『マネーロンダリング 国境を越えた闇金融ヤクザ資金』

平尾武史・村井正美 著
新潮文庫
ISBN978-4-10-130191-4
闇金融で上げた違法収益が海外へ送金されていた事件に関して書かれたノンフィクション。
新聞記者が書いたノンフィクションで、ノンフィクションものとしては、特に優れた訳ではないとしもそれなりのノンフィクションではあるが、ただし、マネーロンダリングの手口そのものは、特に驚きの、というほどでもない。
事実は小説よりも奇なりとはいうが、ハウダニットのミステリーならこの手口ではちょっと厳しいだろうと思う。事実だからしょうがないとはいえ、これを読んで、殊更に面白いかというと、それほどでもないのではないだろうか。
警察がそれを解明していく方に凄いドラマがあるのでもないし、情報は殆ど警察から取ってきているみたいで、複合的な視点があるのでもないし、やや警察にべったりだし。
一応のノンフィクションではあるが、特に良い、というほどの本ではないと思う。
特別悪いということはないので、興味があるのならば読んでみても、という本だが、とりたてて薦めるほどではない。
それでも良ければ、というところだろう。