『トロン:レガシー』


おかっぱプログラムガール、クオラさん。ちょっぴり不思議ちゃん。


はいはい、2011映画初めとして観てきましたよ『トロン:レガシー 3D』1982年の映画『トロン』の続編です。
おれの去年の映画初めが『アバター』で、その圧倒的な映像の凄さに、「こ、これは、いきなり本年ベストかも!」くらいの事を思ったんですね。まあ、その後に、これを軽く飛び越える内容の濃い作品がバンバン公開されて、そんな想いは消し飛んでしまったんですけど。それでも、あの3D映像の臨場感は、映画館の大画面で鑑賞する価値のある素晴らしい体験でした。
ですので、今年も「一発目は小難しい映画じゃなくて、単純に頭からっぽにして迫力の3D体験を楽しめそうな映画にするべか」ってな理由で今作を選んだ訳です。
冒頭、まずディズニー映画のオープニングでお馴染みのシンデレラ城のロゴがエレクトリカル・パレード仕様になって出てきまして「おっしゃ、なかなか気合入ってるな!」と、いきなり心を掴まれたんですが…ぶっちゃけ、そこが一番興奮しました。
確かに、前評判通りコンピューター世界のビジュアルイメージは良かったですよ。あの世界、グリッドって言うんですか?じゃあ、あそこの人達はグリッドマンですか?電光超人ですか?よく知らないけど。まあ、とにかくバトンからライト・サイクル(バイク)が成形されるところとか、ライト・ジェット(飛行機)でのバトルシーンとかの描写は素敵でした。
でも、どのシーンも総じて3Dである事を効果的に活かせていないんです。正直2Dの方が、その煌びやかなビジュアルをより楽しめたと思います。実際に、途中で3Dメガネを外して観てみたんですが、そっちで観た方が一層ピカピカでキラキラに輝く世界で、その圧倒的な光の洪水に思わずクラクラとキちゃいましたよ。ピカチューショックです。
その点『アバター』の場合は、冒頭から見事な3D演出で、未だ見ぬ惑星の世界を奥行きや広がりでもって仮想体験させてくれてたんですよ。そして、そういった3D演出シーンが使われるタイミングも絶妙で「ちょっと物語にダレてきたな」って頃を見計らって飛翔シーンとか戦闘シーンとかをブチ込んでくれるので、3時間の長丁場でも飽きる事無く観ていられました。ここにキャメロン監督の「最高の3D体験させたるわい!!」という心意気を感じましたよ。
その辺の気概が今作には感じられない。なんか映像も演出も全体的に平坦で、すぐに飽きちゃうんですよ。この手の作品の場合、ストーリーが平坦なのはいいけど、映像まで奥行きなくしちゃダメでしょ!
それに、せっかくの未来的なグリッド世界の描写も色彩が地味で、ざっくりというと基本、白か黒か橙でお上品なんですよ。何なの?それがクールなの?知らんがな!もっと下品にしてくださいよ!もっとビカビカしろよ!もっとギラギラしろよ!!
今作の監督はこの映画に何を期待されてるのかが全然わかってないんですよ。途中に入ってくる親子の確執がどーとか。禅の心がどーとか。そんなのいらないんですよ。おれは単純に3Dでスゲー映像が観たかっただけなの!3Dで未来を体験したかったの!「やっぱ3Dってすごいべなー」って馬鹿面さげて言いたかっただけなの!
こちとら、その為に薄黒メガネ借りて400円を別に払ってんだよ!合計2200円だよ!晩メシ2食分だよ!うそだよ!3食分だよ!ちょっと見栄張ったよ!


という訳で、3D映像の演出面ではかなり不満が残りますが、音楽は流石、ダフトパンクが担当しているだけあって手堅く格好よろしかったですよ。サントラ買ってもいいかも。あとクラブのシーンにDJ役で御両人も出てました。お面被ってるから本人かどうかわからないですけど。
もう、ダフト・パンクが音楽担当なんだし、いっその事、ミシェル・ゴンドリーが監督すればよかったんじゃないっすか。『グリーン・ホーネット』撮ってる場合じゃないんですよ。 んで、2時間ダフト・パンクのPVみたいにすればいいんですよ。んで「Around The World」みたく全編アナログな方法でグリッド世界を再現するの。まんま『僕らのミライへ逆回転』だけど。
元々、旧作の『トロン』だって「初のCG作品」って謳われていたのに、実際のところは大部分を手描きアニメで代用してたらしいし丁度いいと思いますよ!