『逆問題の考え方 結果から原因を探る数学』

上村豊 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257893-6
逆問題について書かれた数学読み物。
行列とか積分方程式とかそれらの式の変換とかがびしばし書かれた本で、個人的には、ここまで容赦がないとほとんどさっぱり分からん、という以外の感想はない。
微積分とか線形代数とかシュレディンガー方程式についてある程度知っている人向け。
それでよければ、という本だろう。

以下メモ。
連立方程式を厳密には解けないとき最小二乗解を求める。
連立一次方程式Ax=bが与えられたとき、|Ax-b|^2を最小にするのが最小二乗解。
その最小二乗解は、Aの転置行列を両辺に左から掛けた方程式によって得られる。
・わずかな観測誤差によって求める方程式の解が大きく違ってきてしまうような場合は、正則化項を加えてやって、ずれを抑える。
例えば連立一次方程式Ax=bについて、J=|Ax-b|^2+α|x|^2を最小にするような解がチホノフ正則化解。