『袁世凱 現代中国の出発』

岡本隆司
岩波新書
ISBN978-4-00-431531-5
袁世凱の伝記。
時代に乗り、時代に翻弄された袁世凱の生涯を描いたもので、新書レベルではそれなりによくできた本だと思う。興味があれば読んでみてもよい本か。
私は、袁世凱について、世界史教科書レベルの知識で、突然現れて美味しいところだけ持っていこうとして失敗した、みたいなイメージしかなかったので、面白かった。
新書なので細かくも深くもないが、悪くはない。
興味があるならば読んでみてもよい本だろう。

以下メモ。
袁世凱は、日清戦争直前の朝鮮における清側代表であった。
山東に派遣された彼が義和団を弾圧し、逃れた義和団が北上した。
李鴻章の後の地方軍閥の、同時に清における漢人官僚の第一人者となった。
辛亥革命当初のころは公職から追放されていたが暴動鎮圧のために起用され、袁世凱と革命側が対峙したが、激突すれば列強の介入を招きかねず、袁世凱を新しい政権のトップとする妥協が成立した。