小林一茶風日記

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2010-09-30

絵はがきにされた少年

藤原章生 著

集英社文庫

ISBN978-4-08-746607-2

南部アフリカに住む人々に取材したルポ

南アフリカに派遣されていた新聞記者がアフリカ大陸の南側に住む何人かの人の等身大の姿をそのまま伝えようとしたようなルポで、人の姿を描いた軽い読み物でさくさく読めるし、日本から遠く離れた地に住む人々の話なので興味深くはあり、興味があるならば読んでみても、という本だと思う。

ただし、やや取材対象にべったりというか、複数の視座はもてていない感じがした。

差別とか貧困とかいうものとは別の視点を提供したかった、という著者の想いはあるのだろうとしても。

日本にいる読者には反対取材なんかできるわけがないのだから、そこは、著者がもう少し複数の視点から捉えた立体的な姿を提供するべきではなかっただろうか。

その点で、私としては物足りない本。

一面を描いたルポではあるのだろうから、それで良ければ、というところか。

そうしたもので良ければ、読んでみても、という本だろう。

2010-09-22

『なぜ人は砂漠溺死するのか? 死体行動分析学

高木徹也 著

メディアファクトリー新書

ISBN978-4-8401-3495-8

人の死に様に関する読み物。

全体的に、法医学者が書いたやややわらかめのエッセイ、であり、エッセイとして悪いものではないが、それ以上のものでもない、という本か。

そうしたものなので、それで良ければ読んでみても、という本。法医学について、というよりは、様々な人の異常死の原因について書かれた本、と考えた方が良い。

エッセイとしては、一通りまとまっていて、すっきり読めると思う。あとがきライターへの謝辞が書いてある本は珍しい。

読み捨てる以上のものではないと思うが、それ以上のものがないのは、良くいえば、読み物としての限界か。読み物としては、こんなものだろう。

興味があるならば、読んでみても良い本だと思う。

以下メモ

・死亡診断書には、直接の死因と、その原因となった疾病等を順に書くようになっている。

・冠状動脈は三本あり、三本のどれに詰まるかによって心筋梗塞の予後が異なる。

首吊りでも、きっちり宙に浮いて首から脳に至る四本の動脈が瞬時に閉じれば、即死してきれいな状態の死体になる。

2010-09-16

『大砲と海戦 前装式カノン砲からOTOメララ砲まで』

大内建二

光人社NF文庫

ISBN978-4-7698-2654-5

艦船に載せる大砲の歴史と、砲を用いて闘われた海戦のいくつかが書かれた読み物。

やや読みにくい部分はあるが、読み物としては一冊の読み物、という本か。

のである、が多用される文章はやや読みにくく、トラファルガーの勝因を徹底した単縦陣戦法に求めるのは違和感があるとか、一斉射撃については、ドレッドノートのところではなく日本海海戦のところに書いてあって、ドレッドノートの革新性が分かりにくい、とか、どうかと思う部分もあるが。

読み物としてなら、こんなもの、というところ。

読み物でよければ、読んでみても、という本だろう。

メモ一点。

・旋条が施されたアームストロング砲などよりも以前の砲は、砲弾と砲筒との直径の誤差が大きく、発射するときの方角が一定ではなかった。

2010-09-10

前方後円墳世界

広瀬和雄 著

岩波新書

ISBN978-4-00-431264-2

古墳時代や前方後円墳に関していくつかのことが書かれた本。

あまりテーマ的なものはなく、雑多なコラム、といった感じの本ではあるが、そうしたもので良ければ読んでみても、という本か。

特に可もなく不可もなく、一冊の読み物、という本ではあると思う。

なにかと漢語を使いたがる文章は、やや気取っていて、読みにくいが。

詳細な考察も少ないような気がするが、考古学的に詳細な検討を加えられても無機質でうざいだけという可能性もあるので、痛し痒しか。でも、前方後円墳はある世紀に同時に、とかいっても、その古墳の年代は多分古墳の様式などから判断しているわけで、循環論法っぽい感じ。

これといったテーマはなく、初心者向けという本でもないが、古墳時代の本を何冊も読む人が一冊の読み物として読むならば、それなりという本だと思う。

そうしたものなので、雑多なコラムで良ければ、という本。

興味があるならば読んでみても、という本だろう。

以下メモ

古代中国には、人の住む大地は方形の空間、神の住まう天は円形の空間という、天円地方の概念があり、古墳に副葬もされた方格規矩四神鏡や、古墳上に作られた内方外円区画はそれを具現化したものである。古墳においてそうした中国思想の見られることは、初期の王権が各地の首長を束ね、前方後円墳を採用するときに、中国王朝権威を借りたことを物語っていると考えられる。

・船の方向が分かる古墳の装飾画を見るに、古墳における船は古墳に到着する場面を描いており、死者の魂が海に還るというような海上他界観を示したものではない。

・前期の古墳では辟邪のためと考えられる文様や鏡は棺の周囲にのみあって、霊が遺骸を抜けて飛び回る、というような発想はまだなかったのだろう。

大和柳本古墳群は、100年ほどの間に23基もの前方後円墳が作られていることから、一つの首長系譜の墓ではなく、またその周囲に多くの首長が居を構えたような形跡もないことから、奈良盆地各地の首長たちが共同で造営した墓地だと考えられる。

・最大規模を誇る大王クラスのものと考えられる古墳が、大和・柳本古墳群から、大阪湾岸に近い古市古墳群や百舌鳥古墳群に移ったことから、河内王朝への政権交代を考える論があるが、両者の古墳の間に特別顕著な違いは見受けられない。同時期に、奈良盆地北方の佐紀古墳群や奈良盆地西方の馬見古墳群でも巨大前方後円墳が作られていたことを考えれば、奈良盆地を囲んで瀬戸内方面から来る相手に対し、政権の威容を見せつけようとしていたと考える方が妥当である。

・前方後円墳は7世紀初頭からまったく見られなくなるが、その後も大きな円墳や方墳が各地に作られ続けていることからみて、中央政権に対する各地の首長層の力が一気に弱まったわけではない。隋・唐による中国統一と朝鮮への進出という、緊迫する東アジア情勢を踏まえた変化だったのだろう。

2010-09-06

財務官僚出世と人事』

岸宣仁 著

文春新書

ISBN978-4-16-660765-5

大蔵省担当新聞記者だった著者が、取材メモを基に大蔵官僚の出世レースに関するいくつかの断面を描いた本。

大体のところ断片的なエピソード集、といった感じの本で、出世レースを描いているだけに俗物的な楽しみはあるが、それ以上のものはない。

出世や人事を通じて、財務官僚の有り様が見える、というような期待はしない方が良いだろうと思う。

あくまでも、出世レースのいくつかの断面で良ければ、という本。

そうしたもので良ければ読んでみても、という本だろう。

2010-09-02

信長が見た戦国京都 城塞に囲まれた異貌の都』

河内将芳 著

洋泉社・歴史新書

ISBN978-4-86248-592-2

戦国時代の京都について書かれた本。

個人的にはやや表層的という印象を受けたが、戦国時代の京都に関する一通りのまとめ、といえば、まとめなので、そうしたもので良ければ、という本か。

表層的というか、即物的というか、史料にこう書いてある、という以上のものはあまりない気がした。史料に即しているというのは、歴史学としては、強みと評価すべきなのだろうが。

即物的といっても唯物論的ということではなく、例えば、応仁の乱以降の京都について、放火や強盗等の治安の悪化によって市街地が縮小され、要塞化された、という話になっているのだが、首都の華やかさというのは政権権威や機能と結びついているわけで、室町幕府の衰退や朝廷の困窮化が、より大きく京都市街地縮小の原因なのではなかろうか、と私ならば思う。

全体的に、史料には直接現れないような歴史要因や環境、人々の心理等について、深い捉え方はしていない気がした。

一通りのまとめではあるので、そうしたもので良ければ、というところか。

それで良ければ読んでみても、という本だろう。

メモ一点。

・戦国時代の京都は、旧来からの中心地であった下京と、室町殿を中心とした上京とに分かれ、応仁の乱以降はそれぞれ堀や木戸門を備えた城塞都市となった。

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