小林一茶風日記

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2007-06-30

『極悪警部 金・女・シャブと警察の闇』

織川隆 著

だいわ文庫

ISBN978-4-479-30108-0

北海道警の警部が起こした事件について書かれた本。

ノンフィクションとしてはやや心許ない感もあるが、読み物としてはそう悪くはない本か。積極的に薦めるのではないが、興味があるならば読んでみても、というところ。

ストーリー的には、警部が、拳銃摘発の実績を上げるため、道警幹部の圧力と承認の元に暴力団等と癒着してヤラセで摘発を行い、その内に、拳銃や覚醒剤密輸、密売に手を染めていった、というものだが、事件そのものの概要は余り詳らかでなく、とりわけ道警幹部の関与等には、憶測の範疇に留まる部分があるかもしれない。その点で、事件もののノンフィクションとしては、突っ込みが足りず、物足りないきらいは残る。警部の犯罪についての詳細がないため、極悪警部、とタイトルに付ける程の極悪な部分の描写がある訳でもない。

ただ、読み物としてそれなりのものはあり、いろいろと興味深い部分もあるので、悪いとまではいえない本だと思う。

積極的に薦めるのではないが、興味があるならば読んでみても、という本だろう。

ちなみに、

『黒い看護婦』も『極悪警部』も、主犯人は自己の欲望をコントロールできなくなって犯罪に堕ちていく、という構図になっているが、それは、犯罪がそういうものだからなのか、著者達がそういう視点から犯罪を選び、語っているからなのか、それとも、読み手側の私にそういう偏見があるから、そう見えるのだろうか。

欲望を持つことが即ち罪である、というような構図になっていないのは、近代資本主義社会の下では、近代的自我は自分をコントロールすべきものであり、また、欲望は消費のためにも必要なものであって、自己のコントロール下にある限りにおいては、欲望が推奨されるものであるからかもしれない。

2007-06-28

『黒い看護婦 福岡四人組保険連続殺人

森功 著

新潮文庫

ISBN978-4-10-132051-9

福岡県で起きた連続保険金殺人事件について書かれた本。

ノンフィクションとしては物語性が強く、そんなに特別だとは思わないが、それなりといえばそれなりのノンフィクションか。事件そのものはどろどろとしていて興味深いので、読んでみたいのならば読んでみても、というもの。

結構クセはあるが、それは、そういう事件だからなのか、それともノンフィクションとしてクセがあるのだろうか。グロテスクで、主要な登場人物には、加害者以外にも、殆ど共感が持てず、人間の暗黒面ばかりを見過ぎのような気はする。そもそも、こういう話がネット上に転がっていたとしたら、ネタとしか思えないような話ではある。物語性が強いせいか、事件の時系列を把握し難いのも気になった。

こうしたことから、そんなに特別なものではないと思うが、特に悪いということもないそれなりのノンフィクション。事件の眼目としては、その猟奇性よりも、主犯格の女性が他の共犯者達を手玉に取っていくところがポイントなので、そうしたものに興味があるのならば、読んでみても、という本だろう。

2007-06-27

民主国家における税金

のあり方を示すスローガンとしては、代表なくして課税なし、というのがある訳だが、ふるさと納税、というのは、このスローガンに照らして、どうなのだろう。

住んでいない地方自治体に税金を納めても、選挙権がないのだから、その使い道を納税者が自らコントロールすることができず、民主国家の理念に適合しないのだろうか。

それとも、故郷への納税が任意で選択できるのだとしたら、それは納付先自治体の税金の使い道に対する信任投票意味合いを持ち得るので、どこまで有効性や価値があるのか分からない選挙の一票よりも、はるかに納税者による税金の使い道のコントロールを可能にするものなのだろうか。

しかしそうだとすると、自治体にとっては、他の自治体出身者を優遇し、ふるさと納税ができない、つまり拒否権を持たない地元出身者を冷遇するインセンティブが生じるとも考えられ、法の下の平等に反するかもしれない。

2007-06-26

相対論がもたらした時空の奇妙な幾何学 アインシュタインと膨張する宇宙

ミール・D・アクゼル 著 林一 訳

ハヤカワ文庫NF

ISBN978-4-15-050321-5

アインシュタインの宇宙定数に関して書かれた読み物。

主として、アインシュタインが一般相対性理論確立し、そこに宇宙定数を付け加えるまでの話と、現代の宇宙論において宇宙定数が持つ意義等が書かれたもので、特にこれといった内容はないと思うが、読み物としては別にそれなりの科学読み物、という本か。

特別ではないが、科学読み物の好きな人がついでで手に取るくらいならば、こんなものではあるかもしれない。

相対性理論リーマン幾何学について解説しているのでもないし、かといって、これというテーマがあるのでもないし、私には本書の眼目は余りよく分からなかった。暇潰しの読み物で良ければ、というところか。

特別な内容はないので、特に良い本だとは思わないが、興味があれば読んでみても、という本だろう。

2007-06-23

『国連の政治力学 日本はどこにいるのか』

北岡伸一

中公新書

ISBN978-4-12-101899-1

国連次席大使だった著者が国連外交に関して書いたものを集めたコラム集。

基本的に、国連次席大使があちこちの雑誌等に掲載したコラムを一冊にまとめたもの、と考えておけば良い本で、当然重複もあるし、内容的にも外務省のプロパガンダみたいな感じのする本であるが、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本か。

それなりの読み物といえば読み物だろうし、日本政府国連代表部次席代表なんていうのは多くの人が経験できるポストでもない訳だから、興味があるのなら、悪くはない本だと思う。

特に、という程の本ではないと思うが、そうしたもので良ければ読んでみても、という本だろう。

以下メモ

・旧敵国条項の削除に熱心なのは日本とブルガリアだけで、ドイツなどは条項そのものを死んだ条項と看做している。

・安保理決議は9ヶ国以上の賛成で決まるが、議長声明等はコンセンサスで決まるので、非常任理事国でもできることは多い。

2007-06-20

政府の過保護

を求める心情というのは、ゼロリスクを求める心情と関係がありそうだ。

ことが起こってからそれを罰するというのでは、ことが起こっている以上リスクがゼロではない訳で、リスクをゼロにするために、政府による事前の規制が必要とされるのではないだろうか。

宇宙物理学入門 宇宙誕生進化の謎を解き明かす』

桜井邦朋 著

講談社ブルーバックス

ISBN978-4-06-257480-8

宇宙物理学に関して書かれたコンパクトな概説書。

コンパクトな概説なので、分かりやすい訳でも内容が広くあるいは深い訳でもないが、そうしたものだといえばそうしたものか。

分かりやすい訳でも、内容が充実している訳でもない本に、どこまで需要があるのか、私にはちょっとよく分からないが。

そういうものだといえばそういうものなので、コンパクトな概説書で良ければ、読んでみても、という本だろう。

以下メモ

・大質量の星は銀河系の渦状腕に沿って分布している。

シンクロトロン放射によって放出された電磁波は、電場の振動面が磁力線に対し垂直になるように偏っている。

2007-06-18

黒人差別アメリカ公民権運動 名もなき人々の戦いの記録』

ジェームス・M・バーダマン 著 水谷八也 訳

集英社新書

ISBN978-4-08-720392-9

アメリカ公民権運動の歴史について書かれた本。

概説というよりは公民権運動におけるいくつかの重大事件を素描した本で、悪くいえばそれぞれの事件を点々と追っているだけなので、余り通史として優れているということはないのでは、とは思うが、これはこれで、こうした本、というべき本か。

興味があるならば、読んでみても、というもの。読み物としては、事件を追っている方が、無味にならず面白いかもしれない。

名もなき人々に焦点を当てた、というのは、そうだいえばそうではあるが、特にテーマという程ではないと思う。

全体的には、いくつかの事件に焦点を当ててアメリカ公民権運動の歴史を素描した本であり、別に悪いということはない、それなりの読み物。

興味があるならば、読んでみても、という本だろう。

2007-06-16

ベネディクト・アンダーソン グローバリゼーションを語る』

梅森直之 編著

光文社新書

ISBN978-4-334-03401-6

ベネディクト・アンダーソンの考えについていくつかのことが書かれた本。

アンダーソンが日本で行った講義に、それに関する編著者の解説的な感想を付け加えたもので、全体的には、エッセイ集、みたいな感じの本ではあるが、大雑把に分かりやすく捉えるなら、ベネディクト・アンダースンのファンブック、という本か。

既にベネディクト・アンダーソンの著作を読んでいる人が、より深く、あるいは広く、その周囲の事情を知るための本。入門とかアンチョコとかとしては期待しない方が良い。

内容というか、編著者のモチーフとしては、ナショナリズムはグローバリゼーションの中から起こったのだから、そこに国際連携の可能性を見出そう、みたいな話ではあるが、現在地市民アイデンティティとする人が余りいないのと同じように、殆ど自国だけが人々の認識の範囲であった時代にはナショナリズムは生まれようがなく、ナショナリズムとはグローバリゼーションの反動である、とはいえるだろうものの、反動は反動だから、そこに連携の芽があるのかどうかは、私にはよく分からなかった。

そういうもので良ければ、読んでみても、というもの。ファンブックなので、ファンでない私がとやかくいう本でもないだろう。

2007-06-15

そうではないという理由が、よく分からない。

 最後は役所批判になっているのがアレだが、総じて高齢者介護は世間的なニーズはあるけどそもそも社会に付加価値を与える仕事では本質的にない、だから国が制度として高齢者福祉のあり方を考えて決めましょう、しかし国庫負担を考えて年寄りに金撒くのは競争力の観点から見てもマイナスだから、ショボくてもそこそこのサービスができるようにしておくから国民の皆様方におかれましてはよろしくお願い申し上げます、という話だろうと思うわけで。

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2007/06/post_d668.html

一般的に、世間的なニーズがあるものを提供する仕事は、社会に付加価値を与える仕事である。

ニーズがあり、且つ社会に付加価値を与えない仕事があるとすれば、なんだろう。

例えば、タダならば良いけども、金払ってまでは欲しくないものを提供する仕事とか。典型はフリーライドできる公共財だが、しかし公共財の場合、その提供が社会に付加価値を与えないとはいえないだろう。対価を払ってまでは欲しくない商品の場合、その提供が社会に付加価値を与えないならば、その提供自体がなされなくても問題はない。

次に、それを欲しがる人が、その対価を払えないような商品とか。ホームレスに対する支援とかか。しかし、人道支援自己目的化している場合や支援が社会的な正義であると看做される場合には、その仕事は社会に付加価値を与えるだろう。

ニーズはあるがその提供が社会から付加価値を剥ぐ仕事、というのはあるかもしれない。暗殺業とか。麻薬を提供するのはどうなのだろう。しかし、社会から付加価値を奪う仕事が、適法であることは難しい。軍隊は、抑止力として存在する限りは、社会に付加価値を与える仕事だが、発砲する場合には、社会から付加価値を奪うだろう。

 福祉に効率ってありえるのか。合理的に介護をしてサービス原価を引き下げる企業的アプローチって、対象者である老人にとってどれだけ豊かで幸せなものになりうるのかね。

いいぜベイベー。いかなる仕事であれ、誰かが対価を支払う以上、効率が問題になる。対価を考慮しないとしても、機会費用が発生するのでやはり効率が問題になる。まったくこの世は地獄だぜ。

2007-06-14

封印作品の謎 ウルトラセブンからブラック・ジャックまで』

安藤健二

だいわ文庫

ISBN978-4-479-30099-1

五つの封印作品について、その封印の事情を探ったルポ

一冊を通してのテーマは特になく、大体のところ、封印作品に関するそれぞれ別のルポを集めたアンソロジー、といった本か。読み物としては、雑誌に掲載されているとかなら多分それなりの読み物だとは思うので(雑誌に載るには長いだろうが)、そうしたもので良ければ、読んでみても、というもの。

一冊の本にする程のテーマはないし、多くの作品について事態が完全に明らかになっているのでもないし、特にこれといった内容もない、とは思う。全体として、かつて抗議を受けた側が、過剰に反応して作品を封印している、という印象は受けたが、別にそういうテーマがある訳ではない。

個人的にはやや物足りなかったが、読み物としては暇潰しくらいにはなるだろうから、そうしたもので良ければ読んでみても、という本だろう。

2007-06-13

主知主義、

というのは、現代においては、物事には原因がある、という態度とイコールではないだろうか。

つまり、物事には原因がある、という考えは主知主義的であり、主知主義的な人とは、物事には原因がある、と考える人である、ような気がする。

2007-06-12

『実録・アメリカ超能力部隊』

ジョン・ロンスン 著 村上和久 訳

文春文庫

ISBN978-4-16-765163-3

アメリカ政府における超能力使用の実態に取材したルポ

内容的には、それ程驚愕の、という話でもないが、読み物としてはそれなりのルポで、暇潰しにはなるだろうから、興味があるならば読んでみても、という本か。

事態が十分に明らかになっている訳でもないし、機密の壁があるので、最終的には陰謀論に溶け込んでいかざるを得ないような類の話ではあって、特に取り立てて、という程のものはないと思う。

話を強引にまとめれば、民間に超能力を信じる人がいる以上、政府の中にも信じる人はあって、過去のそれは、おおやけには失敗したとされているが、現在のそれはどうなのか、というところか。

個人的には特にどうこうという程の内容はないと思ったが、読み物として一応のものはあるだろうから、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本だろう。

以下メモ

第二次世界大戦後に行われたアメリカ軍歩兵に対する調査によると、実際に殺すつもりで銃を撃った人間は15〜20%に過ぎなかった。

・『申命記』第十八章では、占い呪術や口寄せ等が禁止されている。

2007-06-09

自衛隊

市民団体等の情報を集めていた、という話は、やはり商売敵たる公安のリークなのだろうか、ということをちょっと考えたが、あんまりこういう陰謀論は出回ってないみたいだ。おかしい。公安大好きな人は自衛隊の擁護に必死で、公安大嫌いな人は自衛隊叩きに必死、だからだろうか。

赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』

武居俊樹 著

文春文庫

ISBN978-4-16-771731-5

編集者が赤塚不二夫の思い出を綴った伝記風読み物。

内容的には、担当の編集者が担当漫画家の思い出を書いた、という以上のものはないが、すっきりと綺麗にまとまっていて、良くできた本ではないかと思う。

いろいろとエピソードも載っていて面白いので、興味があるならば、読んでみても良い本ではないだろうか。

クセがあるとしたら、美空ひばりの話があちこちに挿入されていることくらいか。後は、著者の兄の詩が延々4ページに渡って載っていることとか。著者の構想では、赤塚不二夫も大好きだった美空ひばりを一つの歴史の軸にするつもりだったのかもしれないが、美空ひばりの時代をリアルタイムで経験したのではない世代の私には、そこは少しよく分からなかった。

それ以外は、編集者が担当漫画家のことを書いた標準的な本で、すっきりとまとまっているし、エピソードもいろいろ書かれているので、割と良い本ではないかと思う。

興味があるならば、読んでみても良い本だろう。

2007-06-07

ゼロからわかる民法』

川田昇 著

平凡社新書

ISBN978-4-582-85376-6

民法についての入門書。

民法の基となっている考え方を中心に、民法(財産法)の概略を述べた入門書で、やや文章がこなれておらず、読み難いような気はするものの、民法の考え方を記していこうという視点がはっきりしているので、捉えやすく、簡便な入門書としては良くできているのではないだろうか。

入門書としてはまずまずの本だろうと思う。

民法の基になっている考え方というのは、民法は近代市民社会における理性的で公正な構成員が取引等の社会関係を築く上での枠組みを提供するものである、というもの。

接続詞無駄に多い等、文章は余り流麗なものではなく、やや読み難いような気はしたが、それで意味が取りづらいということは余りなかったので、許容範囲か。

視点がはっきりしているので、簡便な入門書としては良くできているのだと思う。

入門書として興味があるならば、購読しても良い本だろう。

2007-06-06

パクったね。親父にもパクられたことないのに。

ということで、私がどこかのブログをパクった時に取る対策のための覚え書き。

(↑パクる気まんまん)

一.あくまで不注意による事故だと弁明し、悪意を持った盗用だとは絶対に認めない。

文章が似過ぎていたり、ネタがかぶり過ぎていれば、偶然だと言い逃れるのは苦しいが、かといって、盗んだと認めてもいけない訳で、不注意であったと謝罪しつつ、自己の非はできるだけ軽減させるのが望ましい。犯罪ではなく事故なんだ、事故なんだよ。もしくはインスパイア

一.こちら側が取る用意のあるオプションを提示し、相手側に丸投げする。

対処の仕方を自分が選択すると、世間の手前、より強い懲罰を選ばざるを得ないので、いくつかの選択肢を提示して、パクられた相手に選ばせるのが良い。相手が最も強い懲罰を望んだとしても、所詮それは自分が選ぶ可能性の高かったものであるし(無論それ以上の懲罰は予め選択肢から外しておく)、相手も、それでは器の小さい人間だということになるから、より懲罰の度合が弱い選択肢を選ぶ可能性が高い。

「パクられもせずに一人前になった奴がどこにいる」(←あくまでインスパイア)

2007-06-04

倫理問題101問』

マーティンコーエン 著 榑沼範久 訳

ちくま学芸文庫

ISBN978-4-480-09059-1

様々な倫理問題に関して書かれた本。

倫理に関するいろいろな断片を適当にちぎって鍋に放り込んだだけの代物で、余りにもまとまりがなく、ラプソディックで分かり難いものなので、私には、良い本だとはとても思えなかった。

良く解釈すれば、あれこれと問題を出すから、後は読者がそれについて考えて欲しい、という本なのだろうから、問題を出してくれれば後はこちらで考える、という人向けの本なのか。その問題も、何が争点なのかよく分からなかったりもするのだが。本書の記述で分かる人には、いろいろ詰まっていて面白い、のかもしれない。

倫理学的にここまでのことははっきりしているというような記述は、倫理学においては望むべくもないことは最初から分かってはいたが、それにしても、もう少しまとめようがあるのではないだろうか。

本書程度では全く以ってしょうがないだろう、と私なら思う。

2007-06-02

『サルになれなかった僕たち なぜ外資系金融機関は高給取りなのか』

ジョン・ロルフ/ピーター・トゥルーブ 著 三川基好 訳

主婦の友社

ISBN978-4-07-256350-2

投資銀行を辞めた人が自らの経験について語った本。

辞めた、という訳だから、投資銀行での仕事について批判的、露悪的に語ったもので、少々クセのある本なので合わない人もいると思うが、後は基本的に普通の読み物なので、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本か。

クセがあるというのは、一つには、ファックとかお口で奉仕とかストリップとか、相当に下品であること。主婦の友社なのに良いのだろうか。というか、主婦の友だから良いのか。話の本筋に絡んでくるので、下ネタ抜きでは成立しない本ではある。

もう一つ、投資銀行という業態が日本にはないためもあってか、やや遠い異郷の世界のおとぎ話のように感じられるきらいも、なくはない。もっとも、テーマとすれば、「大脳とはすばらしい器官だ。朝目ざめると同時に働きはじめ、会社に着くまで働きつづける」といったところだろうから、日本もアメリカも変わらないね、という話ではあるが。

そもそも、批判的にしか見ていない、というのが一つの強烈なクセではある。地球からは月の裏側は見えない(著者と読者のどちらが地球に立っているのかは、措く)。

このように色々とクセのある本なので、少々薦め難いが、その他は、別に普通の読み物と考えて良い本だと思う。

興味があるならば、読んでみても、というところだろう。

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