小林一茶風日記

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2008-02-29

中国産冷凍餃子農薬が混入していた事件は、

中国が望む北京オリンピックの成功に一定の影を落としたであろうが、3月の台湾総統選挙前に中国がなんらかのアクションを起こすのなら、その行動は、おそらく北京オリンピックの成功を危うくするものであるに違いなく、従って、中国が北京オリンピック成功のために失点を重ねる訳にはいかないと判断するのなら、毒ギョーザ事件は、中国の台湾総統選挙へ向けた行動を抑制する効果があるものと考えられる。

そうであるとすると、もし仮に、中国が本当に台湾総統選挙前になんからの行動を起こそうとしていたとするのなら、中国から見て、台湾総統選挙前の微妙な時期(しかも最初の患者の発生から騒動まで1ヶ月もかかっている)に起きた今回の事件は、<敵>による謀略、に見えるのではないだろうか。

中国当局が、農薬が中国国内で混入された可能性が極めて低い、と発表したのは、この事件を謀略と見ているから、ということはないのだろうか。

2008-02-26

『「愛宕」奮戦記 旗艦乗務員の見たソロモン海戦

板橋孝策 著

光人社NF文庫

ISBN978-4-7698-2560-9

太平洋戦争開戦からソロモン海戦までの、重巡「愛宕」の戦記。

ある艦橋乗務員の記録を元にソロモン海戦までの重巡「愛宕」の軌跡を描いたもので、海軍の特性もあってか戦記としてはやや特異な印象を受け、私としては広く薦めるような本ではなかったが、戦記といえばこれで別に一つの戦記なので、こういうので良いという人なら読んでみても、という本か。

戦記として特殊だというのは、殆ど常に正面に敵を抱えている陸軍と違って、戦闘そのものが少ないこと。一人の乗務員の記録を元に別の人が書いているせいか、記されている内容が、当時のリアルタイム情報なのか、後付けによるものなのか、判別できないこと(当時のリアルタイムのもの、という前提で、書かれてはいるのだろうと思う)。餓島の悲惨さを知っている人は、何をのんびりしているのか、という気にもなるだろうし、大局的にはほぼ痛み分け、戦略的には日本が不利な消耗戦に引きずり込まれただけのソロモン海戦を、勝った勝ったと無邪気に喜んでいるのは、結末を知っている人から見ると、別の面白さがあるかもしれないが。

そういう、特殊な楽しみ方をする、特殊な戦記だと思う。一次史料というのはある程度そういうものだろうが、そうすると今度は、記録を残した人とは別の人が書いている、というのが微妙な点になる訳で。

しかし、これで別に一つの戦記ではあるだろうから、予めそうしたもので良いというのなら、特に駄目、という程ではない。

余り薦めるのではないが、特殊な戦記で良ければ、読んでみても、という本だろう。

以下メモ

・ミッドウェー海戦に参加した愛宕の乗組員に対して、帰還後、封書を禁止してハガキにする命令が出された(ミッドウェー敗北の情報が漏れるのを恐れたのだろうか)。

・泊地においてはしばしば、飛行甲板で映画の上映が行われた。

2008-02-23

太平洋戦争前後の時代を生きた人の内、

緒戦の勝利に沸いた高揚感を知らず、後半期に空襲で逃げ惑った体験や敗戦後の食糧難等しか経験していない人にとっては、戦争というのは多分絶対的な悪に見えたのだろう、ということは、想像できる。

それを敷衍するならば、バブル景気を知らずバブル崩壊後の平成不況しか知らない人にとって、経済成長や経済競争は、絶対的な悪、に見えるのではないだろうか。

バブル経済のお祭り騒ぎに乗っかってしまった、我々より上の世代の人には、長かった平成不況も、あれだけ馬鹿やったのだからしょうがない、自業自得、バブルと不況でプラマイゼロ、くらいの感覚が、頭のどこかに、あるのではないかと思う。バブルを知らない若い人から見れば、バブル崩壊後の長い不況は、相殺されるもののない絶対的な怨嗟の的になるのではないか。

バブル以後を生きる私は、確かに、経済成長を、我々にとって目指すべき未来である、とは最早見ていないものの、依然として、経済成長そのものは、それなりに――環境問題を考えるなら絶対とはいえないが――正しいと信じているが、物心ついた頃から、豊かで且つ不況だった今の若い世代の人にとっては、経済成長を正しいと信ずる契機は殆どなく、経済成長は、本質的に正しいことではない、のかもしれない。

ところで、

平成不況の後には実感なき景気回復が来た訳だが、実感なきの実感とは、何を指しているのだろう。その実感は、バブル経済の浮かれた乱痴気騒ぎが、リファレンスポイントになっているのではないだろうか。

実感なき景気回復の実感なきは、少々危ういのかもしれない。

2008-02-22

数学でつまずくのはなぜか』

小島寛之

講談社現代新書

ISBN978-4-06-287925-5

数学エッセイ

一応、タイトルにあるように、著者の塾講師としての経験等から、子供が数学のどこでつまずくのか、ということをネタに書かれたものではあるが、そういうテーマや内容の本、というよりは、それを話の取っ掛かりとして書かれたエッセイ、と捉えておくのが無難な本か。三題噺みたいな感じ。

後は、取り立てて述べるようなことはなく、数学エッセイとしては別に普通のものだと思うので、数学エッセイが読みたければ読んでみても、という本。

興味があれば、読んでみても良い本だろう。

2008-02-21

歴史的に

資本主義とミドルクラスと国民国家とは手を携えてきたのであり、資本主義が国民国家の枠を越えてグローバルなものになった現在、ミドルクラスはその価値を失ったのだろうか。

しかし、資本の増殖のためには資本によって作られた製品を消費する人々が必要であり、従って、ワーキングプアばかりになっては、製品が売れなくなって利潤率が低下し。資本主義はやっていけなくなるのではないだろうか。

グローバル資本主義が、単に資本のグローバルな移動によって利潤率を増大させているだけならば、それは、早晩行き詰まるのではないか。

(例えば、人件費の安い中国に資本を投下して、作った製品を高く売れる日本で売れば、その資本は大きな利潤を上げることができるだろうが、それは単に日本と中国の経済格差を利用したさや取りを行っている訳であり、やがては中国の人件費が上がり日本の所得が下がることで格差がなくなって、利潤率が低下するだろう)

それとも、グローバル資本主義における資本は、その資本によって作られた製品の販売によらずに、(金融工学等によって)自己増殖ができるものになったのだろうか。

(あるいは、ロボット労働を行うようになり、人々は、労働賃金ではなく、所有資産の利潤で生きていくようになるのだろうか)

2008-02-19

『ハプスブルク帝国情報メディア革命 近代郵便制度の誕生

菊池良生 著

集英社新書

ISBN978-4-08-720425-4

ヨーロッパの近代郵便史に関して書かれた本。

タイトル・サブタイトルを見る限りその成立がメインになっているかのようだが、実際には成立前後の時代の歴史もやや広く追った本で、近代郵便小史、とでも考えておくのが良い本か。

時代の巾が広い分、テーマ的に中途半端というか、焦点が絞り切れていない印象もあるが、小史と考えるなら、それなりにまとまりもあって面白く読める本だと思う。

近代郵便成立の細かな事情を知るというよりは、近代郵便の大まかな流れを知りたい、という人向け。そうしたもので良ければ、悪い本ではない。

興味があるならば、読んでみても良い本だろう。

以下メモ

アケメネス朝ペルシャの駅伝制度に酷似した制度がプトレマイオス朝にあり、カエサルとアウグストゥスがそれをローマに持ち込んだ(ローマでは、駅伝によって、公用文書の輸送だけでなく役人の移動も行われた)。そしてルネサンス期のイタリアで、古代ローマの駅伝制度が復活する。

・事業拡大を目指したヴェネチアの有力飛脚問屋のタッシス家と、ブルゴーニュ公国からネーデルランドを引き継いで世界帝国への道を志向し始めたハプスブルク家とが通じ合い、フランツ・フォン・タクシス(ドイツ名)によって近代的な郵便制度が創設された。

・配達人は宿駅が近づくとホルンで到着を知らせ、それを聞いて、次の配達人が準備をし、郵便袋を受け取ったらすぐに出発する。

・近代郵便は民間の需要にも応え、商家の決済が為替で行われるようになった。より速い配達への欲求や定期的な郵便集配日の存在が、近代郵便と近代的時間感覚を共進化させる。郵便の宿駅を利用した旅行も行われるようになった。

・郵便は、増大した需要による収益と通信の監視を狙って、リシュリュー等の手により、国家による独占への道を歩んだ。初期の新聞は、郵便網に乗ってきた情報を郵便によって読者に届けたので、郵便独占は間接的な新聞支配だった。

・ウェストファリア条約は、一つの正義という普遍主義の終わりを意味している。

・フランス革命は、郵便に、信書秘密と、収益源としてではなく安価な行政サービスとしての郵便、という発想を持ち込んだ。

2008-02-16

アメリカ下層教育現場

林壮一 著

光文社新書

ISBN978-4-334-03433-7

アメリカの下層教育現場で講師をした著者が自らの経験等を綴った本。

自分の体験を綴ったものとはいえ、大体のところ、金八先生とかスクールウォーズとかの教師ヒューマニズムもの、と考えておけば良い本か。必ずしも、それメインではないし充分でもないかもしれないが、多分そういうものを楽しみに読む本だと思う。

そうしたもので良ければ、読んでみても、という本。

私はあんまりああいうのは好きではないので、本書もそんなに面白くもなかったのだが、教師と生徒の触れ合いみたいなのが好きな人ならば、それなりに楽しめる本なのではないだろうか。特別ではないが、かといって特に悪いこともない。

そういうもので良ければ、読んでみても、という本だろう。

2008-02-15 キモヲタの証明

私が、

他人とコミュニケーションを取るのが巧くもないし好きでもないのは、私が他人に関心を持ったり共感したりすることが巧くもないし好きでもないから、であるような気がした。

つまり、私のオタク非コミュ的心性は、私が余り他人にかかわりたがらないことに、由来しているのではないだろうか。

もしもこれを私以外の人にも拡張して敷衍できるのなら、オタクとは、他人に余り関心を持てない人、のことになるのではないだろうか。そういう定義は余り聞かないが。

オタクがオタク的な趣味に没頭するのは、それがオタクの所以であるから、ではなく、オタクは他の人に関心を持てないから、それ以外のなんらかの事柄に没頭せざるを得ないせいではないか。

近代以前において殆どの人は、他人に関心を持ち、共感しなければ生きていけなかっただろうから、オタクがすぐれて現代的な問題であることは、それで説明がつくし。オタクは自分勝手に他人にオタク的知識を披露するものとして嫌われているが、オタクが他人に関心を持てない人であるとすれば、オタクにとってのコミュニケーションは、会話相手を知ろうとするものでなく、会話相手に関心がないことから必然的に、オタク的知識の交換にならざるを得ないだろう。

かくの如くであるならば、他人に関心を持てない人は、関心を持たれないその他人から見れば、自分と違った無気味で薄気味悪いものに見えるだろうから、オタクはキモい、ということになるのではないだろうか。

オタクがキモいのは、その本質においてである、ということなのかもしれない。

2008-02-13

『視聴率調査はなぜウチに来ないのか 最新マーケティングが90分でわかる本』

酒井光雄 著

青春新書INTELLIGENCE

ISBN978-4-413-04189-8

マーケティングに関する入門読み物。

形式的には、マーケティングに関するコラム集、みたいな形になっているが、それなりにまとまりはあるので、入門読み物、と考えておけば良い本だと思う。マーケティングに関する入門読み物が読みたければ、読んでみても、という本か。

基本的なテーマを一つ挙げれば、ネット時代になってメーカーは小売を介さずに顧客と結び付けるようになったのだから、既存のお客を大事にすることを考えよ、というものがあるような気はし、それがまとまりを持たせているような感じはするが、雑多なコラム集なのでそんなテーマはないかもしれない。

大体のところ、ありがちで標準的なマーケティングに関する本で、入門読み物としては悪くない本だろう。

ありがちな分、私としては、既に知っているような話がメイン、という感もあったが。後、著者が男性で男性視点が多いという印象も受けるし、大人の女性向けの商品では対象の実年齢をアピールすることは避ける、と書かれているのは、理論的にはその通りのように思うものの、40代からの化粧品はそれより若い人にも売れているらしい。

しかし、既知のことが多いのは入門読み物の宿命だろうし、実際上男性ビジネスマンターゲットの中心なのだろうから、入門読み物で良ければ、良い本だと思う。

興味があるのなら、読んでみても良い本だろう。

ちなみに、光文社新書みたいなタイトルは、内容と余り関係がないので失敗。何を根拠に90分で分かるとしているのかは知らないが、240p弱ある本を90分で読める人は、かなり本を速く読める部類に入る人だと思う。

以下メモ

・かつて中価格帯でその正確さを誇った日本メーカーの時計は、携帯電話の普及で腕時計が必需品とはいえなくなり、苦しくなった。

コンビニ等のPOSシステムでは、売れなくなった商品がすぐに分かり、カットアウトされてしまうので、メーカーは、自社製品の置き場を確保し続けるために、新製品を次々と出さざるを得ない。

・全体としてのトップ企業にならなくても、ある分野で1位になれば、○○ナンバー1、という広告を打ってアピールすることができる。

・街はメディアであり、おしゃれなブティックやレストランはおしゃれな街に出店すればそれだけで価値が高まる。

・マイレージやポイントサービスは、固定費の比率が高い企業が行うものであり(固定費比率の高い航空会社は、空席で飛ぶところを無料の乗客を乗せて飛ばしても利益が極端に落ちる訳ではない)、普通の小売が無闇に行ってもただの値引きになりかねない。

2008-02-12

洞爺湖サミットの間は、

警備のために大勢の警官が動員されるので、手薄になった地域の犯罪が増えるかも、というようなことをニュースでいっていたが、これの情報ソースが警察なのだとすると(それ以外にどこが出すのだろうか)、敵に自らの弱点をさらすことにもなる訳で、実にたいしたものだ、という気がする。関係者は大目玉喰らっているかもしれないが。

本日の教訓

戦闘のないところに勝利はない。故に、戦闘は一つの美徳といえるだろう。戦わなきゃ、現実と。

2008-02-11

マンガでわかる微分積分 微積ってなにをしているの?どうして教科書はわかりにくいの?』

石山たいら/大上丈彦 著 メダカカレッジ 監修

ソフトバンククリエイティブサイエンス・アイ新書

ISBN978-4-7973-4250-5

微積分の入門書。

基本的に、それなりに分かりやすい入門書で、一部展開式が分からなかった他は私にも理解できたので、入門書としては良くできた本だと思う。微積分の入門書が読みたければ、読んでみても良い本。

マンガだから分かりやすい、というよりは、グラフを頻繁に使って説明しているので、分かりやすい、という感じ。

マンガであることは、左ページの本文は横書きで左上から読んでいくのに、右ページのマンガは右上から読んでいくので、やや混乱の元にしかなっていない気もするが。

さすがに因数分解二次方程式の解の公式までは説明してないが、そのレベルクリアできるならば、微積分の入門書としてはこんなものだと思う。

微積分の入門書が読みたいのならば、購読しても良い本だろう。

メモ1点。

・定数項は微分すると消えるので、原始関数(不定積分した時に得られる関数)は定数項を無限に取り得、これを積分定数として表示する。定積分は原始関数の二つの値を引き算したものなので、定数項が消える。

2008-02-08

『ヒトはおかしな肉食動物 生き物としての人類を考える』

高橋迪雄 著

講談社+α文庫

ISBN978-4-06-281170-5

他の動物との比較から、生物としてのヒトについていくつかのことが書かれた本。

一応、大体のところは、この手の生物学エッセイとしてはありがちで標準的なもの、という本か。

著者の勤めていた会社を利するポジショントーク的なきらいがなくもない気がするし、平均寿命の考え方が変なのではとか、祖母が娘の子の育児に参加したという仮説が一顧だにされていない(その割りに、最後の結論がそれだったりするのだが)とか、ややどうかという部分もあるが、エッセイとしてはそれなりに読みやすいと思うし、文化のベールを剥いだヒト本来の姿がどのようなものであるかということは、現状では想像に頼らざるを得ない部分がかなり大きいため色々な見方が成り立ち得るだろうから、興味があるのなら悪いという本ではないと思う。

上記の理由から私としては薦めるには少し微妙なところだが、殊更にとどめる程のことでもない。

その他はこの手の生物学エッセイとしてありがちで標準的なものだと思うので、文庫本だから手軽だし、読んでみたければ読んでみても、という本だろう。

以下メモ

草食動物とは、消化管内にセルロースを分解するバクテリアを飼っている動物である。従って、ヒトは草食動物ではなく肉食動物である。反芻するウシ等の動物は、バクテリアを消化することで、タンパク源ともしている。ウサギネズミは、反芻の代わりに糞食によってバクテリアを取り込む。草だけからタンパク質を取ろうとすると、必須アミノ酸を必要量取るためには過食せざるを得ないので、過食した分のエネルギーを消費するために、ハムスターやウマは走り回る。

・体毛が少ないヒトは、熱を放散させやすいので昼間に長時間活動できただろう。現在のアフリカのサバンナでも夜はかなり冷え込むことを鑑みれば、ヒトは、体毛を失ったから服を着るようになった、のではなく、服を着る(ための知能や技術を身に付ける)ようになったから、体毛を失うことができたのだ、と考えられよう。

排卵の後、交尾の有無に関らず黄体相がある動物は、黄体相の間は排卵しないので生殖効率は落ちるが、それによって同時に発情する雌の数を減らし、ハーレムの形成を促していると考えられている。

・ヒトの一夫一婦制は、集団で狩りを行うヒトが群れの中に複数の成熟雄を留めておける制度である。

授乳期間中は排卵しないので、元々ヒトの雌が子供を産む間隔は四、五年程度であり、ヒトの繁殖力が特に高いということはなかった。授乳期間が短くなったり、母親労働で哺乳が不安定化したことが、分娩間隔を狭め、ヒトに爆発的な人口増加をもたらした。

2008-02-05

『わかる現代経済学

根井雅弘 編著

朝日新書

ISBN978-4-02-273187-6

ケインズとのかかわりを中心に、現代経済学の諸派を素描した本。

基本的に、ケインズを高く評価し、ケインズに批判的な諸派を低く評価した視点からの見取り図で、軽く素描しただけなので、余り深く突っ込んだ内容がない割には説明も簡単ではないが、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本か。

経済学を全く知らない人には少し難しいように思うし、本書をすらすらと読みこなせるレベルの人に訴えるような内容もないのでは、という気はするのだが、経済学は大学生の時に勉強したけど、その後はフォローしていない、というような人なら良いのか。団塊の世代の大量退職者をあて込んだ商売なのだろうか。

一冊の本としての出来は必ずしも良いとは思わないが、何冊かの内の一冊ならばこれもあり、というところ。

そうしたもので良ければ、読んでみても、という本だろう。

以下メモ

・利子率が低下すれば投資が増加するという効果は、実際には否定されている。

・内生的貨幣供給論者は、中央銀行がマネーサプライをコントロールすることができるという考え方に反対する。

2008-02-04

35歳を超えると羊水が腐る

からそれまでに子供を作った方が良い、という言説が非難されるべきであるのならば、35歳を超えるとダウン症リスクが高まるからそれまでに子供を作った方が良い、も非難されてしかるべきだろうか。

後者が許されて、前者が許されないのだとしたら、それは、前者が事実ではないことに基づいているからだろうか。そうであるとするならば、人は、事実ではないことを言った時に、ただちに非難されるべきなのだろうか。

2008-02-03

しかし考えてみれば、

スタチン系の薬は売り上げ世界一ィィ、というのは、医療世界でも記号がものをいう、ということを示しているのだろう。

医療サービスは記号が付け難い、ということは特にはないかもしれない。

2008-02-02

『江戸奉公人の心得帖 呉服白木屋の日常』

油井宏子

新潮新書

ISBN978-4-10-610242-4

白木屋日本橋店(だな)の史料から、奉公人の仕事や生活ぶりを紹介した本。

特にこれといった特徴はなく、残された史料から読み取れる奉公人たち(主人は京都の本店にいる)の仕事や生活ぶりを坦々と紹介したもの。

たんたんとしているので、私としては、格別に面白くもないが特に悪いこともない、といった本で、こうしたもので良ければ読んでみても、というものか。ただし、色々な江戸読み物を面白く読んできた私が格別は面白くなかったというのだから、その程度なのかもしれないが。

全体に淡々とした紹介なので、そこから何を読み取るのか、という問題。私としては、店員による盗みや横領を、表沙汰にせず内々で済ませていた、という点は面白かったが、後はそれなりという感じ。何年かに一度、本店や郷里のある上方へ帰る「登り」を契機に、昇進していった、とか、奉公年数によって衣類や持ち物に細かい規定があり、店の外の人でも区別がついた、とかいう話を読んで、なるほど面白い、と思える人向け。ふーん、という程度なら、ふーんという本になってしまうと思う。

紬とか胴乱とか恵比須講とか、江戸期の風俗に関してある程度知っている人向けという面もあるかもしれないが、上記のような人なら、そこは問題ないだろうし。

格別面白くはなかったので、積極的に薦める程ではないが、読みたいと思うのならば、別に悪くはない本だと思う。そうしたもので良ければ、読んでみても、という本だろう。

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