小林一茶風日記

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2010-06-30

『改訂版 ヨーロッパ史における戦争』

マイケルハワード 著/奥村房夫・奥村大作 訳

中公文庫

ISBN978-4-12-205318-2

中世後半から現代までの、ヨーロッパにおける戦争の歴史を概説した本。

別に硬いということはないが、概説は概説。いろいろと書かれているし、興味深くはあるが、読んで面白いという本ではないと思う。それでも良ければ、という本か。

全部が重要だという本は、概説だから確かにそうなのだろうけど、結局のところ、どこが重要なのか分からない、ということにしかならないものだ。

翻訳文体なので読みにくいところがあるし、著者が何を言いたいのかよく分からないところもあって(クラウゼヴィッツの話とか)、その点でも、あまり良い本だとは評価できない。日本海海戦でロシアが敗北した理由をロシア艦船の旧式化のせいにする議論は聞いたことがないが、イギリスではそうでもないのだろうか。

概説なので、勉強用と割り切れれば、というところ。

概説で、読んで面白いような本ではないが、それでも良ければ、という本だと思う。

そうしたもので良ければ、読んでみても、という本だろう。

以下メモ

・百年戦争におけるフランス軍の勝利は、フランス軍に組み込まれた砲兵の力によった。

・大砲の出現はしかし、陸戦よりも海戦を決定的に変えた。大砲を載せた商船は、漕ぎ手を大勢乗せた軍艦との戦力差はほとんどなくなった。

2010-06-18

ガロア群論 方程式はなぜ解けなかったのか』

中村亨 著

講談社ブルーバックス

ISBN978-4-06-257684-0

ガロアの群論に関する入門書。

一応、1の三乗根のうちで1でないものを示すωくらいの他は、中学校の数学レベルから書かれているので、入門書といえば入門書。多少苦労しても良いという人なら、読んでみても良い本だと思う。

ただし、絶対的な意味では、かなり分かりにくい部類に入る本か。ところどころ説明に抜けがあるような気がするし、〜が○○なのは明らか、と著者が書いているようなところは、私には全然明らかではなかったりするし、絶対的な意味で、日本語が難しい。

著者のせいばかりではないのだろうが、方程式の解の対称式の値、とかで分かるのだろうか。方程式の解a,b,…,cの全てが、方程式の解のある一つの有理式の有理式で表される、とか。

(後段は、方程式の解を使った一つの有理式(ガロアによれば一次式pa+qb+…+rcで良い)を使って、方程式の解すべてが表せる(A=pa+qb+…+rcと置いて、例えばa=A-3、b=1/A、c=…という有理式の形で示せる)ということ。この性質は方程式のガロア群がすべての方程式について存在するために必要らしい)。

全体に、説明の丁寧さが足りない印象。例えば、

b+ω・c+ω^2・a=ω^2・a+ω^4・c+ω^3・b

となっているところで、

b+ω・c+ω^2・a=ω^2・a+ω^4・c+ω^3・b(∵ω^3=1)

くらい書いておいてくれると、分かりやすさが全然違うと思うのだが。

後は、それでも良ければ、という本。

数学の本を読みなれている人には、これでも分かりやすいのかもしれない。一応、基本的なことから書かれているので、絶対に分からない、というほどではない。

それでも良ければ読んでみても、という本だろう。

以下、とりあえず勝手メモ。(勝手に私が要約したのでどこか間違っている可能性が高いし、一年後くらいには私が理解できない可能性はもっと高い)

二次元方程式の二つの解がaとbであったとき、(x-a)(x-b)=0の左辺を展開すると、x^2-(a+b)x+abとなるから、方程式の係数と解とは密接な関係がある。

・方程式の係数に表れる、a+b、abのような式は、この文字式の文字を置換しても、同じ式になる。a+bのaをb、bをaに置き換えても、b+a=a+bである。このような式を、対称式という。

・方程式(x-a)(x-b)(x-c)(x-d)……=0を考えたとき、この方程式の解をどのように置換しても、因数を掛ける順番を変えているだけなので、式として不変であり、展開して得られる係数の式は変わらない。方程式の係数となる解の式は、すべて対称式である。

・すべての対称式は、方程式の各次数の項の係数となる対称式(基本対称式)の多項式として表すことができる。このことはニュートン証明した。

・従って、方程式の解を使った対称式の値は、方程式の係数から計算できる。このことは、多項式の分数として表される有理式の対称式についてもいえる。対称式のもともとの意味は、その中の変数をどのように置換しても変化しない式のことだから、方程式の解を使った有理式Rについて、その式がすべての解の置換を作用させても変化しないならば、有理式Rの値は方程式の係数から四則演算を使って計算できることになる。

・置換を何度か作用させることを、置換の積と呼ぶ。文字a,b,cの有理式について、aをb、bをc、cをaに置き換える置換をAとし、Aを二回作用させると、aは→b→cに、bは→c→aに、cは→a→bに置き換わる。これにAをもう一度作用させると、cはaになりaはbになりbはcになるので、結局元に戻る。作用させても何も変化しない置換を恒等置換と呼び、記号?で表す。A^3=Iである。{A、A^2、I}の三つの置換は、このうちのどの二個の置換の積もこの三個の置換の中のどれかになる。このような状況を、{A、A^2、I}は積について閉じている、といい、積について閉じている置換の集まりを置換群と呼ぶ。

・方程式の解a,b,c,…の有理式について、解を置換してもその値が変化しない時、その式の値は有理数であり、式の値が有理数である時、解を置換しても値が変化しないような置換の集まりで、置換の積について閉じているもの(方程式のガロア群)が必ず存在する。

・ガロア群に置換が複数あるとき、その群は複数の正規部分群に分けることができる。正規部分群とは、一つの部分群のすべての要素に同じ置換を作用させることで、別の部分群のすべての要素が得られるものをいう。ガロア群は、最終的には恒等置換一つから成る群にまで分割される。

・方程式のガロア群が恒等置換Iのみから成る方程式はすべての解が有理数であり、すべての解が有理数である方程式のガロア群は恒等置換Iのみから成る。解の文字式に恒等置換を作用させても式の値は変わりようがないから、式の値は有理式である。

・ガロア群が正規部分群に分割される場合、元のガロア群は式の値が有理式であったが、新しいガロア群が元のガロア群の素数分の1であった場合、式の値にはその素数乗根を使った数が追加される。すなわち、新しいガロア群は、方程式の解a,b,c,…の有理式について、解を置換してもその値が変化しない時、その式の値は有理数と素数乗根を使って表せる数であり、式の値が有理数と素数乗根を使って表せる数である時、解を置換しても値が変化しないような置換の集まりで、置換の積について閉じているものである。

・ガロア群が最終的に恒等置換一つから成る群にまで分割されるとき、その分割が常に素数分の1の比率で行われたならば、その方程式の解は、有理数と素数乗根を使って表せる数であり、代数的に解けることになる。

・(X-x1)…(X-xn)を展開した一般方程式、

X^n−s1・X^(n-1)+…+(-1)^n・sn=0

について考えると、nが5以上のとき、この方程式のガロア群はすべての解の置換の組み合わせ(n!個)からなる。この群は、偶置換を作用させた置換と奇置換を作用させた置換の二つの群に分けることができ(置換はすべて、二つの文字の置換(互換)の積で表せる。互換の数が偶数のものを偶置換、奇数のものを奇置換という)、その次に恒等置換のみから成る群に分割される。一回目の分割は、半分になるから素数分の1だが、二回目の分割は、1/(n!/2)となり、n=5以上の場合は素数分の1にならない。従って、五次以上の方程式を代数的に解く解の公式は存在しない。

2010-06-08

全体主義

エンツォ・トラヴェルソ 著/柱本元彦 訳

平凡社新書

ISBN978-4-582-85522-7

全体主義という用語の歴史を粗描した本。

ひとつ概念史、といえば、そうした小史だが、特別な内容はないと思うし、分かりやすくはないし、翻訳文体で読みにくいし、で、特に薦めるような本ではない、と思った。

啓蒙主義から全体主義が出てきた、というような具体性のない記述で、ああ分かったと思える人向き。概念史とは論争の歴史だから、反啓蒙主義から全体主義が出てきた、というような話も登場するのであって、私には何が何やら。

総体的にいえば、主力となる話は、全体主義、という言葉は、それと敵対する自由主義的な西欧文明の無批判な賞賛や、ナチズムとスターリニズムとをいっしょくたにすることでナチ犯罪の隠蔽に使われてきた、というところだろうか。ただし用語の小史なので、詳細に論じられている訳でもない。

そういう内容で、簡略な小史で良くて、読みにくく分かりにくいものでも良い、という人向け。

一般向けに、特に、といえるほどの内容はないと思う。

以下メモ

・全体主義の概念は、第一次世界大戦という国家総動員の戦争から生まれた。

・全体主義的という言葉は最初ファシスト党の批判者たちが使い始めたが、ファシストは全体主義を自らの理念を説明する用語(国家と個人との合一)として用いた。ナチスでは、国家よりも民族を上位に置いたため、全体主義という概念はやや冷ややかに見られた。

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