小林一茶風日記

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2008-01-15

記号消費が高度に進んだ社会

では、人々の経済格差は広がるのではないだろうか。

記号消費に必要な金額は、記号を伴わない必要不可欠な消費だけをするのにかかる金額よりも高いが(そうでなければ誰も記号の付いた商品を提供しない)、より多くのお金を得るのには普通何らかのコストが――長く働くとか技能を身に付けるとか――かかるので、そのコストを支払わずに、記号を伴わない必要不可欠な消費だけをする人が出てくるからである。

(ところで、このような高度記号消費社会において、人々を記号消費に向かわせる原動力は何だろう。人々は、自分が求めるものについて記号消費を行い、自分が求めないものについては記号を伴わない廉価な消費を行う、ある意味賢い消費者になるのか、人々を記号消費に駆り立てる原動力が一律に働くのだとすると、人々は、可能な限りあらゆるものについて記号消費を行うのだろうか。後者の場合、その社会の経済格差は、あらゆるものに記号消費を行える人と記号消費からベタ降りしてしまった人との両極端に分かれ、大きなものになる可能性もあるだろう)

このような高度記号消費社会において、記号消費を行う商品と記号を伴わない商品とがある商品群は良いとして、記号を付けることが難しい商品、本質的に記号を伴わない消費となる商品は、記号消費を行う豊かな消費者と記号消費を行わない消費者が共に消費するために、その価格が、記号消費を行う豊かな消費者が支払える金額になって、記号消費を行わない消費者が支払うには高額なものになるのではないだろうか。

高度記号消費社会においても本質的に記号を伴わない消費となる商品としては、保険や(保険は、一人一人の小さなリスクを多数が集まることによってカバーするものであり、記号を付けるのは難しいような気がする。もっとも、今の保険は安心という記号を売っているのかもしれないが)、投資信託等のファンド(カリスマディーラー運用するとかの記号を付けても、運用実績がはっきりと出てしまうのでは、価格差は付け難いだろう)、そしてもう一つ、高度記号消費社会において記号を付けることが難しい商品として、医療サービスが考えられる。

美容整形、アンチエイジング介護医療、ある種の予防医療は記号消費に進むのだろうが、病気やケガを治すという意味での基本的な医療サービスに記号を付けるのは、難しいのではないか。治療や薬は、病気に対して効くことが、何よりも第一であろうし、医療に対する国家的統制が今度も維持されるであろうし、出産高齢者介護を例外として、医療サービスは、消費者にとっては消費しない方が望ましいからである。

より効きそうな記号には国家によってブロックがかかるだろうし、望まない商品に更に記号を付けて消費させることは、困難なのではないだろうか。

つまり、高度記号消費社会においては、経済格差が広がって、低所得者層にとっては、必要な医療サービスはかなり懐をいためるものになるのではないか。

現在の状況が、それを反映したものであるかどうかは分からないが。

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