を聴き出す為に、友人宅まで走るシーンのジョージ・クルーニーがドタドタと見事なまでのオッサン走りで、彼の必死さが伝わり愛おしくなりました。



14位 KOTOKO

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過去作からずっと「肉体の破壊」に拘っていた塚本晋也監督が、リアル「普通サイズの怪人」であるCoccoとガッチリと対峙して挑んだ結果、文字通りボコボコにされた怪作。ホラー、ラブストーリー、エロス、ヴァイオレンス、コメディとあらゆるジャンルの表情を見せながら、絶望とも幸福とも受け取れる怒濤のクライマックスに至るまで一気に引き込まれてしまいました。




15位 別離

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「好きな映画ランキング」ではなく「凄いと唸った映画ランキング」なら圧倒的に1位。二組の普通の夫婦が起こしたあるトラブルから出来た小さな綻びがどんどんと大きくなり、知らぬ間に観ている者ごと地獄の底へと。シンプルな構成ながら、常にピリピリとした緊張感を保ち続ける展開で呼吸困難のようになりながら、結末まで一瞬たりとも目が離せない。鑑賞後の疲労感が半端ないので、何度も観たいとは思いませんが、絶対に一度は観ておいた方がいい傑作。



16位 ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜

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黒人差別も根深い1960年代ミシシッピー州で起きた女性達の小さくも勇敢な戦い。定型的なハッピーエンドの少し後にラストシークエンスを持ってきている構成が素晴らしい。恐らくエイブリン達は自らの勇気ある行為に対して何らかの理不尽な代償を受けることになるだろう。しかし、戦いを終えた彼女達は今までと違い、前を見て一歩一歩確実に進んで行ける。そして、何より見事なのは重苦しく過酷なテーマで重厚で暗い作りになりがちな物語の中にしっかり「笑い」の要素を織り交ぜているところ。だから2時間強の長尺の作品でも最後まですんなり入り込めるし、感動の度合いも際立つ。差別主義者のヒリー役を演じたブライス・ダラス・ハワードが見事なナチュラル・ボーン・ヒールっぷりも凄い。



17位 ミッドナイト・イン・パリ

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個人的にウディ・アレンに大した思い入れはないが、て言うか、どちらかというと敬遠していた方なので、もしこれが過去作のように主演がウディ・アレン自身だったら、「またべらべら小煩くて、自己憐憫だけは人一倍の鼻でかチビが!少しは黙れ!」と終始イライラしてたかも知れないですが、主役のオーウェン・ウィルソンがとても魅力的だったので最後までニコニコと観れました。彼の監督作品の中では比較的肩の力が抜けた印象の良作。



18位 捜査官X

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この邦題で勘違いしそうになるんだけど、原題の『武侠』(武術と侠気)の名が示す通り、あくまでドニー・イェンが主役。「過去を捨て、田舎町で穏やかに暮らしている男が、たまたま流れ者のチンピラと対峙したが為に、血塗られた過去を暴かれて…」という昔の東映ヤクザものや西部劇のような展開。香港版『ヒストリー・オブ・バイオレンス』とも言える物語設定だけでも熱くならざるを得ないが、劇中、計三回において繰り広げられるカンフーアクションシーンは、観る者のツボを心得た緩急の付いた構成でこれまたテンションがアガる。とくに元祖片腕ドラゴンのジミー・ウォングに、片腕となったドニーさんが戦いを挑むクライマックスの壮絶バトルは最高に痺れる!



19位 ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン

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スラップスティックコメディとシチュエーションコメディのバランスが上手く取れている良作。『サタデー・ナイト・ライブ』出身であるクリステン・ウィグコメディエンヌとしての才能が遺憾なく発揮されていて、個性的な面々の中でも、もう一人勝ち状態。ストーリーコメディものには必須要素の「失敗からの気付きと成長」もきっちりと描けていて、大暴走する彼女の姿に大爆笑しながらも、その痛々しい程に不器用さに少し切なくなる。



20位 インビテーション フロム スパイク・ジョーンズ(アイム・ヒア、みんなのしらないセンダック)

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アイム・ヒア』は「近未来?のロボットと人間が共存する世界」という趣の設定は変化球なのだが、物語自体はド直球な純愛もの。「ロボット同士の恋愛」という設定と、主人公二人のキャラクターの所為か、何処か『WALL-E』を想起させ、『WALL-E』大好きっ子の俺としては愛着も一入。

ドキュメンタリー作品『みんなの知らないセンダック』は、純粋さと偏屈さを同居させたような老作家モーリス・センダックがとても魅力的で、そんな彼を敬愛する監督スパイク・ジョーンズの交流がとても面白い。作品時間は40分程と短いものだが、かなり中身の濃いインタビューで、センダックの癖のある人柄にニヤリとしつつも、しんみりと感動。


21位 へんげ

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主人公が「変化」していく事によって夫婦に生じる苦悩やら周囲から齎される阻害や孤立感とかをもう少し緻密に描いた方がクライマックスの展開が際立つと思ったが、それでも十分に面白かった。大オチに向けての畳み掛けはテンポよく、こちらに瑕疵を感じさせる事なく走り切ったのは上手い演出。ラストで夫の身体が大変身するという設定のを思い付くは、やっぱり監督が子供の頃から戦隊ヒーローシリーズを観たりして、ああいう設定に対して何らか素養が出来ているんだろうなーとも思ったり。



22位 私が、生きる肌

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ペドロ・アルモドバル監督の真摯なまでのド変態振りがよく判る作品。江戸川乱歩が綴る奇譚小説のような物語だった。冷静に考えれば「いや、そりゃ無茶苦茶だろw」というような物語で、何処かひとつ間違えたら悪趣味な三流映画に転びそうなところを、端正で美しい映像美、丁寧な人物描写と演出力で最後までグイグイと観てる者を惹き付ける。



23位 トロール・ハンター

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「雪深きノルウェーの山奥に伝説の巨大生物トロールは実在した!!!!!」という、なかなかまともに取り合い難い設定で、凡百の制作者なら如何にも斜に構えたパロディにして、茶化して撮ってしまいそうな題材を、衒う事なく真正面から制作していて、そのハッタリ上等の熱き「水曜スペシャル」魂に深く感心させられた。川口浩役であるトロール・ハンター、ハンスの仕事人振りも痺れる。


24位 ヒミズ

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園子温監督特有のクセのある演出を残しながらも、「絶望の淵でもがき苦しむ若者を描いた青春映画」としてきっちりと纏め上げていたと思います。個人的には原作の救いの無い終わり方も見たかったが、今回の未来に向いたラストも有り。ただ不満を述べれば、ヒロインである茶沢のキャラ造型がイマイチ。演じる二階堂ふみ自身は素晴らしく、とくに後半は彼女の熱演にグッと引き込まれたのだが。あのキャラ設定だとただの不思議ちゃんに見える。彼女はあのまま女子大生になったらバイト先の大学生に恋しちゃうよ。俺の茶沢さんはもっと普通だけど芯の強い女の子!(妄想)



25位 ドライヴ

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「もしも『ヒストリー・オブ・バイオレンス』後のデヴィット・クローネンバーグが甘くも切ないラブ・ストーリーを撮ったら」という趣きの現代版西部劇。美しい映像描写とハードな暴力描写の退避が素晴らしいですな。少しぐらいライアン・ゴズリング演じる主人公のバックボーンを掘り下げるシークエンスがあっても良いとも思いましたが、その辺を謎めかす事で、このシンプルでありふれた内容の物語を「現代のヒーロー神話」として成立させているのかも知れないですな。



26位 苦役列車

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オープニングとタイトルフォントの昭和50年代東映テイストが最高に素晴らしい。初期作『どんてん生活』や『ばかのハコ船』でダメ人間の日常を描いていた山下敦弘監督だけあって、主人公の鬱屈した青春を、暗鬱になりすぎず、軽薄に堕さず、味わい深く映像に表現している。主演の森山未來も強烈なコンプレックスと屈折した自尊心と悶々とした欲望を抱えた若者を見事に好演。



27位 アウトレイジ・ビヨンド

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前作では極道企業間の派閥争いに振り回される中小下請け極道タコ社長のビートたけしだったが、今作では会社も倒産し、心機一転フリーランス派遣極道として、派閥争いには我関せずの顔で、雇用先の日雇い殺し屋集団と共に己のやり残した仕事のみを黙々と、時に嬉々として処理していく。周りが状況に翻弄されコントのように右往左往している中、その淡々とした美しさが際立ってました。前作に引き続き安定した面白さだし、ヤクザ役を演じて欲しい役者はたくさんいるので、是非とも北野武監督にはこのシリーズの制作を『男はつらいよ』みたく毎年の恒例にして頂きたい。中野英雄の指が無くなるまでは。



28位 ゾンビ革命 -フアン・オブ・ザ・デッド-

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副題にもなっている英題『JUAN OF THE DEAD』の通りこれは『ゾンビ』フォロアー映画の傑作『ショーン・オブ・ザ・デッド』のキューバ版と言ったところ。今作の主人公一味は、ゾンビ騒動の混乱の中、勢いに任せて殺人もするは、騒動を逆手に取って金儲けを企むはとかなりアバウトでタフ。正直「ゾンビジャンルの珍品だろう」くらいの気持ちで観に行ったのだが、アクションシーンやスプラッター描写もしっかりしていてるし、笑って良いのか判断に困るような不謹慎なギャグも満載。キューバの国家体制を笑いに転化した骨太な作りで恐れ入りました。キューバという国は意外と表現活動に関して寛容なんだろうか。シド・ヴィシャス版の「 マイ ウェイ」がかかるラストシーンも最高!



29位 ペントハウス

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「日々、不当に搾取されている労働者達が悪徳大富豪にリベンジをする」っていう設定だけで無闇やたらにテンションがアガる痛快コメディ。ベン・スティラーエディ・マーフィというキャスト陣からもっとバカバカしいドタバタコメディかと思ってましたが、予想外に男気溢れたアツい作品。作戦決行のシークエンスは笑いながらもかなり興奮しました。悪役の大富豪アーサーが心底憎たらしいキャラなのも判り易い勧善懲悪ものとしてのカタルシスが得られて良かった。



30位 ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して

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2012年はコメディ映画に良作が多かった印象を受けましたが、その中でも今作は、主役も含めて出演者が全員善人なのに中途半端な緩い作りにもならず、キッチリと笑えるコメディ映画として成立させているのが凄いと思いました。ジャック・ブラックスティーブ・マーティンオーウェン・ウィルソンと、どんなドタバタギャグやブラックジョークにも対応出来る面子を揃えながらも、こういうコメディを制作するアメリカ映画界のレンジの広さに感心しました。   



と、ここまでが、ベストテンの映画と同等に好きな作品です。31位以下はまた後日 (いつまで続ける気だ)

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