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2099-09-01

2014-02-12

ふっかつ

 読感カテゴリの記事をだいたい復活した気がする。

 けど新しいのはこっちで読めるのだから、みんなこっちへいこうぜ。読感 | 笹帽子の樹

『法の力』ジャック・デリダ 堅田研一(訳)

法の力 (叢書・ウニベルシタス)
ジャック デリダ
法政大学出版局
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 一応これを読む前にベンヤミン『暴力批判論』をちくま学芸文庫の『ドイツ悲劇の根源』下巻で読み、ベンヤミンの入門書を少々とデリダの入門書を少々読んだ上で。

 正義の脱構築不可能性、脱構築は正義である、っていう部分がやっぱり何となく丸め込まれたほうな気がしてしまう。ただそこを認めてしまえば後はかなり綺麗にできている。正義を求めて法を脱構築し続ける、という姿勢はなんだか誠実で好感が持てる。ちょっと近代っぽい歴史観に繋がりそうなところもあるけれど。また、そもそも(デリダが言うような意味よりも遙かに低レベルな意味で)二項対立というものが俺はあまり好きでないので、脱構築の思想には素朴に憧れるところがあるし、しかもそれが他者への肯定の思想だーなんて正当化されていたら飛びつきたくなる。まぁ結構世界でいろんな学生や学者がデリダに飛びついていったけれど、それも頷けるような感じがする。

 というような程度の理解。全く理解できなかったわけではないが、理解できなかった部分は多分にあった。

『考えることの科学―推論の認知心理学への招待』市川伸一

考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
市川 伸一
中央公論社
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 わりかし興味のある分野ではあるので面白い。ただ、やけに知ってる内容が多い。もちろんそれだけ基本的な内容しか書いていないということでもあるのだけれど、考えてみるに、某所で受けた認知心理学の講義の内容に酷似している。さてはあの先生、この本の構成をぱくったな。

 途中でこぼれ話的に書かれていた、市川先生の卒論の話が面白い。「人間は乱数列を作ることができるかどうか」みたいなテーマ。全く想像したことのない問題だった。他人に想像したことがない、と言わしめ、その上で好奇心を喚起するテーマを設定するというのは難しいだろうなと思う。(今回は単に俺の知識が無かったということもあるけど)

『社会心理学キーワード』 山岸俊男 編

 非常に情報量が多くためになる。キーワードと言いつつ用語が単なる分野別項目別の点の解説に終始せず、それぞれの有機的な繋がりを強調してあるし、学者名などを多く取り入れて随所にヒントをばらまくことにより、この学問の歴史的な流れも追えるようになっている。

 自分としてはかなり高評価で、(図書館で借りたんだけど)買ってもいいと思えた。

 あえてダメな点を上げるとすれば、やはり各論の詳細な内容は盛り込みきれていない。紙面上・構成上しょうがないことではあるけれど、やっぱり一つの話題をこの本だけで理解できるといえば微妙。例が上がっていてもイマイチ理解しにくかったり、内容について詳しく説明せずに理論の名前だけ触れてあるところもあって、そういうところは価値が薄い。ただ、既に他の本で詳しく知っている内容に関しては、少ない文字数の中でも本質をズバッと書いているので「そうそうあれだよねあれ、うんうん」とニマニマしながら読める。と、いうことは、俺がイマイチピンと来なかったページも、詳しく知った上で読めばもっと本質を突いた文章として頭に入ってくるのだろう。勉強不足感。

『政治のリアリティと社会心理―平成小泉政治のダイナミックス』 池田謙一



 タイトルだとはっきり言って何の本か分からないとおもうので出版社の宣伝をコピペすると、

 本シリーズの基礎をなすJES轡僖優訥敢困蓮ざ綰箸傍擇屬修譴如21世紀初頭,小泉政権期をほぼカヴァーし,1976年JABISS調査から数えても30年の歴史と継続性を有し,また国際比較の標準(NESやCSES2)調査項目とも一致するよう工夫している。  本シリーズは,これらの普遍性・歴史性を踏まえたうえで,JES靴離如璽燭鰺僂ぁぞ泉政権の固有性を明確にする。

 本書は更に視野を拡げ,投票行動の背景をなす社会関係資本,私生活志向,インターネット利用,メディアのパワーなどの政治参加・社会参加をめぐる長期的な諸条件をより理論的に展望し,日本人の価値観の変容と連続性を様々な手法を用いて検証する。日本を代表する研究者による類例のない政治学研究 第一弾。

 というもの。小泉政権の間に行われた四回の選挙について、五年間有権者を追いかけてパネル調査するという、大規模な調査の結果から分析をしてまとめたもの。アメリカの大統領選などと比べるとデータが少なかった日本において、このJES靴箸いΔ里呂錣蠅伐茣的だったらしい。科研費がいっぱいついてやっと大規模にやれるようになったとか。


 そして中身がすごい。よく一冊の本でこれだけ論じるな、という感じ。「小泉効果」をリアリティやスキーマ、マスメディアの観点から分析し、さらにソーシャルネットワーク、私生活志向を論じ、インターネットやマスコミに論は至る。もちろん議論は全て実証的であることが重視されている(まあ、JES靴侶覯未らなんだから当たり前だけど)。また、先行研究の流れを一通り紹介してくれているので結構とっつきやすい。

 どの章もそれぞれ面白かったけれど、特に印象に残ったのは、スキーマ分析のところの将来の展望。分析の結果から、「小泉首相の後継者が政党アクターを上回るインパクトを持たない場合、選挙における自民党の後退、はたまた野党の側に魅力が乏しかった場合には、深刻な政治に対する無関心や不信などを引き起こす可能性が高い」ことを予想しているんだけど、なんか、当たってるよね。小泉フィーバーの時代のデータから分析して、この本を出したのが07年1月の安倍政権の中頃。残念ながらその後、この予想はあたってしまった感がある。

 あとはマスコミの強力効果論について。この辺は関連研究も知りたい。


 とはいえ別に政治学に興味がそうあるわけではなく、実際のところ一番気にして読んだのは調査分析の手法。統計については別途知識を得る必要があるだろう。


 横書きの本は読むスピードがなんか遅い気がして、重かったけど、面白かった。

『ホワイト・コールドリーディング』『ブラック・コールドリーディング』 石井裕之


 書名があまりにも長いから略した。なんかポケモンみたいになった。

 まあぶっちゃけ立ち読みしたんですが、ばらばらばらっと立ち読みするだけで充分な内容というか、これは千円で売るよりタダでネットで公開して広告貼りつけたほうがいいんじゃないのかという気がした。書いてあることはなるほどなあと思えることだけれど、もっとコンパクトにまとめられると思うし、昔読んだ石井さんの別の本と内容かぶりまくり(かぶせまくり?)。

 っていうか今はじめてアマゾンで内容紹介を読んだんですが、なんか色々ひどすぎるだろう。売ろう売ろうとしすぎている。

『フロイト=ラカン』 新宮一成



 ラカンとフロイトの繋がり、フロイトが提唱した概念をラカンがどう再構築したかをクローズアップして書かれている。面白い書き方だなと思った。だがそのために内容がキーワード別になり、いまいち体系的ではないので僕みたいな初心者には向かないのかもしれなかった。(読んでいるときそんな感じがしたし、今アマゾンのレビュー見たらそんなこと言ってる人がいた)

 この新宮先生の『ラカンの精神分析』がわかりやすいらしいので、読んでみようかなと思う。

『知の技法』 小林康夫 他



 東大の基礎演習のテキスト。

 前半は単純に読み物として面白い(オムニバスみたいな感じ)し、後半は役に立ちそうな気がした。(ただ、後半については特に、情報が古い)

 雑多な内容を並列しながらも、まえがきやあとがきを読むとそれらをうまくまとめられているように思う。続編なのか新版なのか、新しいものも出ているようなので、そっちも読まなければならないと思う。


 個別の内容に関しては、将門の話が面白かったように記憶している。細かい話をわすれてしまったけれど。

『基礎社会学』 片桐新自 他

基礎社会学
基礎社会学
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世界思想社
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 まあ普通、という感じだった。社会学の入門の概説書で、章ごとに様々なテーマを社会学の視点から見るとどうなるのか紹介していく。正直、真剣に読めていないような気もするので、今度読み直したいと思う。

『心理学で何がわかるか』 村上宣寛

心理学で何がわかるか (ちくま新書)
村上 宣寛
筑摩書房
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 エビデンスは大切です。結局村上先生が言いたいことはこれに尽きるのではないだろうか。僕もそこは心底そう思っていたので、大いに納得して読み進めた。

 ただ、多くの内容を詰め込んだために、そのエビデンスを得るためのもっと具体的な方法を知りたいなと思ってしまったところが多々あった。これは大きな単行本で分量を増やして書いてくれても良いのではないだろうかと思う。とはいえ多くの内容を俯瞰的に紹介しているのは新書としては良いことなはずで、まあそのあたり難しいところもあるのだろう。村上先生の自分語り(これがまた面白いから困るんだけど)がけっこう挿入されているのも、新書という形態を意識したからだろうか。

 あとは、臨床心理学に対する、批判じゃないんだけれどなんだろう、若干冷たい視線が印象に残った。

『卍』 谷崎潤一郎

卍 (新潮文庫)
卍 (新潮文庫)
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谷崎 潤一郎
新潮社
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 やっぱり谷崎の音に対するこだわりは恐ろしいほどだと思う。

 全編が関西弁で回想の形式で語られる。つまり地の文が関西弁。もちろん登場人物も皆関西弁で喋るから、途中何ヶ所かだけ入る注釈以外は全て関西弁ということになる。

 内容としては同性愛を扱っている。ただ、そのテーマ設定自体はもうこの時代にはそこまで革命的ではなかっただろうし、別に描写が過激なわけでもない。でも最後の方なんか、本当に登場人物たちが皆追いつめられて狂ったようになってしまっていて、おそろしい。倒錯と狂気を描くのも谷崎は本当にうまいな、と思う。『痴人の愛』はもちろんだし、『秘密』の女装するところなんかすごく好きで……。そしてこの作品の場合、そこへ持っていくまでの語りがまた、関西弁でされているものだから、独特の情熱感を醸し出しているように思えた。


 ところで僕は関西弁をそれなりな程度話せるので、この小説の再生も容易だった(それなりの精度で谷崎の想定したアクセントやイントネーションで読めている、はず)けれど、関西弁を話せない人が読んだ場合と感じ方の差はどれほどあるんでしょうか。そこが気になります。

『ミクロ経済学入門』 清野一治  『マクロ経済学入門』 二神孝一

ミクロ経済学入門 (シリーズ・新エコノミクス)
清野 一治
日本評論社
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マクロ経済学入門 (シリーズ・新エコノミクス)
二神 孝一
日本評論社
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 どっちかというとマクロの方が興味をそそられたけど、真剣に学びたいと思わさせられるまでのものではなかった。もう少し応用的だったり教養的なテキストをあたったほうが自分には向いているように思えた。

『ロウきゅーぶ!』 蒼山サグ

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)
蒼山 サグ
アスキーメディアワークス
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 ち、違うんです待ってください。これははてダに記事を作ってなかったやつを新しい方から順に(下から順に)作っていったらこれがたまたま一番上に来たというだけでですね!

 いや、長編書いてて、ラノベっぽいものを書こうと思ったので、でもぶっちゃけ僕ラノベとかあんまり読まないわけですよ。実は。だからなんか最近のラノベを一冊くらい読もうと思って、いや、ち、違うんです! これを選んだのはたまたまで! その!


 まあ、実際読んでみたらこれは際どいところを狙った作品とかじゃなくて、普通に正統派で王道のスポコンものでしたが。ラノベ観としては、「圧縮して書いたら十分の一で書けそうな単純なストーリーを、文庫本一冊に引き伸ばして書いている」という印象を受けました。逆に言えば、「いわゆる純文学だったらこの文字の量でもっと長い時間とか多くの出来事を語るだろう」ということです。それは読みやすさのためなのかもしれないし、続編をどんどん出していくためなのかもしれません(実際これ続編が出ているらしいです。読む気はあんまりないんだけど)。

 ともかく薄めて読みやすくしている一方で、王道的な熱いシーンも盛り込んでいるので、そこが受けているのだろうかな、と思います。

『やさしい教育心理学』 鎌原雅彦 竹綱誠一郎 『教育心理学』 子安増生 他

やさしい教育心理学 (有斐閣アルマ)
鎌原 雅彦 竹綱 誠一郎
有斐閣
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教育心理学 (ベーシック現代心理学)
子安 増生 南風原 朝和 田中 俊也 伊東 裕司
有斐閣
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 正直どっちがどっちだったか憶えていないので二冊同時紹介。

「やさしい」「ベーシック」を名乗るだけあって、やさしかったし、ベーシックだった。主に教養科目向けと自ら示している通り。

 序盤の心理学の基礎的な部分は、例によってというような内容だったけれど、最後の方の実際の教育現場に通じそうな部分については、こういう事を考える学問があるのだなということを認識できてよかったと思う。例えば、「自分が小学生だった頃のあの担任の先生は、こういう事を考えていたのだろうか?」というような視点が生まれた。実際、どうだったのだろう。教師も人間なのだというのは、今になってからだからこそ理解できることで、そこから生まれてくるのは、当時持ちえなかった視点だ。

『青年の心理学』 落合良行 他

青年の心理学 (ベーシック現代心理学)
落合 良行 斎藤 誠一 伊藤 裕子
有斐閣
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 これも創作のネタになるかと思って借りました。

 まあやはりベーシック。俯瞰的に青年に関する心理学を見れるという点では入門書として悪くないとは思う。ただ、ミードの話を無批判に紹介しているのが少しいただけないなと思った。科学性についての批判的視点を獲得させる、ということはこういう本では重要ではないのだろうか?

『図解雑学 人間関係の心理学』 斉藤勇

図解雑学 人間関係の心理学 (図解雑学シリーズ)
斉藤 勇
ナツメ社
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 聞いたことあることしか書いてなかった。でも図解雑学のわかりやすさはやはり重要。

『図書館概論』 河井弘志 宮部頼子

図書館概論 (新編 図書館学教育資料集成)

教育史料出版会
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 もとは長編のネタ用に借りた。ネタとしては幾つか吸収できたところがあったので、それだけでとりあえず満足。

 また、そもそも図書館学という学問自体あまり馴染みがなかったこともあって、大いに楽しめた。と言っても統計データはあんまり真剣には読まず、歴史の中での「図書館観」みたいなものをメインに感じ取るようにして読んだ。『図書館戦争』で出てきた(んですよね?僕あれ読んでないから知らないんですけど)図書館宣言を扱っているところの前後の内容が特に面白かった。

『コミュニケーション (社会科学の理論とモデル)』 池田謙一

コミュニケーション (社会科学の理論とモデル)
池田 謙一
東京大学出版会
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 最初の一章を読んで印象だったのは、かなり論理的だ、と言う事。コミュニケーションについて語るということで、まあなんとなくななあなあの机上の空論、「かもしれない」「であろう」論に終始してしまうおそれもあるところ、きちんと科学している姿勢に、素人ながら好感が持てた。

 四章のマスコミ関連の問題については、もともと興味のある領域だったので、とても面白く読むことができた。マスコミが世論形成にどれくらい寄与するのかという、とても興味深く同時にきちんとしたデータで議論することが難しそうな論点を、慎重に扱っている。

 六章のインターネット関連については、この本が出てから10年が経過し、大分状況は様変わりしていることと思う。現在での池田先生の考え方を読みたいところ。

『社会心理学―アジアからのアプローチ』 山口勧 編

社会心理学―アジアからのアプローチ

東京大学出版会
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 編者でもある山口先生の書いている章が、研究の方法を知ることができたという点でおもしろかった。

 また、東アジアからのアプローチと言うことで、中国人や韓国人についての章が持たれていて、そこも面白い内容だった。ただ、中国の方は感覚的な記述に終わってしまっているような気がして、もちろんこういう研究でデータを使って論じるのはこんなんだろうとは思うが、でも読み物以上の価値を見出すのは難しいかなという思いがある。韓国の方は、日本韓国米国の大学生の意識調査とかが使われていたりして、一応データを示そうという意識は感じられた。とはいえやはり、文化論はそこのところが難しいところだな、と思った。

 もとが放送大学のテキストと言うこともあり、読みやすく面白い。良書。

『電子書籍の衝撃』 佐々木俊尚

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)
佐々木 俊尚
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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 なんかプッシュされていたので。

 事態を俯瞰的に解説している体裁をとってはいるが、一面的な感じもあった。出版社たたきまくりだし。それを考えると、他の関連する論説も読みたいところ。

 音楽の電子配信化の歴史について多くの分量を割いて解説したのは面白いし、方策として当たっていると思う。(まあ趣味が入っている感じもしたけれど)


 佐々木さんの語る電子書籍の明るい未来は、楽観的に過ぎるようにも思えるが、それでもこうして稚拙ながら文章をネット上に綴っている者としては、どこかときめいてしまうものがある。楽しみだ。

『哲学(図解雑学)』 貫 成人

哲学 (図解雑学)
哲学 (図解雑学)
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貫 成人
ナツメ社
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 図解雑学は当たり外れが激しいと言われるけれど、これはまあ結構当たりじゃないだろうか。誠実な執筆姿勢がうかがえた。最終章とか。

 とはいえページ数の限界的に、やはり説明が不足していると思えた。たかが図解雑学されど図解雑学といったところか。

『ゲーム理論 人間と社会の複雑な関係を解く』 佐藤嘉倫

ゲーム理論 人間と社会の複雑な関係を解く (ワードマップ)
佐藤 嘉倫
新曜社
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 最近読書メーターで一言感想書いてそれで終わりにしてしまっていることが結構あるので、今日は一応記事にしてみる。といってもそんな長文で語る内容は無い。


 ゲーム理論には前から多少興味があって、ナッシュ均衡、囚人のジレンマあたりのこと(この本の前半三分の一くらい)は知っていた。けどその先はあんまり知らなかったので、とても面白く読めた。

 特に面白いと思ったのは「信念」の概念が導入された辺りとか、あと「シグナル」とか。神秘的で不可思議なものにも見える人間の心理を、いかにモデルで近似していくか。すごく興味ある分野ですね。経済学にあんまり興味は無かったけれど、こっちのアプローチなら興味がある。まあこれは社会学や心理学にも近いし、工学の一部にも近いか。

『経済学の名著30』 松原隆一郎

経済学の名著30 (ちくま新書)
松原 隆一郎
筑摩書房
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 この松原先生の講義を受けるような気がしたので読みました。結局コマ数の関係とかで受けないことにしたけど。ただ松原先生の話は興味深かったので、まあ少し残念。


 でも、この本は正直よくわかりませんでした。

 というかこれはどういう読者を想定した本なのだろう。ちょっと経済を勉強する気のある人(まあ、それなりの経済学部の人とか)なら、これくらいのことは知っているんだろうと思います。ここに出てくる古典を読んだことが無いにしても、概要くらい知ってて当然……なんじゃないの? だとしたらこの本をわざわざ読んで得るものがどれくらいあるのか。ちょっと疑わしい。

 しかし一方で、僕みたいに経済なんて良くわからない人からすると、この本はちょっととっつきにくい。名著の内容はわかりやすく解説されているけれども、その説明に用いる用語は、経済をちょっとでもいいから勉強したことのある人でなければわからないようなのが時々出てくる。まあ僕が無知すぎる可能性も高いのだけれど。


 というわけでよくわからなかった。経済の基本的な教養としては、もっと俗っぽい軽ーい本から読んだ方がいいのかな。

『宗教聖典を乱読する』 釈徹宗

宗教聖典を乱読する
宗教聖典を乱読する
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釈 徹宗
朝日新聞出版
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 実は聖書すらちゃんと読んだことがないんです。「聖書も読まずにドストエフスキー好きですとかいってんじゃねえ!」って表参道の路上で強面の兄ちゃんに殴られたことあります。嘘です。でもやっぱその辺の知識必要ですよね。

 それで聖書とかいつか読もうと思ってるんですけど、機会がなかったりして読んでなくて、そんな時にこの本を発見したので読んでみました。聖典を乱読、というほどは乱読してないですけど、なかなか面白く読めました。もともと講義をやったものを本にまとめた体裁ということもあって読みやすいですし、内容も面白く、興味を持つきっかけとしては結構いい本なんじゃないかなと思います。まあこれだけ読んで知ったかぶりするのは相当危険だろうとも思いますが。今後色々読んでみたいですね。特に聖書と、神道系は。

『赤と黒』 スタンダール

赤と黒〈上〉 (岩波文庫)
スタンダール
岩波書店
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 フランス文学読もうと思ったがむしろ岩波にありそうなフランス文学をこれしか知らなかったのでとりあえず読みました。


 社会的側面は、世界史の知識が乏しくよくわからなかったんだけれども、そういう視点は排除しても、恋愛小説としてとても面白かった。

 ジュリアン、レナール夫人、マチルダの三者の人物像がしっかりしている。レナール夫人は母性使ってるよなと思ったけど、今調べたらやっぱり母親をモデルにしたという説があるらしい。だよね。

 こういう最後破滅(?)っぽく終わる場合、どうしても最後の終わらせ方にちょっと無理が出るわけだけど、まあこれも仕方ないかなという感覚。下巻の真ん中あたりが一番面白かったかな。でもこのパターンにしてはかなり面白く終わったとは思う。最後の方のジュリアンが自分と話してるみたいなシーンとか、好きですね。

 時間がたってからもう一回読もう。

『蜘蛛の糸・杜子春』 芥川龍之介

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)
芥川 龍之介
新潮社
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 文庫を3冊買ったら割引だったから、3冊にするために購入。限定カバーに釣られた(上の画像は限定カバーじゃない)。中身は読んだことある作品が多かったけど、初めてのもあった。年少向けの作品を集めた、と書いてある。



蜘蛛の糸

 やっぱり童話的な完成度高い。あと気になっていた元ネタの問題が、この本のあとがきに解説してあってよかった。


犬と笛

 初読。これも童話っぽいな。よくできてる。


蜜柑

 暫定芥川俺内名作ランキング頂点。ちなみに周辺に「羅生門」「魔術」「杜子春」あたりが入るのかな。あれ、割と全部軽めだな。いやうん、「偸盗」「南京の基督」とか「侏儒の言葉」「骨董羹」とかも好きですが。


魔術

 ミスラかわいいよミスラ。谷崎のアレを読んだことが無いのでよまなければと思った。あとは今更気付いたけど、最後のシーンがプーシキン「スペードの女王」に似てるな。芥川は読んでいたりしたのだろうか。


杜子春

 元ネタの話を漢文で読んだことがあるのだけれど、仙人的怪しさでいけば原典の方がクオリティは高いと思う。一方、こっちは大人も子供も楽しめる童話的な作品としてかなりレベル高くアレンジされていて、芥川の手腕が楽しめる。


アグニの神

 初読。うまいなぁ。なぜこう、ある意味紋切り型の展開(部分的には予想外の展開もあるが)でも面白く書けるのか。


トロッコ

 これはこの本の他の作品と比べると比較的あんまり好きじゃない。いやうまいけど。芥川の文体というか書き方なら、感情は行動じゃなくて言葉で書いても良いんじゃないかと思える。


仙人

 小噺だね。


猿蟹合戦

 ちょっと皮肉が過ぎるかな。


 これもやはり子供に読み聞かせたいような話。うまいこと出来てるなぁ。

『読書について』 ショーペンハウエル

読書について 他二篇 (岩波文庫)
ショウペンハウエル
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 三篇収録されている(『思索』『著作と文体』『読書について』)のですが、真ん中の『著作と文体』がとても興味深かったです。

 匿名批評についての話や、思想と文体の関係の話など。うんうんと思わずうなずいてしまうような鋭い意見もあれば、僕自身がブログで書き散らしている文章のことを考えて頭が痛い批判もあり、一方で賛同できかねる内容もあり、色々と考えさせられました。まあ、ショーペンハウエル的にはドイツ思想・文学界に向けてこれを書いているだろうと思われますし、さらには明らかにヘーゲルへの直接個人攻撃とかもあるので、現代日本の一大学生である僕に適応できるかと言えば必ずしもそうではないトピックも数多いわけですが、それでも役に立ちますね。

『文体練習』 レーモン・クノー

文体練習
文体練習
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レーモン クノー
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 もはや訳者の作品だろ、という批判(?)もあるみたいだけど、まあ確かに。訳者の作品ですね。でも面白かったからとりあえず良い本だと思う。フランス語ができたら原文で読むのが良いんだけど、出来ないし出来るようになる予定もない。

 いやぁ、すごく面白くて、笑えた。文体を考える上で参考になるのかな、と思って読んだけど、勉強するとか考えるというよりただ楽しんでしまった。それくらい良くできてる。偽古文、偽漢文、納税義務者あたりが気に入った。あと母音アだけでやる奴もすごい。だれかうまい人、純正日本語版つくってくれ。

『詩学』 アリストテレース

詩学 (岩波文庫)
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アリストテレース ホラーティウス
岩波書店
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 うーん、アリストテレスって紀元前300年代ですよね。日本がまだ弥生時代ですよね。そう考えるとないわって感じになります。

 形としては全然体系的にまとまっているとは言えないものではありますが、中身を見れば文学理論としての普遍性は十分あると思います。物語の筋の作り方の話とか、認知とか性格とか模倣(再現?)とかなんとか。個人的に「筋の外」という言葉が、その概念は理解していたけど、そこに名前を付けてもらえたことでしっくりきました。


 併録されているホラーティウスの「詩論」はよくわからなかった。引用が多いみたいだけど。というか「詩学」の方にしても、具体的に悲劇を引用して解説しているところは、悲劇とかの知識のない僕には読めませんでした。

『サブリミナル・インパクト-情動と潜在認知の現代』 下條信輔

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
下條 信輔
筑摩書房
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 まあまあ面白かった。

 書いてあることは興味深かったけど、大体の内容は既に知って

2013-09-01

2013-07-20

波があるんですよね

 波があるんですよねー。波に乗れなければ死ぬ。


 最近というか比較的長いスパンでの最近ですがマインクラフトってゲームをやっていてこれが楽しい。自分のワールドのマップを描き出してパワポ(プレゼンじゃないけどなんかこういう作業やりやすいんですよね)で色々書き込むのが楽しい。楽しみ方が違う気がするけど。

 サンドボックスゲームって最初に言われた時、世界がブロックで構成されてるからサンドボックスなのかとか思ったんですけど、冷静に考えたらそういう意味じゃないですよね。最近気づいた。


 ここ数日の思いつきで、しかもこのご時世にタイミングとしてどうなのという気はするんですが、サーバー借りてここから引っ越そうかなと思ってます。まあ思いつきなので立ち消えるかもしれません。別にはてなダイアリーに不満があるわけではなく(だが広告は死ね)、単に気まぐれです。サーバー借りてっていう表現がなんか知らないけどwebサーバーを借りる(しかも基本物理じゃない)っていう意味になるの面白いですね。別に面白くないか。


 昨日ワンナイト人狼というやつをネット上でやったんですが、なかなかおもしろい。通常の長期人狼みたいな重厚な熱さは微塵もなく、運ゲーになる場面も結構ありますが、テンションは上がる。怪盗の存在がものすごくキーになってきて、楽しい。そもそも何よりネット上にしろリアルにしろ手軽に遊べますからね。

2013-06-05

みなさん知りたいのは夢の話のようだ

 理由は明らかではあるのですが、検索ワードで明晰夢っぽい話を調べようとして来る人がやたら多いという履歴が各記事の下の方に残されているので、これから夢の話について書いていこうと思います。

 あともう運命とか呪いとかかくのやめます(努力目標)。