『大坂堂島米市場 江戸幕府vs市場経済』

高槻泰郎
講談社現代新書
ISBN978-4-06-512498-7
江戸時代にあった堂島米市場についての概説。
一応の概説なので、概説でよければ、という本か。
サブタイトルになっている市場対統制を図る幕府、というような話は、出ては来るがあんまり期待できないと思う。
あくまで概説でよければ、というところ。
それでよければ読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
・帳合米商いでは、一年を三期に分け、必ずしも現物ではない立物米という指数米を基本的に期の終了までに同量の売りと買いを行う取引が行われた。
・大坂市場で売られる米の品質を高めるために有力諸藩は奮闘したが、明治になると品質が悪化したことから、高い品質についたプレミアムを農民層は享受していなかったのではないかと思われる。