小林一茶風日記

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2006-09-30

昆虫−驚異の微小脳

水波誠 著

中公新書

ISBN4-12-101860-5

昆虫の神経ネットワークに関していくつかのことが書かれた本。

内容的には、主に、視覚等の感覚情報ニューロンのネットワークにおいてどのように処理されているのか、ということが書かれたもので、大体のところ、半専門家向けの雑学本、と考えるのが、最も間違いがないだろうか。

全体的な見取り図として、昆虫の脳と哺乳類人間)の脳とを比べて考えてみよう、というモチーフがあることは一応確かだが、だからといって別にそうたいした結論があるのでもないし、一般向けの啓蒙書として何かを素人に説明しようという契機も殆ど全くないので、半専門家向けの雑学本、と考えておくのが、無難ではないかと思う。

私としては、これで全く分からないという程難しくはなかったが(ミツバチの不対中央ニューロンに関する実験は、余りよく分からなかった)、これを理解してその先に豊かな果実畑があるのならば良いが、ただの雑学本では、ちょっと勘弁して欲しいなあ、というところではあった。簡単ではない上に、無味な概説がだらだらと続くので、読みやすくはないだろう。

専門誌に掲載されているエッセイとか、そんな感じ。それで良いという人にはそれなりの本なのかもしれないが、一般に薦められるレベルではないと思う。

以下メモ

・完全変態をする昆虫は、成長と繁殖との完全分離を実現しているので、資源の効率的な活用ができる。

・単眼は、細かい画像情報を得ることはできないが、空と大地のコントラストから地平線を検地し、飛翔時の姿勢を制御すること等に使われている。

・嗅細胞の軸索終末は、糸球体という球状の構造を作る。嗅細胞が反応する匂い物質には何通りかのパターンがあるが、ショウジョウバエにおいては、同一の種類の受容体を持つ嗅細胞の軸索が、一つの糸球体に収束している。

・昆虫の学習においては、オクトパミン作動性ニューロンが報酬情報を、ドーパミン作動性ニューロンが罰情報を伝えているらしい。

・ミツバチがダンスによって餌のある場所を伝えていることの最終的な証明は、ロボットのハチを使った実験によってなされた。

2006-09-25

『事故と心理 なぜ事故に好かれてしまうのか』

吉田信彌 著

中公新書

ISBN4-

交通事故人間行動の関連を研究する交通心理学に関して、いくつかのことが書かれた本。

概説というよりは訓詁趣味、といった感じの説明がネチネチダラダラと続く本で、良くいえば、エッセイ的な雑学読み物といえば、雑学読み物という本か。

内容的にはそれなりに興味深いことが書かれていると思うので、読み物として読める人には、面白い本だろう。

ただし、全体的な構成や構造というものはなく、著者が、全体として何をしようとしたのか、何が言いたかったのかは、私には余りよく分からなかった(そういうのは多分元々ないのだろうとしても)。説明がどこまでも訓詁趣味で、あることを説明し次のステップに進む、という目的を持った説明ではなく、そういう説明が、ただ団子状に寄り集まって、一冊になった、という感じの本。一冊の本として、良くできているとはいえないと、私は考える。

これを完全に読み物と看做せる人にはそれなりの読み物なのだろうから、雑学読み物と看做せて、それで良いという人なら、読んでみても、というところだが、積極的に薦めるには少し足りないのではないだろうか。個人的には、薦めづらい本ではあった。

以下メモ

・教習場で飲酒運転実験を行ったところ、被験者達は、飲酒時の運転を過大に評価して、運転振りの変化には気付かないようだった。

(つまり免許取得時に飲酒運転の経験を強制しても、飲酒運転の危険性を知るのではなく、(酔いのために)その危険性を過少に評価する結果に終わるだろう)

エアバッグが広く普及した90年代後半、事故発生件数は増え、死者数は減少したが、歩行中の死者も減少しており、安全装置の導入によって却って運転が危険なものになる、ということにはならなかったと考えられる。またエアバッグの効果が大きいと考えられる普通乗用車同士の正面衝突での運転者の死亡率は、90年代を通して低下し続けており、エアバッグの効果は、必ずしも確認できない。

・停止線で車が止まらなければならないのは、自車の存在を交通者に見せるためであり、左右の確認は、停止線から徐行した先で行う。

・夕方に交通事故が多いのは、交通量が増えるからであって、事故が増加する時間は季節によっては変動しないから、夕暮れで運転がしにくくなるからではない。

2006-09-21

『中東イスラーム民族史 競合するアラブ、イラン、トルコ』

宮田律 著

中公新書

ISBN4-12-101858-3

アラブ、イラン、トルコの3民族を軸に、中近東の歴史を追った本。

基本的に、かなりだらだらと、中近東の歴史をゆるーく述べた本で、どのくらい緩いかというと、世界史教科書参考書を読んでいるような、という感じだろうか。

教科書で良ければこれもありなのだろうが、教科書だけに、特に面白いということは、多分ないと思う。

これを読み物と看做せる人には、それなりの読み物であるのだろうし、そういう本だといえばそういう本なので、それで良ければ読んでみても、というところだが、特別な内容はないだろう。

以下メモ

現在イスラム世界では、政治腐敗や経済不振からイスラム主義が台頭してきているが、イスラム共和国となったイランでもこれらの問題を結局克服できずにいる。

・アッバース朝の力が弱まってイラン系の地元王朝が勃興すると、イラン文学復興するようになり、中でも古代ペルシャの栄光を回顧した『シャー・ナーメ』は、広く浸透して、新ペルシャ語の基礎ともなった。

2006-09-17

『光化学の驚異 日本がリードする「次世代技術」の最前線

光化学協会 編

講談社ブルーバックス

ISBN4-06-257527-2

光化学に関しての研究成果が紹介されたアンソロジー

どちらかといえば、光化学そのものというより、光化学を使った応用工学、という面が強いが、別に悪い本ではないので、そうしたものが概説された雑学本としてなら、読んでみたければ読んでみても、という本か。

個人的な好みとしては、全体的にほぼ概略しか書かれていないので、もう少し深く掘り下げたものを、別々の本として読みたかった、という気はしたし、ブルーバックスとしては必ずしも難しい訳ではないものの、雑学本としてはやや難しめのように思うが、そんなことをいってもしょうがないといえばしょうがないか。

こういう本で良ければ読んでみても、という本。特に悪いということはないので、概略が書かれた雑学本で良ければ、読める本だと思う。

以下メモ

・光化学反応の一つに、シス体とトランス体間の二重結合の回転を促すものがある。二重結合が複数連なっていると、より波長の長い可視光を吸収する。桿体細胞の中には、11−シス−レチナールがあって、光を受けるとこれが全トランス型に異性化し、立体構造が変化することで、光を受けたという情報を伝達する。

クロロフィルに光が当たると、他の分子に電子を与えやすくなる。光合成はこれを利用して行われるが、励起状態の色素分子が長い間放っておかれると、周囲の酸素分子と反応して、有害活性酸素種が発生することになる。増殖が早い癌細胞にクロロフィルに類似した分子を選択的に取り込ませて、光を照射し、発生した活性酸素種で癌細胞を破壊する研究が行われている。

・微粒子に光が当たった時、光は屈折によって曲げられるが、曲がった分の運動量は、反作用によって微粒子に与えられる。微粒子の屈折率が周囲の溶液の屈折率より大きい場合、反作用の総和は光の焦点方向に向かうので、微粒子は光の焦点付近に引き寄せられることになる。このようにして、レーザー光を使って、微粒子を補足することができる(光ピンセット)。

2006-09-12

『誰が本当の発明者か 発明をめぐる栄光と挫折の物語

志村幸雄

講談社ブルーバックス

ISBN4-06-257525-6

いくつかの発明について書かれた雑学本。

一応、タイトルにもなっているように、発明における競合者との先陣争いを主軸にしたものだが、選択にあたっては、様々な発明についての雑学本、と考えて間違いないと思う。

若干難しめだが、そうしたもので良ければ読んでみても、という本か。

車とか紡績機とかのメカニカルな部分を図なしで文字だけで説明するのは基本的に無理があるだろう、とか、トランジスタの説明は予め知っている人でないとよく分からないのでは、とか、難しい部分が結構あって、難しいものをわざわざ読む程のものかどうかは、正直、やや疑問には思う。雑学本は肩の凝らないものでないと。

本書の説明ですらすら分かる人とか難しいものでも気にしないとかいう人向け。それで良ければ、読んでみても、というところだろう。

2006-09-10

『芸術とスキャンダルの間 戦後美術事件史』

大島一洋 著

講談社現代新書

ISBN4-06-149854-1

贋作や盗難等、戦後日本で起こった美術事件について書かれた事件簿。

戦後日本で起こった美術事件についての雑学本、と考えて完全に間違いがない。特別ではないが別にそれなりの雑学本か。レベル的に週刊誌の記事をかき集めた程度のものだが、そのレベルで良ければ、読んでみても、という本だろう。

完全に普通の雑学本なので、余り述べておくようなことはない。良い点としては、商品としては高額なものだけに、いろいろドロドロとしたドラマがあって面白いが、悪い点としては、所詮は週刊誌の記事レベルではある。著者独自の主張とか信用性とかいったものは薄いかもしれない。が、所詮は雑学本なのでこんなものか。

興味があるならば読んでみても、というところだろう。

メモ1点。

・作者も高く売りたがるので、市場を通さずに本人と直接交渉して買うと、高くつく。

2006-09-09

男子誕生によって次々世代天皇の筆頭候補を得た秋篠宮家の短期間でのイメージアップ振りには、驚くものがある。

友人をこづいたなんていう、こう書くと全然微笑ましくはないエピソードさえもがほのぼのと紹介されてしまうくらいで、天皇家が国民の欲望をトレースするのは、このようにして成し遂げられる訳だ。

しかしそれで万事巧く行くかというと、問題もある訳で、一方では、次世代天皇家たる東宮家が悪役化してしまっているのは、大覚寺統と持明院統の対立もかくや、という感じであるが、やはり、勧善懲悪ヒールベビーフェイス、という図式が、国民の目からは分かりやすく望まれるものなのだろう。

この次々世代の天皇候補者に子供が生まれなかった場合、女系天皇を認めるとしたら、皇統は、その姉の子供に遷るのだろうか、それとも、その伯父の娘の子供に受け継がれるのだろうか。

2006-09-05

漢字伝来』

大島正二

岩波新書

ISBN4-00-431031-8

古代日本における漢字の受容史について書かれた本。

トータルでみて、私には何だがよく分からない本ではあったが、漢字の受容史を綴った本だといえば、そういうものか。

ただの通史とはいえ全体的に何をいわんとしているのかはよく分からなかったし、個々の部分でも、説明が足りていなくて分かり難い箇所や、私には訳が分からなかった箇所が結構あり(僧の訓がホウシだったとか儒の訓はハカセだったいう話とか。対応する日本語がない場合に中国語の音がそのまま訓になる例、には違いなかろうが)、後、日本書紀の話を引くのに、西暦を表示して、あまつさえ、それを金石文の年号と対比させるのはミスリードだろう、とか、『日本書紀の謎を追う』を引いておきながら、その内容については全くこれを無視しているのは何だかよく分からない、とか、私にはどうもよく分からない本であった。

だから、私は余り良い本だと思わないので、別に本書は薦めない。一つの通史といえば通史かもしれないので、本書のような記述で分かる人には、良いのかもしれない。

全体的には、特別薦めるような本でもないだろう。

以下メモ

・長屋王家跡から発掘された木簡に、鰯という国字が使われていた。鰯は、後に中国でも使われるようになっている。

・中国でも江南地方の方言を呉音と呼んでいた。日本で呉音とされる字音の具体的な表記は、多く江戸時代末期の学者の説、中でも、太田全斎の『漢呉音図』(1815)が主な根拠になっているらしい。

・万葉仮名で、馬声がイ、蜂音がブ、と読まれているが、昔の日本語にはンの音はなく、ハ行の音はf音だったので、イが馬の鳴き声に近かったのだろう。

2006-09-02

家族のための<認知症>入門』

中島健二 著

HP新書

ISBN4-569-65463-0

主として患者の家族向けに書かれた、認知症についての入門読み物。

認知症介護のための実用書と、認知症に関する一般向け家庭医学書との中間辺りに位置するような本で、やや虻蜂取らずという感はあるが、それなりの読み物といえば読み物、という本か。

別に良くもないが、悪くもなく。薦める程のものでもないが、駄目という程でもなく。本当に認知症患者を家族に持つ人には物足りないのではないかという気がするが、何冊か読む内の一冊ならば、こんなものかもしれない。

特に悪いということはないし、合う人には合う可能性もあるから、読みたければ読んでみても、というところだろう。

メモ1点。

高齢者肺炎は、口の中の細菌が睡眠時に唾液と共に肺に流れ込むことが原因の一つである。

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