『愚かな決定を回避する方法 何故リーダーの判断ミスは起きるのか』

C・モレル 著 横山研二 訳
講談社+α新書
ISBN4-06-272350-6
執拗に繰り返される徹底的に間違った決定に関する社会学的考察。
(↑というのが、原著の副題らしい。日本語では余り分かりやすくも語呂が良くもないが、内容はよく現している)
つまり、人や組織が、第三者が見た時に十分に愚かで間違っている決定を行い、それが間違っていないと持続的に考える場合があるのは、どうしてなのか、というようなことが考察された本。
大体のところは、失敗関係のビジネス書だと考えておけば、大過のない本か。
別に普通でありがちなビジネス書。特別でもないが、それなりといえばそれなり。
私はこの手のビジネス書は大好きなので多少割り引いて考える必要はあるかもしれないが、普通のビジネス書で良ければ、読んでみても、という本だろう。
翻訳書のせいか、やや妙な部分はあり(事例を語っているはずの部分でいきなり一般論を持ち出してくるので、戸惑う、とか)。
以下メモ。
・人間は、二つの連続する事柄があると、最初の事柄の結果にかかわらず次の事柄を決定しなければならないような場合でも、最初の方の事柄に拘泥することがある。
素人のメッセンジャーは、しばしば、メッセージをいかに相手に伝えるかだけを考えて、伝達されたメッセージが相手にいかに理解されるのかを吟味しない。
・素朴で幼稚な理屈は、科学的論理的な合理性と共存できる。
・実際には反対している者が沈黙してしまうケースは、よくある。Aさんは自分では反対なのに誰も反対しないからと反対せず、Bさんも自分では反対なのに誰も反対しないからと反対せず、Cさんも、自分では反対なのに誰も反対しないからと反対しなかった結果、全員が反対だったことを行ってしまう場合もある。