小林一茶風日記

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2011-09-28

無国籍

陳天璽

新潮文庫

ISBN978-4-10-136021-8

無国籍の人が無国籍に関して書いた半自伝的な読み物。

一冊の本として書かれているのでテーマ的な流れはあるが、大体の感じとしてはブログのより抜きみたいな読み物か。

発展前の中国へ行って貧しいながらの純朴さや美しい目の輝きに感銘を受けちゃうようなアレだが、それでも良ければ、という本。

読み物としては可もなく不可もなく。属性つきでよければ、というところではないかと思う。

ブログ的な読み物ならいくらでも転がっている現在特に秀でたもの、というわけでもないが、なんらかの属性、例えば国に属さないという属性について面白そうだと思えば、読んでみても、という本ではないだろうか。

批判をすれば、他人についてはあまり見えていないだろうという感じはある。同じ華僑でも日本にいる華僑と香港にいる華僑では違うだろうし、日本にいる華僑だってそれぞれ事情も異なるだろうに、全部いっしょくたにしてしまって、自分の事情の延長線上でしか捉えていない印象は受ける。ただ、半自伝的な読み物だから、そこまでの欠点とはならないだろう。

ブログ的読み物でよければ、という読み物。

それでよければ読んでみても、という本だろう。

メモ

中国は夫婦別姓と聞いたが、著者の両親(共に大陸出身)は父も母も陳さんらしい。

2011-09-21

『図解でわかる! ディズニー 感動のサービス

小松田勝 著

中経文庫

ISBN978-4-8061-4159-4

ディズニーランドのサービスについて、それを生み出す環境教育から描いた本。

基本的には、ディズニーランドのサービスに関する礼賛本で、そうしたもので良ければ、という本か。

礼賛本が読みたいならもっとエピソード重視のものがいいだろうし、ビジネスとして研修面的なことが知りたいならデメリットとかコストとかについてもう少し批判的なものがなければとは思うが、特に悪いということはない。

淡いオレンジで強調する色使いは、ちょっとどうかと思うが、出版社テストをしてこれでオッケーを出しているのなら、悪いものではないのだろう。

ファーストフードのスマイルサービスを現代資本主義の成れの果てと批判しているような本の解毒剤としてはいいかもしれない。

あるいは逆に、本書の解毒剤として、そういう本を読むか。

言葉は悪いが要するに社畜を作り出すシステムだよね、とは思う。

全体的に、特にどうということはない礼賛本。

そうしたもので良ければ、という本だろう。

以下メモ

マニュアルは常に変更可能である。

・晴れ着を着ての来園が予想される客について、日本側のスタッフがどうすれば乗り物への搭乗を断れるか考えたのに対し、アメリカ本社スタッフはどうすれば乗り物に乗ってもらえるか考えようとした。

2011-09-14

公務員試験のカラクリ』

大原瞠 著

光文社新書

ISBN978-4-334-03635-5

公務員試験に関して書かれた読み物。

よくある業界裏話系の読み物で、そうしたもので良ければ読んでみても、という本か。

ただし、内情暴露系とかカラクリとかいうほどの内情は、ないと思った。

全体に、特にどうということはない読み物。

特別というほどでもないが、公務員試験を受けたい人とか、そういう人になら良いのではないだろうか。

興味があるならば読んでみても、という本だろう。

以下メモ

仕事の幅が広くて地味で規制で縛られていたりもする公務員の仕事は、多くの人の憧れになるには弱く、安定していて厚遇で仕事が楽で転勤が少ない、というような余得が志望動機になることもやむをえないかもしれない。

地方公務員に地元の人を採るべきか全国から能力のある人を募集すべきかは悩ましい問題だが、試験の中に地元に密着した問題を少し入れるくらいのことはあってもいいだろう。

2011-09-08

葬式仏教の誕生 中世の仏教革命

松尾剛次

平凡社新書

ISBN978-4-582-85600-2

中世において僧侶が葬送にかかわるようになったことが書かれた本。

まり深くはないが、一通りの流れはあって、割と面白かった。民俗文化史的なことに興味があれば、読んでみてもよい本だと思う。

欠点としては、護教的というのではないと思うが、やや批判が深くないというか、表面をなぞっているだけという感はある。仏教勢力が葬式に携わるようになったことを著者は高く評価しているが、逆にいえば、葬式を押しつけたともいえるわけで。

骨が霊魂依り代、みたいな考えがいきなり出てきて驚くが、これはこの著者の他の本で考証されているのだろうか。

全体的には割と面白かったし、悪くはない本だと思う。

興味があるならば読んでみても良い本だろう。

以下メモ

・韓国では儒教葬儀シャーマニズム的葬儀があるが、儒教では子孫が先祖を祭るため、子どものない未婚者や異常死した人はシャーマニズム的葬儀で送られる。

古代日本において多くの庶民は風葬だっただろう。

朝廷儀礼にかかわり、神仏習合によって神事にもかかわる官僧は、死穢を避けることが大事であり、葬儀に携わることはなかった。

・中世において観念が広まった、極楽浄土や(弥勒が上った)兜率天のような死後に赴くあの世は、この世からは隔絶した場所にあり、そこへ赴くための葬送儀礼が必要とされただろう。

末法思想の浸透した中世においては、死後に阿弥陀仏の極楽浄土に行き、五十六億七千万年後の弥勒化生時に弥勒の説法を聞いて成仏するという信仰が多かった。

・中世に盛んとなった、律宗禅宗念仏宗などの遁世僧は、死穢を避けることなく、葬儀に携わった。

・これらの僧は墓所として石塔を建てたが、石なのは五十六億七千万年後にも存在させるためである

2011-09-02

『日本近世起源 戦国乱世から徳川の平和へ』

渡辺京二

洋泉社新書y 渡辺京二傑作選1

ISBN978-4-86248-766-7

近世政権の成立が要請された国民的背景について論じられた本。

中世の自由とは、自力救済、弱肉強食の万人が万人にとって狼という自由であり、それでは戦乱の収まるべくすべはないから、平和を構築するために中央政権が必要だった、ということが書かれたもの

ただし、要するに著者がいいたいのは、前近代においては近代市場経済の逼塞感はなかった、しかし、中世は狼の自由の時代であり、それを統制した近世こそが最高だ、ということだと思われる。

いろいろ書かれているし、批判として、あるいは雑論としては面白い評論として、全体としては、やや不足も目立つ。何冊かのうちの一冊としてなら、読んでみてもという本か。

著者はこれまでの中世研究について中世にユートピアを見すぎていると批判するのだが、それはブーメランとなって、著者自身に近世にユートピアを見すぎていないかと返ってくるのではないだろうか。

全体的に、立場がうそ臭いというか、自分立ち位置を掘っている感じがする。

評論としては物足りない所以である

中世研究批判としては面白いので、批判で良ければ、というところ。

ただし、こういう評論全体のためにする批判であることは、多分認識すべきなのだろうと思う。

そうした批判で良ければ、という本だろう。

以下メモ

奴隷という言葉にはアメリカ黒人奴隷に代表される近代奴隷制度の印がきざまれているが、前近代における奴隷がそのようなものであったかどうかには注意を要する。

・二毛作が普及し、その肥料となる下草の採取地として山に入る権利が必要になったことで、権利を管理する惣村が成立した。

・惣村では投票によって刑事事件の犯人が選ばれることがあった。

・中世の裁判は当事者主義的であり、成文法や判例は当事者がそれを持ち出してきたとき以外には意味を持たなかった。

・中世の自由とは誰かに守られることであった。

・一向一揆は権門的な旧支配層の一形態であり、それ故に倒されたに過ぎない。

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