『幽☆遊☆白書』〜仙水と樹の亜空間〜 このページをアンテナに追加 RSSフィード

ヨハン・ボータ氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

2016年09月22日 (Thu)

[]METライブビューイング『タンホイザー00:00 METライブビューイング『タンホイザー』を含むブックマーク

 METライブビューイング、アンコール上映の『タンホイザー』は、2015年10月31日に上演とつい最近なのですが、演出はなんと30年以上前にオットー・シェンク氏が手がけた歴史ある作品です。そして、指揮者は同じくジェームズ・レヴァイン

 LD(レーザーディスク)もDVDもあり、さらにディアゴスティーニ社の普及版DVDムックの『タンホイザー』がその舞台ということもあり、とてもよく知られているバージョンだと言えましょう。

 大きな特徴は二つあります。

 ひとつは、第一幕の前奏曲の後、本格的なバレエ・シーンが入る、いわゆる「パリ版」であること。

 そして、もうひとつは驚くほどワーグナーのト書きにとても忠実な、正統派の演出であることです。

 この作品を初めて見る人から、沢山見た!という人まで満足がゆくことでしょう。

 私も何度も見ているので、とてもリラックスして鑑賞できました。

 何しろ最近のオペラの演出は油断しているとぎょっとさせられることも珍しく、つい「次の場面で何かよくわからないことが起こるかも?」と身構えてしまいますので(笑)。

 歌手は、タンホイザー役のヨハン・ボータ氏を筆頭にベテラン揃い。

 オーケストラもですが、歌人騎士の歌の伴奏を務めるハープが素晴らしかったです。

 演奏はMETの主席ハープ奏者、E・セイソン氏なのですが、歌手の個性や喜怒哀楽を見事にハープで表現していました。

 彼はもう一人のタンホイザーであり、ヴォルフラム、ヴァルター、ビーテロルフでした。

 舞台のセット、特に第二幕のヴァルトブルクの城の「歌の殿堂」は豪華絢爛そのもので、衣装も30年以上前のものをリフォームしたそうで絶妙な風合いになってました。

 でも、やはりすべての中で一番印象的なのはタンホイザー役のボータ氏です。

 柔らかい歌声で繊細にタンホイザーを歌っておられました。

 この舞台は、ボータ氏の最晩年の舞台としてオペラファンの心にずっと残り続けることでしょう。

 劇場には、ボータ氏の訃報を悼む掲示がありました。

 上映の合間に特別映像があり、キャストインタビューでボータ氏も登場なさってました。

 いつもどおり、穏やかに明るくインタビューに答えていらっしゃったのですが、「本番の日は朝から何も食べない」とおっしゃってました。

 オペラ、特にワーグナーのオペラの主役をやるということは、想像を絶する身を削った努力があるのだろうと思いました。

 同じワーグナー・テノールのクラウス・フロリアン・フォークト氏も、よく小型機で移動したり、ホテルではなくキャンピングカーで宿泊するなどしているのですが、その理由をインタビューで尋ねられて「一人になりたいから」と答えていらっしゃいました。そのことを思い出しました…。

 最初の方から涙が滲んできていたのですが、第二幕終盤〜第三幕は滝のような涙でした。

 『タンホイザー』は、最後に合唱が「彼(タンホイザー)は至福と平和の眠りについた」と歌うのですが涙で目の前が見えませんでした。

 また、メトロポリタン歌劇場ウェブサイトオンデマンドで見直そうと思います。

↓『タンホイザー』ほか、配信中!

https://www.metopera.org/Season/On-Demand/

 ヨハン・ボータさん、素晴らしい舞台の数々を有難うございました。

2016年09月21日 (Wed)

[]タンホイザー、ハインリッヒ、ダナン神 00:00 タンホイザー、ハインリッヒ、ダナン神を含むブックマーク

 17日は、メトロポリタン歌劇場のライブビューイング『タンホイザー』にも行きました。

 『タンホイザー』は正式なタイトルを『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』というように、「タンホイザー伝説」と「ヴァルトブルクの歌合戦」という二つの伝説を原案としています。

 「タンホイザー伝説」にはモデルとなった人物がいます。13世紀のオーストリアで、宮廷に仕えていたミンネゼンガー(恋愛詩人)で「タンホイザー」と呼ばれた人物です。

 ところが、ワーグナーオペラの主人公である歌人騎士はタンホイザーという名前ではありませんし、そう呼ばれてもいません。

 彼の名前は「ハインリッヒ」で、作中ではそう呼ばれています。

 「タンホイザー」は苗字でもなくて、彼のフルネームは「ハインリッヒ・フォン・オフターディンゲン」らしいです。

 ところが、タイトルだけでなく、ワーグナーのシナリオでの役名表示でも彼は一貫として「タンホイザー」です。

 「ハインリッヒ」と「タンホイザー」はどういう関係なのでしょうか。

 長年、これがちょっとした疑問でした。

 「ハインリッヒ」が両親がつけたいわゆる本名で、「タンホイザー」の方は何かの称号かあだ名なのではないかとまず考えました。

 『ニーベルングの指環』で、登場人物がジークムントとジークリンデのことをその名前のほか、「ヴェルズング」(ヴェルゼ=大神ヴォータンの子)と呼んでいます。

ヴェルゼがあなたの父親で、あなたがヴェルズング族ならば(ジークリンデ)

栄えよ!ヴェルズング族の血よ! (ジークムント)

ヴェルズングから手を引きなさい! (フリッカ)

ヴェルズングは自らの道を歩めばよい。(ヴォータン)

ヴェルズングであるあなたは、そこでお父上にも会えましょう。(ブリュンヒルデ

(オペラ対訳プロジェクト『ワルキューレ』)

 「ハインリッヒ」と「タンホイザー」も「ジークムント」と「ヴェルズング」これと似たような関係ではないかと。

 ですが、またひとつの疑問が生まれました。

 「ヴェルズング」は意味するところがはっきりしていますが、「タンホイザー」はどういう意味なのかは語られていません。

 「タンホイザー」という名前は「樅(モミ)の家の人」だという説をワーグナー協会の例会の講演で聞いたことがあります。

 「TANNHÄUSER」を「TANNEN」(樅の)と「HÄUSER」(家の人、英語でいうman of house)とする解釈ですね。

 樅の家の人…確かにそうも解釈できるのでしょうが、『ワルキューレ』の「ヴェルズング」のように物語の内容や登場人物の設定に沿った意味があるとは思えません。作中に「樅の木」はまったく出てきませんし…。

 タンホイザー伝説にあやかったというのはわかるのですが、それだったらハインリッヒという名前は出さず、そのままタンホイザーという名前にしてしまうという方法もあったはずです。

 なぜあえて「ハインリッヒ」という名前を出して区別するのでしょうか。

 やっぱり「タンホイザー」という名前自体に何か特別な意味があるのではないかと考え始めました。

 「ホイザー」が「家の人」という意味なのはたぶん間違いないでしょうね。すると謎は「タン」の方です。

 オーストリアではタンホイザーは「ダンフーザー」と呼ばれていました。

 古いドイツ語では、しばしば「T」が「D」の代わりになっていたからでしょう。

 この互換関係はドイツ語と英語の違いにも表れ、今でも英語で「Day」を意味する単語がドイツ語で「Tag」だったり、「think/denken(考える)」「thank/danken(感謝する)」などの例があります。

 タンホイザーの「タン」は、「ダン」でもある…?

 「タン」が「ダン」ではないかと思い至ったとき、すぐに連想したのが「ダナン」です。

 スクウェアの往年の傑作RPGルドラの秘宝』の「ダナン神族」のモデルになったダナン神族(ダーナ神族)。

 ケルト神話において、アイルランドにやってきた「女神ダナン(ダナ、ダーナ、ダヌ)」を母とする一族です。その意味どおり「トゥアーサ・デ・ダナン(女神ダナンの人々)」と呼ばれることもあります。

 彼らはもともとは昼と光、知恵と音楽を司る善神の一族でしたが、戦いに敗れて海の彼方と地下へ逃れ、美しい妖精になって密かに国を作ったという伝説があります。

 迫害を受けた者達による秘められた魔法の楽園、そして音楽…それは『タンホイザー』のヴェーヌスブルクそのものです。

 ダナン信仰は、「ドナウ川」「ドニエプル川」「ドン川(イタリア、ロシア、カナダ)」の名前に残っています。川はやはり「母」「女神」の恵みのイメージなのでしょう。

 その信仰はもっと広い地域にわたりそうです。

 旧約聖書イスラエルの十二氏族の「ダン」や、預言者の「ダニエル」(ダン・エル、エルは神々の添え名)、ギリシャ神話の英雄ペルセウスの母「ダナエ」、ローマ神話でのアルテミスの名前とされる「ディアナ」(ダナン・アナ、アナはダナンの別名)、ひいてはラテン語の君主への尊称「ドミヌス」や、スペイン語の尊称「ドン」と、「ダナン」に由来しそうな言葉が沢山あるからです。

 イスラエルの「ダン」部族は、必ずしもキリスト教徒ではなく、古来からの信仰=異端的な信仰を持っていると思われていたようで、ダン部族の中から反キリストが現れるという偽典があったり、黙示録では救済の対象から外れています。

 「タンホイザー」とは、「女神ダナン(ダン)の家の人」であり、ヴェーヌスブルクの住民という意味で、ひいては地上の権力(と、ローマ教会とその愛の概念)の対抗者というニュアンスが込められているのではないでしょうか。そう解釈すると作品とマッチします。

 原案のタンホイザーほどではありませんが、ワーグナーのオペラのタンホイザーも、「ローマ語り」でローマ教会への不信と反発、絶望を歌っていました。

 「タンホイザー」は伝説やオペラを飛び越えて登場していますね。

 映画『ブレードランナー』でのレプリカントの最期の言葉に出てくる「タンホイザー・ゲート」。これは「ヴェーヌスブルク、女神や妖精の住まうこの世ではないところへの入り口」ということかもしれません。

おれは お前ら人間には信じられぬものを見てきた

オリオン座の近くで燃えた宇宙船や

タンホイザー・ゲートのオーロラ

そういう思い出もやがて消える

時が来れば 涙のように 雨のように

その時が来た……

 『テニスの王子様』の「タンホイザー・サーブ」も、同様に「この世ならぬほどの美技、発せられた者をあの世に送る(=敗北させる)技」という意味かもしれません。

2016年09月20日 (Tue)

[]蛍様コメント有難うございます! 00:00 蛍様コメント有難うございます!を含むブックマーク

 蛍さん、いつも有難うございます。

(蛍様コメント)

男性のファッションとは評価が異なるでしょうが、「幽遊白書」とだいたい同じ時代のアニメは、女の子キャラのピアス率が高かった気がします(セラムンキャラもほぼ全員の女の子が、直子姫デザインの激カワピアスつけてますね!)。

因みに私はピアスは右に一個・左に三個(笑)。

仙水さんの形状の「丸い」ピアス拡大して見たのですが、石はオニキスかジェット、あるいは色の濃いガーネットアメジストでしょうか??樹さんもお揃いでつけたらいいのに(´・ω・`)(でも樹さんは髪の毛がひっかかりそう・・・泣)。

 コメント有難うございます!そして、お誕生日おめでとうございます!!

 9月26日の「誕生花」は秋らしく気品がありますね。

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 リアルタイムで『幽☆遊☆白書』が連載・アニメ放映されていた頃…ピアスは特別な、大人のおしゃれでした。私が通っていた学校は、中高一貫だったので、高校の先輩で時々している人がいました。

 でも、その頃は「親からもらった大切な体に穴を開けるなんて!」という意見が支配的で、少女達は可愛いピアスをしている女性キャラクターに憧れたのでした。

 『セーラームーン』はその中の代表格だったに違いありません。

女の子たちをさらに美しく可憐に見せるアクセサリーや小物、衣装も見どころですね。

 オニキス、ジェット…さすがお詳しいですね。仙水さんのピアスが何の石か気になります!

 そのうちプレミアムバンダイさんか、SuperGroupiesさんでコラボグッズでピアスを出してくださらぬものでしょうか!?

 お揃いのピアスをつける!蛍さん、そこに気づくとは…やはり天才ですね(笑)。

 たぶん同じものをつけても仙水さんは特に文句は言わないでしょう。

 樹さんはピアスの邪魔にならないように、髪型をチェンジしてみてはいかがでしょうか。

 好評(?)なポニーテールほか、三つ編みにする、ターバンを巻く…美しい御方なので何でも似合いそうですね。

2016年09月19日 (Mon)

[]鳴原あきら様コメント有難うございます! 00:00 鳴原あきら様コメント有難うございます!を含むブックマーク

 鳴原あきら様、いつも有難うございます。

(鳴原あきら様コメント)

私は世代的に「そのピアス、血だな」といってしまいそうです……。

 コメント有難うございます!

 仙水さんのピアスは『完全版』13巻の中表紙のカラーイラストなどでは黒く見えます。

 「血」のような赤でも似合いそうですね。

 赤い宝石といえば、ルビーですが色を評価する際にピジョン・ブラッド(鳩の血の色)とかビーフ・ブラッド(牛の血の色)といいますよね。

 鳩も牛も、宗教的に重要な動物ですが、鳩の方は古くはイルカとともにアフロディーテイシュタル、イナンナ、セミラミスに添えられ、女性の愛、主に情熱的な愛を象徴するとされているそうです(それがキリスト教では「宗教的熱情」と解釈されました)。

 そういえばこの鳩の血の色の宝石をピアスにしていた、BL漫画のヒーローがいましたね!ぴったりでした(笑)。

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2016年09月18日 (Sun)

新日本フィルハーモニー第562回定期演奏会 00:00 新日本フィルハーモニー第562回定期演奏会を含むブックマーク

2016.9.17(土) 14:00 開演/すみだトリフォニーホール

プログラム

モーツァルト交響曲第33番 変ロ長調 K.319

Mozart: Symphony No.33 in B-flat major K.319

モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595

Mozart: Piano Concerto No.27 in B-flat major K.595

ブラームスシェーンベルク編):ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 op.25(管弦楽版)

Brahms (arr. A.Schönberg for orchestra): Piano Quartet No.1 in G minor op.25

出演者

指揮

上岡敏之

Toshiyuki Kamioka, conductor

ピアノ

アンヌ・ケフェレック

Anne Queffélec, piano

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 久しぶりの新日フィル…というか、コンサートです(涙)。

 やはり生演奏は最高ですね!

 たまにはコンサートホールに行きたいものです。

 新日フィルのホームで、上岡敏之音楽監督就任記念でもあるので凄い熱気でした。支援者の他、取材に来ているマスコミらしき人の姿も見かけました。

 熱気に応えたアンコールは前半・後半一曲ずつあり、前半がハイドンピアノ曲の『メヌエット』、後半がブラームスの『ハンガリー舞曲』でした。

 繊細さと雄弁さを兼ね備え、後半にゆくほど盛り上がってゆき、今後のコンサートに大いに期待させて終わるという構成でした。

録音装置があったので、NHK FMの『ベストオブクラシック』あたりで放映されるかもしれません。

 数日に一回は「NHKクラシック」のページをチェックしますが、この公演の放映情報のチェックは念入りに行いたいです。

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2016年09月17日 (Sat)

アマテラス 00:00 アマテラスを含むブックマーク

 クシナダヒメが出てきたら、この作品の話もしなくては(笑)。

 美内すずえ先生の未完の大作、『アマテラス』!

アマテラス 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

アマテラス 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

アマテラス 2 (花とゆめCOMICSスペシャル)

アマテラス 2 (花とゆめCOMICSスペシャル)

 『アマテラス』のヒロイン、千倉沙耶は日本神話では「クシナダヒメ」と呼ばれる太古の女神クシュリナーダの生まれ変わり。

 彼女が転生したのは偶然ではありませんでした。

 太古に戦った“大魔神軍(ハタレ)”との最終決戦のためだったのです。

 成長と共に秘められた力が発現、やがて太古の時代に共に戦った仲間たちとの交流を通じて、記憶もよみがえってきます。

 敵である“大魔神軍(ハタレ)”がキリスト教を騙っている悪魔崇拝者でご神体がバフォメット(山羊)だったり、アスタロトアステルテ、イシュタル)がその幹部だったり、転生の徴が『豊饒の海』のような三ツ星の黒子だったり、つっこみどころの多い作品なのですが、面白いです(笑)。

 ヒロインの「沙耶」という名前は、「鞘」であり、ヒーローが「剣」を持っていることと対応していそうですね。

 真の名前の「クシュリナーダ」の「クシュリ」はきっと『日本書紀』でのクシナダヒメの表記「奇稲田姫」の「奇」、「薬」の語源になった「奇しい」から、「ナーダ」の方はアラビア語ポーランド語、スラブ語、ドイツ語イタリア語で「朝靄」(転じて「希望」)を意味する「Nada」から取られていそうです。

 クシュリナーダが守護したのは、さまざまな人種や民族が暮らす世界帝国だったそうなので、とてもふさわしいネーミングだと思います。

 インドで「神聖なる」を意味する「ナンダ(Nanda)」から取られているのかもしれません。かつて世界最高峰の山と考えられていたインドの「ナンダ・デヴィ」は「神聖なる女神」という意味ですね。

 

 さて、敵サイドは彼女を「スサの娘」と呼び、パートナーである「スサの王」「牛の角王」と出会って結ばれることを絶対に阻止しようとして様々な(そして、せこい・笑)陰謀をしかけてきます。

 「スサ」だけなら「スサノオ」の「スサ」なのかなと思いますが「牛の角王」は…『コーラン』にも出てくるアレクサンドロス大王の有名な別名ですね。考えてみれば「スサ(スーサ)」はペルシャ帝国の都のひとつで、ここで歴史上名高い東西の集団結婚式が行われました。

 スサノオの転生であるヒーローは、なんとなく風貌や髪型がポンペイ壁画アレクサンドロス・モザイク」のアレクサンドロスに似ていますし、彼が放浪しているのもアレクサンドロスが活躍した地域です。

 ……ヒーローはスサノオとアレクサンドロス大王の生まれ変わりでもあるのかも?スサは前世のヒーローとヒロインが結ばれた地?

 様々な人種が共存した世界帝国という設定、マケドニア王国象徴「太陽」(ヴェルギナの星、太陽)が作品で重要な役割を果たしていること、側近が「エリオス」というギリシャ太陽神の名前でギリシャ人に転生しているなど、その推測を裏付ける材料はいくつかあります。「スサの王」のアレクサンドロスが「スサノオ」のルーツなのだというのは昔からオカルトで有名ですし(笑)。

 日本神話の女神クシナダヒメと世界史上の英雄アレクサンドロスの転生のラブロマンス共闘とはアツい!

 姉のお下がりで作品を読んで続きを楽しみにしていました。

 …ですが、この作品は中断されて久しいのですね。

 代表作である『ガラスの仮面』の完結も危ぶまれている現在。第50巻は40周年の今年に出るという希望的観測がありましたが、それも怪しくなってきました。

 ですから『アマテラス』の再開・完結など夢のまた夢なのですが…年表形式でもいいので、「その後」が知りたいです!

2016年09月16日 (Fri)

櫛と貝 00:00 櫛と貝を含むブックマーク

 女性(女神)が、男性に武器やお守りを与えたり魔法をかけて無敵の英雄にするという神話のパターンがあるということを先日書きました。

 日本神話クシナダヒメスサノオもそうだと思います。

 クシナダヒメはヤマタノオロチ退治の際に櫛に変身し、スサノオの髪に挿し込まれます。スサノオはその状態でヤマタノオロチ征伐に赴くのですから、何かの拍子でこの櫛が落ちてしまう危険が大いにあるでしょう。

 ではなぜクシナダヒメが櫛になったのかについてですが、櫛が日本神話で「魔よけ」の効果があるとされているためだとするのが有力説のようです。

 ウィキペディア先生もこの説を最初に取り上げています。

対オロチ用の武器になった説

スサノオがクシナダヒメを櫛に変えた理由は、ヤマタノオロチに対抗するためにクシナダヒメ本人を身に着けることで女性の有する生命力を得ようとしたためと考えられる。戦いの場に持っていくのであれば、櫛よりも剣や矛など武器の類に変えたら一層有利であったと考えられるのに、スサノオは櫛を選択している。それは女性の有する生命力だけでなく、櫛の持つ呪力も同時に得ようとしたためである。日本では古来、櫛は呪力を持っているとされており、同じ『古事記』においてイザナギは、妻のイザナミが差し向けた追っ手から逃れるために、櫛の歯を後ろに投げ捨てたところ、櫛が筍に変わり難を逃れている。また、櫛は生命力の横溢する竹を素材として作られていたため、魔的存在に対する際に極めて有効な働きを為すものと考えられたと思われる。

クシナダヒメの変身した櫛は、櫛の本来有する呪力にクシナダヒメの持つ女性としての生命力を合わせ持ち、さらに材質まで竹に変化していたとするならば、竹の材質自体が持つ生命力も合わせ持つことになり、魔的存在たるヤマタノオロチに対し、強力な武器の一つであると考えられたに違いない。

wikipedia:クシナダヒメ

 ギリシャ語では「櫛」のことも「貝」のことも、「Kteis(クテイス)」と言います。両者が溝(筋)がびっしりと集まっているところなどが似ていますね。

 「貝」は女性の象徴でもありますから、クシナダは自らの力をスサノオに与えたようです。

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 貝をお守りにするという習慣は、古代ギリシャ・ローマ時代を経て、キリスト教にも継承されました。

 聖ヤコブ(ゼベダイの子)の象徴は「貝(ホタテ貝)」となっています。

 フランス語ではホタテ貝を「聖ヤコブの貝」(coquille Saint-Jacques、コキーユ・サンジャック)と呼んでいるそうです。

 日本でも、貝、特に宝貝はお守りとされています。

 私の母の故郷、伊勢志摩では、海女さんのお守りとして貝と、そして貝紫―あの「王の紫」の日本版ですね―で手ぬぐいにドーマンとセーマンを描いています。

 「貝」にまつわる、共通した神秘的なイメージはヘレニズム文化の影響かもしれません。