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福留真紀 著
ISBN978-4-10-610598-2
室鳩巣の手紙等を集めた『兼山秘策』を元に、鳩巣から見た幕府中枢政治のありようを探った本。
そういう本なので、当然室鳩巣の政治思想が中心に来るわけだが、個人的にはその儒教的政治姿勢に十分批判的であるとは思えず、現代の目から見るとかなりグロテスクな本であるように感じた。
ルビも少ないし、現代語訳があるから切り捨てたのだろうが候文が読めない読者には大変だろうし、かなり上級者向きの本だと思う。
それでもよければ、という本か。
あまり一般向けな本ではないだろう。
小野田博一 著
ISBN978-4-06-257890-5
多変量解析がどういう計算を行っているか、書かれた本。
実際にやっているところを見せる工場見学みたいな本で、その細かい部分については実はよく分からなかったりするが、それでよければ、という本か。
多次元尺度構成法はデータの行列を内積の行列に変換して固有ベクトルを求める、とか、データの行列から最小二乗法で仮定する方程式の係数を求めるのが回帰分析だとか、そういったことが書かれている。
もう少し基礎の部分から説明すれば対象読者層がぐっと広がるような気がするか、元々数学に興味のある人しか買わないだろうから、こんなものなのかもしれない。
多変量解析を必要とする人ならその程度は学校の授業等でやっているでしょ、という判断もありうる。
これはこれでそうしたものという本か。
どういう計算を行っているかを工場見学のように見せるだけだが、それで悪いというわけではない。
そうしたものでよければ、という本だろう。