『幽☆遊☆白書』〜仙水と樹の亜空間〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

亜空間にようこそ!

2017年02月12日 (Sun)

王権の正当性 23:19 王権の正当性を含むブックマーク

 田中芳樹先生の小説では、「王権の正当性」がしばしばテーマのひとつになっています。

 作品では血統による世襲が批判的に描かれ、王の血筋でない人物が勇気と実力、人望、時にはなりゆきで王となってゆきます。

 バビロニアの新年祭の頃の古代でも「血統」にあまりとらわれていなかった可能性があります。

 去年の古代ギリシャ展(現在、神戸で開催中!)の、芳賀京子先生の記念講演をうかがって、ますますそう思うようになりました。

 海から引き上げられたため、非常に状態の良い青銅の像…マケドニア王国の君主と伝えられるものが展示されているのですが、講演で「本当のマケドニア王国の王かは怪しい。マケドニア王国の王は全員彫像が残っているが、誰にも顔が似ていないから」ということを芳賀先生がおっしゃっていたのです。

 でも、他のマケドニア王国の王たちが似ているかというと…そうでもないのですね。

 オリバー・ストーン監督の映画『アレキサンダー』では、伝説で言われているようにアレクサンドロス大王父親フィリッポス2世ではないと設定されており、アレクサンドロスは自分を母親の不倫で生まれた子、父が誰か分からない呪われた子だと密かに苦悩しているという設定になっています。

 「父と子」は、容姿も性格もまったく異なっており、二人に血の繋がりがないことは公然の秘密となっていました。

 そして、先王フィリッポス2世を深く尊敬していた武将クレイトス―彼はまるで本当の息子のようにフィリッポス2世に愛されており、アレクサンドロスは潜在的に彼に嫉妬し、疎ましく思っていました―はアレクサンドロスの「簒奪」をずっと許すことが出来ず、映画の後半である破局が起こります。

 映画では、アレクサンドロスと母オリュンピアスが行った「簒奪」と両者の愛憎に満ちた「母子密着」を、オイディプス王の罪「父を殺し母と交わる」に重ねて非常に悲劇的に演出しています。

アレキサンダー(Blu-ray Disc)

アレキサンダー(Blu-ray Disc)

 映画として、とてもよく出来ているわけですが、実際はどうだったのでしょうか?

 実は「簒奪」は日常茶飯事で、その王が正当性を主張するための手段のひとつとして、前の王の妃の夫になったり、養子の場合でも愛人の役割も兼ねたりしていたのかもしれません。

 老ダビデ王は、簒奪を企むアブサロムに妃たちを奪われていましたが、アブサロムは好色であるがゆえにそうしたのではなく、彼と彼が生きた時代にとってそれなりに正当な理由があったのかも……。

 そういえば、『ヒストリエ』でも「父殺し」が出てきましたね…となると、次はまさか!?

 アレクサンドロスが早く東に行ってお母様と離れると良いのですが、あの作品は映画『アレキサンダー』以上にショッキングな場面を用意してきそうです(涙)。しかも映画のアレクサンドロスにはヘファイスティオンという良き友がいましたが漫画では……!

2017年02月11日 (Sat)

建国記念日 22:57 建国記念日を含むブックマーク

f:id:sargasso_space:20170219225416j:image

 本日は建国記念日ですね。とても良いお天気で、清々しい一日でした。単純な私は「天がこの国を祝福してくれているよう」と思ったのでした(笑)。

 王権と新年祭の話に関連するのですが…バビロニアの新年祭は、人間の世界と神々の世界を結びつけるものでした。王は二つの世界の媒介者のような役割を果たしていました。

 そして、これらの儀式によって、王は自分が支配者であるということを様々な正当化づけていたのですよね。

 自分が王であるのは、神や英雄の子孫であるとか、彼らに選ばれた存在であるとか、そういうものと同じです。

 何しろ、当時は選挙もなければ国勢調査もなかったですから、王権の正当性をどうやって証明するのかはとても重要な問題だったはずです。

 当時の王は、ひょっとしたら正当性を証明するために必至だったのかもしれません。

 少なくとも年明けから連日の祭祀があり、涙が出るまで髭を抜かれ(引っ張られ)ていたのですから(笑)。

2017年02月10日 (Fri)

[]最近の藤崎先生『銀英伝』! 22:20 最近の藤崎先生『銀英伝』!を含むブックマーク

 『週刊ヤングジャンプ』の中のある作品がアニメ化する…という告知があり、まさか藤崎竜先生の『銀河英雄伝説』では!?と興奮しましたが、違ってました(笑)。

 作品の方はいたって順調に進み、いよいよアスターテ星域会戦までやってきました。今週は巻頭カラーです!

ヤングジャンプ 2017年 2/23 号 [雑誌]

ヤングジャンプ 2017年 2/23 号 [雑誌]

 そして、待望の単行本も発売です。

 新しく生まれ変わった双璧が表紙です。美しい…!

2017年02月09日 (Thu)

[]東京・春・音楽祭2018 東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9《ローエングリン》上演決定! 22:09 東京・春・音楽祭2018 東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9《ローエングリン》上演決定!を含むブックマーク

東京・春・音楽祭では、2010年より「東京春祭ワーグナー・シリーズ」と題して、ワーグナーのオペラNHK交響楽団の演奏のもと演奏会形式で上演しております。2014年より毎年1作品ずつ上演してまいりましたワーグナー畢生の大作『ニーベルングの指環』(《ラインの黄金》《ワルキューレ》《ジークフリート》《神々の黄昏》)が今春いよいよ完結。2018年は、東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9として、2011年に東日本大震災で中止せざるを得なかった《ローエングリン》の上演が決定しました。

タクトを振るライプツィヒ歌劇場 音楽監督兼総監督のウルフ・シルマー、NHK交響楽団ならびに現代最高のローエングリンと名高いクラウス・フロリアン・フォークト他、豪華なワーグナー歌手陣が集結します。7年越しとなる待望の舞台に、どうぞご期待ください!

***

東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9

《ローエングリン》(演奏会形式/字幕・映像付)

■日時

2018年4月5日 [木] 時間未定

2018年4月8日 [日] 時間未定

■会場

東京文化会館 大ホール

■出演

指揮:ウルフ・シルマー

ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト

テルラムント:エギルス・シリンス

オルトルート:ペトラ・ラング

ハインリヒ王:アイン・アンガー

王の伝令:甲斐栄次郎  /他

管弦楽:NHK交響楽団

合唱:東京オペラシンガーズ

※ 表記の出演者は2017年2月9日現在の予定です。今後やむを得ない事情により変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

※料金、発売日等詳細は、2017年秋発表予定です。

 こ、これは!両日ともに参上しなければ!

f:id:sargasso_space:20170219221006j:image

2017年02月08日 (Wed)

第1回西アジア考古学トップランナーズセミナー 01:05 第1回西アジア考古学トップランナーズセミナーを含むブックマーク

f:id:sargasso_space:20170212213824j:image

 日本西アジア考古学会によるイベントで、西アジア考古学の魅力を研究者や社会人だけでなく高校生、大学生などの若い学生にも伝えるために、第一線で活躍する研究者と若い学生との交流の場とするものです。

 今回は、エジプト考古学エジプトも「西アジア」に入るのです!)の分野からエジプト王朝時代の調査研究を行っている河合望先生と、石器研究の分野から人類の起源と拡散をテーマに活躍されている門脇誠二先生のお二方にご自身の研究、ご自身の研究の歩みに関してお話しいただきました。

 学生向けのセミナーなのに図々しくも参加してきました(笑)。

 学会が過去に出した出版物の通販受付もあったのですが、ビックリするくらい早く送られてきました!有難いことです。

2017年02月07日 (Tue)

武庫川女子大学 講演会シリーズ 第5回:シルクロードキリスト教文化 00:57 武庫川女子大学 講演会シリーズ 第5回:シルクロードのキリスト教文化を含むブックマーク

f:id:sargasso_space:20170212213844j:image

日時 2017年2月4日(土)13:00〜17:00

講演

「生き延びた祈り、或いは石の箱船 −東アナトリアのキリスト教建築−」

篠野 志郎 氏(東京工業大学 名誉教授)

「聖地イスラエルビザンツ教会 −最近の考古学的調査をもとに−」

杉本 智俊 氏(慶応義塾大学 文学部 教授)

演奏

「アラブの古典音楽」

常味裕司 氏(ウード奏者)

会場

日本工業倶楽部会館2階 大会堂

2017年02月06日 (Mon)

[]【2/5】ki様コメント有難うございます! 00:49 【2/5】ki様コメント有難うございます!を含むブックマーク

 ki様コメント有難うございます!

(ki様コメント)

確かに言われてみると『月日』と日(太陽)の前に月が来ているのもその名残かもしれません。

一日で一巡する太陽と約30日かけて一巡する月では月を上位に認識するのは自然な流れに見えます。

その後、太陽が一年・約12ヶ月を経て日照時間の長短が一巡することが発見され、太陽が上位へ逆転した流れだったら面白い(!?)

こよみのページ(http://koyomi8.com/)で紹介されていた研究では、

太陽と切り離した人間の一日の周期は月の周期と一致するというのもありました。他にもいろいろ面白い研究が紹介されています。

 サイトのご紹介有難うございます!

 海や海の生物は、月の影響が大きいようですよね。陸の生物でも、人間の女性の妊娠期間は昔から「十月十日」と言われていましたが、一月を28日と考えていて、月のサイクルに基づいています。

すみません。桜は大好きですが、年度初めの4月に合わせるため、インフルエンザ流行・雪で交通手段がストップしてしまうことが多い2、3月に入試があることに不条理を感じていました。

欧米のように9月始まりなら入試は6、7月で随分楽になると。ああ、風情がないorz

 春は花粉症の方もいらっしゃいますしね…。

 日本は四季の変化が比較的はっきりとした国ですが、もともとは暦をどう考えていたのでしょうね!?

なるほど!!

つまり、太陽暦冬至を世界の始まりに見立て、世界が完成する7日目を元日(人間の時代の始まり)に設定していたんですね。凄い。

 7という数字にも意味がありそうですよね。新月・満ちてゆく月・満月・欠けてゆく月と、月の姿は4つに分類できるでしょう。

 それぞれが7日とすると28日で月の公転周期になります。

もしかすると、これをHUNTER×HUNTERのメルエムとピトー、プフ、ユピーに重ねていたのかな、と感じました。

(メルエムはキリストのなぞらえがあったのに、十二使徒がいなかったので疑問だったんです)

 護衛軍の三人は、それぞれ違う能力(贈り物)を持って、王の誕生に立ち会っているので三博士のイメージがありました。

 十二使徒の見立ては幻影旅団の方でやってしまったのでもう一度はやりにくかったのかなとも(笑)。

それはおそらく紙が貴重な時代で、教会が一般庶民にカレンダー(紙)を配布できなかったことが原因かも(笑い…ごとじゃない)。

 紙のカレンダーの配布は難しかったでしょうね(笑)。かわりに鐘を鳴らしたり、定期的なミサを行ったり、毎日を聖人の誰かの日にしたりと工夫していたのでしょうか。

 キリスト教との関連で言うと、古代のヘブライ人はカルディア人から暦を取り入れたようです。というのも、聖書でノアの洪水の後、新しい人類を指導した預言者アブラハムの出身地がカルデアなのですね。「カルデア」とは「月を崇拝・愛する者」という意味ですので、暦は当然、月に基づいたものだったでしょう。

 暦が改革される徴候は古代ギリシャあたりだったのではないかと思います。

 アリストファネス戯曲『雲』で、女神が自ら定めた月日の数え方を守られなくなってきたことを嘆く場面があります。

 古代ギリシャは都市国家間の争いが絶えず、アレクサンドロス大王ギリシャを統一し、その文化を東方世界に伝えなかったら、その文明は今日には伝わらなかったもしれないと、ニーチェを教えた歴史学者のブルクハルトは言っていました。

 争いの原因は、月と太陽の信仰や暦に関わる思想・宗教的なものもあったかもしれません。

 『聖書』の預言者イザヤも、月の護符をつけているシオンの娘たちを非難していましたし。

庶民にしてみると、教会まで行って暦を確認するより、月を見れば今日が何日か分かるし、期限も『次の満月までに』等で処理していたため、必然的に太陰暦になっていたのではないかと(汗)

 太陽よりも満ち欠けする月の方が日にちの経過が感覚的にわかりやすいですよね。

 一年の間、地球が太陽のまわり1回まわる間に月は地球のまわりを13回まわっています。

 月の公転周期にあわせると一ヶ月が28日、一年が13月でプラス1日というふうになるわけですが、この「13」という数字がキリスト教的にはNGだというのも月の暦が廃れていった原因かもしれません。

この度はたくさん資料をご紹介してくださってありがとうございましたm(_ _)m

早稲田講演会も行ってみたいです。

実は、以前紹介されていたキリスト教事典が(旧版ですが)図書館にありまして、今、少しずつ読んでいる所です。面白いんですが、開いたページの項目に目移りしてしまって、なかなか進みません(汗)

既にご存知かもしれませんが、最近のお気に入りの本を紹介させていただきます。

スペイン修道院の食卓 −歴史とレシピ−』スサエタ社編  五十嵐 加奈子訳  丸山 永恵訳

題名の通り修道院の料理本ですが、本によればスペインの修道院は新大陸からもたらされた様々な野菜果物を調理研究する最前線だったとか。

量が修道院の人間全員を賄う分量なものが多いので、実際に作るのは難しいかもしれませんが、スペイン各地の修道院の歴史や写真等読み応えがあってお勧めです。

 『キリスト教事典』は、項目数自体はもちろん、紹介されているジャンルも膨大ですよね。

 新版は、一人の訳者が何年もかけて翻訳なさったそうですからビックリです。

 書籍のご紹介、有難うございます!

 料理本は大好きです!

 コレクションに加えなくては(笑)。